YouTubeにカスタムサムネイルをアップロードしようとしたら「このファイル形式は使えません」というエラーが出た——そんな経験はありませんか?
特にWebP形式の画像を使おうとして困っている方が多いようです。「WebPは新しい画像形式なのに、なぜYouTubeで使えないの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
今回は、YouTubeのカスタムサムネイルでWebPが使えない理由と、WebP画像を変換してアップロードする方法を詳しく解説します。
YouTubeのサムネイルで使える画像形式

まず、YouTubeが公式にサポートしているカスタムサムネイルの画像形式を確認しましょう。
対応している形式
YouTube公式ヘルプによると、カスタムサムネイルでアップロードできる画像形式は以下の通りです。
対応形式:
- JPG / JPEG(最も一般的)
- PNG(透過対応)
- GIF(非アニメーションのみ)
- BMP(あまり使われない)
対応していない形式
以下の形式は、YouTubeのカスタムサムネイルとしてアップロードできません。
非対応形式:
- WebP(この記事の主題)
- HEIC / HEIF(iPhoneのデフォルト形式)
- RAW形式(.dng、.nef、.crw、.arw、.gprなど)
- TIFF
- SVG
- アニメーションGIF
WebPとは
なぜWebPが使えないのかを理解する前に、WebPについて簡単に説明します。
WebPの特徴
WebP(ウェッピー)は、Googleが2010年に開発した比較的新しい画像形式です。
WebPの特徴:
- JPEGより約25~35%ファイルサイズが小さい
- PNGより約26~28%ファイルサイズが小さい
- 非可逆圧縮と可逆圧縮の両方に対応
- 透過(アルファチャンネル)に対応
- アニメーションにも対応
使用例:
- Google Playのアプリスクリーンショット
- Googleのウェブサービス
- 一部のウェブサイト
- 最近のスマートフォンアプリ
WebPのメリット
ファイルサイズが小さい:
同じ画質でもJPEGやPNGより小さいため、ウェブページの読み込みが速くなります。
多機能:
JPEGの非可逆圧縮、PNGの可逆圧縮と透過、GIFのアニメーション、すべてに対応しています。
WebPのデメリット
互換性が完全ではない:
比較的新しい形式のため、すべてのソフトウェアやサービスで対応しているわけではありません。
古いブラウザで非対応:
Internet Explorer 11以前など、古いブラウザでは表示できません。
なぜYouTubeでWebPが使えないのか

ここが重要なポイントです。実は、YouTubeとWebPの関係は少し複雑です。
YouTube側ではWebPを使っている
矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、YouTube自身はサムネイルの配信にWebPを使用しています。
2014年、Googleは「YouTubeのサムネイルにWebPフォーマットを採用し、読み込み時間を10%短縮した」と発表しました。
YouTubeがWebPを使っている場面:
- 動画一覧のサムネイル表示
- おすすめ動画のサムネイル
- 検索結果のサムネイル
YouTubeのサムネイルURLを確認すると、実際にWebP形式で配信されていることがわかります。
https://i.ytimg.com/vi_webp/[動画ID]/hqdefault.webp
しかしアップロードには使えない
問題は、投稿者がカスタムサムネイルをアップロードする際には、WebPが受け付けられないということです。
理由として考えられること:
- システムの制約
YouTubeの画像処理システムが、従来の形式(JPG、PNG、GIF)を基準に設計されているため - 互換性の配慮
すべてのユーザーが最新のブラウザやデバイスを使っているわけではないため - 段階的な対応
配信側での対応は完了しているが、アップロード側の対応は今後の課題 - 品質管理
JPGやPNGの方が一般的で、クリエイターにとって扱いやすいため
WebP画像をYouTubeで使う方法

WebP形式の画像をYouTubeのサムネイルとして使いたい場合、他の形式に変換する必要があります。
方法1: オンライン変換ツールを使う
ブラウザ上で完結する、最も手軽な方法です。
おすすめのオンライン変換サイト:
Convertio(https://convertio.co/ja/webp-jpg/):
- WebPからJPG、PNGなどに変換
- 日本語対応
- 無料(100MBまで)
- ドラッグ&ドロップで簡単
使い方:
- サイトにアクセス
- WebP画像をアップロード
- 変換形式を選択(JPGまたはPNG推奨)
- 「変換」をクリック
- 変換後の画像をダウンロード
CloudConvert(https://cloudconvert.com/webp-to-jpg):
- 高品質変換
- バッチ処理可能
- 詳細設定が可能
Online-Convert(https://image.online-convert.com/ja/convert-to-jpg):
- 画質設定が細かく調整できる
- リサイズも同時に可能
方法2: Windowsのペイントを使う(Windows 10/11)
手順:
- WebP画像を右クリック
- 「プログラムから開く」→「ペイント」を選択
- ペイントで画像が開いたら「ファイル」→「名前を付けて保存」
- 「JPEG」または「PNG」を選択
- ファイル名を入力して保存
注意点:
- Windows 10/11では標準でWebPに対応
- それ以前のバージョンではWebPが開けない場合があります
方法3: Macの「プレビュー」を使う
手順:
- WebP画像をダブルクリックしてプレビューで開く
- 「ファイル」→「書き出す」を選択
- 「フォーマット」で「JPEG」または「PNG」を選択
- ファイル名を入力して保存
注意点:
- macOS Big Sur(11.0)以降で標準対応
- それ以前のバージョンでは別のアプリが必要
方法4: Photoshopを使う
Adobe Photoshopを使っている方向けの方法です。
手順:
- Photoshopを起動
- 「ファイル」→「開く」でWebP画像を開く
- 「ファイル」→「書き出し」→「書き出し形式」
- 形式で「JPG」または「PNG」を選択
- 品質を設定(YouTubeには80~90%推奨)
- 「書き出し」をクリック
メリット:
- 高品質な変換
- サイズやアスペクト比の調整も同時にできる
- バッチ処理で複数ファイルを一括変換可能
方法5: GIMPを使う(無料)
無料の画像編集ソフトを使いたい方におすすめです。
GIMPのインストール:
https://www.gimp.org/ からダウンロード
手順:
- GIMPを起動
- 「ファイル」→「開く」でWebP画像を開く
- 「ファイル」→「エクスポート」
- ファイル名の拡張子を「.jpg」または「.png」に変更
- 「エクスポート」をクリック
- 品質を設定して「エクスポート」
方法6: コマンドラインツール(上級者向け)
技術に詳しい方は、コマンドラインで一括変換できます。
ImageMagickを使う:
# WebPからJPGに変換
magick convert input.webp output.jpg
# 複数ファイルを一括変換
magick mogrify -format jpg *.webp
cwebpツールを使う:
Googleが提供する公式ツールです。
# JPGからWebPに変換(逆変換の場合)
cwebp input.jpg -o output.webp
# WebPからPNGに変換(dwebp使用)
dwebp input.webp -o output.png
YouTubeサムネイルの推奨設定

変換した画像をYouTubeにアップロードする際の推奨設定を確認しましょう。
解像度・サイズ
推奨解像度:
- 1280 x 720ピクセル(最も推奨)
- 最小幅: 640ピクセル
最大ファイルサイズ:
- 通常の動画: 2MB以下
- ポッドキャスト: 10MB以下
アスペクト比
推奨:
- 16:9(最も一般的)
- ポッドキャストの場合: 1:1(1280 x 1280ピクセル)
注意点:
16:9以外のアスペクト比だと、YouTubeが自動的に黒い帯を追加します。
画質設定
JPGの場合:
- 品質: 80~90%
- あまり高くすると2MBを超える可能性あり
- 低すぎると画質が劣化
PNGの場合:
- 可逆圧縮なので品質設定は不要
- ファイルサイズがJPGより大きくなりがち
- 透過が必要な場合のみ使用
WebPからJPG・PNGに変換する際の注意点
変換時に気をつけるべきポイントをまとめます。
1. 画質の劣化に注意
WebPからJPGに変換すると、若干の画質劣化が発生する可能性があります。
対策:
- 変換時の品質設定を80~90%に
- 可能であれば元のJPGやPNG画像から作り直す
- WebP→PNG→JPGのように二重変換は避ける
2. ファイルサイズが増加する可能性
WebPは圧縮効率が高いため、JPGやPNGに変換するとファイルサイズが増える場合があります。
対策:
- 変換後のファイルサイズを確認
- 2MBを超える場合は画質を下げるか解像度を調整
- オンライン圧縮ツール(TinyPNG、Compressor.ioなど)を使用
3. 透過情報が失われる場合
WebPからJPGに変換すると、透過部分が白または黒の背景になります。
対策:
- 透過が必要な場合はPNG形式に変換
- ただしYouTubeのサムネイルでは透過はあまり使われない
4. メタデータの消失
変換時に、元画像のメタデータ(撮影日時、カメラ情報など)が失われることがあります。
対策:
- サムネイルには通常メタデータは不要
- 必要な場合は専用ツールでメタデータを保持
よくあるトラブルと解決方法
WebP変換やアップロードでよくある問題を紹介します。
Q1: WebP画像が開けない
原因:
古いOSやソフトウェアでWebPに対応していない
解決方法:
- Windows: 最新のWindows 10/11にアップデート
- Mac: macOS Big Sur以降にアップデート
- ブラウザ: Chrome、Firefox、Edgeなど最新版を使用
Q2: 変換後の画像が粗い
原因:
変換時の品質設定が低い、または元画像の解像度が低い
解決方法:
- 品質設定を80~90%に上げる
- 元画像の解像度を確認(1280×720以上推奨)
- 別の変換ツールを試す
Q3: 2MBを超えてしまう
原因:
高解像度または高品質設定
解決方法:
- 品質を70~80%に下げる
- 解像度を1280×720に調整
- オンライン圧縮ツールを使用
Q4: YouTubeにアップロードできない
原因:
- ファイルサイズが2MBを超えている
- アカウントが認証されていない
- 対応していない形式
解決方法:
- ファイルサイズを確認
- YouTubeアカウントの電話番号認証を完了
- JPG、PNG、GIF、BMPのいずれかであることを確認
Q5: サムネイルが表示されない
原因:
コミュニティガイドライン違反の可能性
解決方法:
- サムネイルの内容を確認
- 誇大表現や誤解を招く内容がないか確認
- 著作権侵害していないか確認
WebPの将来性
現在はYouTubeのアップロードで使えないWebPですが、将来的には対応される可能性もあります。
普及が進んでいる
現在WebPを採用しているサービス:
- Google(各種サービス)
- Facebook/Instagram
- Netflix
- Twitter(X)
- 多くのウェブサイト
ブラウザの対応状況
対応ブラウザ(すべて最新版):
- Google Chrome
- Microsoft Edge
- Firefox
- Safari
- Opera
非対応:
- Internet Explorer 11以前
YouTube側の対応の可能性
YouTube自身が配信にWebPを使用していることから、将来的にはアップロードにも対応する可能性があります。
考えられる理由:
- 技術的には可能
- ファイルサイズの削減につながる
- ユーザーの利便性向上
ただし、公式なアナウンスはないため、当面は従来の形式(JPG、PNG)を使用するのが確実です。
まとめ
YouTubeのサムネイルでWebPが使えない問題について、重要なポイントをまとめます。
YouTubeのサムネイル対応形式:
- 対応: JPG、PNG、GIF(非アニメーション)、BMP
- 非対応: WebP、HEIC、RAW形式など
WebPが使えない理由:
- YouTube側は配信にWebPを使用
- しかしアップロードには未対応
- システムの制約や互換性の配慮が理由と考えられる
解決方法:
- WebPからJPG またはPNGに変換
- オンライン変換ツール、ペイント、プレビュー、Photoshopなどを使用
- 変換時は品質80~90%、解像度1280×720を推奨
推奨設定:
- 解像度: 1280 x 720ピクセル
- アスペクト比: 16:9
- ファイルサイズ: 2MB以下
- 形式: JPGまたはPNG
注意点:
- 変換時の画質劣化に注意
- ファイルサイズが2MBを超えないように
- アカウントの電話番号認証が必要
WebP形式の画像を持っている場合は、今のところJPGやPNGに変換してからアップロードする必要があります。少し手間ですが、オンライン変換ツールを使えば簡単に変換できます。
将来的にはYouTubeがWebPのアップロードに対応する可能性もありますが、当面は従来の形式を使うのが確実です。この記事を参考に、スムーズにサムネイルをアップロードしてください。


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