【5分で分かる】数学の確率「C」って何?組み合わせの公式を徹底解説

数学

確率の問題を解いていると、突然「₅C₂」とか「₁₀C₃」みたいな記号が出てきて、「これって何?」と戸惑ったことはありませんか?

実はこの「C」、確率や統計の問題を解くときにめちゃくちゃ便利な記号なんです。この記事では、数学が苦手な人でも理解できるように、組み合わせの「C」について分かりやすく解説していきます。

計算方法だけでなく、「なぜこの公式で求められるのか?」という疑問にもしっかり答えていきますね。


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そもそも「C」って何の略?

「C」は「Combination(コンビネーション)」の頭文字です。

日本語では「組み合わせ」と呼ばれます。

つまり、「いくつかのモノの中から、何個かを選び出す方法が何通りあるか」を計算するときに使う記号なんですね。

具体例で考えてみよう

たとえば、あなたの目の前に5種類のアイスクリームがあるとします。

  • バニラ
  • チョコレート
  • ストロベリー
  • 抹茶
  • マンゴー

この中から2つ選ぶとしたら、何通りの選び方があるでしょうか?

実際に書き出してみると…

  1. バニラ&チョコレート
  2. バニラ&ストロベリー
  3. バニラ&抹茶
  4. バニラ&マンゴー
  5. チョコレート&ストロベリー
  6. チョコレート&抹茶
  7. チョコレート&マンゴー
  8. ストロベリー&抹茶
  9. ストロベリー&マンゴー
  10. 抹茶&マンゴー

全部で10通りありますね!

この「5種類から2つを選ぶ組み合わせ」を数学の記号で表すと、₅C₂ = 10 となります。


「C」の書き方と読み方

表記方法

組み合わせは次のように書きます。

ₙCᵣ または C(n, r)

  • n(エヌ):全体の個数
  • r(アール):選び出す個数

読み方

「₅C₂」は「5シー2」または「5から2を選ぶ組み合わせ」と読みます。

英語では「5 choose 2(5個の中から2個を選ぶ)」と表現されることもあります。


組み合わせ「C」の公式

さて、いちいち書き出して数えるのは大変ですよね。アイスクリームが100種類あったら…考えただけで気が遠くなります。

そこで登場するのが組み合わせの公式です!

基本の公式

ₙCᵣ = n! / (r! × (n - r)!)

「!(エクスクラメーションマーク)」って何?と思った方、安心してください。次で説明します。


階乗「!」とは?

階乗(かいじょう)とは、その数から1まで順番に掛け算していった結果のことです。記号は「!」を使います。

階乗の計算例

  • 3! = 3 × 2 × 1 = 6
  • 4! = 4 × 3 × 2 × 1 = 24
  • 5! = 5 × 4 × 3 × 2 × 1 = 120

読み方は「3の階乗」「4の階乗」のように読みます。

特別なルール

  • 0! = 1 と決められています(理論的な理由があります)
  • 1! = 1 です

階乗を使うと、大きな数の計算が簡単になるんですよ。


実際に計算してみよう

先ほどのアイスクリームの例を、公式を使って計算してみましょう。

問題:5種類から2つ選ぶ組み合わせ(₅C₂)

₅C₂ = 5! / (2! × (5 - 2)!)
    = 5! / (2! × 3!)
    = (5 × 4 × 3 × 2 × 1) / ((2 × 1) × (3 × 2 × 1))

ここで計算のコツがあります!

分母と分子で共通する部分を約分すると、計算がグッと楽になります。

₅C₂ = (5 × 4 × 3 × 2 × 1) / ((2 × 1) × (3 × 2 × 1))
    = (5 × 4) / (2 × 1)
    = 20 / 2
    = 10

答えは10通り!最初に数えた結果と同じですね。


もっと簡単な計算方法

実は、組み合わせの計算にはもっと簡単な方法があります。

計算の工夫

ₙCᵣ = (n × (n-1) × (n-2) × ... × (n-r+1)) / (r × (r-1) × ... × 2 × 1)

つまり、分子はnからr個だけ掛け算して、分母はrの階乗で計算すればOKです。

例:₅C₂の場合

₅C₂ = (5 × 4) / (2 × 1)
    = 20 / 2
    = 10

この方法なら、大きな階乗を計算しなくて済むので、ミスも減ります!


知っておくと便利な性質

1. 対称性の性質

ₙCᵣ = ₙC_(n-r)

これは「n個から r個選ぶ」のと「n個から (n-r)個選ぶ」のは同じ、という意味です。

具体例

  • ₅C₂ = ₅C₃ = 10
  • ₁₀C₃ = ₁₀C₇ = 120

なぜでしょう?

5個から2個選ぶということは、残りの3個を選ばないということと同じだからです。選ぶ個数と選ばない個数は表裏一体なんですね。

2. 特殊なケース

  • ₙC₀ = 1(何も選ばない方法は1通り)
  • ₙC₁ = n(1個だけ選ぶ方法はn通り)
  • ₙCₙ = 1(全部選ぶ方法は1通り)

順列「P」との違い

組み合わせ「C」とよく混同されるのが、順列「P」です。

順列(Permutation)とは?

順列は「選んだものを並べる順番も考慮する」場合に使います。

具体例で比較

問題:A、B、Cの3人から2人を選ぶ

組み合わせ(C)の場合

順番は考えない=「誰を選ぶか」だけ

  • A&B
  • A&C
  • B&C

答え:3通り(₃C₂ = 3)

順列(P)の場合

順番も考える=「誰を1番目、2番目にするか」まで考える

  • A→B
  • A→C
  • B→A
  • B→C
  • C→A
  • C→B

答え:6通り(₃P₂ = 6)

見分け方のポイント

  • 代表を選ぶ、チームを作る → 組み合わせ(C)
  • 順位をつける、並べる順番がある → 順列(P)

確率の問題での使い方

組み合わせ「C」は、特に確率の計算でよく使われます。

例題:くじ引きの確率

問題

10本のくじの中に、当たりが3本入っています。この中から2本を引いたとき、両方とも当たる確率は?

解き方

全体の引き方
10本から2本を引く組み合わせ → ₁₀C₂

₁₀C₂ = (10 × 9) / (2 × 1) = 45通り

当たりを2本引く方法
3本の当たりくじから2本を引く組み合わせ → ₃C₂

₃C₂ = (3 × 2) / (2 × 1) = 3通り

確率の計算

確率 = 3 / 45 = 1 / 15

答え:1/15(約6.7%)


実生活での応用例

組み合わせ「C」は、実は私たちの生活のあちこちで使われています。

宝くじやロトの当選確率

ロト6は「1〜43の数字から6個を選ぶ」くじです。

当たる組み合わせは₄₃C₆ = 6,096,454通りもあります!

チーム分け

クラスの30人から5人の委員を選ぶ場合、₃₀C₅ = 142,506通りの選び方があります。

メニューの組み合わせ

レストランで5種類のトッピングから3つを選ぶとき、₅C₃ = 10通りの組み合わせが作れます。


計算ミスを防ぐコツ

1. 計算前に対称性をチェック

₁₀₀C₉₈を計算するなら、先に₁₀₀C₂に変換すると楽です。

₁₀₀C₉₈ = ₁₀₀C₂ = (100 × 99) / (2 × 1) = 4,950

2. 約分を先にする

階乗をすべて展開する前に、約分できる部分を探しましょう。

3. 電卓や計算ツールを活用

大きな数の場合は、表計算ソフトの「COMBIN関数」が便利です。

Excelの場合:=COMBIN(n, r)

よくある質問(FAQ)

Q1. nCrとnC(n-r)は本当に同じ?

A. はい、必ず同じになります。数学的に証明されています。

Q2. 0!が1になる理由は?

A. 数学の定義として決められています。この定義により、公式が矛盾なく使えるようになります。

Q3. 組み合わせと順列、どっちを使えばいい?

A. 「選ぶ順番が結果に影響するか」を考えましょう。影響しないなら組み合わせ(C)、影響するなら順列(P)です。

Q4. 計算結果が小数や分数になることはある?

A. いいえ、組み合わせの答えは必ず整数になります。もし小数になったら、どこかで計算ミスしています。


まとめ

組み合わせ「C」の重要ポイントをおさらいしましょう。

「C」はCombination(組み合わせ)の頭文字
ₙCᵣ = n! / (r! × (n-r)!)で計算できる
順番を考えないのが組み合わせ、考えるのが順列
ₙCᵣ = ₙC_(n-r)の対称性を使うと計算が楽
確率の問題でよく使われる

最初は難しく感じるかもしれませんが、何度か練習すれば必ず慣れます。大切なのは、公式を丸暗記するのではなく、「なぜこの計算で求められるのか」を理解することです。

この記事が、あなたの「C」への理解を深める助けになれば嬉しいです。確率や統計の問題に出会ったとき、自信を持って取り組めるようになりますよ!

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