【Windows初心者向け】コマンドプロンプトでメモリを確認する方法|PC状態をかんたんチェック

「パソコンが重い」「動きがおかしい」そんなときに真っ先に疑われるのが「メモリ不足」です。

でも、メモリの使用状況をどうやって確認すればいいのでしょうか?

Windowsには、マウスを使わずにキーボードだけで簡単にメモリの状態を調べる方法があります。それがコマンドプロンプトを使った方法です。

「コマンドって難しそう」と思うかもしれませんが、実はとても簡単です。

この記事では、パソコン初心者の方でも今すぐできる、メモリ確認の方法をやさしく解説します。


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メモリってなに?なぜ確認が必要?

メモリとは

メモリ(RAM)は、パソコンが作業をするときに使う「作業台」のようなものです。

例えで説明

  • メモリ:机の広さ(作業スペース)
  • CPU:作業する人(処理能力)
  • ハードディスク:本棚(保存場所)

机が狭いと、たくさんの書類を広げて作業できませんよね。同じように、メモリが少ないと、複数のアプリを同時に動かすことができません。

メモリ不足の症状

  • アプリの起動や動作が遅い
  • ファイルを開くのに時間がかかる
  • 突然アプリが落ちる
  • パソコン全体が重く感じる

なぜコマンドで確認するの?

コマンドプロンプトの利点

  • 正確な数値がわかる
  • 軽い動作でシステムに負担をかけない
  • 詳細な情報が一度に確認できる
  • リモート接続時でも使える

コマンドプロンプトの開き方

方法1: スタートメニューから

手順

  1. 画面左下の**「スタート」ボタン**をクリック
  2. **「cmd」**と入力
  3. **「コマンドプロンプト」**をクリック

方法2: ショートカットキーで

手順

  1. **Windows キー + R**を同時に押す
  2. **「cmd」**と入力
  3. Enterキーを押す

方法3: 検索ボックスから

手順

  1. タスクバーの検索ボックスをクリック
  2. **「コマンドプロンプト」**と入力
  3. 表示された結果をクリック

成功の確認: 黒い画面が開いて、以下のような表示が出れば成功です:

Microsoft Windows [Version 10.0.19044]
(c) Microsoft Corporation. All rights reserved.

C:\Users\ユーザー名>

方法1: 全体的なメモリ情報を確認する

systeminfo コマンドを使う

最も簡単で、初心者におすすめの方法です。

手順

ステップ1: コマンドプロンプトを開く

ステップ2: 以下のコマンドを入力

systeminfo

ステップ3: Enterキーを押す

ステップ4: 結果を確認 少し時間がかかりますが、以下のような情報が表示されます:

システム情報
ホスト名:               DESKTOP-ABC123
OS 名:                  Microsoft Windows 10 Pro
OS バージョン:          10.0.19044
...
総物理メモリ:           16,384 MB
利用可能な物理メモリ:    8,192 MB
仮想メモリ: 最大サイズ:  32,768 MB
仮想メモリ: 利用可能:    16,384 MB

結果の読み方

重要な項目

項目名意味確認ポイント
総物理メモリパソコンに搭載されているメモリの総量パソコンの基本性能
利用可能な物理メモリ現在使える空きメモリ少ないと動作が重くなる
仮想メモリハードディスクを使った疑似メモリ物理メモリが足りないときの補完

メモリ使用率の計算

使用率(%) = (総物理メモリ - 利用可能メモリ) ÷ 総物理メモリ × 100

例:(16,384 - 8,192) ÷ 16,384 × 100 = 50%

目安

  • 50%未満:快適
  • 50-80%:普通(少し重く感じることも)
  • 80%以上:注意(動作が重くなりやすい)
  • 90%以上:危険(メモリ不足の可能性)

方法2: 数値だけを取得する(計算に便利)

wmic OS コマンドを使う

プログラムや自動化に便利な方法です。

手順

ステップ1: 以下のコマンドを入力

wmic OS get TotalVisibleMemorySize,FreePhysicalMemory /value

ステップ2: 結果を確認

FreePhysicalMemory=8388608
TotalVisibleMemorySize=16777216

注意:この結果の単位は**KB(キロバイト)**です。

単位の変換方法

KB から GB への変換

GB = KB ÷ 1024 ÷ 1024

例:16777216 KB ÷ 1024 ÷ 1024 = 16 GB

簡単な計算

# 総メモリをGBで表示
set /a total=16777216/1024/1024
echo 総メモリ: %total% GB

# 空きメモリをGBで表示  
set /a free=8388608/1024/1024
echo 空きメモリ: %free% GB

方法3: アプリごとのメモリ使用量を確認する

tasklist コマンドを使う

どのアプリがメモリを多く使っているかを調べる方法です。

手順

ステップ1: 以下のコマンドを入力

tasklist

ステップ2: 結果を確認

イメージ名                     PID セッション名      セッション# メモリ使用量
========================= ======== ================ =========== ============
chrome.exe                    1234 Console                    1     256,789 K
excel.exe                     5678 Console                    1     128,394 K
notepad.exe                   9012 Console                    1       4,567 K

結果の読み方

列の説明

  • イメージ名:アプリやプロセスの名前
  • PID:プロセスID(識別番号)
  • メモリ使用量:そのアプリが使っているメモリ(KB単位)

メモリ使用量順に並べる

使用量の多い順に表示

tasklist /fi "memusage gt 50000"

(50MB以上使っているプロセスのみ表示)

並び替えて表示

tasklist | sort /r /+5

(メモリ使用量の多い順に並び替え)


方法4: より詳しい情報を取得する

PowerShell を使った高度な確認

コマンドプロンプトからPowerShellの機能を使う方法です。

手順

ステップ1: 以下のコマンドを入力

powershell "Get-CimInstance Win32_OperatingSystem | Select-Object TotalVisibleMemorySize,FreePhysicalMemory"

ステップ2: 結果を確認

TotalVisibleMemorySize FreePhysicalMemory
---------------------- ------------------
              16777216            8388608

さらに詳しい情報

GB単位で表示

powershell "(Get-CimInstance Win32_OperatingSystem | Select-Object @{Name='TotalGB';Expression={[math]::Round($_.TotalVisibleMemorySize/1MB,2)}},@{Name='FreeGB';Expression={[math]::Round($_.FreePhysicalMemory/1MB,2)}})"

使用率を計算して表示

powershell "$os = Get-CimInstance Win32_OperatingSystem; $used = ($os.TotalVisibleMemorySize - $os.FreePhysicalMemory) / $os.TotalVisibleMemorySize * 100; Write-Host \"メモリ使用率: $([math]::Round($used,1))%\""

実用的な活用例

例1: パフォーマンス問題の診断

症状: パソコンが重い

確認手順

  1. 全体確認systeminfo でメモリ使用率をチェック
  2. 原因調査tasklist でメモリを多く使うアプリを特定
  3. 対策実行:不要なアプリを終了
# 手順1: 全体状況確認
systeminfo | findstr "物理メモリ"

# 手順2: 重いアプリを特定
tasklist | sort /r /+5

# 手順3: 特定のアプリを終了(例:chrome.exe)
taskkill /im chrome.exe /f

例2: 定期的なメモリ監視

バッチファイルの作成

以下の内容で memory_check.bat ファイルを作成:

@echo off
echo ===== メモリ状況確認 =====
echo 確認時刻: %date% %time%
echo.

echo ----- 基本情報 -----
systeminfo | findstr "物理メモリ"
echo.

echo ----- 使用率計算 -----
powershell "$os = Get-CimInstance Win32_OperatingSystem; $used = ($os.TotalVisibleMemorySize - $os.FreePhysicalMemory) / $os.TotalVisibleMemorySize * 100; Write-Host \"メモリ使用率: $([math]::Round($used,1))%\""
echo.

echo ----- メモリ消費上位5プロセス -----
powershell "Get-Process | Sort-Object WorkingSet64 -Descending | Select-Object -First 5 Name,@{Name='MemoryMB';Expression={[math]::Round($_.WorkingSet64/1MB,1)}}"

pause

使い方

  1. メモ帳で上記の内容を入力
  2. memory_check.bat という名前で保存
  3. ダブルクリックで実行

例3: メモリ不足時の自動対策

自動クリーンアップスクリプト

@echo off
echo メモリ使用率をチェック中...

# メモリ使用率を取得
for /f "tokens=*" %%i in ('powershell "$os = Get-CimInstance Win32_OperatingSystem; ($os.TotalVisibleMemorySize - $os.FreePhysicalMemory) / $os.TotalVisibleMemorySize * 100"') do set usage=%%i

# 使用率が80%以上の場合に警告
powershell "if([float]%usage% -gt 80) { Write-Host '警告: メモリ使用率が高いです (%usage%%)' -ForegroundColor Red } else { Write-Host 'メモリ使用率: %usage%%' -ForegroundColor Green }"

# 不要プロセスの確認
echo.
echo 大量メモリ使用プロセス:
tasklist | findstr /i "chrome firefox teams"

トラブルシューティング

コマンドが実行できない場合

問題1: 「’systeminfo’ は、内部コマンドまたは外部コマンド…として認識されていません」

解決方法

  • Windows のバージョンが古い可能性
  • 管理者権限でコマンドプロンプトを開く
  • C:\Windows\System32\systeminfo.exe と入力してフルパスで実行

問題2: PowerShell コマンドでエラーが出る

解決方法

# PowerShellの実行ポリシーを確認
powershell "Get-ExecutionPolicy"

# 一時的に許可(必要な場合)
powershell "Set-ExecutionPolicy -ExecutionPolicy Bypass -Scope Process"

問題3: 文字化けが発生する

解決方法

# 文字コードを変更
chcp 65001
systeminfo

結果が表示されない場合

原因と対策

  • 時間がかかるsysteminfo は少し時間がかかります(10-30秒程度)
  • 権限不足:一部の情報は管理者権限が必要
  • システム負荷:重い処理中は応答が遅くなることがある

メモリ状況の判断基準

使用率による判断

使用率状態対策
0-50%良好特に対策不要
50-70%普通様子見、重いアプリ使用時は注意
70-85%注意不要なアプリを終了
85-95%警告すぐに対策が必要
95%以上危険緊急対策、メモリ増設を検討

症状別の対策

軽い症状(使用率70-85%)

  • ブラウザのタブを減らす
  • 使わないアプリを終了
  • 一時ファイルを削除

重い症状(使用率85%以上)

  • 重いアプリ(動画編集、ゲームなど)を終了
  • システム再起動
  • メモリ使用量の多いプロセスを強制終了

慢性的な問題

  • メモリ増設を検討
  • 軽量なアプリへの変更
  • システムのクリーンアップ

まとめ

コマンドプロンプトを使ったメモリ確認は、パソコンの健康状態を知るための重要なスキルです。

覚えておきたいコマンド

目的コマンド特徴
基本情報確認systeminfo初心者におすすめ、見やすい
数値取得wmic OS get ...計算や自動化に便利
プロセス確認tasklist重いアプリの特定
詳細分析PowerShell高機能、正確

実践のコツ

  1. 定期的なチェック:週に1回程度、メモリ状況を確認
  2. 症状との関連付け:動作が重いときにすぐ確認
  3. 記録の習慣:使用率を記録して傾向を把握
  4. 予防的対策:80%を超える前に対策を実行

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