数学で使われるラテン語一覧!用語から略語まで完全ガイド

数学

数学の教科書や論文を読んでいると、「i.e.」「Q.E.D.」などの見慣れない記号を見かけませんか。

実は、これらはすべてラテン語に由来する表現なんです。

数学とラテン語には深い関係があり、現在でも多くのラテン語由来の言葉が使われています。

この記事では、数学で使われるラテン語の略語、用語、数詞などを一覧形式で紹介していきます。

数学の理解がもっと深まり、論文や参考書も読みやすくなりますよ。

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  1. なぜ数学でラテン語が使われるのか
    1. 歴史的背景
    2. 現代でも使われる理由
  2. よく使われるラテン語略語一覧
    1. i.e.(すなわち)
    2. e.g.(例えば)
    3. cf.(参照せよ)
    4. etc.(その他)
    5. Q.E.D.(証明終了)
    6. Q.E.F.(計算終了)
    7. viz.(すなわち)
    8. n.b.(注意)
    9. et al.(その他の人々)
  3. その他のラテン語表現
    1. a priori(先験的に)
    2. a posteriori(後験的に)
    3. ad hoc(その場限りの)
    4. vice versa(逆もまた真なり)
    5. mutatis mutandis(必要な変更を加えて)
  4. 数学用語のラテン語起源一覧
    1. 基本的な演算
    2. 数と計算
    3. 高度な数学用語
    4. 幾何学用語
  5. ラテン語の数詞(接頭辞)
    1. ラテン語系の数詞
    2. ギリシャ語系の数詞(参考)
  6. 集合記号の由来
    1. N(自然数)
    2. Z(整数)
    3. Q(有理数)
    4. R(実数)
    5. C(複素数)
  7. 数学におけるラテン語の読み方
    1. 読み方の基本
    2. 注意点
  8. ラテン語を学ぶメリット
    1. 用語の理解が深まる
    2. 論文が読みやすくなる
    3. 新しい用語も推測できる
    4. 国際的に通用する知識
  9. 覚えておきたいラテン語表現ベスト10
    1. 1. Q.E.D.(証明終了)
    2. 2. i.e.(すなわち)
    3. 3. e.g.(例えば)
    4. 4. etc.(その他)
    5. 5. cf.(参照せよ)
    6. 6. viz.(すなわち)
    7. 7. n.b.(注意)
    8. 8. et al.(その他の人々)
    9. 9. vice versa(逆もまた真なり)
    10. 10. a priori(先験的に)
  10. 実際の使用例
    1. 例文1:定理の証明
    2. 例文2:具体例の提示
    3. 例文3:参照指示
    4. 例文4:証明の終わり
  11. まとめ

なぜ数学でラテン語が使われるのか

歴史的背景

ラテン語は、かつてヨーロッパの学術共通語でした。

18世紀から19世紀にかけて、数学者たちはラテン語で論文を書き、国際的にコミュニケーションを取っていました。

有名な数学者ガウスも、ラテン語を使いこなし、晩年には新しい言語を学び続けたと言われています。

現代でも使われる理由

現在は英語が国際的な学術言語になっていますが、ラテン語由来の表現は今でも広く使われています。

理由は以下の通りです。

  1. 簡潔で正確:短い略語で複雑な概念を表現できる
  2. 国際的に通用:どの言語圏でも理解される
  3. 伝統の尊重:数学の歴史と伝統を大切にする
  4. 専門性の表現:学術的な雰囲気を醸し出す

よく使われるラテン語略語一覧

数学の文献でよく見かけるラテン語の略語を紹介します。

i.e.(すなわち)

ラテン語:id est

意味:すなわち、つまり

英語:that is

前に述べたことを言い換えたり、詳しく説明したりするときに使います。

例文

The function is continuous, i.e., there are no breaks in the graph.

(その関数は連続である、すなわち、グラフに切れ目がない。)

e.g.(例えば)

ラテン語:exempli gratia

意味:例えば

英語:for example

具体例を挙げるときに使います。

例文

Prime numbers (e.g., 2, 3, 5, 7) are divisible only by 1 and themselves.

(素数(例えば2、3、5、7)は1と自分自身でしか割り切れない。)

cf.(参照せよ)

ラテン語:confer

意味:比較せよ、参照せよ

英語:compare

関連する他の情報や文献を参照するよう促すときに使います。

例文

The proof is similar to Theorem 3 (cf. page 45).

(証明は定理3と類似している(45ページ参照)。)

注意:「see」(見よ)とは違います。cfは「比較する」という意味が含まれています。

etc.(その他)

ラテン語:et cetera

意味:その他、など

英語:and so on

リストの続きを省略するときに使います。

例文

Natural numbers: 1, 2, 3, etc.

(自然数:1、2、3など)

Q.E.D.(証明終了)

ラテン語:Quod Erat Demonstrandum

意味:かくして証明された、証明すべきことが示された

英語:which was to be demonstrated

数学の証明の最後に書く伝統的な表現です。

現代では、小さな四角記号(□または∎)で代用されることが多くなっています。

証明の最後に「Q.E.D.」または「□」を書いて証明の終わりを示します。

Q.E.F.(計算終了)

ラテン語:Quod Erat Faciendum

意味:なすべきことがなされた

英語:which was to be done

計算や作図の終わりを示すときに使います。Q.E.D.よりも使用頻度は低いです。

viz.(すなわち)

ラテン語:videlicet

意味:すなわち、つまり

英語:namely

i.e. と似ていますが、より具体的に名前を挙げるときに使います。

例文

The math club picked a new president, viz., Carl.

(数学クラブは新しい会長を選んだ、すなわちカールである。)

n.b.(注意)

ラテン語:nota bene

意味:よく注意せよ

英語:note well

特に重要な点に注意を促すときに使います。

例文

n.b. This theorem only applies to finite sets.

(注意:この定理は有限集合にのみ適用される。)

et al.(その他の人々)

ラテン語:et alii

意味:その他の人々

英語:and others

複数の著者がいる論文を引用するときに使います。

例文

Smith et al. (2020) proved this theorem.

(Smithら(2020)がこの定理を証明した。)

その他のラテン語表現

略語以外にも、数学でよく使われるラテン語表現があります。

a priori(先験的に)

意味:経験に先立って、理論的に

観察や実験なしに、論理だけで知ることができることを指します。

a posteriori(後験的に)

意味:経験に基づいて

観察や実験の結果から得られる知識を指します。

ad hoc(その場限りの)

意味:特定の問題のための、その場しのぎの

特定の問題を解決するために作られた方法を指します。

vice versa(逆もまた真なり)

意味:逆の場合も同様

AならばBが成り立つとき、BならばAも成り立つことを示します。

mutatis mutandis(必要な変更を加えて)

意味:必要な部分を変更して

同じ論理を別の状況に適用するとき、必要な修正を加えることを示します。

数学用語のラテン語起源一覧

多くの数学用語がラテン語に由来しています。

基本的な演算

Addition(加法)

  • ラテン語:additio(足すこと)
  • 動詞:addere(加える)

Subtraction(減法)

  • ラテン語:subtractio
  • 動詞:subtrahere(下から引く)

Multiplication(乗法)

  • ラテン語:multiplicatio
  • 動詞:multiplicare(多くの倍にする)

Division(除法)

  • ラテン語:divisio
  • 動詞:dividere(分ける)

数と計算

Number(数)

  • ラテン語:numerus(数)

Integer(整数)

  • ラテン語:integer(全体の、傷つけられていない)

Fraction(分数)

  • ラテン語:fractio
  • 動詞:frangere(壊す、割る)

Ratio(比)

  • ラテン語:ratio(理性、計算、比)

Sum(和)

  • ラテン語:summa(合計、最高のもの)

Quotient(商)

  • ラテン語:quotiens(何回、何倍)

高度な数学用語

Calculus(微積分)

  • ラテン語:calculus(小さな石)
  • 古代ローマでは、小石を使って計算していたことに由来

Calculate(計算する)

  • ラテン語:calculare(小石で数える)
  • 語源:calx(石灰石、小石)

Vector(ベクトル)

  • ラテン語:vector(運ぶ人)
  • 動詞:vehere(運ぶ)

Matrix(行列)

  • ラテン語:matrix(子宮、母体)
  • 数学では「要素を含む枠組み」という意味

Function(関数)

  • ラテン語:functio(実行、遂行)
  • 動詞:fungi(果たす、実行する)

Tangent(接線)

  • ラテン語:tangens(触れている)
  • 動詞:tangere(触れる)

Normal(法線)

  • ラテン語:normalis(直角定規に従った)
  • 名詞:norma(大工の定規)

Percent(パーセント)

  • ラテン語:per centum(100ごとに)

Prime(素数)

  • ラテン語:primus(最初の)

幾何学用語

Point(点)

  • ラテン語:punctum(刺された点)

Line(線)

  • ラテン語:linea(亜麻の糸、線)

Angle(角)

  • ラテン語:angulus(角)

Circle(円)

  • ラテン語:circulus(小さな輪)

Radius(半径)

  • ラテン語:radius(光線、棒)

ラテン語の数詞(接頭辞)

数を表すラテン語の接頭辞は、数学用語で頻繁に使われます。

ラテン語系の数詞

ラテン語接頭辞
1uni-unary(単項の)、unique(唯一の)
2bi-, du-binary(二進法)、dual(双対の)
3tri-triangle(三角形)、triple(三倍)
4quadri-quadratic(二次の)、quadrilateral(四角形)
5quint-quintuple(五倍)、quintic(五次の)
6sex-sextic(六次の)
7sept-septuple(七倍)
8oct-octagon(八角形)
9nona-nonagon(九角形)
10deci-decimal(十進法)
100cent-century(100年)、percent(パーセント)
1000milli-millennium(1000年)

ギリシャ語系の数詞(参考)

数学では、ギリシャ語由来の数詞も多く使われます。

ギリシャ語接頭辞
1mono-monomial(単項式)
2di-dihedral(二面角の)
3tri-trigonometry(三角法)
4tetra-tetrahedron(四面体)
5penta-pentagon(五角形)
6hexa-hexagon(六角形)
7hepta-heptagon(七角形)
8octa-octahedron(八面体)
9ennea-enneagon(九角形)
10deca-decagon(十角形)

集合記号の由来

数学でよく使う集合の記号も、実はラテン語やドイツ語に由来しています。

N(自然数)

Natural numbers(自然数)の頭文字です。

ドイツ語では Natürliche Zahlen と言います。

Z(整数)

Zahlen(ドイツ語で「数」)の頭文字です。

整数を表すドイツ語は Ganze Zahlen(全体の数)です。

Q(有理数)

Quotient(商)の頭文字です。

有理数は2つの整数の商として表せることに由来します。

ラテン語の quotiens(何回)が語源です。

R(実数)

Real numbers(実数)の頭文字です。

C(複素数)

Complex numbers(複素数)の頭文字です。

数学におけるラテン語の読み方

ラテン語の略語を正しく読めるようになりましょう。

読み方の基本

i.e. → 「アイ・イー」または「すなわち」と読む

e.g. → 「イー・ジー」または「例えば」と読む

cf. → 「シー・エフ」または「参照」と読む

Q.E.D. → 「キュー・イー・ディー」と読む

etc. → 「エトセトラ」と読む

注意点

ラテン語の略語は、アルファベットそのまま読むか、意味する英語で読むのが一般的です。

「i.e.」を「イド・エスト」とラテン語読みすることは、通常ありません。

ラテン語を学ぶメリット

数学を学ぶ上で、ラテン語の基礎知識があると便利です。

用語の理解が深まる

語源を知ることで、用語の本質的な意味が理解できます。

例えば「calculus」が「小石」を意味すると知れば、古代の計算方法まで想像できます。

論文が読みやすくなる

数学の論文には、ラテン語の表現が頻繁に登場します。

これらを理解していれば、読解がスムーズになります。

新しい用語も推測できる

ラテン語の接頭辞を知っていれば、初めて見る用語でも意味を推測できます。

例えば「decagon」を見たら、「deca-(10)+ -gon(角)= 十角形」と分かります。

国際的に通用する知識

ラテン語由来の用語は、世界中の数学者に通じます。

どの国の研究者とも、同じ基盤で議論できるのです。

覚えておきたいラテン語表現ベスト10

数学でよく使うラテン語表現を、重要度順にまとめました。

1. Q.E.D.(証明終了)

証明の最後に書く最も有名な表現です。

2. i.e.(すなわち)

説明を言い換えるときに使う基本表現です。

3. e.g.(例えば)

具体例を挙げるときの必須表現です。

4. etc.(その他)

リストを省略するときに使います。

5. cf.(参照せよ)

関連する情報を示すときに使います。

6. viz.(すなわち)

具体的な名前を挙げるときに使います。

7. n.b.(注意)

重要な点を強調するときに使います。

8. et al.(その他の人々)

論文の著者を省略するときに使います。

9. vice versa(逆もまた真なり)

逆の関係も成り立つことを示します。

10. a priori(先験的に)

理論的に導かれることを示します。

実際の使用例

ラテン語表現を使った数学の文章例を見てみましょう。

例文1:定理の証明

“The theorem holds for all prime numbers, i.e., numbers divisible only by 1 and themselves.”

(この定理はすべての素数、すなわち1と自分自身でしか割り切れない数に対して成り立つ。)

例文2:具体例の提示

“Consider regular polygons, e.g., squares, pentagons, and hexagons.”

(正多角形、例えば正方形、五角形、六角形を考えよう。)

例文3:参照指示

“The proof is similar to Theorem 5 (cf. Chapter 3).”

(証明は定理5と類似している(第3章参照)。)

例文4:証明の終わり

“Therefore, the equation has no real solutions. Q.E.D.”

(したがって、この方程式は実数解を持たない。証明終了。)

まとめ

数学で使われるラテン語は、長い歴史の中で培われてきた学術の共通言語です。

主要なラテン語略語

  • i.e.(すなわち)
  • e.g.(例えば)
  • cf.(参照せよ)
  • etc.(その他)
  • Q.E.D.(証明終了)
  • viz.(すなわち)
  • n.b.(注意)
  • et al.(その他の人々)

数学用語のラテン語起源

  • calculus(小石)
  • fraction(壊す)
  • vector(運ぶ)
  • tangent(触れる)
  • integer(全体の)
  • など多数

数詞の接頭辞

  • ラテン語系:uni-, bi-, tri-, quadri-など
  • ギリシャ語系:mono-, di-, tri-, tetra-など

集合記号の由来

  • N(自然数)、Z(整数)、Q(有理数)、R(実数)、C(複素数)

これらのラテン語表現を理解することで、数学の論文や教科書がより読みやすくなります。

また、用語の語源を知ることで、数学の概念そのものへの理解も深まるでしょう。

数学とラテン語の関係を知ることは、単なる知識以上の価値があります。

それは、数千年にわたる数学の歴史と伝統に触れることなのです。

これらの表現を少しずつ覚えて、数学の世界をもっと楽しんでください。

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