「開区間って何?」「閉区間とどう違うの?」と疑問に思ったことはありませんか。
区間は、数直線上のある範囲を表す基本的な数学の概念です。特に開区間と閉区間の違いは、微分積分や関数の性質を理解する上で、とても重要なポイントになります。
この記事では、開区間の定義から、閉区間との違い、記号の読み方、数直線での表し方まで、わかりやすく解説していきます。
区間とは何か

まず、「区間」の基本的な意味を確認しましょう。
区間の定義
区間とは、数直線上で2つの数の間にあるすべての実数を集めた集合のことです。
例えば、1と5の間にある数すべてを集めたものが区間です。この中には、2、3、4といった整数だけでなく、2.5、3.14159、4.999といった小数も含まれます。
端点(境界値)
区間の両端にある2つの数を「端点」または「境界値」といいます。
上の例では、1と5が端点です。英語では endpoint といいます。
開区間とは
開区間は、端点を含まない区間のことです。
開区間の定義
2つの実数 a、b(a < b)に対して、aより大きく、bより小さいすべての実数の集合を開区間といいます。
開区間は次のように表します:
(a, b) = {x | a < x < b}
読み方は「aからbへの開区間」または「オープンインターバル a, b」です。
具体例
開区間 (2, 5) には、以下のような数が含まれます:
- 2.0001
- 3
- 3.5
- 4.999999
しかし、2と5は含まれません。
不等式で書くと「2 < x < 5」となります。つまり、「2より大きく、5より小さい」という意味です。
閉区間とは
閉区間は、端点を含む区間のことです。
閉区間の定義
2つの実数 a、b(a < b)に対して、a以上、b以下のすべての実数の集合を閉区間といいます。
閉区間は次のように表します:
[a, b] = {x | a ≤ x ≤ b}
読み方は「aからbへの閉区間」または「クローズドインターバル a, b」です。
具体例
閉区間 [2, 5] には、以下のような数が含まれます:
- 2(端点も含む!)
- 2.5
- 3
- 4.5
- 5(端点も含む!)
不等式で書くと「2 ≤ x ≤ 5」となります。つまり、「2以上、5以下」という意味です。
開区間と閉区間の違い
開区間と閉区間の最大の違いは、端点を含むかどうかです。
記号で見る違い
- 開区間:丸括弧 (a, b) を使う
- 閉区間:角括弧 [a, b] を使う
不等式で見る違い
- 開区間 (a, b):a < x < b(<を使う)
- 閉区間 [a, b]:a ≤ x ≤ b(≤を使う)
含まれる数の違い
例えば、(0, 1) と [0, 1] を比較してみましょう。
開区間 (0, 1):
- 0.00001 は含まれる
- 0.5 は含まれる
- 0.99999 は含まれる
- しかし、0と1は含まれない
閉区間 [0, 1]:
- 0 は含まれる
- 0.5 は含まれる
- 1 は含まれる
- 端点も全部含まれる
最小値・最大値の有無
これが開区間と閉区間の重要な違いです。
閉区間 [a, b] には:
- 最小値が存在する(それは a)
- 最大値が存在する(それは b)
開区間 (a, b) には:
- 最小値が存在しない
- 最大値も存在しない
なぜでしょうか?開区間 (0, 1) で考えてみます。
「この区間の最小値は何か?」と聞かれたら、どう答えますか?
0.0001でしょうか?でも、0.00001の方が小さいですね。
0.00001?いえ、0.000001の方が小さい。
このように、どんな数を選んでも、必ずもっと小さい数が開区間の中に存在します。だから、開区間には最小値がないんです。最大値も同じ理由で存在しません。
数直線上での表し方
区間は、数直線上で図として表すことができます。
開区間の表示
開区間 (a, b) は、数直線上で次のように表します:
- 端点aの位置に「白丸(○)」を描く
- 端点bの位置に「白丸(○)」を描く
- aとbの間を線でつなぐ
白丸は「その点を含まない」ことを表します。英語では open circle といいます。
閉区間の表示
閉区間 [a, b] は、数直線上で次のように表します:
- 端点aの位置に「黒丸(●)」を描く
- 端点bの位置に「黒丸(●)」を描く
- aとbの間を線でつなぐ
黒丸(塗りつぶした丸)は「その点を含む」ことを表します。英語では closed circle、filled circle、black circle などといいます。
視覚的な覚え方
- 白丸(○)は中が空いている → 開いている → 開区間
- 黒丸(●)は閉じている → 閉じている → 閉区間
この覚え方なら、間違えにくいですね。
半開区間(半閉区間)
片方の端点だけを含む区間もあります。
半開区間とは
半開区間は、一方の端点を含み、もう一方の端点を含まない区間です。
次の2種類があります:
左閉右開区間 [a, b)
a以上、b未満の実数の集合です。
[a, b) = {x | a ≤ x < b}
- aは含む
- bは含まない
- 不等式:a ≤ x < b
例:[0, 1) には、0は含まれるが、1は含まれない
左開右閉区間 (a, b]
aより大きく、b以下の実数の集合です。
(a, b] = {x | a < x ≤ b}
- aは含まない
- bは含む
- 不等式:a < x ≤ b
例:(0, 1] には、0は含まれないが、1は含まれる
数直線での表示
半開区間は、片方が白丸、もう片方が黒丸になります。
[a, b):左端が黒丸、右端が白丘
(a, b]:左端が白丸、右端が黒丸
無限区間

端点が無限大の場合もあります。
正の無限大を含む区間
(a, +∞) = {x | a < x}
aより大きいすべての実数の集合です。上限がありません。
例:(5, +∞) は「5より大きいすべての数」
負の無限大を含む区間
(-∞, b) = {x | x < b}
bより小さいすべての実数の集合です。下限がありません。
例:(-∞, 3) は「3より小さいすべての数」
実数全体
(-∞, +∞) = ℝ
すべての実数を表します。
無限大の記号について
無限大(∞)は数ではないので、必ず丸括弧 ( ) を使います。角括弧 [ ] は使いません。
正しい:(a, +∞)、(-∞, b)
間違い:[a, +∞]、[-∞, b]
ただし、有限の端点については、開くか閉じるかを選べます:
- [a, +∞):a以上のすべての数(aを含む)
- (a, +∞):aより大きいすべての数(aを含まない)
区間の別表記
国際的には、別の表記方法もあります。
ブルバキ記法
フランスの数学者グループ「ブルバキ」が提案した記法です:
- 開区間:]a, b[(角括弧を逆向きに)
- 閉区間:[a, b]
- 半開区間:[a, b[ または ]a, b]
ヨーロッパの数学書では、この記法をよく見かけます。
なぜ別の記法があるのか
丸括弧 (a, b) は、他の意味でも使われるからです:
- 座標:点 (3, 5)
- 順序対:(a, b)
- 関数の引数:f(x)
区間なのか、座標なのか、文脈で判断する必要があります。ブルバキ記法なら、区間であることが明確です。
ただし、日本や英語圏の教科書では、丸括弧 (a, b) が一般的です。
区間と不等式の対応
区間は不等式と同じことを表現できます。
対応表
| 区間 | 不等式 | 意味 |
|---|---|---|
| (a, b) | a < x < b | aより大きく、bより小さい |
| [a, b] | a ≤ x ≤ b | a以上、b以下 |
| [a, b) | a ≤ x < b | a以上、b未満 |
| (a, b] | a < x ≤ b | aより大きく、b以下 |
| (a, +∞) | a < x | aより大きい |
| [a, +∞) | a ≤ x | a以上 |
| (-∞, b) | x < b | bより小さい |
| (-∞, b] | x ≤ b | b以下 |
例題
次の不等式を区間で表しなさい。
(1) -2 < x < 5 (2) 3 ≤ x ≤ 10 (3) x > 7
(4) x ≤ -1
解答
(1) (-2, 5)
(2) [3, 10]
(3) (7, +∞)
(4) (-∞, -1]
開区間と閉区間の使い分け
数学では、状況に応じて使い分けます。
閉区間を使う場合
関数の定義域や値域を表す時、端点を含めたい場合は閉区間を使います。
例:「0以上1以下の実数xに対して、f(x) = x²を定義する」
この場合、定義域は [0, 1] です。0と1でもちゃんと関数の値が定義されているからです。
開区間を使う場合
極限や微分可能性を議論する時、端点を除外したい場合は開区間を使います。
例:「関数 f(x) = 1/x は、区間 (0, +∞) で定義される」
x = 0では定義できない(0で割れない)ので、開区間を使います。
半開区間を使う場合
時間の区間を表す時、開始時刻は含むが終了時刻は含まない、という慣習があります。
例:「授業は9:00〜10:00です」
これは [9:00, 10:00) と解釈されます。9:00ちょうどは授業中ですが、10:00ちょうどは次の時間です。
開区間と閉区間の重要な性質
解析学では、次の性質が重要です。
最大値の定理(最大値・最小値の定理)
閉区間 [a, b] 上で定義された連続関数は、必ず最大値と最小値を持ちます。
これは「最大値の定理」として知られる重要な定理です。
例:f(x) = x² を [0, 2] 上で考えると:
- 最小値は f(0) = 0
- 最大値は f(2) = 4
両方ともちゃんと存在します。
開区間では成り立たない
一方、開区間 (0, 2) 上では:
- f(x) = x² は最大値を持たない
x = 2に限りなく近い値では、f(x) は4に限りなく近づきますが、4にはなりません。だから最大値が存在しないんです。
この違いは、微分積分を学ぶ上で非常に重要です。
具体的な応用例
区間は、様々な場面で使われます。
関数の定義域
関数 f(x) = √x の定義域は [0, +∞) です。
平方根は負の数に対して定義できないので、0以上である必要があります。
定積分の範囲
定積分 ∫[a,b] f(x)dx
積分区間は閉区間 [a, b] で表します。端点 a、b での値も積分に含まれます。
不等式の解
不等式 2 < x ≤ 5 の解は、区間 (2, 5] で表せます。
統計学での信頼区間
「95%信頼区間が [1.5, 3.2] である」という表現では、閉区間を使います。
境界値の 1.5 と 3.2 も信頼区間に含まれます。
よくある間違いと注意点
区間を扱う時の、よくある間違いをまとめました。
括弧の向きを間違える
間違い:「開区間は [a, b]」
正しい:「開区間は (a, b)」
覚え方:開いているのは丸括弧 ( )。閉じているのは角括弧 [ ]。
端点の含む・含まないを間違える
(0, 1) には 0 は含まれません。
「0より大きい」なので、0.0000001は含まれますが、0ちょうどは含まれません。
無限大に角括弧を使う
間違い:[0, +∞]
正しい:[0, +∞)
無限大は数ではないので、「含む」という概念がありません。必ず丸括弧を使います。
開区間と座標の混同
文脈によって判断が必要です:
- (2, 3) が区間:2より大きく3より小さいxの範囲
- (2, 3) が座標:平面上の点
どちらなのかは、文脈から判断しましょう。
開集合と閉集合(発展)
もう少し進んだ内容も触れておきます。
開集合
実数の部分集合が「開集合」であるとは、その集合内の任意の点について、その点の十分近くの点もその集合に属することです。
開区間 (a, b) は開集合です。
閉集合
実数の部分集合が「閉集合」であるとは、その集合に収束するすべての点列の極限が、その集合に属することです。
閉区間 [a, b] は閉集合です。
両方であるもの
面白いことに、空集合 ∅ と実数全体 ℝ は、開集合であり、かつ閉集合でもあります。
「開いている」と「閉じている」は、反対の概念ではないんです。
区間の演算
区間同士を組み合わせることもできます。
和集合(union)
2つの区間 A、B の和集合 A ∪ B は、AまたはBに属する要素すべてです。
例:(0, 2) ∪ (1, 3) = (0, 3)
例:(0, 1) ∪ (2, 3) = (0, 1) ∪ (2, 3)(つながらない)
共通部分(intersection)
2つの区間 A、B の共通部分 A ∩ B は、AとB両方に属する要素です。
例:(0, 3) ∩ (1, 4) = (1, 3)
例:[0, 2] ∩ [1, 3] = [1, 2]
例:(0, 1) ∩ (2, 3) = ∅(空集合)
補集合
区間 A の補集合は、Aに属さないすべての実数です。
例:(2, 5) の補集合 = (-∞, 2] ∪ [5, +∞)
まとめ:開区間は端点を含まない範囲
開区間は、数直線上のある範囲を表す基本的な概念です。
開区間の重要ポイント
- 端点を含まない区間
- 丸括弧 (a, b) で表す
- 不等式では a < x < b
- 数直線では端点を白丸で表す
- 最大値・最小値を持たない
閉区間との違い
- 閉区間は端点を含む
- 角括弧 [a, b] で表す
- 不等式では a ≤ x ≤ b
- 数直線では端点を黒丸で表す
- 最大値・最小値を持つ
使い分けのポイント
- 端点での値が重要なら閉区間
- 端点を除外したいなら開区間
- 片方だけ含むなら半開区間
開区間と閉区間の違いは、一見些細に思えるかもしれません。しかし、微分積分、解析学、位相空間論など、より高度な数学を学ぶ上で、この違いを正確に理解することが非常に重要になります。
特に、「閉区間上の連続関数は必ず最大値・最小値を持つが、開区間上では持たないことがある」という性質は、関数の極値問題を解く時に必ず意識しなければなりません。
最初は記号や定義を覚えるのが大変かもしれませんが、何度も問題を解いているうちに、自然と使い分けられるようになりますよ。

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