数学の変域とは?意味や求め方、不等号の使い方を分かりやすく解説

数学の授業で「xの変域は…」「yの変域を求めなさい」って聞かれて、混乱したことはありませんか?

変域って言葉自体、普段の生活では使わないので、なんだかピンと来ないですよね。でも、実は変域の意味は思ったよりシンプルなんです。

この記事では、変域とは何か、どうやって表すのか、どうやって求めるのかを、基礎から丁寧に説明していきます。

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変域とは何か

まず、変域の基本的な意味から見ていきましょう。

変域(へんいき)とは、変数がとることのできる値の範囲のことです。

もっと簡単に言うと、「変化する範囲」を指すんですね。

変数と変域の関係

変域を理解するには、まず変数について知っておく必要があります。

変数(へんすう)とは、いろいろな値を取ることができる文字のこと。数学では、xやyがよく使われますよね。

たとえば、y = 2xという式があったとき、xに1を入れればy = 2、xに3を入れればy = 6になります。このように値が変わる文字が変数なんです。

そして、この変数が「どの範囲で変化するか」を表したものが変域というわけです。

日常生活での変域の例

自動販売機で考えてみましょう。

100円玉だけを受け付ける自動販売機があるとします。1枚から5枚まで入れられるとすると、入れられるお金(x円)の範囲は:

100 ≦ x ≦ 500

これがxの変域です。「100円以上、500円以下」という範囲を表しているんですね。

変域の表し方

変域は、不等号を使って表します。

不等号の種類と意味

変域を表すには、4種類の不等号を使います。

<(より小さい)
「x < 5」は「xは5より小さい」という意味。5は含みません。

>(より大きい)
「x > 3」は「xは3より大きい」という意味。3は含みません。

≦(以下)
「x ≦ 5」は「xは5以下」という意味。5を含みます。

≧(以上)
「x ≧ 3」は「xは3以上」という意味。3を含みます。

「より」と「以」の違い

ここが大切なポイントです。

「より大きい」「より小さい」は、その数を含みません。だから不等号は「<」「>」を使います。

「以上」「以下」は、その数を含みます。だから不等号は「≦」「≧」を使うんですね。

たとえば:

  • 「3より大きい」→ 3.1、4、5などはOK。でも3はダメ
  • 「3以上」→ 3、4、5などがすべてOK

範囲で表す変域

変域は、2つの不等号を組み合わせて範囲として表すこともできます。

「xは2より大きく5より小さい」
2 < x < 5

「xは1以上3以下」
1 ≦ x ≦ 3

「xは-2以上4未満」
-2 ≦ x < 4

「未満」は「より小さい」と同じ意味なので、イコールの付かない「<」を使います。

不等号の向きに注意

変域を書くとき、数は小さい順に並べます。

正しい書き方: 2 < x < 5
間違った書き方: 5 < x < 2

5 < x < 2と書くと、「5より大きく2より小さい」という矛盾した意味になってしまいます。これは絶対に避けてくださいね。

一次関数における変域

変域は、特に関数を学ぶときに重要になります。

xの変域とyの変域

関数では、xの変域とyの変域を考えます。

xの変域は、xが取ることのできる値の範囲。
yの変域は、yが取ることのできる値の範囲です。

一次関数 y = 2x – 1 で、xの変域が -1 ≦ x ≦ 3 のとき、yの変域を求める問題がよく出題されます。

yの変域の求め方

yの変域を求めるには、xの変域の両端の値を式に代入します。

例題
y = 2x – 1 で、xの変域が -1 ≦ x ≦ 3 のとき、yの変域を求めなさい。

解き方:

まず、x = -1 のときのyを求めます。
y = 2 × (-1) – 1 = -3

次に、x = 3 のときのyを求めます。
y = 2 × 3 – 1 = 5

xが-1から3まで変化すると、yは-3から5まで変化します。

したがって、yの変域は -3 ≦ y ≦ 5 となります。

傾きがマイナスの場合の注意点

一次関数の傾き(xの係数)がマイナスのときは、注意が必要です。

例題
y = -3x + 7 で、xの変域が -2 ≦ x ≦ 1 のとき、yの変域を求めなさい。

解き方:

x = -2 のとき
y = -3 × (-2) + 7 = 13

x = 1 のとき
y = -3 × 1 + 7 = 4

ここで気をつけて!傾きがマイナスなので、xが大きくなるとyは小さくなります。

つまり、yの変域は 4 ≦ y ≦ 13 となります。

間違えて「13 ≦ y ≦ 4」と書かないように注意してくださいね。

グラフと変域の関係

変域は、グラフで視覚的に表すこともできます。

グラフ上での変域の見方

関数のグラフを描くとき、変域があると直線の長さが制限されます。

xの変域が -1 ≦ x ≦ 3 なら、グラフはx = -1からx = 3までの部分だけを描きます。グラフ用紙の端まで直線を引かないように注意が必要です。

横の範囲がxの変域
縦の範囲がyの変域

と考えると分かりやすいですよ。

数直線での変域の表し方

変域は数直線上に表すこともできます。

2 ≦ x ≦ 5 の場合:
数直線上の2と5に●(黒丸)を付けて、その間を線で結びます。黒丸は「その数を含む」という意味です。

2 < x < 5 の場合:
数直線上の2と5に○(白丸)を付けて、その間を線で結びます。白丸は「その数を含まない」という意味なんです。

x > 3 のように終わりがない場合:
3に○を付けて、右側に矢印を伸ばします。終わりがないことを表すため、線を途中で止めないように気をつけてください。

変域を求める問題のコツ

変域の問題を解くときのポイントをまとめます。

コツ1:対応表を作る

変域を求めるとき、対応表を作ると間違いが減ります。

xの変域の両端の値を表の上に書いて、それぞれに対応するyの値を下に書く方法です。

x | -1 | … | 3
--------------
y | -3 | … | 5

こうすれば、yの変域が一目で分かりますね。

コツ2:グラフを描く

理想的には、グラフを描くのが最も確実な方法です。

グラフを見れば、yがどの範囲で変化するか視覚的に理解できます。特に複雑な関数の場合、グラフは強い味方になってくれますよ。

コツ3:傾きの正負を確認する

一次関数では、傾きが正か負かで、yの変域の大小が変わります。

傾きが正(プラス)→ xが大きくなるとyも大きくなる
傾きが負(マイナス)→ xが大きくなるとyは小さくなる

この点を忘れないようにしましょう。

コツ4:不等号の向きを確認する

答えを書くとき、必ず小さい数が左、大きい数が右になるように書きます。

「13 ≦ y ≦ 4」のように大小関係が逆になっていないか、最後にもう一度確認してくださいね。

変域に関する応用問題

変域の理解が深まってきたら、応用問題にもチャレンジしてみましょう。

実生活の問題

水槽の問題
50リットル入る水槽に、毎分2リットルずつ水を入れます。x分間水を入れたときの水の量をyリットルとすると、xとyの変域は?

考え方:
水の量は、最小0リットル(空っぽ)、最大50リットル(満タン)です。
だから、yの変域は 0 ≦ y ≦ 50

時間は、最小0分、最大は50÷2 = 25分です。
だから、xの変域は 0 ≦ x ≦ 25

変域から式を求める問題

変域が与えられて、関数の式を求める問題もあります。

y = ax + b で、xの変域が -1 ≦ x ≦ 2、yの変域が -4 ≦ y ≦ 5 のとき、aとbの値を求める問題などですね。

こういう問題は、グラフを描いて端点の座標を考えると解きやすくなります。

まとめ

変域とは、変数が取ることのできる値の範囲のことです。

「変化する範囲」と覚えておけば、意味がつかみやすいでしょう。変域は不等号を使って表し、「<」「>」はその数を含まず、「≦」「≧」はその数を含みます。

一次関数でyの変域を求めるときは、xの変域の両端の値を式に代入して計算します。傾きがマイナスの場合、yの大小が逆になることに注意が必要ですね。

変域を表すときは、必ず小さい数が左、大きい数が右になるように書きましょう。「13 ≦ y ≦ 4」のような矛盾した書き方は避けてください。

グラフや数直線、対応表を使うと、変域を視覚的に理解しやすくなります。特にグラフを描く方法は、複雑な問題でも確実に変域を求められる強力な方法です。

変域の概念は、関数を理解する上で非常に重要。しっかりマスターして、数学の力をさらに伸ばしていきましょう!

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