「対数の計算が全然わからない…」「logの公式が覚えられない!」
そんな悩みを持っていませんか?
対数法則は、高校数学で初めて登場する重要な公式です。一見複雑に見えますが、実は指数法則をもとにしているので、パターンを理解すれば簡単に使いこなせます。
この記事では、対数の基本から、3つの重要な対数法則、そして覚え方のコツまで、初心者にもわかりやすく解説します。
対数とは?まずは基本を確認
対数法則を理解する前に、そもそも「対数って何?」という基本を確認しましょう。
対数の定義
対数は、指数の逆の考え方です。
指数の考え方:
「2を3乗すると8になる」
→ 2³ = 8
対数の考え方:
「2を何乗すると8になるか?」
→ log₂ 8 = 3
つまり、対数は「指数がいくつになるか」を表す数です。
対数の表記
対数は次のように表記します。
log_a M = p
読み方:
「aを底(てい)とするMの対数は p」
意味:
「aをp乗するとMになる」
→ a^p = M
記号の意味
- a : 底(てい) – 何を掛け算するか
- M : 真数(しんすう) – 結果の数
- p : 対数 – 何乗するか
具体例で確認
例1:
log₁₀ 100 = 2
なぜなら、10² = 100 だから
例2:
log₂ 8 = 3
なぜなら、2³ = 8 だから
例3:
log₅ 125 = 3
なぜなら、5³ = 125 だから
対数の基本的な性質
対数法則を学ぶ前に、押さえておくべき基本的な性質があります。
性質1: log_a 1 = 0
どんな底でも、1の対数は必ず0になります。
理由:
どんな数も0乗すると1になるからです。
- 2⁰ = 1 → log₂ 1 = 0
- 10⁰ = 1 → log₁₀ 1 = 0
- 5⁰ = 1 → log₅ 1 = 0
性質2: log_a a = 1
底と真数が同じ場合、対数は必ず1になります。
理由:
どんな数も1乗すると自分自身になるからです。
- 2¹ = 2 → log₂ 2 = 1
- 10¹ = 10 → log₁₀ 10 = 1
- 5¹ = 5 → log₅ 5 = 1
性質3: a^(log_a M) = M
底を指数にして、その指数が対数の場合、結果は真数Mになります。
理由:
対数と指数は逆の関係なので、打ち消し合うからです。
例:
2^(log₂ 8) = 8
10^(log₁₀ 100) = 100
対数の3大法則
それでは、対数の最も重要な3つの法則を見ていきましょう。
第1法則:積の法則(掛け算)
公式:
log_a (MN) = log_a M + log_a N
意味:
真数の掛け算は、対数の足し算になる
具体例:
log₂ (4 × 8) = log₂ 4 + log₂ 8
左辺を計算すると:
- log₂ 32 = 5 (なぜなら 2⁵ = 32)
右辺を計算すると:
- log₂ 4 + log₂ 8
- = 2 + 3 (なぜなら 2² = 4, 2³ = 8)
- = 5
左辺 = 右辺なので、法則が成り立っています!
なぜこの法則が成り立つ?
指数法則を使って証明できます。
log₂ M = p, log₂ N = q とすると
- 2^p = M
- 2^q = N
両辺を掛けると:
- MN = 2^p × 2^q = 2^(p+q)
これを対数で表すと:
- log₂ (MN) = p + q = log₂ M + log₂ N
第2法則:商の法則(割り算)
公式:
log_a (M/N) = log_a M - log_a N
意味:
真数の割り算は、対数の引き算になる
具体例:
log₂ (8 ÷ 2) = log₂ 8 – log₂ 2
左辺を計算すると:
- log₂ 4 = 2 (なぜなら 2² = 4)
右辺を計算すると:
- log₂ 8 – log₂ 2
- = 3 – 1 (なぜなら 2³ = 8, 2¹ = 2)
- = 2
左辺 = 右辺なので、法則が成り立っています!
なぜこの法則が成り立つ?
積の法則と同様に、指数法則から証明できます。
log₂ M = p, log₂ N = q とすると
- 2^p = M
- 2^q = N
両辺を割ると:
- M/N = 2^p ÷ 2^q = 2^(p-q)
これを対数で表すと:
- log₂ (M/N) = p – q = log₂ M – log₂ N
第3法則:べき乗の法則
公式:
log_a (M^r) = r × log_a M
意味:
真数のべき乗は、係数として前に出せる
具体例:
log₂ (4³) = 3 × log₂ 4
左辺を計算すると:
- log₂ 64 = 6 (なぜなら 2⁶ = 64)
右辺を計算すると:
- 3 × log₂ 4
- = 3 × 2 (なぜなら 2² = 4)
- = 6
左辺 = 右辺なので、法則が成り立っています!
なぜこの法則が成り立つ?
log₂ M = p とすると
- 2^p = M
両辺をr乗すると:
- (2^p)^r = M^r
- 2^(pr) = M^r
これを対数で表すと:
- log₂ (M^r) = pr = r × log₂ M
対数法則の覚え方
対数法則を簡単に覚えるコツを紹介します。
コツ1:指数法則と比較する
対数法則は、指数法則と対応しています。
指数法則:
- a^m × a^n = a^(m+n) (指数の足し算)
- a^m ÷ a^n = a^(m-n) (指数の引き算)
- (a^m)^n = a^(mn) (指数の掛け算)
対数法則:
- log(MN) = log M + log N (対数の足し算)
- log(M/N) = log M – log N (対数の引き算)
- log(M^r) = r log M (係数として前に)
コツ2:語呂合わせ
積は和、商は差、べきは前
- 積の対数 → 対数の和
- 商の対数 → 対数の差
- べき乗 → 係数として前
コツ3:実際に数字で確認
覚えるだけでなく、具体的な数字で確認すると理解が深まります。
log₂ 16 を分解してみましょう。
16 = 4 × 4 なので:
- log₂ 16 = log₂ (4 × 4) = log₂ 4 + log₂ 4 = 2 + 2 = 4 ✓
16 = 2⁸ ÷ 2⁴ なので:
- log₂ 16 = log₂ (2⁸ ÷ 2⁴) = log₂ 2⁸ – log₂ 2⁴ = 8 – 4 = 4 ✓
16 = 2⁴ なので:
- log₂ 16 = log₂ 2⁴ = 4 × log₂ 2 = 4 × 1 = 4 ✓
底の変換公式
対数法則と合わせて覚えておきたいのが「底の変換公式」です。
底の変換公式とは
公式:
log_a M = (log_b M) / (log_b a)
意味:
底が違う対数を、別の底の対数で表せる
なぜ必要?
電卓には「log(常用対数、底10)」と「ln(自然対数、底e)」しかありません。
底が2や3の対数を計算したい時、この公式で変換します。
具体例
log₂ 8 を常用対数で計算してみましょう。
log₂ 8 = (log₁₀ 8) / (log₁₀ 2)
電卓で計算すると:
- log₁₀ 8 ≒ 0.903
- log₁₀ 2 ≒ 0.301
- 0.903 ÷ 0.301 ≒ 3
つまり log₂ 8 = 3 ✓
実践問題で理解を深めよう
それでは、実際に問題を解いて理解を深めましょう。
問題1:積の法則を使う
問題:
log₆ 4 + log₆ 9 を計算してください。
解答:
積の法則を使います。
log₆ 4 + log₆ 9
= log₆ (4 × 9)
= log₆ 36
= log₆ 6²
= 2 × log₆ 6
= 2 × 1
= 2
答え: 2
問題2:商の法則を使う
問題:
log₅ 125 – log₅ 5 を計算してください。
解答:
商の法則を使います。
log₅ 125 – log₅ 5
= log₅ (125 ÷ 5)
= log₅ 25
= log₅ 5²
= 2 × log₅ 5
= 2 × 1
= 2
答え: 2
問題3:べき乗の法則を使う
問題:
log₂ 8 を2つの異なる方法で計算してください。
解答:
方法1: 直接計算
log₂ 8 = 3
(なぜなら 2³ = 8)
方法2: べき乗の法則を使う
8 = 2³ なので
log₂ 8
= log₂ 2³
= 3 × log₂ 2
= 3 × 1
= 3
どちらも 答え: 3
問題4:複数の法則を組み合わせる
問題:
log₃ 27 + log₃ 9 – log₃ 3 を計算してください。
解答:
まず積の法則で前の2項をまとめます。
log₃ 27 + log₃ 9
= log₃ (27 × 9)
= log₃ 243
次に商の法則を使います。
log₃ 243 – log₃ 3
= log₃ (243 ÷ 3)
= log₃ 81
= log₃ 3⁴
= 4 × log₃ 3
= 4 × 1
= 4
答え: 4
対数法則の逆向きの使い方
対数法則は、逆向きにも使えます。
展開(分ける)
例:
log₂ (8 × 4) を分けると
= log₂ 8 + log₂ 4
まとめる(統合)
例:
log₂ 8 + log₂ 4 をまとめると
= log₂ (8 × 4)
= log₂ 32
どちらを使うか?
計算しやすい形にするのが目的です。
- 複雑な真数 → 分ける
- 複数の対数 → まとめる
対数法則の実生活での応用
対数法則は、実は身近なところで使われています。
pH(酸性・アルカリ性)の計算
pHは対数を使って表されます。
pH = -log₁₀[H⁺]
対数法則を使うことで、pH値の計算や比較が簡単になります。
音の大きさ(デシベル)
音の大きさも対数で表されます。
dB = 10 × log₁₀(I/I₀)
対数法則により、音の強さの比較が容易になります。
地震のマグニチュード
地震の規模も対数で表されます。
マグニチュードが1増えると、エネルギーは約32倍になります。
これは対数のべき乗の法則から来ています。
複利計算
投資や貯金の複利計算でも対数が使われます。
元本が2倍になる期間を求める時、対数法則が活躍します。
よくある間違いと注意点
対数法則を使う時の注意点を確認しましょう。
間違い1: log(M + N)を分解できる?
間違い:
log(M + N) = log M + log N ❌
正しい:
log(M + N) は分解できません
積の法則は log(M × N) = log M + log N です。
間違い2: log(M – N)を分解できる?
間違い:
log(M – N) = log M – log N ❌
正しい:
log(M – N) は分解できません
商の法則は log(M ÷ N) = log M – log N です。
間違い3: 底が違う対数を足す
間違い:
log₂ 4 + log₃ 9 = log₂₃ 36 ❌
正しい:
底が違う対数は、そのまま足せません
底の変換公式を使って、底を揃える必要があります。
間違い4: 真数が負や0
間違い:
log₂ (-4) や log₂ 0 を計算する ❌
正しい:
真数は必ず正の数でなければなりません
負の数や0の対数は、高校数学では定義されません。
対数法則まとめ
最後に、対数法則をもう一度整理しましょう。
3つの基本法則
1. 積の法則:
log_a (MN) = log_a M + log_a N
真数の掛け算 → 対数の足し算
2. 商の法則:
log_a (M/N) = log_a M - log_a N
真数の割り算 → 対数の引き算
3. べき乗の法則:
log_a (M^r) = r × log_a M
真数のべき乗 → 係数として前に
基本性質
- log_a 1 = 0
- log_a a = 1
- a^(log_a M) = M
底の変換公式
log_a M = (log_b M) / (log_b a)
覚え方
「積は和、商は差、べきは前」
練習が大切
対数法則は、実際に問題を解いて身につけるのが一番です。
具体的な数字で計算して、法則が成り立つことを確認しながら練習しましょう。
さらに学習を深めるために
対数法則をマスターしたら、次のステップに進みましょう。
対数方程式
対数法則を使って、対数を含む方程式を解きます。
例: log₂ x + log₂ (x-3) = 2
対数不等式
対数の大小関係を扱います。
底が1より大きいか小さいかで、不等号の向きが変わります。
常用対数の応用
桁数を求める問題などで活躍します。
例: 2¹⁰⁰ は何桁の数か?
自然対数(ln)
底がe(ネイピア数)の対数です。
微積分で重要な役割を果たします。
対数法則は、これらの発展的な内容を学ぶ上で必須の基礎知識です。
しっかりマスターして、数学をもっと楽しんでください!

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