「積」って何?掛け算の答えの呼び名と和差積商をわかりやすく解説

数学

「2×3の積を求めなさい」

数学の問題でこんな文章を見たとき、「積って何だっけ?」と迷ったことはありませんか?

実は「積(せき)」とは、掛け算の答えのことを指す言葉なんです。つまり、2×3の積は「6」ということになります。

「計算できればいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、中学校以降の数学では「積」という言葉が問題文や解説に頻繁に出てきます。今のうちにしっかり理解しておくことが大切です。

今回は、積の意味から、和・差・商との違い、実際の使い方まで、わかりやすく解説していきます。

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積とは?基本的な意味を理解しよう

積(せき)とは、掛け算の結果(答え)のことです。

掛け算のことを数学では「乗法(じょうほう)」と呼びます。そして、乗法によって得られた答えを「積」と言うんです。

具体例で見てみましょう

  • 2 × 3 = 6 → 「6」が積
  • 5 × 4 = 20 → 「20」が積
  • 7 × 8 = 56 → 「56」が積

掛け算の式を見たとき、「×」の記号の後ろに書かれる答えが「積」です。

問題文で「〇〇の積を求めなさい」と書いてあったら、それは「掛け算の答えを求めなさい」という意味になります。

和・差・積・商をまとめて理解しよう

積を理解するには、他の計算結果の呼び名も一緒に覚えると便利です。

算数や数学では、四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)のそれぞれの答えに専門的な呼び名があります。これを「和差積商(わさせきしょう)」と言います。

四則演算と和差積商の関係

和(わ)

  • 足し算(加法)の結果
  • 例:3 + 2 = 5 → 「5」が和

差(さ)

  • 引き算(減法)の結果
  • 例:5 – 2 = 3 → 「3」が差

積(せき)

  • 掛け算(乗法)の結果
  • 例:2 × 3 = 6 → 「6」が積

商(しょう)

  • 割り算(除法)の結果
  • 例:6 ÷ 3 = 2 → 「2」が商

これらを覚えるときは、「和差積商」という4文字をまとめて覚えると便利です。「足し算・引き算・掛け算・割り算」の順番で並んでいます。

積という言葉の由来と意味

なぜ掛け算の答えを「積」と呼ぶのでしょうか?

実は、「積」という漢字には「積み重ねる」「集める」という意味があります。

掛け算は、同じ数を何回も足していく「繰り返しの足し算」と考えることができます。

例えば:

  • 3 × 4 = 3 + 3 + 3 + 3 = 12

これは「3を4回足す」ということですよね。つまり、3を4つ集めて積み重ねているイメージです。

また、積には「広さ」や「大きさ」という意味もあります。面積や体積は掛け算で求めますよね。

  • 長方形の面積 = たて × よこ
  • 直方体の体積 = たて × よこ × 高さ

このように、掛け算で求められる広さや大きさを表すことから、「積」という言葉が使われるようになったんです。

ちなみに英語では「product(プロダクト)」と言います。これも「生み出されたもの」「産物」という意味で、2つの数を掛け合わせて生み出された結果というニュアンスがあります。

積の求め方と計算のコツ

積を求める、つまり掛け算をする方法はいくつかあります。

基本的な掛け算の考え方

掛け算は「同じ数を何回も足すこと」と考えられます。

例:4 × 3を考える

方法1:4を3回足す
4 + 4 + 4 = 12

方法2:3を4回足す
3 + 3 + 3 + 3 = 12

どちらで考えても、答え(積)は同じ12になります。これを「交換法則」と言います。

九九表を活用する

1桁の数字同士の掛け算は、九九を覚えておくと簡単に積を求められます。

九九表は、1から9までの数字の積を一覧にしたものです。これを覚えておくと、計算がとても速くなります。

大きな数の掛け算

2桁以上の数の掛け算は、筆算を使って計算します。

例:23 × 4

  23
×  4
----
  92

一の位から順番に計算していき、繰り上がりがある場合は次の位に足していきます。

積を使った実際の問題例

実際の問題で「積」という言葉がどう使われるか見てみましょう。

問題1:基本的な積を求める問題

「8と7の積を求めなさい」

答え:8 × 7 = 56

「〇〇と△△の積」と言われたら、その2つの数を掛け算すればいいんです。

問題2:文章題での積

「1個120円のりんごを5個買いました。代金の合計はいくらですか」

これは、120 × 5 = 600
答え:600円

この場合、600が「120と5の積」になります。

問題3:3つ以上の数の積

「2、3、4の積を求めなさい」

答え:2 × 3 × 4 = 24

3つ以上の数を掛け合わせても、その結果はやはり「積」と呼びます。

積の便利な性質

積には、計算を簡単にする便利な性質があります。

交換法則(順番を変えても同じ)

a × b = b × a

例:3 × 5 = 5 × 3 = 15

掛け算では、どちらの数を先に書いても答えは変わりません。

結合法則(グループ分けを変えても同じ)

(a × b)× c = a × (b × c)

例:(2 × 3)× 4 = 2 × (3 × 4)= 24

3つ以上の数を掛けるとき、どの順番で計算しても答えは同じです。

1をかけても変わらない

a × 1 = a

例:5 × 1 = 5

どんな数でも、1をかけると答えは元の数のままです。これを「乗法の単位元」と言います。

0をかけると0になる

a × 0 = 0

例:100 × 0 = 0

どんな数でも、0をかけると答えは必ず0になります。これを「0の性質」と呼びます。

いつ習う?小学校での学習時期

「積」という言葉は、小学校4年生で正式に学習します。

ただし、掛け算そのものはもっと早く習います。

  • 小学2年生:掛け算と九九を学ぶ
  • 小学3年生:2桁×1桁、3桁×1桁の掛け算
  • 小学4年生:「和・差・積・商」という用語を学ぶ
  • 小学5年生以降:小数や分数の掛け算

小学4年生になるまでは「掛け算の答え」と言っていたものを、4年生からは「積」と呼ぶようになるんです。

なぜ積という言葉を覚える必要があるの?

「計算ができればいいじゃないか」と思うかもしれませんが、積という言葉を理解しておくことはとても重要です。

中学校以降で頻繁に使われる

中学校の数学では、問題文や解説に「積」という言葉が当たり前のように出てきます。

例えば:

  • 「2つの連続する整数の積は偶数である」
  • 「因数分解とは、式を因数の積の形に表すことである」
  • 「二次方程式の2つの解の積を求めよ」

このように、「積」という言葉を理解していないと、問題の意味すらわからなくなってしまいます。

数学は言葉の学問

算数から数学になると、「なぜそうなるのか」を言葉で説明することが増えてきます。

専門用語を正しく理解していないと、問題の意味がわからず、解答もできません。

「分かる」とは「分ける」ということ。物事を正しく分類して理解するためには、正しい用語を知ることが第一歩なんです。

積と間違えやすい言葉

「積」と似ている言葉や、間違えやすい概念を整理しておきましょう。

積と倍数の違い

倍数(ばいすう)とは、ある整数を何倍かした数のことです。

例:3の倍数 → 3、6、9、12、15…

これは、3 × 1 = 3、3 × 2 = 6、3 × 3 = 9…という掛け算の結果です。

つまり、倍数は「ある数と整数の積」とも言えます。

積と因数の違い

因数(いんすう)とは、積を作り出す元の数のことです。

例:2 × 3 = 6の場合

  • 積は「6」
  • 因数は「2」と「3」

掛け合わせる前の数が因数、掛け合わせた結果が積という関係です。

まとめ:積を理解して数学力アップ

今回は「積」について詳しく解説してきました。

重要なポイントをおさらいすると

  1. 積とは掛け算の結果(答え)のこと
  2. 和差積商は、それぞれ足し算・引き算・掛け算・割り算の答えを指す
  3. 積という言葉は「積み重ねる」「集める」という意味から来ている
  4. 英語ではproduct(プロダクト)と言う
  5. 小学4年生で正式に学習する用語
  6. 中学校以降の数学で頻繁に使われるため、しっかり理解しておくことが大切

一見、「掛け算の答え」と言えば済むように思えますが、「積」という専門用語を使うことで、数学的な説明がより正確で簡潔になります。

算数や数学を学ぶ上で、用語を正しく理解することは計算力と同じくらい大切です。和・差・積・商という基本的な用語をしっかり覚えて、これからの数学学習に役立ててくださいね。

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