数学の「頂点」とは?3つの意味を分かりやすく解説

数学

数学で「頂点(ちょうてん)」という言葉を聞いたことがありますか?

実は、「頂点」には数学の中で3つの異なる意味があるんです。

  1. 幾何学の頂点:三角形や四角形の角の点
  2. 二次関数の頂点:放物線の一番高い(または低い)点
  3. グラフ理論の頂点:ネットワークの節点

どれも「頂点(vertex)」と呼ばれますが、使われる場面や意味が違います。今回は、この3つをしっかり区別しながら、分かりやすく解説していきますね。


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頂点の英語は?

まず、英語での表現を確認しておきましょう。

vertex(ヴァーテックス)= 頂点

複数形は vertices(ヴァーティシーズ) になります。

ラテン語の「vertere(回転する、向きを変える)」が語源で、「回転した先端」という意味から「頂点」を表すようになりました。


幾何学の頂点

頂点とは何か?

幾何学(図形を扱う数学)での頂点は、「辺と辺が交わる点」のことです。

簡単に言うと、図形の「角(かど)」にある点が頂点なんです。

多角形の頂点

三角形、四角形、五角形など、平面の図形にはすべて頂点があります。

三角形
3つの辺があり、3つの頂点があります。頂点は通常、A、B、Cなどのアルファベットで表されます。

四角形
4つの辺があり、4つの頂点があります。正方形も長方形も、すべて4つの頂点を持ちますね。

五角形
5つの辺があり、5つの頂点があります。

一般的なn角形
n本の辺があり、n個の頂点があります。つまり、辺の数 = 頂点の数という関係が成り立ちます。

多面体の頂点

立体図形にも頂点があります。

立方体(サイコロの形)
8つの頂点があります。数えてみると、確かに角が8か所ありますよね。

三角錐(ピラミッドの形)
4つの頂点があります。底面に3つ、一番上に1つです。

四角錐
5つの頂点があります。底面に4つ、一番上に1つです。

多面体の場合、頂点は3本以上の辺が共有している点のことを指します。

オイラーの多面体定理

立体図形には、面白い法則があります。

頂点の数 – 辺の数 + 面の数 = 2

これを「オイラーの多面体定理」と言います。

例えば、立方体の場合:

  • 頂点:8個
  • 辺:12本
  • 面:6つ

計算してみると、8 – 12 + 6 = 2 となって、ちゃんと成り立っていますね。

頂点での微分可能性

座標平面上の図形では、頂点の部分は「微分不可能」になります。

これは、頂点で図形の向きが急に変わるため、その点での傾きが一つに定まらないからです。

例えば、折れ線グラフの「折れている部分」では、左から見た傾きと右から見た傾きが違いますよね。これが微分不可能ということなんです。


二次関数(放物線)の頂点

ここからは、全く違う意味の「頂点」について説明します。

放物線の頂点とは?

放物線(ほうぶつせん)= parabola(パラボラ)

二次関数のグラフは、U字型やn字型の曲線になります。これを「放物線」と呼びます。

この放物線の一番高い点または一番低い点が、「頂点」なんです。

頂点は放物線の転換点

頂点は、放物線が方向を変える点です。

  • 上に開く放物線(U字型):頂点は一番低い点(最小値)
  • 下に開く放物線(∩字型):頂点は一番高い点(最大値)

頂点を境に、増加から減少へ(またはその逆)と、グラフの変化が切り替わります。

対称軸との関係

放物線には「対称軸(たいしょうじく)」という縦の直線があります。

これは、放物線を左右対称に分ける線のことです。

頂点は、必ず対称軸上にあります。

つまり、頂点は放物線と対称軸の交点なんです。

標準形での頂点の求め方

二次関数の式が y = ax² + bx + c の形で与えられた時、頂点の座標は次の公式で求められます。

頂点のx座標 = -b/(2a)

この値を式に代入すれば、y座標も求められます。

例題

y = 2x² – 8x + 5 の頂点を求めてみましょう。

ステップ1:係数を確認

a = 2、b = -8、c = 5

ステップ2:頂点のx座標を計算

x = -(-8)/(2×2) = 8/4 = 2

ステップ3:頂点のy座標を計算

y = 2(2)² – 8(2) + 5
y = 8 – 16 + 5
y = -3

答え:頂点は (2, -3)

頂点形式

二次関数を y = a(x – h)² + k の形に書くこともできます。

この形を「頂点形式」と呼びます。

なぜなら、この式では頂点が (h, k) と、すぐに分かるからです。

例題

y = 3(x – 1)² + 5 の頂点は?

答え:(1, 5)

カッコの中の符号に注意してください。(x – 1) なので、h = 1 です。

実生活での応用

放物線の頂点は、実際の問題でよく使われます。

ボールの軌道

野球のボールを投げた時、ボールは放物線を描いて飛びます。頂点は、ボールが最も高く上がった点です。

噴水の水

噴水から出る水も、放物線を描きます。頂点は、水が最も高く上がる点ですね。

利益の最大化

ビジネスでも、利益を計算する式が二次関数になることがあります。この時、頂点は最大利益を表します。


グラフ理論の頂点

最後に、3つ目の意味を説明します。

グラフ理論とは?

グラフ理論は、点と線のつながりを研究する数学の分野です。

ここで言う「グラフ」は、棒グラフや折れ線グラフとは違います。ネットワークの図のことなんです。

グラフ理論の頂点(ノード)

グラフ理論では、頂点のことを「ノード(node)」とも呼びます。

頂点 = ネットワークの点

辺(edge)= 頂点同士をつなぐ線

例えば、SNSの友達関係を図にすると:

  • 各人が「頂点」
  • 友達関係が「辺」

こんなイメージです。

頂点の次数

ある頂点につながっている辺の数を、その頂点の「次数(degree)」と言います。

Aさんが5人と友達なら、Aさん(頂点)の次数は5です。

特別な頂点

グラフ理論には、特別な名前が付いた頂点があります。

孤立点(isolated vertex)
次数が0の頂点。どこにもつながっていない点です。

葉(leaf vertex)
次数が1の頂点。一本の辺だけでつながっている点です。

切断点(cut vertex)
この頂点を取り除くと、グラフが分断されてしまう重要な点です。

有向グラフの頂点

グラフの辺に方向がある場合、「有向グラフ」と呼びます。

この時、頂点には2種類の次数があります。

入次数(indegree):その頂点に入ってくる辺の数

出次数(outdegree):その頂点から出ていく辺の数

実生活での応用

グラフ理論の頂点は、様々な場面で使われています。

道路網

都市を頂点、道路を辺とすると、最短経路を見つけるのに役立ちます。

インターネット

Webページを頂点、リンクを辺とすると、Googleの検索順位を決めるアルゴリズムが作れます。

電力網

発電所や変電所を頂点、送電線を辺とすると、効率的な電力供給網を設計できます。

SNS

人を頂点、友達関係を辺とすると、影響力のある人を見つけられます。


3つの頂点の違いをまとめると

ここまで見てきた3つの「頂点」を比較してみましょう。

幾何学の頂点

定義:辺と辺が交わる点

:三角形の角、立方体の角

特徴:図形の「角」にある

英語:vertex of a polygon/polyhedron

二次関数の頂点

定義:放物線の最高点または最低点

:y = x² のグラフの底の点

特徴:放物線の転換点、最大値または最小値

英語:vertex of a parabola

グラフ理論の頂点

定義:ネットワークの節点

:SNSの友達ネットワークでの各人

特徴:辺でつながれた点、次数を持つ

英語:vertex or node of a graph


頂点という言葉の由来

「頂点」という言葉は、なぜこの3つの異なる概念に使われているのでしょうか?

共通点は「重要な点」

幾何学の頂点は、図形の構造を決める重要な点です。

二次関数の頂点は、グラフの最高点・最低点という重要な点です。

グラフ理論の頂点は、ネットワークを構成する基本的な点です。

つまり、どれも「構造の中で重要な役割を果たす点」という共通の意味があるんですね。

英語の vertex の語源「回転した先端」という意味も、「尖った重要な点」というイメージとつながっています。


よくある間違いと注意点

間違い1:頂点と頂上を混同する

「頂点」は数学用語ですが、「頂上」は山などの一番高い所を指す日常語です。

二次関数の頂点が下向きの放物線の最低点の場合、「頂上」という言葉は不適切ですね。

間違い2:頂点形式での符号

y = a(x – h)² + k の形で、頂点は (h, k) です。

y = 2(x – 3)² + 5 の頂点は (3, 5) であって、(-3, 5) ではありません。

(x – 3) のマイナス符号に惑わされないようにしましょう。

間違い3:グラフ理論の頂点と辺を混同する

グラフ理論では、「頂点(点)」と「辺(線)」は別物です。

友達ネットワークで言えば、人が頂点で、友達関係が辺です。


他の分野での「頂点」

数学以外の分野でも「頂点」という言葉が使われます。

コンピュータグラフィックス

3Dモデルを作る時、物体の形を「頂点」の集まりで表現します。

この頂点には、位置だけでなく、色や質感などの情報も持たせます。

物理学

素粒子物理学では、粒子が衝突する点を「頂点」と呼びます。

ファインマン・ダイアグラムという図で、粒子の相互作用を表す時に使われます。

光学

レンズの表面と光軸が交わる点を「頂点」と呼びます。


まとめ

「頂点」について、3つの異なる意味を見てきました。

幾何学の頂点

  • 辺と辺が交わる点
  • n角形にはn個の頂点がある
  • 立体図形の角の点

二次関数の頂点

  • 放物線の最高点または最低点
  • 転換点であり、最大値または最小値
  • 公式:x = -b/(2a) で求められる

グラフ理論の頂点

  • ネットワークの節点
  • 辺でつながれた基本単位
  • 次数という性質を持つ

同じ「頂点(vertex)」という言葉でも、使われる場面によって意味が違います。

でも、どれも「構造の中で重要な点」という共通の意味を持っているんですね。

数学を勉強する時は、どの意味の頂点なのかをしっかり理解することが大切です。文脈から判断して、正しい意味で使えるようになりましょう。

頂点という概念は、抽象的に見えるかもしれませんが、実は私たちの生活の中にたくさん存在しています。建物の角、ボールの軌道、SNSのつながり…数学の目で世界を見ると、新しい発見がありますよ!

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