Steamのインストール先を変更したいけど、難しそう…そんなあなたに朗報です。
実は、Steamのインストール先変更は、正しい手順を踏めば誰でも簡単にできるんです。
2024年から2025年の最新バージョンでは、インターフェースがさらに使いやすくなり、初心者でも安心して作業できるようになりました。
このガイドでは、中学生でも分かるように、丁寧に説明していきます。
なぜSteamのインストール先を変更するの?

そもそも、どうしてSteamのインストール先を変更する必要があるのでしょうか。
実は、多くのゲーマーがこの問題に直面しています。
容量不足で困っている人が急増中
最近のゲームは、とにかく容量が大きい。
たとえば、人気ゲームの「バルダーズゲート3」は約150GB、「コールオブデューティ」シリーズに至っては200GB以上も必要です。
パソコンを買ったときの初期設定では、CドライブにSteamがインストールされることが多いのですが、このドライブはWindowsのシステムファイルでいっぱいになりがち。
すぐに容量不足になってしまうんです。
SSDで高速化したい人も増えている
HDDからSSDに移行すると、ゲームのロード時間が50〜70%も短縮されます。
たとえば、「ファイナルファンタジー15」のロード時間は、HDDでは1分15秒かかっていたのが、SSDなら41秒、さらに高速なNVMe SSDなら35秒になるんです。 この差は体感するとかなり大きく、ゲームプレイが快適になります。
複数のドライブを上手に使いたい
最近のパソコンでは、システム用のSSDとデータ保存用のHDDを組み合わせて使うのが一般的です。
よくプレイするゲームはSSDに、たまにしかプレイしないゲームはHDDに配置することで、限られた容量を効率的に使えます。
ここまでで、Steamのインストール先を変更する理由が分かりましたね。 次は、具体的な変更方法について見ていきましょう。
Steam本体のインストール先を変更する方法
Steam本体のインストール先を変更する方法は、大きく分けて3つあります。
それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に合った方法を選びましょう。
方法1:Steam全体を移動する(上級者向け)
この方法は、Steamフォルダーごと新しい場所に移動します。
少し複雑ですが、確実に移動できます。
まず、Steamを完全に終了させます。
画面右下のシステムトレイにあるSteamアイコンを右クリックして、「Steamを終了」をクリックしてください。
次に、Steamがインストールされているフォルダー(通常はC:\Program Files (x86)\Steam
)を開きます。
重要なのは、以下の3つのファイル・フォルダーだけを絶対に削除しないことです:
- steamappsフォルダー(ゲームデータが入っている)
- userdataフォルダー(セーブデータなどが入っている)
- steam.exe(Steamの実行ファイル)
これら以外のファイルを削除したら、Steamフォルダー全体を新しい場所(たとえばD:\Games\Steam
)にコピーします。
コピーが完了したら、新しい場所のsteam.exeをダブルクリックして起動。 Steamが自動的に必要なファイルを再ダウンロードしてくれます。
方法2:ゲームライブラリを追加する(おすすめ)

これが一番簡単で安全な方法です。 2024年からの新しいインターフェースでは、さらに使いやすくなりました。
Steamを開いて、画面左上の「Steam」メニューから「設定」をクリック。

「ストレージ」タブを選択します(以前は「ダウンロード」の中にありましたが、変更されました)。
画面に表示される「+」ボタンをクリックすると、新しいドライブを追加できます。
ドロップダウンメニューから使いたいドライブを選ぶか、「別の場所を選択」をクリックして、好きなフォルダーを指定できます。
追加したら、そのドライブの横にある3つの点のメニュー(•••)から「デフォルトに設定」を選べば、今後ダウンロードするゲームは自動的にそこにインストールされます。
方法3:新規インストールする(トラブル時の最終手段)
どうしてもうまくいかないときは、Steamを一度アンインストールして、改めてインストールし直す方法もあります。
ただし、この方法を使う前に、必ずsteamappsフォルダーとuserdataフォルダーをバックアップしておきましょう。
Windowsの設定から「アプリと機能」を開き、Steamを見つけてアンインストール。
その後、Steam公式サイト(store.steampowered.com)から最新版をダウンロードして、インストール時に新しい場所を指定します。
Steam本体の移動方法が分かったところで、次はゲームの移動について説明します。
ゲームライブラリフォルダーの管理と既存ゲームの移動
インストール済みのゲームを別のドライブに移動したいときは、Steamの便利な機能を使いましょう。
手動で移動することもできますが、トラブルの原因になりやすいので、できるだけ避けてください。
Steam内蔵の移動機能を使う(個別移動)
ゲームを1つずつ移動したいときは、この方法が確実です。
Steamライブラリーで移動したいゲームを右クリックして、「プロパティ」を選択。 「インストール済みファイル」タブ(以前は「ローカルファイル」という名前でした)を開いて、「インストールフォルダーを移動」をクリックします。
移動先のライブラリフォルダーを選んで「移動」ボタンを押せば、自動的に移動が始まります。
ストレージマネージャーで複数ゲームを一括移動
2024年版のSteamでは、複数のゲームをまとめて移動できるようになりました。 これがとても便利なんです。
「Steam」→「設定」→「ストレージ」を開くと、ストレージマネージャーが表示されます。 移動したいゲームのチェックボックスにチェックを入れて(複数選択可能)、「移動」ボタンをクリック。 移動先を選んで実行すれば、選んだゲームがすべて移動されます。
手動でゲームファイルを移動する方法(緊急時のみ)
Steamの機能がうまく動かないときは、手動で移動することもできます。 ただし、これは最後の手段として考えてください。
まず、Steamを完全に終了させます。 次に、ゲームフォルダー(通常はsteamapps\common\ゲーム名
)を新しい場所にコピー。 さらに、steamapps
フォルダーにあるappmanifest_[数字].acf
ファイル(ゲームの設定ファイル)も一緒にコピーする必要があります。
Steamを再起動したら、「ファイルの整合性を確認」を実行して、正しく認識されているか確認しましょう。
ゲーム移動後の確認作業
ゲームを移動した後は、必ず「ファイルの整合性を確認」を実行してください。 これは、ファイルが正しく移動されたか、破損していないかをチェックする重要な作業です。
ゲームを右クリック→「プロパティ」→「インストール済みファイル」→「ゲームファイルの整合性を確認」の順にクリック。 数分待てば、自動的にチェックと修復が完了します。
ゲームの移動方法が分かったら、次はプラットフォームごとの違いについて見ていきましょう。
Windows、Mac、Linuxでの違いと注意点

Steamは複数のプラットフォームに対応していますが、それぞれに特徴があります。 自分の環境に合った方法を選ぶことが大切です。
Windowsでの作業(最も一般的)
Windowsは、Steamゲームが最も多く対応しているプラットフォームです。 デフォルトのインストール先はC:\Program Files (x86)\Steam
で、ゲームはsteamapps\common
フォルダーに保存されます。
Windowsの特徴として、レジストリというシステムにSteamの情報が記録されています。 これが壊れると、Steamが正しく動作しなくなることがあります。
そんなときは、Steamフォルダーの中にあるClientRegistry.blob
ファイルを削除して、Steamを再起動すると直ることが多いです。
macOSでの注意点
Macでは、Steamは/Applications/Steam.app
にインストールされ、ゲームデータは~/Library/Application Support/Steam/
に保存されます。
重要な注意点として、macOSのAPFSというファイルシステムには「大文字と小文字を区別する」設定があり、この設定だとSteamが動作しません。 もしエラーが出たら、大文字小文字を区別しない新しいボリュームを作成する必要があります。
Linux(Steam Deck含む)での特徴
Linuxでは、ディストリビューション(種類)によってインストール方法が異なります。 Ubuntu系ならsudo apt install steam
、Fedoraならsudo dnf install steam
でインストールできます。
特に注目なのが、Steam Deckで使われているSteamOS 3.0です。 2024年から2025年にかけて大幅にアップデートされ、他社の携帯ゲーム機(ROG AllyやLegion Go)でも使えるようになりました。
ただし、システムファイルが読み取り専用になっているため、通常のLinuxとは違う操作が必要になることがあります。
プラットフォームごとの違いを理解したら、次はトラブルが起きたときの対処法を見ていきましょう。
よくあるトラブルと解決方法
Steamのインストール先を変更するときに起こりやすいトラブルと、その解決方法をまとめました。 慌てずに、順番に試してみてください。
「Steamライブラリフォルダーに書き込めません」エラー
このエラーは、フォルダーへのアクセス権限がないときに発生します。
解決方法は、Steamフォルダーを右クリック→「プロパティ」→「セキュリティ」タブで、自分のユーザーアカウントに「フルコントロール」の権限を与えること。 また、フォルダーが「読み取り専用」になっていないか確認し、チェックを外してください。
それでもダメなら、Steamを「管理者として実行」してみましょう。
ゲームが「未インストール」と表示される
ゲームファイルは存在するのに、Steamが認識していない状態です。
まず、「Steam」→「設定」→「ストレージ」から、ゲームがあるフォルダーを追加してみてください。 それでも認識されないときは、同じ場所にゲームを「インストール」しようとすると、Steamが既存のファイルを発見して認識してくれます。
最後に「ファイルの整合性を確認」を実行しましょう。
ダウンロード速度が遅い、エラーが頻発する
Steamのダウンロードサーバーが混雑している可能性があります。
「設定」→「ダウンロード」から、ダウンロード地域を変更してみてください。 日本国内でも、東京、大阪、福岡など複数のサーバーがあるので、別の地域を試すと改善することがあります。
また、「ダウンロードキャッシュをクリア」することで、一時ファイルの問題を解決できます(再ログインが必要になります)。
シェーダーキャッシュのダウンロードが終わらない
2024年現在、Steamのシェーダープリキャッシング機能には問題があることが報告されています。 毎日のように大量のシェーダーファイル(500MB〜2GB)をダウンロードしてしまう不具合です。
解決方法は、「設定」→「シェーダープリキャッシング」のチェックを外すこと。 最新のグラフィックドライバーが自動的にシェーダーを管理してくれるので、Steamの機能は必要ありません。
ただし、Steam Deckやスペックの低いPCでは、有効にしておいた方がいい場合もあります。
トラブルシューティングの基本が分かったところで、次はパフォーマンスを向上させるコツを見ていきましょう。
パフォーマンス向上のための最適化テクニック
Steamゲームのパフォーマンスを最大限に引き出すには、インストール先の選び方が重要です。 ここでは、実際の測定データをもとに、最適な配置方法を解説します。
SSDとHDDの使い分けで快適性が大幅アップ
ストレージの種類によって、ゲームのロード時間は大きく変わります。 実測データを見てみましょう。
バルダーズゲート3のロード時間は、HDDで40秒、SATA SSDで26秒、NVMe SSDなら22秒です。 デビルメイクライ5では、HDDの13秒がSSDなら6秒に短縮されます。
この差は、特にオープンワールドゲームや対戦ゲームで体感できます。
おすすめの配置方法は、よくプレイするゲーム3〜5本をSSDに、それ以外をHDDに置くこと。 SSDの容量は貴重なので、プレイ頻度に合わせて定期的に入れ替えましょう。
最適なフォルダー構成で管理を楽に
フォルダー構成を工夫すると、ゲームの管理がぐっと楽になります。
C:\ (SSD - システム用)
├── Program Files\Steam\ (Steam本体)
├── Games\ActiveGames\ (よくプレイするゲーム)
D:\ (HDD - 大容量ストレージ)
├── Games\Library\ (たまにプレイするゲーム)
├── Games\Backups\ (バックアップ用)
このように整理しておけば、どこに何があるか一目で分かります。 また、各ドライブの空き容量は15〜20%以上を保つようにしましょう。 いっぱいまで使うと、パフォーマンスが低下します。
ダウンロードとインストールを高速化する設定
Steamのダウンロード速度を最大限に引き出すには、いくつかの設定を確認する必要があります。
まず、「設定」→「ダウンロード」で、帯域幅の制限が「制限なし」になっているか確認。 次に、ダウンロード地域を、混雑していないサーバーに変更してみてください。 深夜や早朝は速度が出やすい傾向があります。
また、ウイルス対策ソフトがSteamのダウンロードを邪魔していることがあります。 Steamフォルダーとゲームフォルダーを、ウイルス対策ソフトの除外リストに追加すると、大幅に速度が改善することがあります。
パフォーマンスの最適化ができたら、最後にセーブデータとMODの扱いについて確認しましょう。
セーブデータとMODを安全に管理する方法

ゲームを移動するときに、一番心配なのがセーブデータやMODの消失です。 でも大丈夫、正しい方法を知っていれば、すべて安全に保護できます。
Steam Cloudで自動バックアップ
Steam Cloudは、セーブデータを自動的にクラウドに保存してくれる便利な機能です。 ゲームを移動しても、Steam Cloudのデータは影響を受けません。
ゲームごとにSteam Cloudが有効になっているか確認するには、ゲームを右クリック→「プロパティ」→「一般」で「Steam Cloudにゲームセーブを保存」にチェックが入っているか見てください。 有効になっていれば、どのPCからでも続きをプレイできます。
ローカルセーブデータの保存場所
すべてのゲームがSteam Cloudに対応しているわけではありません。 ローカルに保存されるセーブデータは、ゲームによって場所が違います。
よくある保存場所は:
- ドキュメントフォルダー:
C:\Users\ユーザー名\Documents\My Games\ゲーム名
- AppDataフォルダー:
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\ゲーム名
- Steamのuserdataフォルダー:
Steam\userdata\数字\ゲームID
たとえば、スカイリムのセーブデータはDocuments\My Games\Skyrim\Saves
に、バルダーズゲート3はAppData\Local\Larian Studios\Baldur's Gate 3
に保存されます。
WorkshopのMODは自動で移動される
Steam WorkshopからダウンロードしたMODは、通常、ゲームと一緒に移動されます。 MODファイルはsteamapps\workshop\content\ゲームID
フォルダーに保存されており、Steamが管理しています。
もしMODが動作しなくなったら、一旦サブスクライブを解除して、もう一度サブスクライブし直してください。 これでパスが更新され、正常に動作するようになります。
サードパーティ製MODマネージャーの注意点
VortexやMod Organizer 2などのMODマネージャーを使っている場合は、ゲーム移動後に設定の更新が必要です。
Vortexの場合、設定からゲームのインストールパスを新しい場所に変更し、MODを再デプロイする必要があります。 Mod Organizer 2は、仮想ファイルシステムを使っているため、より柔軟に対応できますが、やはりゲームパスの更新は必要です。
大切なセーブデータとMODを守る方法が分かりました。 これで安心してSteamのインストール先を変更できますね。
まとめ:あなたも今日からSteam管理のプロに
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。 Steamのインストール先変更について、基本から応用まで、すべてお伝えしました。
最後に、重要なポイントをもう一度確認しましょう。
一番簡単で安全な方法は、Steamの設定からストレージを追加することです。 2024年からの新しいインターフェースでは、「Steam」→「設定」→「ストレージ」から、簡単に新しいゲームライブラリを追加できます。
よくプレイするゲームはSSDに、たまにしかプレイしないゲームはHDDに配置することで、パフォーマンスと容量のバランスをとることができます。 SSDへの移行で、ロード時間は50〜70%も短縮され、ゲーム体験が大幅に向上します。
セーブデータについては、Steam Cloudが自動的にバックアップしてくれるので安心です。 ただし、すべてのゲームが対応しているわけではないので、大切なセーブデータは手動でもバックアップしておきましょう。
MODは、Steam Workshopのものなら自動で移動されますが、サードパーティ製のMODマネージャーを使っている場合は、パスの更新が必要です。
トラブルが起きても、慌てる必要はありません。 「ファイルの整合性を確認」や「ダウンロードキャッシュのクリア」など、基本的な対処法で、ほとんどの問題は解決できます。
それでもダメなときは、steamappsフォルダーとuserdataフォルダーをバックアップしてから、Steamを再インストールすれば確実です。
これであなたも、Steamのインストール先を自由自在に管理できるようになりました。 容量不足に悩まされることなく、快適なゲームライフを楽しんでください。
新しいゲームをダウンロードするときは、今回学んだ知識を活かして、最適な場所にインストールしましょう。 ゲームの世界が、さらに広がることを願っています。
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