「MacのIPアドレスはどこで確認できるの?」
「Wi-Fiと有線LANのIPアドレスの違いがわからない」
このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
IPアドレスは、ネットワーク接続の設定やトラブルシューティング、リモートアクセスなど、様々な場面で必要になる重要な情報です。
この記事では、Mac初心者でも迷わずできるIPアドレスの確認方法を、図解付きで分かりやすく解説します。
macOSのバージョンによる違いも含めて、あらゆるケースに対応した完全ガイドです。
IPアドレスの基礎知識

IPアドレスとは
IPアドレスとは、ネットワーク上でデバイスを識別するための番号です。
インターネット上の住所のような役割を果たします。
ローカルIPアドレスとグローバルIPアドレスの違い
ローカルIPアドレス(プライベートIP)
- 自宅やオフィス内のローカルネットワークで使用される内部的なアドレス
- 代表的な範囲:
192.168.x.x
、10.x.x.x
、172.16.x.x
~172.31.x.x
- 用途:プリンター接続、ファイル共有、リモートデスクトップなど
グローバルIPアドレス(パブリックIP)
- インターネット上で識別される外部向けのアドレス
- 通常はルーターに割り当てられ、同じネットワーク内の全デバイスが共有
- 用途:外部からのアクセス、Webサーバーの公開など
IPv4とIPv6の違い
IPv4
- 従来の形式:
192.168.1.100
のような4つの数字をドットで区切った形式 - 32ビットで約43億個のアドレスが利用可能
IPv6
- 新しい形式:
2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334
のような16進数をコロンで区切った形式 - 128ビットで事実上無限のアドレスが利用可能
GUI操作でIPアドレスを確認する方法

macOS Ventura(13.0)以降の場合
Wi-Fi接続のIPアドレス確認
- 画面左上のAppleメニューから「システム設定」をクリック
- サイドバーから「Wi-Fi」を選択
- 現在接続中のネットワーク名の右側にある「詳細」ボタンをクリック
- 「TCP/IP」タブを選択
- 「IPv4アドレス」の項目でIPアドレスを確認
有線LAN接続のIPアドレス確認
- 「システム設定」から「ネットワーク」を選択
- 左サイドバーから「Ethernet」を選択
- 「詳細」ボタンをクリック
- 「TCP/IP」タブでIPアドレスを確認
macOS Monterey(12.0)以前の場合
Wi-Fi接続のIPアドレス確認
- Appleメニューから「システム環境設定」を選択
- 「ネットワーク」アイコンをクリック
- 左サイドバーから「Wi-Fi」を選択
- 右側に表示される情報でIPアドレスを確認
有線LAN接続のIPアドレス確認
- 「システム環境設定」→「ネットワーク」の順に選択
- 左サイドバーから「Ethernet」を選択
- 接続状態が「接続済み」であることを確認
- IPアドレスが右側に表示される
メニューバーからの簡単確認方法
Wi-Fi接続の場合
- メニューバーのWi-FiアイコンをOptionキーを押しながらクリック
- 現在接続中のネットワーク情報が詳細表示される
- 「IPアドレス」の項目で確認
この方法は最も簡単で素早くIPアドレスを確認できます。
ターミナルを使った確認方法

基本的なコマンド
ターミナルを使えば、コマンド一行でIPアドレスを確認できます。
全てのネットワークインターフェースを表示
ifconfig
特定のインターフェースのIPアドレスのみ表示
# Wi-Fi(通常はen0)
ipconfig getifaddr en0
# 有線LAN(通常はen1)
ipconfig getifaddr en1
より詳細な情報を表示
# すべてのネットワーク接続状況
networksetup -listallhardwareports
# 特定のサービスのIPアドレス
networksetup -getinfo "Wi-Fi"
インターフェース名の確認方法
Macのネットワークインターフェース名は以下の通りです:
en0
:通常はWi-Fien1
:通常は有線LAN(Ethernet)lo0
:ローカルループバック(127.0.0.1)en2
,en3
:追加のネットワークアダプター
インターフェース名を確認するコマンド
networksetup -listallhardwareports
便利なコマンド集
アクティブなネットワーク接続のみ表示
ifconfig | grep "inet " | grep -v "127.0.0.1"
Wi-FiのSSIDと一緒にIPアドレスを表示
/System/Library/PrivateFrameworks/Apple80211.framework/Versions/Current/Resources/airport -I | grep -E "(SSID|inet)"
グローバルIPアドレスの確認方法

Webブラウザを使った確認
検索エンジンを利用
- SafariやChromeを開く
- 「IPアドレス 確認」または「What is my IP」で検索
- 検索結果に現在のグローバルIPアドレスが表示される
専用サイトを利用:以下のサイトにアクセスすると、グローバルIPアドレスが表示されます
- ipinfo.io
- whatismyipaddress.com
- checkip.amazonaws.com
ターミナルを使った確認
# curlコマンドを使用
curl ipinfo.io/ip
# 詳細情報も含めて表示
curl ipinfo.io
# 別のサービスを使用
curl ifconfig.me
よくある疑問と解決方法

Q1. 複数のIPアドレスが表示される場合はどれを使う?
A. 用途によって使い分けます:
- ローカルネットワーク内での通信:プライベートIPアドレス(192.168.x.xなど)
- インターネット経由でのアクセス:グローバルIPアドレス
- IPv4とIPv6が両方表示される場合:通常はIPv4アドレスを使用
Q2. IPアドレスが表示されない場合
原因と対処法:
- ネットワークに接続されていない:Wi-Fiや有線LANの接続を確認
- DHCPサーバーから取得できていない:ネットワークの再接続を試す
- 手動設定でエラーがある:ネットワーク設定をリセットまたは再設定
Q3. IPアドレスが頻繁に変わる
A. 以下の原因が考えられます:
- DHCP(動的割り当て):ルーターが自動的にIPアドレスを割り当て
- 固定IPアドレスの設定:手動でIPアドレスを固定する設定が可能
- ルーターのリース時間:設定により更新頻度が異なる
Q4. セキュリティ上の注意点
IPアドレスを確認・共有する際の注意:
- グローバルIPアドレスは外部に公開しない
- ローカルIPアドレスは比較的安全だが、同じネットワーク内からアクセス可能
- VPNやプロキシを使用している場合、表示されるIPアドレスが実際と異なる
IPアドレス確認が必要なシーン
日常的な用途
プリンターの設定
- ネットワークプリンターへの接続時
- プリンター共有の設定時
ファイル共有
- 他のデバイスとのファイル共有設定
- NAS(ネットワーク接続ストレージ)へのアクセス
リモートアクセス
- VNC(画面共有)の設定
- SSH接続の設定
- リモートデスクトップの設定
開発・技術的な用途
Webサーバーの構築
- ローカル開発環境での動作確認
- 他のデバイスからのアクセステスト
ネットワークトラブルシューティング
- 接続問題の原因特定
- ネットワーク設定の確認
セキュリティ対策
- 不正アクセスの調査
- ファイアウォール設定の確認
まとめ
MacでIPアドレスを確認する方法は、GUI操作からターミナルコマンドまで複数の手段があります。
用途や状況に応じて、最適な方法を選択することが重要です。
本記事のポイント
- IPアドレスにはローカルIPとグローバルIPがある
- macOSのバージョンによって設定画面が異なる
- メニューバーのOption+クリックが最も簡単
- ターミナルコマンドが最も高速で正確
- 用途に応じて確認方法を使い分ける
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