「√(ルート)」
この記号を見て、どう思いますか?
「難しそう…」 「電卓がないと無理でしょ?」 「日常生活で使わないよね?」
ちょっと待ってください! 実は平方根って、部屋の広さを考えたり、テレビのサイズを理解したり、意外と身近なところで活躍しているんです。
例えば、「16平方メートルの正方形の部屋、一辺は何メートル?」 これ、√16 = 4メートルという平方根の計算なんです。
この記事では、平方根の値を求める方法を、基本から応用まで分かりやすく解説します。 電卓を使わない計算方法や、暗記しておくと便利な値、さらには暗算でできる裏ワザまで紹介!
読み終わる頃には、「√って意外と簡単じゃん!」と思えるはずです。
そもそも平方根って何?

平方根を超簡単に説明すると
平方根は「2乗したらその数になる値」のことです。
具体例で理解:
- 4の平方根は? → 2(なぜなら 2² = 4)
- 9の平方根は? → 3(なぜなら 3² = 9)
- 16の平方根は? → 4(なぜなら 4² = 16)
つまり、「元に戻る数」を探すイメージです。
平方根の記号「√」の意味
ルート記号の読み方:
- √4 = 「ルート4」
- 正式には「平方根」
- 英語では「square root(スクエアルート)」
この「√」は、逆向きの計算を表す記号なんです。
プラスとマイナスがある?
実は、平方根には2つの答えがあります。
例:4の平方根
- (+2)² = 4
- (-2)² = 4
だから、4の平方根は「±2」(プラスマイナス2)。
ただし、√4と書いたときは、正の値(+2)を表すことが多いです。
完全平方数の平方根(これは簡単!)
覚えておくべき基本の値
これらは暗記必須!すぐに答えが出せるようになりましょう。
必須暗記リスト:
√1 = 1 (1×1 = 1)
√4 = 2 (2×2 = 4)
√9 = 3 (3×3 = 9)
√16 = 4 (4×4 = 16)
√25 = 5 (5×5 = 25)
√36 = 6 (6×6 = 36)
√49 = 7 (7×7 = 49)
√64 = 8 (8×8 = 64)
√81 = 9 (9×9 = 81)
√100 = 10(10×10 = 100)
√121 = 11(11×11 = 121)
√144 = 12(12×12 = 144)
大きな完全平方数も怖くない
パターンを見つけよう:
√400 = 20 (20×20 = 400)
√900 = 30 (30×30 = 900)
√1600 = 40 (40×40 = 1600)
√2500 = 50 (50×50 = 2500)
気づきましたか?100倍になると、答えは10倍になるんです!
ゼロがたくさんある場合のコツ
簡単な見分け方:
√10000 = √(100×100) = 100
√40000 = √(200×200) = 200
√90000 = √(300×300) = 300
ゼロの数が偶数個なら、半分の数だけゼロをつければOK!
平方根の値を求める5つの方法

方法1:素因数分解を使う
数を素数の積に分解して計算します。
例:√72の値を求める
72 = 2×36
= 2×2×18
= 2×2×2×9
= 2×2×2×3×3
= 2³×3²
√72 = √(2³×3²)
= √(2²×2×3²)
= 2×3×√2
= 6√2
ペアになった数は、ルートの外に出せます!
方法2:近似値を使う方法
完全平方数でない場合の求め方です。
例:√5の近似値
√4 = 2、√9 = 3 なので、√5は2と3の間。
試し算:
- 2.2² = 4.84(小さい)
- 2.3² = 5.29(大きい)
- 2.24² = 5.0176(近い!)
だから √5 ≈ 2.24
方法3:開平法(かいへいほう)
筆算で平方根を求める方法です。
√2を求める例:
1. 4 1 4...
___________
√2.00 00 00
1
---
24│1 00
│ 96
----
281│ 400
│ 281
------
2824│ 11900
手順は複雑ですが、好きなだけ正確に計算できます。
方法4:ニュートン法(高速近似)
より速く近似値を求める方法です。
公式: 次の近似値 = (現在の近似値 + 元の数÷現在の近似値) ÷ 2
例:√10を求める
- 初期値:3(√9=3に近いから)
- 新しい値 = (3 + 10÷3) ÷ 2 = 3.167
- 新しい値 = (3.167 + 10÷3.167) ÷ 2 = 3.162
実際の値 √10 = 3.162… なので、2回でかなり正確!
方法5:グラフや表を使う
平方根表を使えば、一瞬で答えが分かります。
よく使う平方根の値:
√2 ≈ 1.414(一夜一夜に人見頃)
√3 ≈ 1.732(人並みにおごれや)
√5 ≈ 2.236(富士山麓オウム鳴く)
√6 ≈ 2.449
√7 ≈ 2.646
√8 ≈ 2.828
語呂合わせで覚えると便利!
平方根の計算ルール
掛け算のルール
基本公式:
√a × √b = √(a×b)
例:
√2 × √8 = √16 = 4
√3 × √12 = √36 = 6
割り算のルール
基本公式:
√a ÷ √b = √(a÷b)
例:
√18 ÷ √2 = √9 = 3
√50 ÷ √2 = √25 = 5
簡単にする(有理化)
分母に√があると不便なので、消す技があります。
分母の有理化:
1/√2 = 1/√2 × √2/√2 = √2/2
分母と分子に同じ√をかけると、分母がきれいになります。
実生活での平方根の使い方
正方形の面積から一辺を求める
問題: 25平方メートルの正方形の土地、一辺は何メートル?
解答: 一辺 = √25 = 5メートル
画面サイズの計算
問題: 縦3、横4のテレビ、対角線の長さは?
解答: 対角線 = √(3² + 4²) = √(9 + 16) = √25 = 5
これが「ピタゴラスの定理」です!
円の面積から半径を求める
問題: 面積が9π平方センチの円、半径は?
解答: πr² = 9π r² = 9 r = √9 = 3センチ
暗算で平方根を求める裏ワザ
末尾の数字で判断
完全平方数の末尾パターン:
- 末尾が2, 3, 7, 8 → 完全平方数ではない
- 末尾が0, 1, 4, 5, 6, 9 → 完全平方数の可能性あり
これで、瞬時に判断できます!
近い完全平方数から推測
例:√50を暗算で
- √49 = 7、√64 = 8
- 50は49に近いから、7より少し大きい
- 約7.1くらい(実際は7.07…)
100に近い数の平方根
例:√99
- √100 = 10
- 99 = 100 – 1
- √99 ≈ 10 – 0.05 = 9.95
100より1小さいごとに、約0.05引く!
よくある間違いと注意点
間違い1:足し算と引き算
よくある間違い:
❌ √9 + √16 = √25
正しくは:
✓ √9 + √16 = 3 + 4 = 7
ルートの中で足し算・引き算はできません!
間違い2:マイナスの平方根
注意:
√(-4) は実数では計算できない
マイナスの数の平方根は、虚数(きょすう)という特別な数になります。
間違い3:ルートを外し忘れ
よくある間違い:
❌ √16 = 16
正しくは:
✓ √16 = 4
ルート記号を見たら、必ず計算!
練習問題にチャレンジ!
初級問題
- √49 = ?
- √0.25 = ?
- √(1/4) = ?
中級問題
- √18を簡単にせよ
- √2 × √32 = ?
- 2/√3 を有理化せよ
上級問題
- √(2 + √3) × √(2 – √3) = ?
- √50 + √32 – √8 = ?
- (√5 + √3)² = ?
解答
初級:
- 7
- 0.5
- 1/2
中級:
- 3√2
- √64 = 8
- (2√3)/3
上級:
- 1
- 5√2 + 4√2 – 2√2 = 7√2
- 5 + 2√15 + 3 = 8 + 2√15
まとめ:平方根は怖くない!
平方根の値を求める方法、マスターできましたか?
押さえておきたいポイント:
- 基本の値は暗記 √1〜√144までは覚える
- 計算方法を使い分ける
- 完全平方数:すぐ答え
- 素因数分解:きれいに整理
- 近似計算:実用的な値
- 計算ルールを活用 掛け算・割り算のルールで簡単に
平方根をマスターすると:
- 図形の問題が解けるようになる
- 物理や化学でも使える
- 日常の計算が便利に
最初は√4 = 2のような簡単な問題から始めて、徐々にレベルアップしていきましょう。
電卓に頼らなくても、多くの平方根は計算できます。 特に、素因数分解を使った方法は、どんな数でも使えるので便利です。
さあ、今日から平方根マスターへの道を歩み始めましょう! きっと「数学って面白い!」と感じるはずです。
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