ロシア語アルファベット一覧|キリル文字33文字の読み方・覚え方完全ガイド

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z「ロシア語を勉強したいけど、アルファベットが難しそう…」
「キリル文字って何?どうやって読むの?」

ロシア語の文字を見ると、暗号のように見えて難しそうに感じますよね。でも実は、ロシア語のアルファベットは33文字だけ。日本語のひらがな50音よりも少ないんです。

今回は、ロシア語のアルファベット(キリル文字)を一覧形式で、読み方や覚え方とともにわかりやすく解説していきます。

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ロシア語のアルファベットとは?

まず、ロシア語で使われているアルファベットの基本情報を見ていきましょう。

キリル文字を使用している

ロシア語のアルファベットは「キリル文字」という文字体系を使っています。

英語やフランス語などで使われる「ラテン文字(ローマ字)」とは異なる文字ですが、同じアルファベットの一種です。

ロシア語では、このアルファベットのことを「アルファビート(алфавит)」または伝統的に「アズブカ(азбука)」と呼びます。

全部で33文字

ロシア語のアルファベットは、以下の構成になっています:

  • 母音:10文字
  • 子音:21文字
  • 記号:2文字(発音しない)

合計33文字です。英語のアルファベットが26文字なので、それよりも7文字多いだけです。

キリル文字の歴史

キリル文字は、9世紀後半に東ローマ帝国(ビザンチン帝国)の宣教師、キュリロス(キリル)とメトディオス兄弟がスラブ人への布教のために作った文字が基になっています。

その後、10世紀頃のブルガリアで改良され、現在の形になりました。このとき、兄弟のキュリロスを偲んで「キリル文字」と名付けられました。

現代のロシア語アルファベットは、ギリシャ文字をベースに、スラブ語の音を表現するために独自の文字を追加して作られています。

ロシア語アルファベット33文字一覧表

それでは、ロシア語のアルファベット33文字を順番に見ていきましょう。

完全一覧(大文字・小文字・読み方)

大文字小文字文字の名前発音(カタカナ)備考
Ааアー英語のAと同じ
Ббベー
Ввヴェー英語のVと同じ音
Ггゲー
Ддデードゥ
Ееイェーイェ英語のYE
Ёёヨー常にアクセントがある
Жжジェージュ
Ззゼー
Ииイー
Ййイー・クラートカイェイ(短い)短いイ
Ккカー英語のKと同じ
Ллエル
Ммエム英語のMと同じ
Ннエヌ
Ооオー英語のOと同じ
Ппペー
Ррエルル(巻き舌)英語のRに相当
Ссエス英語のSと同じ音
Ттテートゥ英語のTと同じ
Ууウー
Ффエフ
Ххハー喉の奥から出す音
Ццツェー
Ччチェー
Шшシャーシュ
Щщシシャーシー長く柔らかいシ
Ъъトヴョールドゥイ・ズナーク(発音なし)硬音記号
Ыыウィーウィ日本語にない音
Ььミャーフキー・ズナーク(発音なし)軟音記号
Ээエー
Ююユー
Яяヤー

母音10文字の詳細

ロシア語の母音は10個あります。これらは「硬母音」と「軟母音」の2つのグループに分けられます。

硬母音(5文字)

硬母音は、日本語の「あ行」に相当する音です。

  1. А а(アー) – 「ア」と発音
  2. О о(オー) – 「オ」と発音(アクセントがある場合)
  3. У у(ウー) – 「ウ」と発音
  4. Ы ы(ウィー) – 「ウィ」と発音(日本語にない音)
  5. Э э(エー) – 「エ」と発音

軟母音(5文字)

軟母音は、日本語の「や行」に相当する音で、硬母音の前に「イ」の音が付いた形です。

  1. Я я(ヤー) – 「ヤ」と発音(Аの軟母音版)
  2. Ё ё(ヨー) – 「ヨ」と発音(Оの軟母音版)
  3. Ю ю(ユー) – 「ユ」と発音(Уの軟母音版)
  4. И и(イー) – 「イ」と発音(Ыの軟母音版)
  5. Е е(イェー) – 「イェ」と発音(Эの軟母音版)

母音の発音で注意すること

アクセントによる発音変化

ロシア語では、各単語に1つだけアクセントがあります。アクセントのある母音は「強く長く」発音します。

特に「О」は注意が必要です:

  • アクセントがある「О」→「オー」と発音
  • アクセントがない「О」→「ア」と発音

例:「хорошо́(ハラショー)」= 良い
最後の「о」にアクセントがあるので「オー」、最初の2つの「о」は「ア」と発音します。

子音21文字の詳細

ロシア語の子音は21文字あります。

英語と似ている子音

以下の文字は、英語と形も発音もほぼ同じです:

  • К к – 英語の「K」と同じ
  • М м – 英語の「M」と同じ
  • Т т – 英語の「T」と同じ

形は似ているが発音が違う子音

英語のアルファベットに似ているけど、発音が全く違う文字もあります。これが初心者の混乱の元です!

  • В в – 英語の「B」に似ているが、実際は「V」の音
  • Н н – 英語の「H」に似ているが、実際は「N」の音
  • Р р – 英語の「P」に似ているが、実際は「R」の音(巻き舌)
  • С с – 英語の「C」に似ているが、実際は「S」の音
  • У у – 英語の「Y」に似ているが、実際は「U」の音
  • Х х – 英語の「X」に似ているが、実際は「H」の音(喉の奥から)

ロシア語独特の子音

以下の文字は、英語にはない、ロシア語独特の文字です:

  • Б б(ベー) – 「ブ」の音
  • Г г(ゲー) – 「グ」の音
  • Д д(デー) – 「ドゥ」の音
  • Ж ж(ジェー) – 「ジュ」の音
  • З з(ゼー) – 「ズ」の音
  • Л л(エル) – 「ル」の音
  • П п(ペー) – 「プ」の音
  • Ф ф(エフ) – 「フ」の音
  • Ц ц(ツェー) – 「ツ」の音
  • Ч ч(チェー) – 「チ」の音
  • Ш ш(シャー) – 「シュ」の音
  • Щ щ(シシャー) – 長く柔らかい「シー」の音

特殊な子音

Й й(イー・クラートカイェ)

「短いイ」という意味で、日本語の「や行」の子音に近い音です。単独では使われず、他の文字と組み合わせて使われます。

発音しない記号2文字

ロシア語には、単独では発音しない2つの記号があります。これらは日本語の濁点「゛」や半濁点「゜」のような役割を持っています。

Ъ ъ(硬音記号)

正式名称は「トヴョールドゥイ・ズナーク」といい、「硬音記号」を意味します。

この記号の前にある子音と後ろにある母音を区切って発音します。

例:

  • съесть(スイェースチ) = 食べる

「с」と「е」を区切って「ス・イェースチ」と発音します。

現代ロシア語では使用頻度が低く、主に接頭辞と語根の境界で使われます。

Ь ь(軟音記号)

正式名称は「ミャーフキー・ズナーク」といい、「軟音記号」を意味します。

この記号の前にある子音を「柔らかく(軟らかく)」発音することを示します。

例:

  • мать(マーチ) = 母
  • быть(ブィーチ) = ある、いる

「ть」は柔らかい「チ」のような音になります。

軟音記号は非常によく使われ、単語の意味を区別する重要な役割を果たします:

  • мат(マート) = マット(硬音)
  • мать(マーチ) = 母(軟音)

英語のアルファベットとの比較

ロシア語のアルファベットを覚えやすくするために、英語のアルファベットと比較してみましょう。

グループ1:形も発音も同じ(6文字)

以下の文字は、英語と形も発音もほぼ同じです:

  • А а – 英語の「A」
  • Е е – 英語の「E」(ただしロシア語では「イェ」)
  • К к – 英語の「K」
  • М м – 英語の「M」
  • О о – 英語の「O」
  • Т т – 英語の「T」

グループ2:形は同じだが発音が違う(8文字)

見た目は英語のアルファベットに似ているけど、発音が全く違います:

  • В в – 「V」の音(英語の「B」ではない)
  • З з – 「Z」の音(英語の数字「3」に似ている)
  • Н н – 「N」の音(英語の「H」ではない)
  • Р р – 「R」の音・巻き舌(英語の「P」ではない)
  • С с – 「S」の音(英語の「C」ではない)
  • У у – 「U」の音(英語の「Y」ではない)
  • Ч ч – 「CH」の音(英語の数字「4」に似ている)
  • Х х – 「H」の音・喉の奥から(英語の「X」ではない)

グループ3:英語にない文字(19文字)

これらの文字は、英語には存在しない、ロシア語独特の文字です:

Б Г Д Ё Ж З Й Л П Ф Ц Ш Щ Ъ Ы Ь Э Ю Я

印刷体と筆記体の違い

ロシア語には、印刷体(ブロック体)と筆記体(手書き体)があります。

印刷体

本や看板、Webサイトなどで使われる、四角くはっきりした文字です。

初心者はまず、この印刷体を覚えましょう。

筆記体

手書きで使われる、続け字のような文字です。

印刷体とはかなり形が違う文字もあります。例えば:

  • Т т の筆記体は「m」のような形
  • Г г の筆記体は「r」のような形
  • Д д の筆記体は「g」のような形

ロシアでは、小学校から筆記体で文字を書くことを習います。

ただし、標識やメニュー、公共の場所の文字は印刷体が使われるので、まずは印刷体をマスターすることが優先です。

ロシア語の発音ルール

アルファベットを覚えたら、次は発音のルールも知っておきましょう。

ルール1:ローマ字読みに近い

ロシア語は、基本的にスペル通りに発音します。
英語のように、同じ綴りなのに発音が違う、ということがほとんどありません。

つまり、アルファベットさえ覚えれば、ほとんどの単語を読めるようになります。

ルール2:アクセントが重要

各単語には必ず1つだけアクセントがあります。

アクセントのある母音は「強く長く」発音し、アクセントのない母音は弱く短く発音します。

ルール3:子音の有声化・無声化

子音には「有声子音」(声帯が震える)と「無声子音」(声帯が震えない)があります。

以下のようなペアになっています:

有声子音無声子音
Б(ブ)П(プ)
В(ヴ)Ф(フ)
Г(グ)К(ク)
Д(ドゥ)Т(トゥ)
Ж(ジュ)Ш(シュ)
З(ズ)С(ス)

重要な発音変化ルール:

  1. 単語の最後の有声子音は無声化する
  • 例:хлеб(フリェープ) = パン(本来は「ブ」だが「プ」と発音)
  1. 有声子音の前の無声子音は有声化する
  • 例:вокзал(ヴァグザール) = 駅(「к」が「г」の音になる)

ルール4:硬子音と軟子音

ロシア語の子音は、後ろに来る母音によって発音が変わります:

  • 硬母音(а, о, э, у, ы)の前 → 硬く発音
  • 軟母音(я, ё, е, ю, и)の前 → 柔らかく発音
  • 軟音記号(ь)の後 → 柔らかく発音

まとめ

ロシア語のアルファベット(キリル文字)について解説しました。

重要なポイントをおさらいしましょう:

  1. ロシア語アルファベットは33文字(母音10、子音21、記号2)
  2. キリル文字という独自の文字体系を使用
  3. 英語と似ている文字もあるが、見た目が似ていても発音が違う文字があるので注意
  4. 基本的にスペル通りに発音するので、アルファベットを覚えれば読めるようになる

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