「追加」と「追記」、どちらも「あとから何かを足す」という場面で使われる言葉です。
字面が似ているため混同しやすいですが、両者には明確な違いがあります。
この記事では、それぞれの読み方・意味・語の成り立ちを整理したうえで、どのような場面でどちらを使うかを解説します。
「追加」の読み方と意味
「追加」は「ついか」と読みます。
小学館のデジタル大辞泉では、「すでにあるものにあとからつけ足すこと。また、そのもの」と説明されています。
対象は物・人・データ・注文・機能など、文章以外のものを含めて幅広いのが特徴です。
用例
- 料理をもう一品追加する
- 参加者が追加された
- 機能を追加する
- 追加注文をお願いしたい
- メンバーをグループに追加する
「追記」の読み方と意味
「追記」は「ついき」と読みます。
小学館のデジタル大辞泉では、「あとからさらに書き足すこと。また、その文章」と説明されています。
対象は文章・記録に限定されます。
絵・グラフ・表などを加える場合には使わない言葉です。
用例
- 書き忘れた事項を追記する
- ブログ記事に追記した
- 追記事項を確認してください
- メールの末尾に追記として補足を入れる
- 契約書に追記する
「追加」と「追記」の違い
両者の最大の違いは、足すものの種類にあります。
| 追加 | 追記 | |
|---|---|---|
| 読み方 | ついか | ついき |
| 足せるもの | 物・人・データ・文章など何でも | 文章・記録のみ |
| 文章に使えるか | 使える | 使える |
| 料理の注文に使えるか | 使える | 使えない |
| 絵・グラフを足す場面に使えるか | 使える | 使えない |
「追記」は「追加」の中でも文章に特化した表現です。
したがって、追記はつねに追加の一種といえますが、追加はすべてが追記になるわけではありません。
使い分けの目安
- 足すものが文章・文字・記録なら → 「追加」でも「追記」でも使える
- 足すものが物・人・データ・機能など文章以外なら → 「追加」のみ使える
語の成り立ち
「追加」の成り立ち
「追」は「おう・あとを追う・あとから行う」という意味を持つ漢字です。
「加」は「くわえる・ふやす」を意味します。
合わせて「あとから加える」という意味になります。
「追記」の成り立ち
「追」は上と同じく「あとから」の意味です。
「記」は「しるす・書きしるす」を意味する漢字です。
合わせて「あとから書きしるす」、すなわち「追って記す」という意味になります。
「記」という漢字が入っているため、文章・記録を対象とする語に自然と限定されます。
なお、「追記」という言葉そのものの語源については定説がなく、成り立ちから意味を類推する形が一般的です(デジタル大辞泉ほか)。
類義語
「追加」の類義語
- 付加(ふか):本体に付け加えること。「付加価値」のような形でも使われる。
- 補足(ほそく):不足している部分を補うこと。
- 補充(ほじゅう):不足分を足して元通りにすること。
「追記」の類義語
- 付記(ふき):本文に付け加えて書き記すこと。本文の内容とは別の事柄を加える場面で使われることが多い。
- 加筆(かひつ):文章などを部分的に直したり書き加えたりすること。本文の内容そのものに手を入れるニュアンスがあり、修正を含む点で追記と異なる。
- 追録(ついろく):すでに書かれているものに後から書き加えること。
- 追伸(ついしん):手紙などで、本文を書き終えたあとにさらに書き加える文。カジュアルな場面で使われることが多く、ビジネス文書での使用は一般的に避けられる。
まとめ
「追加」は「すでにあるものにあとからつけ足すこと」を指し、対象は物・人・データ・文章など幅広いです。
「追記」は「あとからさらに書き足すこと、またその文章」を指し、対象は文章・記録に限られます。
一言で表すなら、「追記」は「追加」の中でも文章専用の表現です。

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