「これテンプレだね」「テンプレ展開すぎる」「テンプレパーティー」
ネットやゲームで頻繁に見かける「テンプレ」という言葉。なんとなく意味は分かるけど、正確にはどういう意味なのか、どう使うのが正しいのか、気になったことはありませんか。
実は「テンプレ」は、使う場面によって意味が大きく変わる言葉です。褒め言葉にもなれば、批判にもなる。ビジネスでも使われれば、ネットスラングとしても使われます。
この記事では、「テンプレ」の意味、語源、使い方、そして使う際の注意点まで、徹底的に解説します。
「テンプレ」の基本的な意味

「テンプレ」は「テンプレート(template)」の略語です。
元々の意味:型板・雛形
テンプレートという英語には、以下のような意味があります。
1. 型板・鋳型
もともとは建築や製造業で使われる物理的な「型」のこと。同じ形のものを何度も作るための道具です。
学生時代に使った「テンプレート定規」を覚えていますか?円や三角形、四角形などがくり抜かれていて、その縁をなぞることで同じ図形を何度も描ける定規。あれが典型的なテンプレートです。
2. 雛形・定型文
コンピューター用語としては、あらかじめ用意された書式やフォーマットのこと。文書作成の際に使う「ひな型」を指します。
例:
- ビジネスメールのテンプレート
- 請求書のテンプレート
- PowerPointのデザインテンプレート
3. お決まりのパターン
転じて、「定番」「王道」「よくあるパターン」という意味でも使われます。
「テンプレ」という略語の誕生
日本では、1980年代後半からパソコン用語として「テンプレート」が使われ始めました。ワープロソフトの普及により、ビジネス文書のテンプレートが一般的になりました。
その後、1990年代後半のインターネット掲示板文化の中で、「テンプレート」を省略した「テンプレ」という言葉が自然発生的に広まりました。
「テンプレ」の使われ方【場面別】
「テンプレ」は使われる場面によって、異なる意味を持ちます。
1. ビジネス・仕事での「テンプレ」
ビジネスシーンでは、効率化のための「雛形」という意味で使われます。
具体例
- 「このテンプレを使ってメールを作成してください」
- 「テンプレに沿って報告書を書いてください」
- 「会議資料のテンプレがあるので、それを使いましょう」
この場合の「テンプレ」は中立的な言葉で、効率化のための便利なツールという意味です。
ビジネスでよく使われるテンプレート
- 履歴書・職務経歴書
- ビジネスメールの定型文
- 請求書・見積書
- 議事録
- 企画書・提案書
- プレゼン資料
2. ネット掲示板での「テンプレ」
2ちゃんねる(現5ちゃんねる)などのネット掲示板では、スレッドの冒頭に貼られる定型文を「テンプレ」と呼びます。
掲示板のテンプレの内容
- スレッドのルール
- よくある質問(FAQ)
- 関連リンク
- 前スレッドへのリンク
- 注意事項
スレッドが長くなると、テンプレが複数の投稿に分かれることがあります。その最後に「ここまでテンプレ」と書いて、「ここから自由に書き込んでOK」という合図を出します。
「ここまでテンプレ」の使い方
例:
>>1 スレッドのタイトルとルール説明
>>2 よくある質問
>>3 関連リンク
>>4 ここまでテンプレ
これで「>>4以降から自由に書き込める」ということを示します。
3. アニメ・漫画・小説での「テンプレ」
創作作品では、「お決まりの展開」「定番の設定」という意味で使われます。
テンプレ展開の例
- 「平凡な男子高校生の前に、ある日突然美少女が現れる」
- 「異世界に転生してチート能力を手に入れる」
- 「幼馴染と主人公がくっつく」
- 「敵が実は味方だった」
ポジティブな意味での使用
「テンプレだけど面白い」
→王道展開で安心して楽しめるという意味。お約束を楽しむ肯定的なニュアンス。
ネガティブな意味での使用
「テンプレすぎてつまらない」
→ありきたりで新鮮味がないという批判。
4. ゲームでの「テンプレ」
オンラインゲームでは、「最適解」「定番の構成」という意味で使われます。
ゲーム用語としての具体例
テンプレパーティー(テンプレPT)
攻略に最適な、プレイヤー間で定番となっているパーティー構成のこと。
例:「このダンジョンのテンプレPTは、タンク1、ヒーラー1、アタッカー3です」
テンプレ装備
そのキャラクターにとって最適化された、定番の装備セット。
例:「テンプレ装備を揃えれば初心者でもクリアできる」
テンプレビルド
キャラクターの育成方針やスキル構成の定番パターン。
ゲームで「テンプレ」を使うメリット
- 効率的に強くなれる
- 初心者でも失敗しにくい
- 攻略がスムーズに進む
デメリット
- プレイスタイルが画一化する
- 個性が出にくい
- 「誰でも同じ」と批判されることも
5. SNS・ネットスラングでの「テンプレ」
TwitterやInstagramなどのSNSでは、「お決まりのやり取り」という意味でも使われます。
例
A「今日めっちゃ暑い」
B「それな」
C「これテンプレ会話すぎるw」
よくあるパターンの会話を揶揄する言い方として使われます。
「テンプレ回答」
誰にでも当てはまるような、当たり障りのない回答のこと。
例:「血液型占いってテンプレ回答だよね」
「テンプレ」に関連する言葉

テンプレから派生した様々な表現があります。
「ここまでテンプレ」
掲示板やSNSで、お決まりの流れが終わったことを示す言葉。
使い方1:掲示板の定型文の終了
スレッドの注意事項などが終わったことを示す。
使い方2:お決まりの流れの終了
よくある展開が終わったことを、面白おかしく指摘する。
例:
A「ググれ」
B「ググれカス」
C「ググってもわからないから聞いてるんだが」
D「ここまでテンプレ」
「テンプレ破り」
定番パターンを意図的に壊すこと。テンプレを裏切ることで、逆に新鮮さや驚きを生み出す手法。
例:「主人公が幼馴染とくっつくと思いきや、最後に新キャラとくっついた。完全にテンプレ破りだ」
「テンプレキャラ」
典型的な性格設定やキャラクター属性を持つキャラクター。
例:
- ツンデレキャラ
- 天然ボケキャラ
- クールキャラ
- お嬢様キャラ
最近では、あえてテンプレキャラを採用することで、視聴者が安心して楽しめる作品作りをする例もあります。
「テンプレ化する」
定番化すること。あるパターンが繰り返されて、お決まりになること。
例:「この展開、最近の異世界ものでテンプレ化してるよね」
「テンプレ」は褒め言葉?批判?
ここが重要なポイントです。「テンプレ」という言葉は、使い方によって意味が真逆になります。
ポジティブな意味(褒め言葉)
1. 王道・安心感
「テンプレだけど、やっぱり面白い」
→定番の展開だからこそ、安心して楽しめるという肯定的な意味。
2. 効率・最適解
「テンプレPTで攻略しよう」
→実績のある最適な方法という意味。信頼できるという評価。
3. わかりやすい
「テンプレに沿って書けば誰でも理解できる」
→標準化されていて使いやすいという意味。
ネガティブな意味(批判)
1. ありきたり・つまらない
「テンプレ展開でガッカリした」
→新鮮味がなく、予想通りの展開でつまらないという批判。
2. 画一的・個性がない
「テンプレキャラばかりで飽きた」
→どれも似たり寄ったりで、オリジナリティがないという否定的な評価。
3. 努力不足
「テンプレ回答しかできない」
→真剣に考えず、適当に済ませているという批判。
どちらの意味か見分ける方法
文脈や言い方から判断する必要があります。
ポジティブな場合のサイン
- 「やっぱり」「でも」などの言葉が付く
- 「王道」「定番」といった言葉と一緒に使われる
- 明るいトーンで話している
ネガティブな場合のサイン
- 「すぎる」「ばかり」などの言葉が付く
- 「つまらない」「飽きた」といった否定的な言葉と一緒に使われる
- 皮肉っぽいトーンで話している
「テンプレ」の使い方【例文】
実際の使用例を見てみましょう。
ビジネスでの使い方
良い例:
- 「メールのテンプレを作成しておけば、業務効率が上がります」
- 「このテンプレを参考に、資料を作ってください」
- 「テンプレがあるので、誰でも簡単に作業できます」
悪い例:
- 「テンプレ対応だけで終わらせるな」(批判的)
- 「そんなテンプレ回答じゃ説得力がない」(批判的)
日常会話での使い方
ポジティブな使い方:
- 「この漫画、少年漫画のテンプレ展開だけど、やっぱり熱いね」
- 「テンプレだからこそ安心して見られる」
- 「王道のテンプレ展開が好き」
ネガティブな使い方:
- 「またテンプレ展開か。予想通りすぎてつまらない」
- 「テンプレキャラばかりで個性がない」
- 「テンプレすぎて新鮮味がない」
ゲームでの使い方
- 「テンプレパーティーで行けば安定してクリアできる」
- 「初心者はまずテンプレビルドから始めるといい」
- 「テンプレ装備を揃えるのが最優先」
SNSでの使い方
- 「この会話、テンプレすぎるw」
- 「ここまでテンプレ(お決まりの流れを指摘)」
- 「テンプレ投稿やめてw」
「テンプレ」を使う際の注意点
便利な言葉ですが、使い方を間違えると失礼になることも。
注意点1:相手を否定していると受け取られる可能性
「テンプレですね」と言うと、「ありきたりでつまらない」という批判に聞こえる場合があります。
特に、相手が一生懸命考えた企画や作品に対して「テンプレ」と言うのは避けましょう。
注意点2:文脈によって意味が変わる
同じ「テンプレ」でも、褒め言葉にも批判にもなります。誤解されないよう、前後の言葉で意図を明確にしましょう。
良い例
- 「テンプレ展開だけど、王道で面白い」(肯定的な意味が明確)
- 「効率重視ならテンプレがおすすめ」(実用的な情報提供)
悪い例
- 「テンプレですね」(褒めているのか批判しているのか不明確)
注意点3:ビジネスでの使用は慎重に
ビジネスの場では、「テンプレ」という言葉自体がカジュアルすぎる場合があります。
フォーマルな場面では以下の言い換えを:
- 「雛形」
- 「フォーマット」
- 「定型文」
- 「書式」
注意点4:世代によって受け取り方が違う
若い世代はネットスラングとして自然に使いますが、年配の方には通じない場合があります。相手に合わせて言葉を選びましょう。
「テンプレ」の類語・言い換え

状況に応じて、別の言葉で表現することもできます。
ビジネス向けの言い換え
- 雛形(ひながた):書類やデザインの見本
- フォーマット:定められた形式
- 定型文:決まった文章の型
- 書式:文書の形式
- サンプル:見本、例
カジュアルな言い換え
- パターン:決まった型
- お決まり:いつもの展開
- 王道:定番の道筋(ポジティブ)
- ありきたり:よくあること(ネガティブ)
- マニュアル的:決められた通り
創作作品向けの言い換え
- 定番:よくある展開
- お約束:お決まりの演出
- 鉄板:確実な方法
- 紋切り型:型にはまった表現(やや古風)
まとめ:「テンプレ」を正しく理解して使いこなそう
ここまで、「テンプレ」という言葉について詳しく見てきました。
この記事のポイント
- 「テンプレ」は「テンプレート」の略語
- 雛形、定型文、お決まりのパターンという意味
- ビジネス、ネット、ゲーム、創作など様々な場面で使われる
- 褒め言葉にも批判にもなる両義的な言葉
- 文脈や言い方から意味を判断する必要がある
- 使う相手や場面に応じて言い換えも検討する
「テンプレ」は便利な言葉ですが、使い方を間違えると誤解を招きます。特に、相手の努力や創作物に対して使う際は注意が必要です。
ポジティブな意味で使うなら、「王道で面白い」「安心できる」など、肯定的なニュアンスを明確にする言葉を添えましょう。ネガティブな意味で使う場合も、建設的な批評になるよう心がけることが大切です。
この記事を参考に、「テンプレ」という言葉を状況に応じて適切に使い分けてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1:「テンプレ」と「テンプレート」は使い分けるべきですか?
基本的には同じ意味ですが、フォーマルなビジネスシーンでは「テンプレート」、カジュアルな会話やネットでは「テンプレ」と使い分けるのがおすすめです。公式文書や目上の人との会話では「テンプレート」を使う方が無難です。
Q2:「テンプレ」と言われたら、それは批判ですか?
文脈次第です。「テンプレだけど面白い」なら褒め言葉、「テンプレすぎる」なら批判の可能性が高いです。言った人の表情やトーン、前後の文脈から判断しましょう。不明確な場合は「どういう意味ですか?」と確認するのが確実です。
Q3:ゲームで「テンプレ使うな」と言われました。なぜですか?
テンプレ(定番構成)を使うことで効率的になりますが、「誰でも同じで面白くない」「個性がない」と感じる人もいます。また、対戦ゲームでは「テンプレ構成ばかりでつまらない」という意見もあります。ただし、初心者はテンプレから始めるのが普通なので、気にしすぎる必要はありません。
Q4:「ここまでテンプレ」はどういう意味ですか?
2つの意味があります。①掲示板のスレッドで、定型文(ルールやFAQ)の貼り付けが終わったことを示す合図。②SNSや掲示板で、お決まりのやり取りが一通り終わったことを面白おかしく指摘する表現。②の場合は、「このパターンよく見るよね」という皮肉や共感のニュアンスがあります。
Q5:「テンプレ展開」を避けるにはどうすればいいですか?
創作においては、あえてテンプレから外れた展開にする、予想外の要素を加える、キャラクターに独自の個性を持たせる、などの方法があります。ただし、テンプレは「多くの人が楽しめる要素」でもあるので、完全に避ける必要はありません。テンプレを理解した上で、自分なりのアレンジを加えるのがベストです。
Q6:ビジネスメールで「テンプレ」という言葉を使っても大丈夫ですか?
カジュアルな社内メールなら問題ありませんが、フォーマルな場面や社外の方へのメールでは「雛形」「フォーマット」「定型文」などの言い換えをおすすめします。特に、年配の方や役職の高い方には「テンプレート」と正式名称で言う方が無難です。
Q7:「テンプレ破り」とは何ですか?
定番のパターンを意図的に裏切ることで、新鮮さや驚きを生み出す創作手法です。例えば、「主人公が負ける」「幼馴染が勝つ」など、通常とは違う展開にすることを指します。読者・視聴者の予想を良い意味で裏切ることで、作品に意外性を持たせることができます。

