音楽ストリーミングサービスのSpotifyを使っている方なら、「もっと大きなスピーカーで音楽を聴きたい」「テレビで音楽を流したい」と思ったことはありませんか?
スマホで音楽を聴くのも良いですが、自宅では高音質なスピーカーで楽しみたいですよね。でもBluetoothで接続するのは面倒だし、音質も気になる…。
そんな悩みを解決してくれるのが「Spotify Connect」という機能です。この機能を使えば、スマホをリモコンのように使って、簡単に様々なデバイスでSpotifyの音楽を楽しめるんです。
この記事では、Spotify Connectの基本から便利な使い方まで、分かりやすく解説していきます。
- Spotify Connectとは?基本を理解しよう
- Spotify ConnectとBluetoothの違い
- Spotify Connectが使えるデバイス
- Spotify Connectを使うための準備
- Spotify Connectの使い方【スマホ編】
- Spotify Connectの使い方【パソコン編】
- スマートスピーカーとの連携
- よくあるトラブルと解決方法
- Spotify Connectの便利な活用シーン
- マルチルーム再生について
- Spotify Lossless(HiFi)との関係
- Spotify Connectが使えないサービス
- 他の音楽サービスとの比較
- まとめ:Spotify Connectで音楽生活が変わる
Spotify Connectとは?基本を理解しよう

Spotify Connectは、2013年にSpotifyが開始した機能で、スマホやタブレット、パソコンをリモコンとして使い、他のデバイスで音楽を再生できる仕組みです。
簡単に言うと
普段使っているスマホのSpotifyアプリを操作して、リビングのスピーカーやテレビ、ゲーム機などで音楽を流せる機能のこと。スマホはリモコンの役割だけを果たします。
例えば、こんな使い方ができます:
- スマホで曲を選んで、リビングのスマートスピーカーから音楽を流す
- 朝は寝室のスピーカーで音楽を聴いて、そのままリビングのスピーカーに切り替える
- テレビの大画面で歌詞を見ながら、テレビのスピーカーで音楽を楽しむ
- パソコンで作業しながら、パソコンのスピーカーで音楽を流す
しかも、音楽を再生中でも電話がかかってきたらちゃんと受けられます。スマホは音楽を流しているわけではなく、ただの「リモコン」として働いているからです。
Spotify ConnectとBluetoothの違い
「Bluetoothで接続するのと何が違うの?」と思う方も多いでしょう。実は、大きな違いがいくつかあります。
音楽の流れ方が根本的に違う
Bluetooth接続の場合、スマホの音楽がスマホから直接スピーカーに送られます。一方、Spotify Connectでは、スマホはSpotifyのサーバーに「この曲を再生して」と指示を出すだけ。実際の音楽データは、インターネット経由でSpotifyのサーバーから直接スピーカーに届きます。
音質が良い
Bluetoothは音声データを圧縮して送るため、どうしても音質が落ちてしまいます。Spotify Connectは、Wi-Fi経由で直接Spotifyのサーバーから音楽が流れるため、より高音質(最大320kbps)で楽しめます。
スマホのバッテリーが長持ち
Bluetooth接続だと、スマホがずっと音楽を再生し続けるため、バッテリーの消費が激しくなります。Spotify Connectなら、スマホはリモコンとして操作するだけなので、バッテリーの減りがとても少ないんです。
電話やアプリが使える
Bluetooth接続で音楽を流していると、電話がかかってきたら音楽が止まってしまいます。でもSpotify Connectなら、スマホで電話に出ても、スピーカーからは音楽が流れ続けます。
SNSを見たり、動画を見たりしても、音楽の再生には影響しません。これがSpotify Connectの大きな魅力です。
デバイス間の切り替えが簡単
Bluetoothだと、接続を切って、また別のデバイスとペアリングして…という面倒な手順が必要です。Spotify Connectなら、アプリ上でワンタップするだけで、瞬時に再生デバイスを切り替えられます。
Spotify Connectが使えるデバイス
Spotify Connectは、現在200以上のブランド、2000以上の製品に対応しています。意外と身近なデバイスで使えるんです。
スマートスピーカー
- Amazon Echo(アレクサ)シリーズ
- Google Nest(旧Google Home)
- Sonos(ソノス)シリーズ
- Apple HomePod
- Bose Home Speaker
テレビ
- Samsung スマートTV
- LG スマートTV
- Sony ブラビア
- その他Spotify対応のスマートTV
ゲーム機
- PlayStation 4・5
- Xbox One・Series X/S
これらのゲーム機では、なんと無料のSpotifyアカウントでもConnectが使えます!
オーディオ機器
- ワイヤレススピーカー(Sony、JBL、Boseなど)
- AVレシーバー
- サウンドバー
- ネットワークプレーヤー
その他
- カーオーディオシステム(一部の車種)
- スマートウォッチ
- パソコン(Windows・Mac)
- スマートフォン・タブレット
自分が持っているデバイスが対応しているかは、Spotifyの公式サイトで確認できます。製品にSpotifyのロゴがついていれば、Connect対応の目印です。
Spotify Connectを使うための準備
使い始める前に、いくつか準備が必要です。でも難しいことは何もありません。
必要なもの
- Spotifyアカウント
- 基本的にはSpotify Premium(有料プラン)が必要
- 月額980円で広告なし、高音質、オフライン再生などが使える
- 一部のデバイス(PS5など)では無料プランでも使える
- コントロール用デバイス
- スマートフォン(iPhone、Android)
- タブレット(iPad、Androidタブレット)
- パソコン(Windows、Mac)
- これらに最新版のSpotifyアプリをインストール
- 再生用デバイス
- Spotify Connect対応のスピーカー、テレビ、ゲーム機など
- Wi-Fiまたは有線でインターネットに接続されている必要がある
- 同じWi-Fiネットワーク
- コントロール用デバイスと再生用デバイスを、同じWi-Fiに接続する
- これが最も重要なポイント!
Spotify Connectの使い方【スマホ編】
スマホでの基本的な使い方を、ステップごとに説明します。
初めて使う場合の手順
ステップ1:Wi-Fi接続を確認
スマホとSpotifyで音楽を流したいデバイス(スピーカーやテレビなど)が、同じWi-Fiに接続されているか確認します。
Wi-Fiが違うと認識されないので、必ず同じネットワークに接続してください。
ステップ2:Spotifyアプリを開く
スマホでSpotifyアプリを起動して、好きな曲を再生します。どの曲でもOKです。
ステップ3:デバイスアイコンをタップ
画面下部に表示されている再生バー(今再生している曲の情報が表示されている部分)をタップして、プレイヤー画面を開きます。
画面の左下あたりに、スピーカーやテレビのようなアイコンがあります。これが「利用可能なデバイス」ボタンです。
ステップ4:再生デバイスを選択
「利用可能なデバイス」をタップすると、同じWi-Fiに接続されているSpotify Connect対応デバイスの一覧が表示されます。
音楽を流したいデバイスを選択すると、そのデバイスから音楽が再生されます。
ステップ5:リモコンとして操作
これでスマホがリモコンになりました!
- 曲の再生・一時停止
- 次の曲にスキップ
- 音量調整
- プレイリストの変更
これらすべての操作が、スマホから行えます。
再生デバイスを切り替える
別の部屋に移動するときなど、再生デバイスを切り替えたい場合も簡単です。
- もう一度「利用可能なデバイス」ボタンをタップ
- 切り替えたいデバイスを選択
- 音楽が止まることなく、新しいデバイスで再生が続きます
この切り替えは、曲の途中でも可能です。リビングから寝室に移動しても、音楽はシームレスに続きます。
Spotify Connectの使い方【パソコン編】
パソコンでも同じようにSpotify Connectが使えます。
デスクトップアプリでの操作方法
ステップ1:Spotifyアプリを起動
Windows版またはMac版のSpotifyアプリを開いて、曲を再生します。
ステップ2:デバイスに接続ボタンをクリック
画面の右下にある、スピーカーとモニターが描かれたアイコンをクリックします。これが「デバイスに接続」ボタンです。
ステップ3:デバイスを選択
利用可能なデバイスの一覧が表示されるので、音楽を流したいデバイスを選択します。
パソコンからでも、スマホと同じように簡単に操作できます。
Web版での注意点
ブラウザ版のSpotify(Spotify Web Player)でもConnectは使えますが、少し制限があります。
- すでにログインしているデバイスにしか接続できない
- Chromeを使っている場合は、同じネットワーク上のChromecast対応デバイスも使える
- デバイスが表示されない場合は、アプリ版を使うのがおすすめ
スマートスピーカーとの連携

Amazon EchoやGoogle Nestなどのスマートスピーカーとの組み合わせが、特に便利です。
音声コマンドで操作する
Spotify ConnectとAlexaやGoogleアシスタントを連携させれば、声だけで音楽を操作できます。
Amazon Alexaの場合
- Alexaアプリを開く
- 「その他」→「設定」→「ミュージック」を選択
- Spotifyアカウントをリンク
- デフォルトの音楽サービスに設定
これで、「アレクサ、ビートルズをかけて」と言うだけで音楽が流れます。
Google Homeの場合
- Google Homeアプリを開く
- 「設定」→「音楽」を選択
- Spotifyをリンク
- デフォルトの音楽サービスに設定
「OK Google、Spotifyで最新の曲をかけて」と話しかければ、すぐに音楽が始まります。
スマホアプリとの併用
音声コマンドで音楽を始めたあと、スマホのSpotifyアプリを開けば、自動的にそのスピーカーのリモコンとして機能します。
声で大まかな操作をして、細かい曲選びはスマホで、という使い分けができるんです。
よくあるトラブルと解決方法
Spotify Connectを使っていると、たまに問題が起きることがあります。でも、ほとんどの場合は簡単に解決できます。
デバイスが表示されない
最も多いトラブルがこれです。以下の点を確認してください:
- Wi-Fi接続を確認
- スマホとデバイスが同じWi-Fiに接続されているか確認
- 5GHz帯と2.4GHz帯が分かれている場合は、同じ帯域に接続する
- デバイスを再起動
- スピーカーやテレビの電源を一度切って、再度入れる
- スマホのSpotifyアプリも一度終了して、開き直す
- ソフトウェアを最新版に
- Spotifyアプリが最新版か確認してアップデート
- デバイス側のソフトウェアも最新版にする
- iPhoneの場合の特別設定
- 「設定」→「Spotify」→「ローカルネットワーク」をオンにする
- これをオンにしないと、デバイスが検出されません
同じ名前のデバイスが複数表示される
「iPhone」や「スピーカー」など、同じ名前のデバイスが複数表示されることがあります。
この場合は、それぞれを順番に試してみてください。1分ほど待って反応がなければ、次のデバイスを試します。
知らないデバイスが表示される
以前ログインしたままになっているデバイスや、友達のデバイスが表示されることがあります。
対処法:ローカルデバイスのみ表示
- Spotifyアプリの「設定」を開く
- 「デバイス」または「アプリとデバイス」を選択
- 「ローカルデバイスのみ表示」をオンにする
これで、今接続しているWi-Fi上のデバイスだけが表示されます。
音楽が途切れる・止まる
Wi-Fi接続が不安定だと、音楽が途切れたり止まったりすることがあります。
解決方法:
- ルーターの近くに移動する
- ルーターを再起動する
- Wi-Fiの混雑する時間帯を避ける
- 可能であれば有線接続(LANケーブル)を使う
音量調整ができない(iPhoneの場合)
2024年8月以降、iPhoneの本体ボリュームボタンでConnectデバイスの音量を直接調整できなくなりました。
これはAppleの技術的な変更によるもので、Spotifyアプリ内の音量スライダーを使う必要があります。
Spotify Connectの便利な活用シーン
実際にどんな場面で便利なのか、具体的な使い方を紹介します。
朝の目覚めから出勤まで
- ベッドの中でスマホで目覚まし代わりに音楽を再生
- 起きたら寝室のスピーカーに切り替え
- リビングに移動したら、リビングのスピーカーに切り替え
- 身支度が終わったら、ワイヤレスイヤホンに切り替えて出勤
すべてワンタップで切り替えられるので、音楽が途切れることなく、一日を音楽と共にスタートできます。
ホームパーティーで
友達を呼んでパーティーをするとき、Spotify Connectがあれば便利です。
- リビングのスピーカーで音楽を流す
- 友達に自分のSpotifyアカウントでログインしてもらう
- 友達のスマホからも曲を選んで再生してもらえる
みんなで交代で好きな曲をかけられるので、盛り上がります。
仕事や勉強の集中タイムに
パソコンで作業をするとき、高音質な環境で音楽を聴きたいですよね。
- スマホで作業用プレイリストを選ぶ
- パソコンのスピーカーまたは外部スピーカーに接続
- 作業はパソコン、曲の変更はスマホで手軽に
スマホをいじっているように見えても、実は曲を変えているだけ。集中を保ちながら音楽環境も整えられます。
料理中のBGMに
キッチンで料理をしているとき、スマホが濡れた手で触れないことってありますよね。
- 料理を始める前にキッチンのスピーカーで音楽を再生
- 途中で曲を変えたくなったら、声で操作(スマートスピーカーの場合)
- または、料理の合間にスマホで操作
スマホを直接触らなくても、音楽を楽しめます。
筋トレやヨガのお供に
運動中は、スマホを持ち歩きたくないものです。
- リビングのスピーカーで音楽を再生
- スマホはソファに置いたまま運動
- 終わったらスマホで停止、またはそのまま次の曲へ
スマホを気にせず、思い切り体を動かせます。
マルチルーム再生について
複数の部屋で同時に音楽を流したい場合、いくつかの方法があります。
Sonosのマルチルーム機能
Sonosのスピーカーを複数台持っている場合、Sonosアプリでグループを作れば、すべてのスピーカーで同じ音楽を同時に再生できます。
基本的には1デバイスずつ
ただし、Spotify Connect自体は、基本的に一度に1つのデバイスでしか再生できません。
複数の部屋で同時に違う音楽を流したい場合は、Spotify Premiumの「ファミリープラン」を契約して、家族それぞれのアカウントで再生するのがおすすめです。
Spotify Lossless(HiFi)との関係
Spotifyは2021年に「Spotify HiFi」という、CD音質のロスレス音源サービスを発表しました。
当初の計画では、Spotify ConnectでもこのHiFi音質が楽しめる予定でしたが、2024年12月現在、まだ正式にはリリースされていません。
ただし、将来的にはSpotify Connectでも高音質なロスレス音源が聴けるようになる見込みです。対応デバイスを持っていれば、アップデートで自動的に対応するはずです。
Spotify Connectが使えないサービス
便利なSpotify Connectですが、すべての機能で使えるわけではありません。
ローカルファイルは非対応
自分でパソコンからアップロードした楽曲(ローカルファイル)は、Spotify Connectでは再生できません。
これらの曲は、直接そのデバイスで再生するか、Bluetooth経由で聴く必要があります。
一部のポッドキャストで制限
ポッドキャストの中には、Connectで再生できないものもあります。これは配信者側の設定によるものです。
他の音楽サービスとの比較
Spotify Connect以外にも、似たような機能を持つサービスがあります。
Apple AirPlay
Appleデバイス同士をWi-Fiで接続して音楽を流す機能。iPhoneやMacユーザーには便利ですが、Android端末では使えません。
Spotify Connectと違い、スマホから音声を送信する仕組みなので、バッテリー消費が大きいのが欠点です。
Google Chromecast
Googleの端末同士を接続する機能。こちらもSpotify Connectと似ていますが、対応デバイスが限られます。
Tidal Connect
音楽ストリーミングサービスのTidalも、Spotify Connectと同じような機能を2020年に開始しました。使い方はほぼ同じです。
Spotify Connectの優位性
Spotify Connectが特に優れているのは、対応デバイスの多さです。2000以上の製品に対応しているため、ほとんどのスマートスピーカーやオーディオ機器で使えます。
まとめ:Spotify Connectで音楽生活が変わる
Spotify Connectは、音楽の楽しみ方を大きく変えてくれる便利な機能です。
Spotify Connectの主な魅力
- スマホをリモコンとして、様々なデバイスで音楽を楽しめる
- Bluetoothよりも高音質で安定した再生
- スマホのバッテリーを節約できる
- 電話やアプリ使用中も音楽が止まらない
- デバイス間の切り替えが超簡単
- 2000以上の製品に対応している
使い始めるのは簡単
- Spotify Premium(月額980円)に加入
- 最新版のSpotifyアプリをダウンロード
- 対応デバイスを同じWi-Fiに接続
- アプリで「利用可能なデバイス」から選ぶだけ
これだけで、今まで以上に快適な音楽生活が始まります。
すでにSpotify Premiumに加入している方は、ぜひ一度Spotify Connectを試してみてください。家にあるスマートスピーカーやテレビが、実はSpotify Connect対応だったという発見があるかもしれません。
音楽をもっと自由に、もっと高音質で楽しむために、Spotify Connectを活用してみましょう!


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