パソコンを新しく買い替える時や、再インストールする前、「今までのブックマークや設定が消えたらどうしよう…」と不安になりますよね。
実は、Chromeの設定やデータはエクスポート(書き出し)してバックアップできるんです!ブックマークやパスワード、拡張機能など、大切なデータをしっかり保存しておけば、新しい環境でも簡単に復元できます。
この記事では、Chromeの設定をエクスポートする方法から、インポート(読み込み)による復元までを詳しく解説していきます。万が一に備えて、今すぐバックアップを取っておきましょう!
エクスポートとは?基本を理解しよう

エクスポートの意味
エクスポートとは、データを外部ファイルとして書き出すことです。
「Export」は英語で「輸出」という意味。パソコン用語では、「データを外に出す」という意味で使われます。反対に、データを読み込むことを「インポート(Import/輸入)」と言いますね。
わかりやすい例:
写真をUSBメモリにコピーするのと似ています。Chrome内のデータを、ファイルとして保存する作業がエクスポートなんです。
エクスポートできるChromeのデータ
Chromeでは、以下のデータをエクスポートできます。
エクスポート可能:
- ブックマーク(お気に入り)
- パスワード
- 閲覧履歴(間接的)
- 拡張機能リスト(間接的)
- 検索エンジン設定(手動)
エクスポート不可:
- テーマやデザイン設定
- サイト別の詳細設定
- 開いているタブの状態(同期で対応)
- Cookieとサイトデータ
すべてをエクスポートできるわけではないので、項目ごとに対応が必要です。
エクスポートと同期の違い
エクスポート:
- データをファイルとして保存
- 自分で管理する必要がある
- オフラインで保存可能
- バックアップとして使える
同期(Sync):
- Googleアカウントでクラウドに自動保存
- 複数のデバイスで共有
- インターネット接続が必要
- 常に最新状態
どちらも便利ですが、重要なデータは両方で保護するのが安全です。同期だけでなく、定期的なエクスポートも習慣にしましょう。
ブックマークをエクスポートする方法
最もよく使われる、ブックマークのエクスポート方法です。
基本的な手順
手順:
- Chrome右上の︙(三点リーダー)をクリック
- 「ブックマーク」にカーソルを合わせる
- 「ブックマークマネージャ」を選択
または、以下のショートカットキーで直接開く:
- Windows:Ctrl + Shift + O
- Mac:⌘ + Option + B
または、アドレスバーに入力:
chrome://bookmarks/
- ブックマークマネージャが開いたら
- 右上の︙(三点リーダー)をクリック
- 「ブックマークをエクスポート」を選択
- 保存場所を選択(デスクトップやドキュメントフォルダ)
- ファイル名を確認(デフォルト:bookmarks_日付.html)
- 「保存」をクリック
これで、ブックマークがHTMLファイルとして保存されます!
エクスポートされるファイルの中身
保存されたHTMLファイルには、以下の情報が含まれています:
- ブックマークのタイトル
- URL(アドレス)
- フォルダ構造
- ブックマークの順序
注意点:
- サイトのアイコン(ファビコン)は含まれない
- ブックマークに付けたメモやタグは含まれない
- 追加日時は保存される
基本的な情報はすべて保存されるので、復元後も快適に使えますよ。
ブックマークを保存する場所
推奨保存先:
外付けストレージ:
- USBメモリ
- 外付けHDD/SSD
- パソコンが壊れても安心
クラウドストレージ:
- Google Drive
- Dropbox
- OneDrive
- どこからでもアクセス可能
複数の場所に保存:
理想は、ローカルとクラウドの両方に保存することです。二重のバックアップで安心度が増しますね。
パスワードをエクスポートする方法
保存されているパスワードも、エクスポートできます。
パスワードエクスポートの手順
手順:
- Chrome右上の︙→「設定」
- 「自動入力とパスワード」をクリック
- 「Googleパスワードマネージャ」を選択
または、直接アクセス:
chrome://password-manager/passwords
- 右上の設定アイコン(⚙)をクリック
- 「パスワードをエクスポート」を選択
- 確認メッセージが表示される
- Windowsのパスワードやパソコンのパスワードを入力(セキュリティ確認)
- 保存場所を選択
- ファイル名を確認(passwords.csv)
- 「保存」をクリック
CSVファイルとしてエクスポートされます。
パスワードエクスポートの重要な注意点
セキュリティリスクに注意!
パスワードファイルには、すべてのサイトのログイン情報が平文(暗号化されていない状態)で保存されます。
必ず守るべきこと:
- 安全な場所に保存
- USBメモリに保存して厳重に管理
- クラウドに保存する場合は暗号化
- デスクトップに放置しない
- 使用後は削除
- 移行作業が終わったら、ファイルを削除
- ゴミ箱からも完全削除
- 共有パソコンでは実行しない
- 自分専用のパソコンでのみ実行
- 会社の共有パソコンは避ける
- ファイルを暗号化
- ZIPファイルでパスワード保護
- 暗号化ソフトを使用
パスワードは最も重要な個人情報です。取り扱いには細心の注意を払いましょう。
CSVファイルの中身
エクスポートされたCSVファイルには、以下の列があります:
- name – サイト名
- url – サイトのURL
- username – ユーザー名またはメールアドレス
- password – パスワード
ExcelやGoogleスプレッドシートで開いて確認できますが、確認後は必ず閉じて削除してくださいね。
拡張機能のリストをエクスポート
拡張機能自体はエクスポートできませんが、リストを保存する方法があります。
手動でリストを作成
方法A: スクリーンショット
- chrome://extensions/ を開く
- インストール済みの拡張機能一覧を表示
- スクリーンショットを撮る(Win + Shift + Sまたは⌘ + Shift + 4)
- 画像ファイルとして保存
視覚的にわかりやすく、後で探しやすいですね。
方法B: テキストリストを作成
- chrome://extensions/ を開く
- 各拡張機能の名前を手動でメモ帳にコピー
- テキストファイルとして保存
リストがあれば、新しい環境で同じ拡張機能を再インストールできます。
拡張機能の同期を活用
実は、Googleアカウントで同期していれば、拡張機能も自動的に同期されます。
同期の確認:
- 設定 → 「同期とGoogleサービス」
- 「同期するデータを管理」
- 「拡張機能」がオンになっているか確認
同期がオンなら、新しいパソコンでChromeにログインするだけで、拡張機能も自動的にインストールされますよ!
その他の設定をバックアップする方法
ブックマークやパスワード以外の設定も、可能な範囲でバックアップしましょう。
検索エンジン設定
カスタムした検索エンジンは、手動でメモする必要があります。
確認方法:
- 設定 → 「検索エンジン」
- 「検索エンジンとサイト内検索を管理する」
- 追加した検索エンジンのリストを確認
メモすべき項目:
- 検索エンジン名
- キーワード
- URL(検索クエリ)
スクリーンショットを撮っておくのが簡単です。
テーマとデザイン
インストールしたテーマは、Chromeウェブストアから再度インストールできます。
メモすべき情報:
- 使用しているテーマの名前
- ダウンロード元のURL
できれば、テーマ名をメモしておきましょう。
サイト別の設定
各サイトの詳細設定(通知、位置情報、カメラなど)は、個別にエクスポートできません。
対処法:
重要な設定は、スクリーンショットやメモで記録しておくのがおすすめです。
エクスポートしたデータをインポート(復元)する方法
バックアップを取ったら、新しい環境で復元してみましょう。
ブックマークのインポート
手順:
- chrome://bookmarks/ を開く
- 右上の︙をクリック
- 「ブックマークをインポート」を選択
- エクスポートしたHTMLファイルを選択
- 「開く」をクリック
数秒で、すべてのブックマークが復元されます!
注意点:
既存のブックマークと統合されます。重複しても削除されないので、重複分は後で手動削除が必要です。
パスワードのインポート
手順:
- chrome://password-manager/passwords を開く
- 右上の設定アイコン(⚙)をクリック
- 「ファイルからパスワードをインポート」を選択
- CSVファイルを選択
- 「開く」をクリック
パスワードが一括でインポートされます。
セキュリティ確認:
インポート後、CSVファイルは必ず削除してください。ゴミ箱からも完全に削除しましょう。
他のブラウザからインポート
ChromeはEdge、Firefox、Internet Explorerなどからも、データをインポートできます。
手順:
- Chrome右上の︙→「ブックマーク」→「ブックマークと設定をインポート」
- インポート元のブラウザを選択
- インポートする項目にチェック:
- ☑ 閲覧履歴
- ☑ お気に入り/ブックマーク
- ☑ 保存したパスワード
- ☑ 検索エンジン
- 「インポート」をクリック
ブラウザを乗り換える時に便利ですね。
Chrome全体を同期する方法(最も簡単!)

実は、Googleアカウントで同期すれば、ほとんどの設定が自動的にバックアップされます。
同期の設定方法
手順:
- Chrome右上のプロフィールアイコンをクリック
- 「同期を有効にする」をクリック
- Googleアカウントでログイン
- 「オンにする」を選択
これだけで、以下が自動的に同期されます:
同期されるデータ:
- ブックマーク
- パスワード
- 履歴
- 開いているタブ
- 拡張機能
- 設定
- テーマ
- 住所やクレジットカード情報
同期する項目をカスタマイズ
すべてを同期したくない場合、項目を選べます。
設定方法:
- 設定 → 「同期とGoogleサービス」
- 「同期するデータを管理」をクリック
- 同期したい項目だけオンにする
例えば、「履歴は同期しない」「ブックマークとパスワードだけ同期」という設定も可能です。
同期の注意点
メリット:
- 自動的にバックアップされる
- 複数のデバイスで同じ環境
- 設定変更がリアルタイムで反映
注意点:
- インターネット接続が必要
- Googleアカウントのセキュリティが重要
- 同期トラブルで古いデータが上書きされることも
推奨: 同期を使いつつ、定期的に手動エクスポートもしておくと、より安全です。
エクスポートのタイミングと頻度
いつ、どのくらいの頻度でバックアップすべきか、目安を紹介します。
必ずエクスポートすべきタイミング
パソコン買い替え前:
- 最低1週間前にバックアップ
- 複数の場所に保存
OS再インストール前:
- 作業直前にバックアップ
- 外付けストレージに保存
重要な作業の前:
- Chrome設定の大幅変更前
- リセットを実行する前
トラブル発生時:
- Chromeの動作が不安定
- データ消失の予兆がある時
定期的なバックアップの頻度
ブックマーク:
- 月に1回程度
- 大量に追加・整理した後
パスワード:
- 3ヶ月に1回程度
- セキュリティ的に重要
拡張機能リスト:
- 半年に1回程度
- 新しい拡張機能を追加したとき
定期的にバックアップする習慣をつけると、万が一の時も安心ですね。
トラブルシューティング
エクスポート・インポート時によくある問題と解決方法です。
問題1: エクスポートボタンが見つからない
原因: Chrome バージョンが古い可能性
解決方法:
- Chromeを最新版に更新
- ︙→「ヘルプ」→「Google Chromeについて」
- 自動更新後、再起動
- 再度エクスポートを試す
問題2: パスワードのエクスポートが許可されない
原因: セキュリティ設定またはポリシー制限
解決方法A: パソコンのパスワードを確認
Windowsのパスワードやパソコンのログインパスワードが必要です。正しく入力しましょう。
解決方法B: 管理者権限の確認
会社のパソコンでは、管理者によってエクスポートが制限されていることがあります。IT部門に相談してください。
問題3: インポートしたブックマークが重複
原因: 既存のブックマークと統合される仕様
解決方法:
- chrome://bookmarks/ を開く
- 検索機能で重複を探す
- 手動で不要な方を削除
または:
- インポート前に既存のブックマークをエクスポート
- Chromeの設定をリセット(クリーンな状態にする)
- 新しいブックマークをインポート
問題4: パスワードが正しくインポートされない
原因: CSVファイルの形式が正しくない
解決方法:
- CSVファイルをExcelまたはテキストエディタで開く
- 形式を確認:
- 1行目:列名(name, url, username, password)
- 2行目以降:データ
- 余計な改行や文字がないか確認
- UTF-8形式で保存し直す
- 再度インポート
問題5: 同期がうまくいかない
確認ポイント:
- インターネット接続を確認
- Googleアカウントにログインしているか確認
- 同期設定がオンになっているか確認
- 別のデバイスと衝突していないか確認
対処法:
- 一度ログアウトして再ログイン
- 同期をオフ→オンに切り替え
- Chromeを再起動
よくある質問と回答
Q1: エクスポートしたファイルは、他のブラウザでも使える?
A: ブックマークのHTMLファイルは、多くのブラウザで互換性があります。
Edge、Firefox、Safariなどでも、ブックマークのインポート機能を使えば読み込めます。ただし、パスワードのCSVファイルは、ブラウザによって対応が異なるので注意が必要です。
Q2: エクスポートとバックアップは同じ意味?
A: ほぼ同じですが、厳密には少し違います。
エクスポート:
データを外部ファイルとして書き出すこと
バックアップ:
データを保護するために複製を作ること
エクスポートは、バックアップの方法の1つと言えますね。
Q3: 会社のパソコンからエクスポートしても大丈夫?
A: 会社のポリシーによります。
個人情報保護の観点から、会社のデータを外部に持ち出すことが禁止されている場合もあります。特にパスワードのエクスポートは慎重に判断すべきです。
不安な場合は、IT部門に確認しましょう。
Q4: エクスポートしたファイルのサイズが大きい
A: ブックマークや拡張機能が多いと、ファイルサイズが大きくなります。
通常、ブックマークHTMLは数MB程度、パスワードCSVは数百KB程度です。10MBを超える場合は、不要なブックマークを整理してからエクスポートすることをおすすめします。
Q5: スマホ版Chromeの設定もエクスポートできる?
A: スマホ版では、直接のエクスポート機能が制限されています。
ただし、Googleアカウントで同期していれば、パソコン版と自動的にデータが共有されます。パソコン版でエクスポートすれば、スマホのデータも含まれていることになりますね。
まとめ:定期的なエクスポートで大切なデータを守ろう!
Chromeの設定をエクスポートすることで、大切なブックマークやパスワードを安全に保護できます。
エクスポートできる主なデータ:
ブックマーク:
- chrome://bookmarks/ → ︙ → ブックマークをエクスポート
- HTMLファイルとして保存
パスワード:
- chrome://password-manager/passwords → ⚙ → パスワードをエクスポート
- CSVファイルとして保存(要注意!)
その他:
- 拡張機能リスト(手動メモ)
- 検索エンジン設定(手動メモ)
- テーマ情報(名前をメモ)
インポート(復元):
- 同じ画面から「インポート」を選択
- エクスポートしたファイルを読み込む
同期との併用がおすすめ:
- Googleアカウントで自動同期
- 定期的な手動エクスポートも実施
- 二重のバックアップで安心
エクスポートすべきタイミング:
- パソコン買い替え前
- OS再インストール前
- 重要な作業の前
- 定期的に(月1回程度)
保存場所の推奨:
- 外付けUSBメモリ
- クラウドストレージ(Google Drive等)
- 複数の場所に保存
セキュリティの注意:
- パスワードファイルは厳重管理
- 使用後は削除
- 暗号化を検討
- 共有パソコンでは実行しない
重要なポイント:
- エクスポートは保険のようなもの
- 定期的な実施が大切
- 同期だけに頼らない
- バックアップファイルの管理も重要
Chrome には何百ものブックマークや、数十のパスワードが保存されていることも珍しくありません。これらが一瞬で消えてしまったら…考えただけで恐ろしいですよね。
「まだやってない」という方は、今すぐエクスポートすることをおすすめします。たった5分の作業で、将来の大きな後悔を防げますよ!
この記事の手順に従って、今日からChromeのバックアップ習慣を始めましょう!


コメント