XとTwitterの違いとは?名称変更の理由から機能の変化まで徹底解説

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2023年7月、突然のニュースが世界中を駆け巡りました。

長年親しまれてきたSNS「Twitter(ツイッター)」が、「X(エックス)」という名前に変わったのです。

青い鳥のロゴも消え、黒地に白い「X」の文字だけのシンプルなロゴに変更されました。

「なぜ急に名前が変わったの?」「XとTwitterは何が違うの?」「今後どうなるの?」

こんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

今回は、TwitterからXへの名称変更の理由、実際に何が変わったのか、そして今後の展望まで、分かりやすく解説していきます。


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TwitterがXに変わった経緯

イーロン・マスクによるTwitter買収

2022年10月27日

イーロン・マスク氏が、Twitterを約440億ドル(約6兆円)で買収しました。

マスク氏は、電気自動車メーカー「Tesla(テスラ)」や宇宙開発企業「SpaceX(スペースX)」のCEOとして知られる大富豪です。

買収の理由として、マスク氏は「言論の自由を守るため」と述べていましたが、実際には、Twitterを大きく変革する構想を持っていました。

Twitter社がX社に統合

2023年4月

Twitter社が、マスク氏の保有会社「X Corp.(Xコーポレーション)」に統合され、法律上、Twitter社は消滅しました。

この時点で、すでに会社名は「Twitter社」ではなく「X社」になっていたのです。

TwitterからXへ正式リブランディング

2023年7月23日

マスク氏が、Twitterの名称を「X」に変更すると発表しました。

翌日の7月24日には、ロゴが青い鳥から黒地に白い「X」に変更され、正式にリブランディングが実施されました。

2024年5月17日

ドメイン名が「twitter.com」から「x.com」に正式変更されました。

現在、「twitter.com」にアクセスすると、自動的に「x.com」にリダイレクトされます。


なぜ「X」という名前になったのか?

理由1:イーロン・マスクの「X」への強いこだわり

イーロン・マスク氏は、昔から「X」という文字に強いこだわりを持っています。

マスク氏と「X」の歴史

  • 1999年:オンライン決済サービス「X.com」を創業(後にPayPalになる)
  • 2002年:SpaceX(宇宙開発企業)を設立
  • 2015年:Tesla Model X(電気自動車)を発表
  • 2020年:息子の名前に「X Æ A-12」と命名
  • 2023年:xAI(AI企業)を設立

このように、マスク氏は自分の事業や製品、さらには子供の名前にまで「X」を使っています。

理由2:「スーパーアプリ」への構想

マスク氏は、Xを「すべてができるアプリ(everything app)」にすることを目指しています。

スーパーアプリとは?

中国の「WeChat(ウィーチャット)」のように、1つのアプリで以下のようなことができるアプリです。

  • メッセージのやり取り
  • SNS機能
  • 動画通話
  • 電子決済
  • ネットショッピング
  • ニュース閲覧
  • タクシー配車
  • 銀行サービス

マスク氏は、「Twitter」という名前では、このような多機能アプリのイメージに合わないと考えました。

マスク氏の発言

「Twitterという名前は、140文字のメッセージをやり取りするだけなら意味があった。でも今は、数時間の動画を含め、ほぼあらゆるものを投稿できる。だから、鳥(Twitter)に別れを告げなければならない」

理由3:ブランドの完全な刷新

Twitterは、17年間も同じ名前とロゴで運営されてきました。

そのため、「Twitter = 短文投稿SNS」というイメージが強く定着していました。

マスク氏は、これを根本から変えるために、名称を完全に変更する必要があると考えたのです。

狙い

  • 古いイメージを一掃
  • 新しい機能追加への期待感を高める
  • 「Twitterが変わってしまった」という不満を解消

XとTwitterの違い:何が変わったのか?

変わったこと

1. 名称とロゴの変更

Twitter時代

  • 名称:Twitter(ツイッター)
  • ロゴ:青い鳥(Twitter Bird)
  • メインカラー:青

X時代

  • 名称:X(エックス)
  • ロゴ:黒地に白い「X」
  • メインカラー:黒

2. ドメイン名の変更

Twitter時代:twitter.com

X時代:x.com(2024年5月17日から)

3. 機能名の変更

以下の表は、Twitter時代とX時代の機能名の違いです。

Twitter時代X時代意味
ツイートポスト(Post)投稿すること
リツイートリポスト(Repost)他人の投稿を共有すること
引用ツイート引用(Quote)他人の投稿にコメントを付けて共有
Twitter BlueX Premium有料サブスクリプション
@Twitter@X公式アカウント
@TwitterJP@Japan日本公式アカウント

注意点

実際のところ、2025年12月現在でも、多くのユーザーが「ツイート」「リツイート」という言葉を使い続けています。

4. 新機能の追加

X(旧Twitter)では、以下のような新機能が追加されました。

長文投稿

X Premiumに加入すると、最大25,000文字まで投稿できるようになりました(従来は140文字、後に280文字に拡大)。

長時間動画

X Premiumに加入すると、最大2時間の動画をアップロードできます(従来は2分20秒)。

音声通話・ビデオ通話

X上で、音声通話やビデオ通話ができるようになりました。

クリエイター広告収益分配プログラム

X Premiumに加入し、一定の条件を満たすと、自分の投稿に表示される広告収益の一部が還元されるようになりました。

Grok AI

X独自のAIチャットボット「Grok」が利用できるようになりました。

Community Notes(コミュニティノート)

投稿に対して、ユーザーが背景情報を追加できる機能です。誤情報対策として導入されました。

いいねの非公開化

2024年6月から、自分が「いいね」した投稿が他人から見えなくなりました(投稿者本人のみ見られる)。

5. 有料化の強化

新規ユーザーへの投稿制限

一部の国では、新規ユーザーが投稿するには、少額の料金を支払う必要があります(ボット対策)。

X Premium(旧Twitter Blue)

月額料金を支払うことで、以下の機能が利用できます。

  • 認証バッジ(青いチェックマーク)
  • 長文投稿(最大25,000文字)
  • 長時間動画(最大2時間)
  • 投稿の編集機能(投稿後30分以内)
  • 広告の削減
  • 広告収益の分配

6. 仕様変更

APIの有料化

開発者向けのAPI(他のアプリやサービスと連携する機能)が有料化されました。

これにより、多くのサードパーティアプリが使えなくなりました。

投稿閲覧制限

未ログインユーザーや無料ユーザーは、1日に閲覧できる投稿数に制限がかかるようになりました。

ブロック機能の変更

ブロックしたユーザーでも、公開投稿は閲覧できるようになりました(ただし、いいねやリプライはできない)。

変わっていないこと

実は、XとTwitterの基本的な機能は、ほとんど変わっていません

変わっていないこと

  • 投稿の仕組み(テキスト、画像、動画を投稿)
  • フォロー・フォロワーの仕組み
  • タイムラインの表示
  • リプライ(返信)機能
  • ダイレクトメッセージ(DM)
  • トレンド機能
  • ハッシュタグ機能
  • 検索機能

つまり、名前とロゴが変わっただけで、使い方はほとんど同じなのです。

だからこそ、多くのユーザーが今でも「Twitter」と呼び続けているのです。


なぜ多くの人が今でも「Twitter」と呼ぶのか?

1. 17年間の歴史と文化の重み

Twitterは、2006年にサービスを開始し、17年間にわたって世界中で親しまれてきました。

「ツイート」「リツイート」という言葉は、もはや一般名詞のように使われています。

  • 「これ、ツイートしよう」
  • 「リツイートして拡散して!」
  • 「Twitterで話題になってる」

このような言葉の文化は、一朝一夕には変わりません。

2. 「X」という名前が馴染みにくい

「X」という名前は、以下の理由で馴染みにくいと感じる人が多いです。

問題点

  • 発音しにくい:「エックス」と言うより「ツイッター」の方が言いやすい
  • 意味が分からない:「Twitter」は「鳥のさえずり」という意味があったが、「X」には特定の意味がない
  • 検索しにくい:「X」で検索すると、他の「X」関連の情報も出てくる
  • 文章に埋もれる:「私はXを使っています」と書くと、「X」が何を指すのか分かりにくい

3. 基本機能が変わっていない

名前が変わっても、使い方はほとんど同じです。

そのため、「わざわざ新しい名前を使う必要がない」と感じる人が多いのです。

4. 企業やメディアも「Twitter」を使い続けている

統計データ

2024年の調査によると、世界中の企業の89%が、マーケティングメールなどで今でも「Twitter」という名称を使っています。

国別のデータ

  • イタリア:95%が「Twitter」を使用
  • スペイン:94%が「Twitter」を使用
  • 日本:約90%が「Twitter」を使用

メディアの対応

多くのニュースメディアは、「X(旧Twitter)」「X(エックス、旧ツイッター)」という表記を使っています。

これは、「X」だけでは読者に伝わらないからです。


今後の展望:Xはどうなるのか?

スーパーアプリ化の計画

マスク氏は、Xを以下のような機能を持つスーパーアプリにすることを目指しています。

計画されている機能

  • 電子決済:X上で送金や支払いができる
  • オンラインショッピング:X内で商品を購入
  • 音声・ビデオ通話:すでに実装済み
  • 求人サービス:仕事の検索・応募
  • ニュース配信:独自のニュースプラットフォーム
  • AI統合:Grok AIのさらなる強化

課題

しかし、スーパーアプリ化には、多くの課題があります。

課題1:莫大な投資が必要

スーパーアプリを構築するには、クラウドインフラの整備だけで400〜500億ドルの投資が必要と言われています。

現在のXは、スタッフを大幅に削減しており、財政状況も厳しいと報じられています。

課題2:競合の存在

すでに、Meta(Facebook、Instagram)が「Threads(スレッズ)」という対抗SNSを開始しています。

TikTokも、SNS機能を強化しています。

Xが変化している間に、ユーザーが他のSNSに流れる可能性があります。

課題3:ユーザーの反発

名称変更や仕様変更に対して、多くのユーザーが反発しています。

特に、以下の点が批判されています。

  • APIの有料化(多くのアプリが使えなくなった)
  • 投稿閲覧制限
  • 広告の増加
  • 誤情報の増加
  • ヘイトスピーチの増加

課題4:ブランドイメージの低下

Twitterは、「青い鳥」という親しみやすいイメージがありました。

しかし、「X」は、「冷たい」「無機質」という印象を持たれることが多いです。

専門家の中には、「ブランド価値が消失した」と指摘する人もいます。

今後の予測

短期的(1〜2年)

  • 名称は「X(旧Twitter)」のように併記される状態が続く
  • スーパーアプリ機能が少しずつ追加される
  • ユーザー数の減少が続く可能性がある

中期的(3〜5年)

  • 「X」という名称が徐々に定着するかもしれない
  • スーパーアプリ機能が充実すれば、新しいユーザー層を獲得できる可能性がある
  • ただし、競合SNSに負ける可能性もある

長期的(5年以上)

  • マスク氏の構想通り、スーパーアプリとして成功するか
  • 元のTwitterに近いSNSに戻るか
  • 完全に別の企業に売却されるか

現時点では、どの道を進むのか分かりません。


ユーザーとしてどうすればいいのか?

1. 慌てて他のSNSに移る必要はない

XとTwitterは、基本的な機能が同じです。

今すぐアカウントを削除したり、他のSNSに完全移行したりする必要はありません。

2. 複数のSNSを併用するのがおすすめ

リスク分散の意味で、以下のような複数のSNSを併用するのがおすすめです。

  • X(旧Twitter):リアルタイム情報、ニュース
  • Threads:Twitterに近い使い心地の新SNS
  • Instagram:写真・動画中心のSNS
  • TikTok:短い動画のSNS
  • Bluesky:分散型SNS(Twitterの元CEOが開発)
  • Mastodon:分散型SNS

3. X Premiumへの加入は慎重に

X Premiumには、便利な機能がありますが、月額料金がかかります。

料金(2025年12月時点)

  • Web版:月額980円
  • iOSアプリ版:月額1,380円(Apple手数料込み)

自分にとって本当に必要な機能かどうか、よく考えてから加入しましょう。

4. 情報リテラシーを高める

Xでは、誤情報やフェイクニュースが増えています。

対策

  • 情報源を確認する
  • 複数の情報源を比較する
  • Community Notesを確認する
  • 怪しい情報は鵜呑みにしない

よくある質問

Q1:「Twitter」と呼んでも大丈夫ですか?

A:個人的に使う分には問題ありません。

実際、多くの人が今でも「Twitter」と呼んでいます。

ただし、公式の場(ビジネス文書など)では、「X(旧Twitter)」のように併記するのが無難です。

Q2:アカウントは引き継がれますか?

A:はい、完全に引き継がれます。

名前が変わっただけで、アカウント、フォロワー、過去の投稿などはすべてそのままです。

Q3:「ツイート」「リツイート」という言葉はもう使えないのですか?

A:公式には「ポスト」「リポスト」に変更されましたが、多くのユーザーが今でも「ツイート」「リツイート」を使っています。

個人的に使う分には問題ありません。

Q4:青い鳥のロゴは完全に消えたのですか?

A:はい、公式には2023年7月に廃止されました。

ただし、一部のユーザーが、ブラウザの拡張機能を使って、個人的に青い鳥アイコンを表示させることはできます。

Q5:X Premiumに加入しないと使えないのですか?

A:いいえ、無料でも基本的な機能は使えます。

ただし、一部の新機能(長文投稿、長時間動画など)は、X Premium限定です。

Q6:なぜ「X.com」なのですか?

A:マスク氏が1999年に「X.com」というオンライン決済サービスを創業しており、そのドメインを2017年にPayPalから買い戻していたからです。

Q7:今後また名前が変わる可能性はありますか?

A:現時点では、そのような発表はありません。

ただし、マスク氏は予測不可能な経営者として知られているため、100%ないとは言えません。


まとめ

XとTwitterの違いについて、詳しく見てきました。

基本的なまとめ

名称変更の経緯

  • 2022年10月:イーロン・マスク氏がTwitterを買収
  • 2023年4月:Twitter社がX社に統合
  • 2023年7月:TwitterからXに正式リブランディング
  • 2024年5月:ドメインがx.comに変更

名称変更の理由

  1. マスク氏の「X」へのこだわり
  2. 「スーパーアプリ」への構想
  3. ブランドの完全な刷新

変わったこと

  • 名称:Twitter → X
  • ロゴ:青い鳥 → 黒地に白いX
  • ドメイン:twitter.com → x.com
  • 機能名:ツイート→ポスト、リツイート→リポスト
  • 新機能:長文投稿、長時間動画、音声通話、Grok AIなど

変わっていないこと

  • 基本的な投稿機能
  • フォロー・フォロワーの仕組み
  • タイムライン表示
  • リプライ機能
  • ダイレクトメッセージ

現状

  • 世界中の89%の企業が今でも「Twitter」を使用
  • メディアは「X(旧Twitter)」と併記
  • 基本機能は同じなので、急いで移行する必要はない

今後の展望

  • スーパーアプリ化を目指している
  • 電子決済、ショッピング、求人など、多機能化の予定
  • ただし、課題も多い(資金、競合、ユーザー離れ)

ユーザーとしての対応

  1. 慌てて他のSNSに移る必要はない
  2. 複数のSNSを併用するのがおすすめ
  3. 情報リテラシーを高める
  4. X Premiumへの加入は慎重に

TwitterからXへの変化は、単なる名称変更ではなく、マスク氏の壮大な構想の第一歩です。

しかし、その構想が実現するかどうかは、まだ分かりません。

ユーザーとしては、焦らず、冷静に状況を見守りながら、自分に合った使い方を見つけていくことが大切です。

「Twitter」という名前が消えても、そこで培われたコミュニケーションの文化は、きっと残り続けるでしょう。

今後のXの動向に、注目していきましょう!

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