「ゲームがサブモニターで起動してしまう…」 「144Hzのゲーミングモニターではなく、60Hzのモニターで開いてしまう」 「フルスクリーンにすると画面が真っ黒になる」
マルチモニター環境でSteamゲームをプレイしていると、こんな悩みに直面することがありますよね。
せっかく高性能なゲーミングモニターを買ったのに、ゲームが仕事用のモニターで起動したり、画面がおかしくなったり…イライラする気持ち、よく分かります。
でも大丈夫!Steamには様々なモニター設定機能があり、正しく設定すれば、どんなゲームも狙ったモニターで快適にプレイできます。
この記事では、Steamでのモニター切り替え方法から、ゲームごとの個別設定、トラブル解決まで、すべてを分かりやすく解説します。マルチモニター環境を最大限に活用して、最高のゲーム体験を手に入れましょう!
マルチモニター環境の基本理解

なぜモニター切り替えが必要?
よくあるマルチモニター構成:
- メインモニター:高リフレッシュレート(144Hz/240Hz)のゲーミングモニター
- サブモニター:作業用の通常モニター(60Hz)
- 配信用:OBSやDiscordを表示する3枚目
ゲームは高性能なモニターでプレイしたいけど、Windowsのメインディスプレイは作業用モニターにしたい…そんな時に切り替えが必要になります。
Windowsのディスプレイ設定を確認
まず、Windows側の設定を確認しましょう。
確認手順:
- デスクトップで右クリック→「ディスプレイ設定」
- モニターの配置を確認
- 「これをメインディスプレイにする」の設定確認
- 各モニターのリフレッシュレート確認
リフレッシュレートの確認:
- ディスプレイ設定→「ディスプレイの詳細設定」
- 各モニターを選択
- 「リフレッシュレート」を確認
- ゲーミングモニターが最高設定になっているか確認
Steamの基本的なモニター設定
Steam自体の表示モニター設定
Steamクライアントの表示位置変更:
- Steamを起動
- 左上の「Steam」→「設定」
- 「インターフェース」を選択
- 「Steamを起動時に開くモニター」を設定
- プライマリモニター
- 特定のモニター番号
Big Pictureモードでの設定
Big Pictureモードには専用のディスプレイ設定があります。
設定方法:
- Big Pictureモードを起動(右上のアイコン)
- 設定(歯車アイコン)→「ディスプレイ」
- 「ターゲットモニター」を選択
- 希望のモニターを指定
Big Pictureモードは、特にテレビでゲームする時に便利です。
ゲームごとの起動オプション設定
起動オプションでモニター指定
Steamの起動オプションで、特定のモニターを指定できます。
設定手順:
- Steamライブラリでゲームを右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「起動オプション」に以下を入力
よく使う起動オプション:
-windowed -noborder -x 1920 -y 0
オプションの意味:
-windowed
:ウィンドウモードで起動-noborder
:ボーダーレスウィンドウ-x 1920
:X座標(2枚目のモニターなら1920)-y 0
:Y座標
モニター配置による座標計算
モニター1(1920x1080)| モニター2(2560x1440)
X=0 | X=1920
Y=0 | Y=0
モニター2で起動したい場合:
-windowed -noborder -x 1920 -y 0 -w 2560 -h 1440
ゲームエンジン別の設定
Source Engine(CS:GO、TF2など):
-fullscreen -w 1920 -h 1080 -freq 144 -monitor 2
Unity系ゲーム:
-screen-fullscreen 0 -popupwindow -monitor 2
Unreal Engine系:
-windowed -ResX=2560 -ResY=1440 -WinX=1920 -WinY=0
ボーダーレスウィンドウモードの活用
なぜボーダーレスが推奨されるのか
メリット:
- Alt+Tabが高速
- 配信ソフトでキャプチャしやすい
- モニター切り替えが簡単
- クラッシュが少ない
デメリット:
- わずかな入力遅延(1-2ms程度)
- G-SYNC/FreeSyncが効かない場合がある
ゲーム内設定での切り替え
一般的な手順:
- ゲーム内の「設定」または「オプション」
- 「ビデオ」または「グラフィック」設定
- 「ディスプレイモード」を選択
- フルスクリーン
- ボーダーレスウィンドウ
- ウィンドウ
- 「ディスプレイ」または「モニター」選択
サードパーティツールの活用
DisplayFusion(有料/無料版あり)
主な機能:
- ゲームごとのモニタープロファイル
- ホットキーでモニター移動
- 自動的なウィンドウ配置
設定例:
- DisplayFusionをインストール
- 「トリガー」を作成
- プロセス名でゲームを指定
- 「ウィンドウを特定モニターに移動」を設定
Borderless Gaming(オープンソース)
使い方:
- Borderless Gamingを起動
- ゲームを起動
- 左側のリストからゲームを選択
- 右クリック→「Add to Favorites」
- 自動的にボーダーレス化
Windows PowerToys
FancyZonesの活用:
- PowerToysをインストール
- FancyZonesを有効化
- ゾーンを作成(ゲーム用エリア)
- Win+Shift+矢印でウィンドウ移動
NVIDIA/AMD設定での対処
NVIDIA コントロールパネル
マルチディスプレイ設定:
- NVIDIAコントロールパネルを開く
- 「ディスプレイ」→「複数のディスプレイの設定」
- プライマリディスプレイを選択
- 「PhysXの設定」でGPUを指定
G-SYNC設定:
- 「G-SYNCの設定」
- 「G-SYNCを有効化」
- 「フルスクリーンモード」または「ウィンドウとフルスクリーン」
- 特定のディスプレイを選択
AMD Radeon Software
設定手順:
- AMD Radeon Softwareを開く
- 「ディスプレイ」タブ
- 各モニターの設定を確認
- FreeSyncを有効化
- 「ゲーミング」→「グローバル設定」でディスプレイモード設定
トラブルシューティング
ゲームが間違ったモニターで起動する
解決策1:Windowsのメインディスプレイを一時変更
# バッチファイルを作成
@echo off
displayswitch.exe /internal
start steam://rungameid/[ゲームID]
timeout /t 5
displayswitch.exe /extend
解決策2:ゲーム起動後に移動
- ゲームをウィンドウモードで起動
- Win+Shift+左右矢印で移動
- フルスクリーンに変更
画面が真っ黒になる
対処法:
- Alt+Enterでウィンドウモード切り替え
- Alt+Tabで一度デスクトップに戻る
- ゲームの解像度をモニターに合わせる
- HDRを無効化
フレームレートが出ない
確認事項:
1. Windowsディスプレイ設定でリフレッシュレート確認
2. NVIDIAコントロールパネルで確認
3. ゲーム内設定でFPS上限確認
4. V-Syncを無効化
5. ボーダーレスではなくフルスクリーンを試す
解像度がおかしい
リセット方法:
- ゲームの設定ファイルを削除
C:\Users\[ユーザー名]\Documents\My Games\[ゲーム名]
- Steamの整合性チェック
- 起動オプションで解像度指定
-w 1920 -h 1080
ゲーム配信時の設定

OBSでのゲームキャプチャ
推奨設定:
- ゲームはボーダーレスウィンドウ
- OBSで「ゲームキャプチャ」を選択
- 「特定のウィンドウをキャプチャ」
- 「カーソルをキャプチャ」をオフ
配信用モニター構成
理想的な配置:
[ゲーム用144Hz] [配信ソフト用]
2560x1440 1920x1080
メイン サブ
[チャット監視用]
1920x1080
(オプション)
特定ゲームの設定例
CS:GO / CS2
起動オプション:
-fullscreen -freq 144 -monitor 1 -novid -nojoy
Apex Legends
起動オプション:
-fullscreen +fps_max unlimited
※モニター選択はゲーム内設定で
VALORANT
ゲーム内設定:
1. 設定→ビデオ→一般
2. ディスプレイモード:フルスクリーン
3. モニター:お好みのディスプレイ
スクリプトによる自動化
PowerShellスクリプト
# ゲーム起動時にモニター設定を変更
$game = "game.exe"
$monitor = 2
# メインディスプレイを変更
Add-Type @"
using System;
using System.Runtime.InteropServices;
public class Display
{
[DllImport("user32.dll")]
public static extern bool SetWindowPos(IntPtr hWnd, IntPtr hWndInsertAfter, int X, int Y, int cx, int cy, uint uFlags);
}
"@
# ゲーム起動
Start-Process "steam://rungameid/730"
Start-Sleep -Seconds 5
# ウィンドウを移動
$process = Get-Process $game
[Display]::SetWindowPos($process.MainWindowHandle, -1, 1920, 0, 2560, 1440, 0x0040)
AutoHotkeyスクリプト
; F1キーでゲームウィンドウを移動
F1::
WinGetTitle, Title, A
WinMove, %Title%,, 1920, 0, 2560, 1440
return
; F2キーでフルスクリーン切り替え
F2::
Send, !{Enter}
return
よくある質問と回答
Q: 144Hzモニターなのに60fpsしか出ない
A: Windowsのディスプレイ設定、NVIDIAコントロールパネル、ゲーム内設定の3箇所すべてで144Hzに設定する必要があります。ケーブルもDisplayPort推奨です。
Q: Steam起動時に毎回モニターを選ばないといけない
A: Steam設定→インターフェース→「Steamを起動時に開くモニター」で固定できます。
Q: ゲームごとに違うモニターで起動したい
A: 各ゲームの起動オプションで座標指定するか、DisplayFusionなどのツールでプロファイル管理します。
Q: HDRゲームでモニター切り替えがうまくいかない
A: HDRは1つのモニターのみで有効にし、ゲーム起動前にWindowsのHDR設定を確認してください。
Q: Big Pictureモードがテレビに表示されない
A: Big Picture設定で「ターゲットモニター」を明示的に指定し、テレビの入力切り替えも確認してください。
まとめ:快適なマルチモニターゲーミング環境を作ろう
Steamでのモニター切り替えは、最初は面倒に感じるかもしれませんが、一度設定すれば快適なゲーム環境が手に入ります。
重要ポイント:
- 起動オプションで細かく制御可能
- ボーダーレスウィンドウが万能
- ツールを使えば自動化できる
- ゲームごとに最適な設定を保存
- トラブル時は基本設定から確認
おすすめの設定順序:
- Windowsのディスプレイ設定を確認
- Steamの基本設定を調整
- よく遊ぶゲームの起動オプション設定
- 必要に応じてツール導入
- 問題があれば個別に対処
マルチモニター環境は、ゲームと作業の両立に最適です。この記事を参考に、あなたに合った設定を見つけて、最高のゲーム体験を楽しんでください!
高リフレッシュレートのゲーミングモニターの性能を100%引き出して、勝率アップを目指しましょう!
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