「新しいPCでゲームを始めたら、セーブデータが消えてた!」
「家のPCと外出先のノートPCで、同じセーブデータを使いたい…」
Steamでゲームを楽しんでいる皆さん、こんな経験はありませんか?実は、Steamには「Steam Cloud(スチームクラウド)」という、とても便利な機能があるんです。
この記事では、Steam Cloudの基本から使い方、設定方法、そしてトラブル解決まで、初心者の方でも分かりやすく解説します。Steam Cloudを使いこなせば、もうセーブデータを失う心配はありませんよ。
それでは、Steam Cloudの世界を一緒に見ていきましょう!
Steam Cloudとは?

Steam Cloudは、ゲームのセーブデータや設定ファイルを、インターネット上(クラウド)に自動的にバックアップしてくれる機能です。
簡単に言うと?
わかりやすく例えると、「ゲームのセーブデータ専用のオンライン倉庫」みたいなものですね。
普通の保存方法:
- セーブデータはPCの中だけに保存
- PCが壊れたらデータも消える
- 別のPCでは続きから遊べない
Steam Cloudの場合:
- セーブデータはPCとクラウドの両方に保存
- PCが壊れてもクラウドにデータが残っている
- どのPCでも同じデータで続きから遊べる
つまり、Steam Cloudがあれば、いつでもどこでも安心してゲームを楽しめるということなんです。
Steam Cloudの仕組み
Steam Cloudは、以下のタイミングで自動的に動作します:
ゲーム起動前:
クラウドから最新のセーブデータをダウンロード
ゲーム中:
普通にプレイ(特に意識する必要なし)
ゲーム終了後:
変更されたセーブデータをクラウドにアップロード
このすべてが自動で行われるので、あなたは何も操作する必要がないんです。便利ですよね!
Steam Cloudのメリット
Steam Cloudを使うと、こんな良いことがあります。
メリット1:セーブデータの自動バックアップ
最大のメリットは、セーブデータが自動的にバックアップされることです。
こんな時に助かる:
- PCが突然壊れた
- OSを再インストールした
- ゲームをアンインストールしてしまった
- ハードディスクを交換した
どんな場合でも、Steam Cloudにバックアップがあれば安心です。ゲームを再インストールするだけで、セーブデータも自動的に復元されますよ。
メリット2:複数のPCで同じデータを共有
家のデスクトップと外出先のノートPC、両方でゲームを楽しんでいる方には特に便利です。
家のPC → セーブしてゲーム終了
↓(自動アップロード)
Steam Cloud
↓(自動ダウンロード)
外出先のPC → 続きからプレイ
この流れが全自動で行われるので、手動でファイルをコピーする必要は一切ありません。
メリット3:Steam Deckとの相性が抜群
Valveの携帯ゲーム機「Steam Deck」を使っている方にも朗報です。
Steam Deckには「Dynamic Cloud Sync(ダイナミッククラウド同期)」という機能があって、スリープ状態からの復帰時でもスムーズにデータが同期されます。
つまり:
- 家のPCでゲームをプレイ
- Steam Deckで続きから外出先でプレイ
- また家のPCで続きをプレイ
こんなスタイルが簡単に実現できるんです。
メリット4:設定も同期できる
セーブデータだけでなく、以下のようなデータも同期されます:
- ゲーム内設定
- キーコンフィグ
- プロフィール設定
- スクリーンショット
- ワークショップのサブスクリプション
ただし、これらは対応しているゲームの場合に限ります。
Steam Cloudのデメリットと注意点
便利なSteam Cloudですが、知っておくべき注意点もあります。
デメリット1:全てのゲームが対応しているわけではない
残念ながら、すべてのゲームがSteam Cloudに対応しているわけではありません。
特に:
- 古いゲーム
- 一部のインディーズゲーム
- 非Steamゲーム(他のプラットフォームのゲームを追加した場合)
これらは対応していないことが多いです。対応状況の確認方法は、後ほど詳しく説明しますね。
デメリット2:同期に時間がかかることがある
セーブデータのサイズが大きい場合、同期に時間がかかることがあります。
影響する場面:
- ゲームの起動が遅くなる
- ゲームの終了が遅くなる
- Steamの終了が遅くなる
特に、セーブデータが数百MBあるようなゲームでは注意が必要です。
デメリット3:ストレージ容量に制限がある
Steam Cloudには、ユーザーアカウントごとに容量制限があります。
一般的な制限:
- ゲームごとに割り当てられた容量
- アカウント全体で約18〜20GB程度
普通にゲームをプレイする分には十分な容量ですが、大量のスクリーンショットを保存している場合は注意しましょう。
デメリット4:オフラインでは同期できない
インターネット接続がない状態では、クラウドとの同期ができません。
オフラインの場合:
- ローカルのセーブデータでプレイ
- クラウドへのアップロードは次回オンライン時
そのため、オフラインで遊んだ後は、必ずオンラインに接続してSteamを起動しましょう。
Steam Cloudの設定方法
それでは、実際にSteam Cloudを設定していきましょう。
グローバル設定(全ゲーム共通)
まず、Steam Cloud全体を有効にする方法です。
Windows/Macの場合:
- Steamクライアントを起動
- 左上の「Steam」メニューをクリック
- 「設定」を選択
- 左側のメニューから「クラウド」を選択
- 「Steamクラウドを有効化して、サポートするアプリ情報を同期化する」にチェックを入れる
- 「OK」をクリック
これで、対応しているすべてのゲームでSteam Cloudが有効になります。
デフォルトで有効:
通常、Steamをインストールした時点で、この設定は有効になっています。念のため確認しておくと安心ですね。
ゲームごとの設定
特定のゲームだけSteam Cloudを有効/無効にすることもできます。
手順:
- Steamの「ライブラリ」を開く
- 設定したいゲームを右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「一般」タブを開く
- 「STEAMクラウドに(ゲーム名)のゲームを保存」のチェックボックスで設定
チェックあり: Steam Cloud有効
チェックなし: Steam Cloud無効
例えば、「このゲームは最初からやり直したいから、クラウドと同期したくない」という場合は、チェックを外せばOKです。
対応ゲームの確認方法
Steam Cloudに対応しているかどうかを確認する方法を紹介します。
ゲーム購入前に確認する方法
ゲームを買う前に、Steam Cloudに対応しているか知りたい時は:
方法1:ストアページで確認
- ゲームのストアページを開く
- 右側の「機能」欄を確認
- 「Steam Cloud」の表示があれば対応している
クラウドマークがあれば、そのゲームはSteam Cloudに対応しています。
方法2:検索フィルターを使う
- Steamストアのトップページを開く
- 右側の「機能で絞り込む」欄を見る
- 「Steam Cloud」にチェックを入れる
これで、Steam Cloud対応ゲームだけが表示されます。
購入後に確認する方法
すでに持っているゲームの対応状況を確認するには:
手順:
- Steamライブラリでゲームを選択
- ゲームタイトルの右側を確認
- クラウドアイコンがあれば対応している
アイコンの種類:
- 実線のクラウドアイコン:対応していて有効
- 打ち消し線付きクラウド:対応しているが無効
- クエスチョンマーク付き:同期状態が不明
- アイコンなし:非対応
セーブデータの同期タイミング

Steam Cloudは、いつセーブデータを同期するのでしょうか?
自動同期のタイミング
1. ゲーム起動前
- クラウドから最新データをチェック
- ローカルより新しいデータがあればダウンロード
2. ゲーム終了後
- ローカルで変更されたファイルをアップロード
- クラウドに保存
3. Steamクライアントの起動・終了時
- 全体的な同期チェック
- 必要に応じてアップロード/ダウンロード
手動で同期を確認する方法
通常は自動で同期されますが、同期状況を確認したい場合:
確認方法:
- Steamライブラリでゲームを選択
- クラウドアイコンにマウスを合わせる
- 最終同期時刻が表示される
また、2024年のアップデートで、同期の進行状況がパーセンテージで表示されるようになりました。
Steam Cloudのデータ保存場所
Steam Cloudのデータは、実際にどこに保存されているのでしょうか?
クラウド上の保存場所
クラウド上のデータは、Valveのサーバーに保存されています。ユーザーが直接アクセスすることはできません。
ただし、Webブラウザから確認することはできます:
確認方法:
- Webブラウザを開く
- Steamアカウントにログイン
- 以下のURLにアクセス
https://store.steampowered.com/account/remotestorage
ここで、各ゲームのクラウド使用容量を確認できますよ。
ローカルの保存場所
PC上では、以下の場所にデータが保存されています。
Windows(デフォルトインストール):
C:\Program Files (x86)\Steam\userdata\<SteamユーザーID>\<アプリID>\remote\
Mac:
~/Library/Application Support/Steam/userdata/<SteamユーザーID>/<アプリID>/remote/
Steam Deck:
/home/deck/.local/share/Steam/userdata/<SteamユーザーID>/<アプリID>/remote/
ポイント:
<SteamユーザーID>:あなたの固有のID<アプリID>:各ゲーム固有のID番号
これらのフォルダには、同期されたセーブデータが入っています。
よくあるトラブルと解決方法
Steam Cloudを使っていると、時々トラブルに遭遇することがあります。代表的な問題と解決方法を見ていきましょう。
トラブル1:同期競合(Sync Conflict)
症状:
ゲーム起動時に「Steam Sync Conflict」という警告が出る
ローカルファイルとクラウドのファイルが一致しません。
どちらを使用しますか?
ローカルファイル:2024/12/11 10:30
クラウドファイル:2024/12/10 18:45
原因:
- 前回のゲーム終了時に正常に同期されなかった
- 複数のPCで同時にプレイしていた
- PCが強制終了された
解決方法:
- 両方のファイルの更新日時を確認
- 新しい方(通常は続きをプレイしたい方)を選択
- 「ローカルファイルを使用」または「クラウドファイルを使用」をクリック
注意:
古い方を選ぶと、新しいプレイデータが失われる可能性があります。
トラブル2:同期に失敗する
症状:
「Steam was unable to sync your files」というエラーが出る
原因:
- インターネット接続の問題
- Steamサーバーの一時的な不具合
- ファイルサイズが大きすぎる
解決方法:
# 1. インターネット接続を確認
# 2. Steamクライアントを再起動
# 3. PCを再起動
# 4. 少し時間をおいてから再試行
もし解決しない場合は、一時的にゲームを「オフラインモードでプレイ」を選択し、後で同期させることもできます。
トラブル3:セーブデータが削除できない
症状:
ローカルのセーブデータを削除しても、ゲーム起動時に復元されてしまう
原因:
Steam Cloudが有効なため、クラウドから自動的にダウンロードされている
解決方法:
- ゲームのプロパティを開く
- 「STEAMクラウド」のチェックを外す
- Steamクライアントを再起動
- ローカルのセーブデータを削除
- ゲームを起動して新規プレイ
重要:
この方法では、クラウド上のデータは削除されません。完全に削除したい場合は、以下の手順が必要です。
クラウドデータの完全削除(上級者向け):
- Steam Cloudを有効にした状態でゲームを起動
- ゲーム内で「クラウドにアップロード」を選択
- Steam設定でSteam Cloudを無効にする
- ゲームを終了し、Steamプロセスを全て終了
- ローカルの以下のフォルダを削除
userdata\<SteamユーザーID>\<アプリID>\
- ゲームを起動
これで、クラウド上のデータも更新されます。
トラブル4:同期が遅い
症状:
ゲームの起動や終了に異常に時間がかかる
原因:
- セーブデータのサイズが大きい
- インターネット速度が遅い
- 多数の小さなファイルがある
解決方法:
一時的な対処:
1. ゲームのプロパティを開く
2. Steam Cloudを一時的に無効にする
3. 必要な時だけ有効にする
恒久的な対処:
- 不要なセーブデータやスクリーンショットを削除
- インターネット接続を改善
- 有線LANに切り替える
トラブル5:容量制限に達した
症状:
「Steam Cloud storage quota exceeded」というエラー
原因:
ゲームの割り当て容量を超えた
解決方法:
- 古いセーブデータを削除
- スクリーンショットを整理
- 不要なファイルを削除
容量確認:
ゲームのプロパティ → 一般タブ
→ Steam Cloudストレージ使用状況
Steam Deckでの使い方
Steam Deckユーザー向けに、特有の設定方法を紹介します。
全ゲーム共通の設定
手順:
- Steam Deckの「Steam」ボタンを押す
- 「設定」を選択
- 「クラウド」までスクロール
- スイッチを青色にして有効化
これで、すべての対応ゲームでクラウド同期が有効になります。
ゲームごとの設定
手順:
- 「ライブラリ」を開く
- ゲームを選択
- 歯車アイコン(設定)をタップ
- 「プロパティ」を選択
- 「一般」タブで「STEAMクラウド」を設定
Dynamic Cloud Sync(動的クラウド同期)
Steam Deckの特別機能です。
特徴:
- スリープからの復帰時に自動同期
- シームレスなデバイス切り替え
- バックグラウンドで同期
この機能により、Steam DeckとPCの切り替えがさらにスムーズになっています。
セキュリティとプライバシー
Steam Cloudを使う上で、セキュリティ面も気になりますよね。
データの暗号化
現状:
- Steamサーバーへの通信は暗号化されている
- サーバー上のデータ自体の暗号化については詳細非公開
- エンドツーエンド暗号化ではない可能性がある
つまり、Valve社員は理論上データにアクセスできる可能性があります。
個人情報の扱い
Steam Cloudに保存されるもの:
- セーブデータ
- ゲーム設定
- スクリーンショット
- プロフィール情報
保存されないもの:
- パスワード
- クレジットカード情報
- Steam Guardコード
プライバシー保護のヒント
推奨事項:
- 重要な個人情報はゲーム内に保存しない
- セーブデータにクレジットカード番号などを記録しない
- 定期的にセーブデータの内容を確認
- 不要になったゲームのデータは削除
Steam Cloud非対応ゲームのバックアップ方法
Steam Cloud非対応のゲームでも、手動でバックアップを取ることができます。
セーブデータの場所を探す
一般的な場所:
Windows:
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\<ゲーム名>\
C:\Users\<ユーザー名>\Documents\My Games\<ゲーム名>\
C:\Users\<ユーザー名>\Saved Games\<ゲーム名>\
Mac:
~/Library/Application Support/<ゲーム名>/
~/Documents/<ゲーム名>/
手動バックアップの方法
手順:
- セーブデータのフォルダを見つける
- フォルダ全体をコピー
- 外付けHDDやクラウドストレージ(Google Drive等)に保存
- 定期的にバックアップを更新
おすすめツール:
- Google Drive
- Dropbox
- OneDrive
- 外付けHDD
復元方法
手順:
- ゲームをインストール
- 一度起動して新規セーブを作成
- ゲームを終了
- バックアップしたフォルダを元の場所にコピー
- ゲームを起動
これで、バックアップしたデータでプレイできます。
まとめ
Steam Cloud、すっかり理解できましたか?最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
Steam Cloudとは
- ゲームのセーブデータを自動的にクラウドにバックアップする機能
- 複数のPC間でデータを共有できる
- 対応ゲームなら自動で有効になっている
主なメリット
✓ セーブデータの自動バックアップ
✓ 複数PC・Steam Deckでデータ共有
✓ PC故障時でもデータ復元可能
✓ 手動操作不要
設定方法
グローバル設定:
Steam → 設定 → クラウド
→ 「Steamクラウドを有効化...」にチェック
ゲームごと:
ライブラリ → ゲーム右クリック → プロパティ
→ 一般タブ → STEAMクラウドで設定
対応確認
- ストアページの「機能」欄をチェック
- ライブラリのクラウドアイコンで確認
トラブル対処
- 同期競合:新しい方を選択
- 同期失敗:再起動して再試行
- データ削除:Cloud無効化してから削除
Steam Deckユーザー
- Dynamic Cloud Syncで自動同期
- スリープからの復帰でもスムーズ
- PC↔Steam Deck間でシームレスにプレイ
セキュリティ
- 通信は暗号化されている
- 個人情報は保存しない
- 定期的にデータを確認
Steam Cloudは、一度設定すれば後は自動で動いてくれる、とても便利な機能です。特に複数のデバイスでゲームを楽しむ方や、大切なセーブデータを守りたい方には必須の機能と言えるでしょう。
デフォルトで有効になっているので、多くの方は既に知らず知らずのうちに使っているかもしれませんね。この記事を読んで、Steam Cloudをより深く理解し、安心してゲームライフを楽しんでください!
それでは、楽しいSteamライフを!


コメント