数学の授業で「同類項をまとめなさい」と言われて、「どれとどれをまとめればいいの?」と困った経験はありませんか?
3x + 2y – x + 5yのような式を見ると、何をどうすればいいのか迷ってしまいますよね。
でも安心してください。同類項の見分け方とまとめ方には、シンプルなルールがあります。この記事では、同類項の基本から計算のコツまで、分かりやすく解説していきます!
同類項とは?【基本の定義】

同類項の意味
同類項とは、文字の部分がまったく同じ項のことです。英語では「like terms」や「similar terms」といいます。
簡単に言えば、「仲間同士の項」ということです。
項(こう)とは?
項とは、式を「+」や「-」で区切ったときの、一つひとつの塊のことです。
例:
3x + 2y – 5x + 7
この式には4つの項があります:
- 第1項:3x
- 第2項:2y
- 第3項:-5x
- 第4項:7
同類項の条件
2つの項が同類項になるための条件は:
条件1:文字の種類が同じ
xとx、yとyのように、同じ文字を使っていること。
条件2:文字の指数が同じ
x²とx²、xとxのように、累乗の指数が同じであること。
重要なポイント
係数(数字の部分)が違っていても、文字の部分が同じなら同類項です。
同類項の見分け方【具体例で理解】
例1:基本的な同類項
次のうち、同類項はどれとどれでしょうか?
2x、5x、3y、-4x、7y
答え:
- 2xと5xと-4x(すべてxの項)
- 3yと7y(すべてyの項)
文字がxで揃っているもの同士、yで揃っているもの同士が同類項です。
例2:定数項
次の式の同類項を見つけましょう。
3x + 5 – 2x + 8
答え:
- 3xと-2x(xの項)
- 5と8(定数項)
数字だけの項(定数項)も、同類項としてまとめられます。
例3:指数が異なる場合
次のうち、同類項はどれでしょうか?
x²、2x、3x²、4x、-x²
答え:
- x²と3x²と-x²(x²の項)
- 2xと4x(xの項)
x²とxは、同じ文字xを使っていても指数が違うので同類項ではありません。
例4:複数の文字を含む場合
次のうち、同類項はどれでしょうか?
3xy、2x、5xy、4y、-2xy
答え:
- 3xyと5xyと-2xy(xyの項)
- 2xと4y:それぞれ別の項
xyとyxは、掛け算の順序が違うだけなので同類項です(3xy = 3yxと同じ)。
同類項のまとめ方【計算の基本】
同類項をまとめるとは、係数を足し算・引き算することです。
基本ルール
同類項をまとめるときは、係数だけを計算して、文字の部分はそのまま
3x + 5x = (3 + 5)x = 8x
文字の部分は変えずに、数字だけを足し算します。
例題1:基本的なまとめ方
問題: 2x + 3x をまとめなさい
解き方:
係数の2と3を足します。
2x + 3x = (2 + 3)x = 5x
例題2:引き算を含む場合
問題: 5x – 2x をまとめなさい
解き方:
係数の5から2を引きます。
5x - 2x = (5 - 2)x = 3x
例題3:マイナスの係数
問題: 4x – 7x をまとめなさい
解き方:
係数の4から7を引きます。
4x - 7x = (4 - 7)x = -3x
マイナスの答えになることもあります。
例題4:複数の同類項
問題: 3x + 5x – 2x をまとめなさい
解き方:
係数を順番に計算します。
3x + 5x - 2x = (3 + 5 - 2)x = 6x
複雑な式の同類項まとめ

例題5:異なる文字が混ざった式
問題: 3x + 2y – x + 5y をまとめなさい
解き方:
ステップ1:同類項を見つける
- xの項:3x、-x
- yの項:2y、5y
ステップ2:それぞれまとめる
- xの項:3x – x = 2x
- yの項:2y + 5y = 7y
答え: 2x + 7y
例題6:定数項を含む式
問題: 4x + 3 – 2x + 7 をまとめなさい
解き方:
同類項:
- xの項:4x、-2x
- 定数項:3、7
計算:
- xの項:4x – 2x = 2x
- 定数項:3 + 7 = 10
答え: 2x + 10
例題7:指数を含む式
問題: 2x² + 3x – x² + 5x をまとめなさい
解き方:
同類項:
- x²の項:2x²、-x²
- xの項:3x、5x
計算:
- x²の項:2x² – x² = x²
- xの項:3x + 5x = 8x
答え: x² + 8x
例題8:3つ以上の文字を含む式
問題: 5a + 3b – 2a + b + 4c をまとめなさい
解き方:
同類項:
- aの項:5a、-2a
- bの項:3b、b
- cの項:4c
計算:
- aの項:5a – 2a = 3a
- bの項:3b + b = 4b
- cの項:4c
答え: 3a + 4b + 4c
係数が1や-1の場合
係数が1や-1のとき、数字を省略して書くことがあります。
係数が1の場合
1xは、xと書く
例:
x + 2x = 1x + 2x = 3x
係数が1のときは、1を書かずにxだけで表します。
係数が-1の場合
-1xは、-xと書く
例:
3x - x = 3x - 1x = 2x
-1xは-xと書きます。
例題9:係数の省略に注意
問題: x + 3x – x をまとめなさい
解き方:
省略された係数を補って考えます。
x + 3x - x = 1x + 3x - 1x = (1 + 3 - 1)x = 3x
答え: 3x
カッコを含む式の同類項まとめ
カッコがある式では、まずカッコを外してから同類項をまとめます。
例題10:カッコの展開
問題: 2(x + 3) + 3x をまとめなさい
解き方:
ステップ1:カッコを外す
2(x + 3) + 3x = 2x + 6 + 3x
ステップ2:同類項をまとめる
- xの項:2x + 3x = 5x
- 定数項:6
答え: 5x + 6
例題11:マイナスのカッコ
問題: 5x – (2x – 3) をまとめなさい
解き方:
ステップ1:カッコを外す(符号に注意)
5x - (2x - 3) = 5x - 2x + 3
マイナスのカッコを外すと、中の符号が逆転します。
ステップ2:同類項をまとめる
5x - 2x + 3 = 3x + 3
答え: 3x + 3
分数の係数を持つ同類項
係数が分数の場合も、基本は同じです。
例題12:分数の係数
問題: (1/2)x + (3/2)x をまとめなさい
解き方:
分数の係数を足します。
(1/2)x + (3/2)x = (1/2 + 3/2)x = (4/2)x = 2x
答え: 2x
例題13:通分が必要な場合
問題: (1/3)x + (1/2)x をまとめなさい
解き方:
ステップ1:通分する
分母を6に揃えます。
(1/3)x + (1/2)x = (2/6)x + (3/6)x
ステップ2:分子を足す
= (2 + 3)/6 x = (5/6)x
答え: (5/6)x
よくある間違い
間違い1:文字も足してしまう
❌ 間違い:
2x + 3x = 5x² または 5x²
⭕ 正しい:
2x + 3x = 5x
文字の部分は変わりません。
間違い2:異なる文字をまとめる
❌ 間違い:
2x + 3y = 5xy
⭕ 正しい:
2x + 3y = 2x + 3y(まとめられない)
文字が違う項は同類項ではありません。
間違い3:指数が違う項をまとめる
❌ 間違い:
x² + 2x = 3x²
⭕ 正しい:
x² + 2x = x² + 2x(まとめられない)
指数が違うと同類項ではありません。
間違い4:符号の間違い
❌ 間違い:
3x - 2x = 1(xを忘れる)
⭕ 正しい:
3x - 2x = 1x = x
答えにも文字をつけ忘れないように。
同類項まとめの手順
複雑な式でも、次の手順で進めれば確実です。
ステップ1:カッコがあれば外す
2(x + 3) – (x – 1) → 2x + 6 – x + 1
ステップ2:同類項を見つける
同じ文字、同じ指数の項をグループ分けします。
ステップ3:各グループで係数を計算
xの項、yの項、定数項など、それぞれ計算します。
ステップ4:整理して書く
通常は、次数(指数)が高い順に並べます。
例: x² + 3x + 5(降べきの順)
同類項を使った文章題
実際の問題でも同類項の知識が役立ちます。
例題14:長さの計算
問題:
1本がx cmの鉛筆を3本と、1本が2x cmの鉛筆を2本買いました。鉛筆の長さの合計を式で表しなさい。
解き方:
長さの合計:
3x + 2 × 2x = 3x + 4x = 7x (cm)
答え: 7x cm
例題15:金額の計算
問題:
1個x円のリンゴを5個と、1個x円のミカンを3個買いました。合計金額を式で表しなさい。
解き方:
合計金額:
5x + 3x = 8x (円)
答え: 8x円
実践問題で理解度チェック
問題1
次の式の同類項をまとめなさい。
(1) 4x + 7x
(2) 5y – 2y
(3) 3a – 8a
解答:
(1) 11x
(2) 3y
(3) -5a
問題2
次の式の同類項をまとめなさい。
(1) 2x + 5y + 3x – 2y
(2) 4a + 3 – a + 7
(3) x² + 3x – 2x² + 5x
解答:
(1) 5x + 3y
(2) 3a + 10
(3) -x² + 8x
問題3
次の式を簡単にしなさい。
(1) 3(x + 2) + 2x
(2) 5x – (x + 3)
(3) 2(a – 1) – 3(a + 2)
解答:
(1) 3x + 6 + 2x = 5x + 6
(2) 5x – x – 3 = 4x – 3
(3) 2a – 2 – 3a – 6 = -a – 8
同類項と他の計算ルール
同類項のまとめ方は、他の計算にも応用できます。
方程式を解くとき
方程式を解く際も、同類項をまとめることが基本です。
例:
2x + 3 = x + 7を解く
移項して同類項をまとめる:
2x - x = 7 - 3
x = 4
式の値を求めるとき
同類項をまとめてから代入すると、計算が楽になります。
例:
x = 2のとき、3x + 5 – x + 3の値は?
まず同類項をまとめる:
3x + 5 - x + 3 = 2x + 8
x = 2を代入:
2 × 2 + 8 = 4 + 8 = 12
覚えておきたいポイント
ポイント1:文字の部分が同じ
同類項かどうかは、文字とその指数だけで判断します。係数は関係ありません。
ポイント2:係数だけを計算
同類項をまとめるときは、係数だけ計算して、文字はそのまま残します。
ポイント3:定数項も同類項
数字だけの項(定数項)も、同類項としてまとめられます。
ポイント4:順序は自由
2x + 3yも3y + 2xも同じです。ただし、通常は文字のアルファベット順に並べます。
まとめ
同類項は代数の基本であり、すべての計算の土台となる重要な概念です。
この記事のポイント
- 同類項とは文字の部分がまったく同じ項のこと
- 文字の種類と指数が同じなら同類項
- 係数が違っても同類項になる
- 同類項をまとめるときは係数だけを計算する
- 文字の部分は変えない
- 定数項(数字だけの項)も同類項としてまとめられる
- x²とxは指数が違うので同類項ではない
- カッコがある場合は先に展開してからまとめる
同類項のまとめ方をマスターすれば、方程式や式の計算がずっと楽になります。最初は文字が混ざると難しく感じるかもしれませんが、「文字の部分が同じものを探す」というシンプルなルールを意識すれば、必ずできるようになりますよ!


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