駆け落ちの由来とは?語源から現代までの意味の変化を解説

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駆け落ちの意味

「駆け落ち」は、結婚を許されない相愛の男女が、示し合わせて密かに他の土地へ逃げることを意味します。

現代では、親や家族の反対を押し切って恋人同士が一緒に家を出て、遠い場所で暮らし始める行為を指します。

ロマンチックな響きがある一方で、家族との関係を断つという重大な決断を伴う言葉です。

読み方

「駆け落ち」の読み方はかけおちです。

語源・由来

「駆け落ち」という言葉の歴史は意外に古く、その意味は時代とともに大きく変化してきました。

中世末期から江戸時代まで:「欠落」の時代

「駆け落ち」は中世末期から見られる言葉ですが、当初は恋愛とは全く関係のない意味で使われていました。

もとの表記は「欠落(欠け落ち)」

もともとは「欠落」または「欠け落ち」と書きました。

当時の意味
戦国時代から江戸時代までは、以下のような行為を指していました。

  1. 戦場からの逃亡
    兵士が戦場から逃げ出すこと
  2. 農民の離村
    重税や貧困から逃れるために、農民が村を離れること
  3. 一般的な逃亡
    悪事や借金などから逃れるために、住んでいる場所を離れること

このように、「欠落」は集団や組織、居住地から逃げ出して行方をくらますことを広く意味していたのです。

「欠落」の語源

「欠落」と書かれた理由には、いくつかの説があります。

戸籍から欠け落ちる説
失踪すると戸籍台帳から欠け落ちることから、この表記になったという説があります。

ただし、この言葉は明治時代以前からあるため、単純に集団から欠けて落ちる(逃げ出す)ことを「欠け落ちる」と表現したものと考えられています。

江戸時代中期:恋愛の意味への変化

江戸時代中期になると、「駆け落ち」の意味に大きな変化が起こります。

男女の逃避行を指すようになった

相愛の男女が密かに他の土地へ移り住むことを「駆け落ち」と呼ぶようになりました。

これは、「失踪」という意味から派生して、特定の目的(結婚)のために二人で逃げるという意味が生まれたのです。

表記の変化:「欠落」から「駆け落ち」へ

意味の変化に伴い、表記も変わっていきました。

「駆け」の字が使われるようになった理由

「よその土地に駆け込む」という意味を強調するために、「欠け」の代わりに「駆け」の字が使われるようになりました。

「駆け」の意味
走る、急いで行く、駆け込む

この表記の変化により、単に「逃げる」というよりも、「積極的に別の場所へ向かう」というニュアンスが加わりました。

現代の「駆け落ち」

現代では、「駆け落ち」は完全に恋愛に関連する言葉として定着しています。

駆け落ちする理由

現代で駆け落ちが行われる主な理由は以下の通りです。

親の反対
身分や家柄、人種、宗教などの違いを理由に結婚を反対された場合

既婚者との恋
一方または両方が既婚者である場合

政略結婚の回避
親に強要された望まない結婚から逃れるため

年齢差
大きな年齢差を理由に交際や結婚を反対された場合

昭和時代の駆け落ち

昭和時代の中頃までは、駆け落ちは珍しいことではありませんでした。

当時は親や家族の意向が今よりも強く、恋愛結婚がまだ一般的でなかったため、愛し合う二人が駆け落ちという手段を選ぶことが多かったのです。

現代での減少

現代では駆け落ちする人は大幅に減少しています。

減少の理由

  1. 恋愛結婚が一般的になった
  2. 親の意向よりも本人の意思が尊重されるようになった
  3. 結婚に対する社会の価値観が変化した
  4. 経済的な自立が容易になった

類語・関連語

出奔(しゅっぽん)

家や土地を離れて行方をくらますことを意味します。

「駆け落ち」よりも動機が社会的不名誉や不義理など、深く複雑な場合に使われることが多い言葉です。

使用例:

  • 巨額の負債を残したまま出奔する

家出(いえで)

家を出て行方をくらますことを意味します。

家族関係の摩擦など、比較的単純な動機で使われることが多い言葉です。

使用例:

  • 親に叱られて家出する

恋の逃避行

恋人同士が一緒に逃げることを、ロマンチックに表現した言葉です。

「駆け落ち」よりも文学的で、やや軽いニュアンスがあります。

逐電(ちくでん)

借金や不祥事などから逃れるために、密かに姿をくらますことを意味します。

主に否定的な文脈で使われます。

失踪(しっそう)

行方不明になることを意味します。

「駆け落ち」は二人で行うものですが、「失踪」は一人でも使えます。

蒸発(じょうはつ)

突然いなくなって行方が分からなくなることを、比喩的に表現した言葉です。

現代的な俗語として使われます。

「駆け落ち」の書き方

「駆け落ち」には、いくつかの表記のバリエーションがあります。

現代の一般的な表記

  • 駆け落ち
  • 駆落ち

古い表記

  • 欠け落ち
  • 欠落ち
  • 欠落

別字体

  • 駈け落ち
  • 駈落ち

現代では「駆け落ち」が最も一般的な表記です。

英語表現

「駆け落ち」を英語で表現する場合、以下のような言い方があります。

elopement

「駆け落ち」を意味する最も標準的な英語表現です。

使用例:

  • My mother said if I eloped, she would never forgive me.
  • (もし駆け落ちしたら、母は私を許さないと言った)

elope(動詞)

「駆け落ちする」という動詞です。

使用例:

  • They eloped without their parents’ consent.
  • (彼らは親の承諾なしに駆け落ちした)

run away with a lover

「恋人と逃げる」という直接的な表現です。

より口語的でわかりやすい表現です。

使用例:

  • She ran away with her lover.
  • (彼女は恋人と駆け落ちした)

escape together

「一緒に逃げる」という意味です。

駆け落ちのニュアンスを伝えることができます。

駆け落ちに関する文化的背景

江戸時代の駆け落ち

江戸時代には、身分制度が厳格で、身分違いの恋は成就しないことが多くありました。

そのため、駆け落ちは当時の若者にとって、愛を貫く最後の手段でした。

歌舞伎や浄瑠璃などの演目にも、駆け落ちを題材にした作品が多く見られます。

明治・大正・昭和時代

明治時代以降も、家制度が強く、親の決めた相手と結婚することが一般的でした。

自由恋愛が広まるにつれて、親の反対を押し切って駆け落ちするカップルが増えていきました。

戦後になっても昭和中期ごろまでは、駆け落ちは珍しくない現象でした。

現代の駆け落ち

現代では、駆け落ちという言葉は使われることが少なくなりました。

親の反対があっても、時間をかけて説得したり、一定期間待ってから結婚したりする選択肢が増えたためです。

また、経済的に自立しやすくなったことも、駆け落ちという極端な手段を選ぶ必要性を減らしています。

使用例

文学作品での使用例

  1. 二人は親の反対を押し切って駆け落ちした。
  2. 駆け落ちして幸せになれるとは限らない。
  3. 若い娘が作家と駆け落ちした。
  4. 駆け落ちするなら、母は二度と会わないと言った。

現代的な使用例

  1. アンとザチャリーは駆け落ちしたらしい。
  2. 幼稚園の若い先生と駆け落ちした。
  3. 駆け落ち同然で結婚した。
  4. 昔なら駆け落ちと言われただろう。

「駆け落ち」と「家出」の違い

「駆け落ち」と「家出」は似ていますが、重要な違いがあります。

駆け落ち

  • 二人で行う(恋人同士)
  • 結婚や愛を目的とする
  • 計画的である

家出

  • 一人でも二人でも使える
  • 家族との関係や環境から逃れることが目的
  • 衝動的な場合も多い

まとめ

「駆け落ち」は、読み方が「かけおち」で、現代では結婚を許されない男女が密かに他の土地へ逃げることを意味します。

しかし、この言葉の由来をたどると、中世末期から存在する古い言葉で、もともとは「欠落(欠け落ち)」と書きました。

戦国時代から江戸時代までは、戦場からの逃亡、農民の離村、重税や貧困からの逃亡など、恋愛とは無関係に、集団や居住地から逃げ出すことを広く意味していました。

江戸時代中期になって、相愛の男女が密かに他の土地へ移り住むという意味で使われるようになり、「よその土地に駆け込む」という意味を込めて「駆け落ち」という表記に変化しました。

現代では恋愛結婚が一般的になり、親の意向よりも本人の意思が尊重されるようになったため、駆け落ちする人は大幅に減少しています。

英語では「elopement」または「elope」と表現され、世界的に見ても親の承諾なしに恋人と逃げる行為を指す言葉として認識されています。

「駆け落ち」という言葉は、時代とともに意味が変化し、社会の価値観の移り変わりを反映してきた興味深い言葉なのです。

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