Riot Gamesとは?世界的ゲーム企業の全貌を徹底解説

Riot Gamesは、世界中で1億人以上がプレイする『League of Legends』や、タクティカルFPS『VALORANT』を手がける米国のゲーム開発・運営企業です。
「プレイヤーファースト」の理念のもと、基本プレイ無料で勝敗を左右する要素を課金で得られない公平なビジネスモデルを貫いています。
この記事では、Riot Gamesの企業概要から代表作、独自のビジネスモデル、eスポーツへの取り組み、そして最新の事業動向まで、包括的に解説します。

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Riot Gamesの企業概要

基本情報

Riot Gamesは、2006年9月に設立された米国カリフォルニア州ロサンゼルスに本社を置くゲーム開発・運営企業です。

企業データ(2025年2月時点)

  • 正式名称:Riot Games, Inc.
  • 設立:2006年9月
  • 創業者:ブランドン・ベック(Brandon Beck)、マーク・メリル(Marc Merrill)
  • 本社所在地:米国カリフォルニア州ロサンゼルス
  • 従業員数:4,500人以上
  • 親会社:テンセント(Tencent Holdings、2015年に完全子会社化)
  • オフィス展開:世界20以上の地域
  • 日本法人:合同会社ライアットゲームズ(2014年4月設立)

創業の経緯

創業者のブランドン・ベックとマーク・メリルは、南カリフォルニア大学(USC)でルームメイトとして出会いました。
2人は共にゲーマーでしたが、卒業後はそれぞれ銀行員とコンサルタントとして働いていました。

しかし、既存のゲーム会社のビジネスモデルや開発姿勢に疑問を抱いていた2人は、「プレイヤーを第一に考えるゲーム会社」を作ろうと決意します。
彼らは、多くのゲーム会社が次々と新作を出すことに注力し、既存タイトルの長期的なサポートを怠っていると感じていました。

「Defense of the Ancients(DotA)」のような、継続的にサポートされ、長期的にマネタイズできるゲームの可能性に着目した2人は、家族やエンジェル投資家から150万ドルの資金を調達し、2006年9月にRiot Gamesを設立しました。

最初の社員として招聘したのは、DotA Allstarsの開発者の1人であるスティーブ・フィーク(Steve “Guinsoo” Feak)でした。
この採用は、MOBAジャンルの確立に大きく貢献することになります。

Riot Gamesの代表作品

League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)

基本情報

  • リリース日:2009年10月27日
  • ジャンル:MOBA(Multiplayer Online Battle Arena)
  • プラットフォーム:PC
  • 価格:基本プレイ無料
  • 月間アクティブプレイヤー数:1億人以上

ゲーム概要

League of Legends(通称LoL)は、5対5のチーム戦でプレイするMOBAゲームです。
プレイヤーは160体以上のチャンピオンから1体を選び、相手チームの本拠地を破壊することを目指します。

LoLは、MOBAというジャンルを確立し、世界で最もプレイされているPCゲームの1つとなりました。
現在でも新チャンピオンが定期的に追加され、ゲームバランスも継続的に調整されています。

eスポーツとしての成功

LoLは、eスポーツとしても圧倒的な成功を収めています。
毎年開催される世界大会「World Championship(通称Worlds)」は、2021年大会で最大同時視聴者数7,386万人を記録しました。
これは、個別の視聴画面ごとのカウントであり、ビューイングパーティーを含めると実際の視聴者数はさらに多いと考えられます。

VALORANT(ヴァロラント)

基本情報

  • リリース日:2020年6月
  • ジャンル:タクティカルFPS(First-Person Shooter)
  • プラットフォーム:PC、コンソール
  • 価格:基本プレイ無料

ゲーム概要

VALORANTは、Riot Gamesにとって2作目の主要タイトルであり、初のFPSゲームです。
5対5のチーム戦で、固有のアビリティを持つエージェント(キャラクター)を選択し、攻撃側と防衛側に分かれて戦います。

正確な射撃スキルと戦術的な判断が求められるゲーム性で、リリース後急速に人気を獲得しました。
2022年のVALORANT Champions Tour Stage 1 Mastersでは、決勝戦の同時接続数が世界で推定100万人以上を記録しています。

その他のタイトル

Teamfight Tactics(TFT)

  • ジャンル:オートバトラー
  • リリース:2019年
  • LoLのチャンピオンを使用した戦略ゲーム

League of Legends: Wild Rift

  • ジャンル:MOBA
  • プラットフォーム:モバイル
  • LoLのモバイル版

Legends of Runeterra

  • ジャンル:デジタルカードゲーム
  • リリース:2020年
  • LoLの世界観を舞台としたカードゲーム

2XKO(開発中)

  • ジャンル:対戦格闘ゲーム
  • LoLの世界観を舞台とした格闘ゲーム

Riot Gamesの独自ビジネスモデル

基本プレイ無料 & Pay to Winではない

Riot Gamesのビジネスモデルの最大の特徴は、「基本プレイ無料」でありながら「Pay to Win(課金で有利になる)ではない」という点です。

多くの基本プレイ無料ゲームでは、課金することでゲーム内で有利になるアイテムやキャラクターを入手できます。
しかし、Riot Gamesのゲームでは、どれだけプレイ時間が長くても、レベルが上がっても、無料のまま遊び続けることができます。

収益源

Riot Gamesの収益は、主に以下から得ています。

  1. スキン(見た目の変更アイテム)の販売
    キャラクターやアイテムの外観を変更するスキンを販売していますが、これらはゲームの勝敗に影響しません。
  2. シーズンパスの販売
    限定報酬が得られるシーズンパスを販売していますが、これも勝敗には影響しません。
  3. eスポーツのスポンサーシップ
    eスポーツリーグの企業スポンサーシップ、グッズ販売、配信権販売などから収益を得ています。

プレイヤーファーストの理念

Riot Gamesは、創業以来「プレイヤーファースト」を掲げています。
これは単なるスローガンではなく、5つのマニフェスト(行動指針)として明文化されています。

Riot Gamesの5つのマニフェスト

  1. プレイヤー体験を最優先(Players First)
  2. 常識を疑え(Dare to Dream)
  3. 個人の能力とそれを活かすチームを重視(Thrive Together)
  4. 遊びも真剣勝負(Play with Purpose)
  5. 志は高く、姿勢は謙虚に(Stay Hungry, Stay Humble)

これらの指針は、採用基準にも反映されており、Riot Gamesではこの考え方に共感できる人材を積極的に採用しています。

eスポーツへの取り組み

グローバルリーグの運営

Riot Gamesは、単なるゲーム開発会社ではなく、eスポーツリーグの運営・組織も手がけています。

League of Legendsの主要リーグ

  • LCS(北米)
  • LEC(ヨーロッパ)
  • LCK(韓国)
  • LPL(中国)
  • LJL(日本)
  • その他、南米、東南アジアなど世界各地でリーグを展開

VALORANTの主要リーグ

  • VCT(VALORANT Champions Tour):国際大会
  • 各地域リーグ

日本での取り組み

日本法人である合同会社ライアットゲームズは、2014年4月に設立されました。
当初は『League of Legends』の日本サーバー開設(2016年実施)と、国内プロリーグ「LJL(League of Legends Japan League)」の運営支援を主な目的としていました。

現在では、『VALORANT』の国内展開でも中心的な役割を担っています。
2022年6月にさいたまスーパーアリーナで開催された「2022 VALORANT Champions Tour Challengers Japan Stage2-Playoff Finals」では、2日間で総来場者数2万6千人超を記録し、国内eスポーツ市場の最多動員数を更新しました。

また、「Riot Games ONE」などの大規模オフラインイベントも主催しており、日本のeスポーツ文化の発展に貢献しています。

エンターテインメント事業への展開

Arcane(アニメシリーズ)

Riot Gamesは、ゲームの枠を超えてエンターテインメント事業にも進出しています。

Arcane基本情報

  • 配信プラットフォーム:Netflix
  • シーズン1:2021年11月配信
  • シーズン2:2024年11月配信(最終シーズン)
  • 舞台:League of Legendsの世界「ルーンテラ」

『Arcane』は、League of Legendsの世界観を舞台にしたアニメシリーズで、批評家から高い評価を受けています。
Netflixで全世界に配信され、2024年には最も違法視聴されたテレビ番組トップ10に入るほどの人気を博しました。

シーズン2は2024年11月に3つのActに分けて配信され、Riot Gamesの全タイトルでArcaneとの連動イベントが開催されました。

音楽プロジェクト

Riot Gamesは、ゲーム内音楽やテーマソングの制作にも力を入れています。
League of Legendsの世界大会では、毎年テーマソングがリリースされ、Imagine Dragons、Linkin Parkなどの著名アーティストとコラボレーションしています。

2024年のArcane Season 2では、「Paint The Town Blue」(Ashnikko)、「Heavy Is The Crown」(Linkin Park)などの楽曲がサウンドトラックとして制作されました。

最近の事業動向

2024年の組織再編

2024年1月、Riot Gamesは大規模な組織再編を発表しました。

主な内容

  • 約530人の従業員削減(全従業員の約11%)
  • パブリッシングレーベル「Riot Forge」の終了
  • 『Legends of Runeterra』開発チームの縮小

CEO Dylan Jadejaは、公式声明で「これは株主を満足させるためや四半期決算の数字を達成するためではなく、必要性から行う決定です」と説明しています。

Riot Gamesは、2019年以降に複数の新規プロジェクトに投資し、数年で従業員数を2倍以上に増やしていました。
しかし、期待した成果を上げられなかったプロジェクトもあり、コストが持続不可能な水準に達していたとされています。

Riot Forgeの終了

Riot Forgeは、2019年に開始されたサードパーティの開発スタジオと協力してLeague of Legendsの世界観を舞台にしたゲームを制作するプログラムでした。
これまでに以下の6作品をリリースしています。

  1. Ruined King: A League of Legends Story
  2. Hextech Mayhem
  3. Convergence
  4. The Mageseeker
  5. Song of Nunu
  6. Bandle Tale: A League of Legends Story(最終作)

Riot Forgeは、Bandle Taleのリリース後に正式に終了しました。

今後の注力分野

組織再編後、Riot Gamesは以下の分野に注力すると発表しています。

コアタイトルへの集中

  • League of Legends
  • VALORANT
  • Teamfight Tactics
  • Wild Rift

これらのタイトルに対して、プレイヤーが求めるコンテンツ、機能、アップデートに集中的にリソースを投入する方針です。

eスポーツとエンターテインメントの統合

eスポーツ、音楽、エンターテインメントをゲームとより密接に統合する戦略を進めています。
eスポーツは単なる競技ではなく、ゲームを中心に繁栄するコミュニティの一部として位置づけられています。

開発中のプロジェクト

  • Project L(格闘ゲーム、後に「2XKO」と正式名称発表)
  • League of Legends MMO(2020年発表、2023年に開発リセット)

これらのプロジェクトは継続中ですが、Riot Gamesは「リリース数を大量にすることはない」としており、品質を重視する姿勢を明確にしています。

Riot Gamesの企業文化

プレイヤー体験を最優先

Riot Gamesの企業文化の核心は、「プレイヤー体験を最優先する」ことです。
これは、ゲームデザイン、運営、カスタマーサポート、eスポーツ運営など、すべての活動に反映されています。

例えば、League of Legendsでは、2012年に「プレイヤー行動チーム」を立ち上げ、心理学者を雇用してゲーム内のハラスメントや有害行動に対処しています。
当初は有害なプレイヤーへの罰則に注力していましたが、2016年以降は良好な行動を取るプレイヤーへの報酬にシフトしています。

グローバルな視点

Riot Gamesは、世界20以上の地域にオフィスを展開し、4,500人以上の「Rioter(ライオター、Riot社員の呼称)」が働いています。
制作するゲームやキャラクターには、グローバルな視点が反映されており、多様な文化背景を持つプレイヤーに配慮したデザインが行われています。

VALORANTのエージェント(キャラクター)は、世界各地の文化や背景を持つキャラクターで構成されており、プレイヤーが自分のアイデンティティを投影できるよう設計されています。

イノベーションと実験

Riot Gamesは、「Thunderdome」と呼ばれる年次ハッカソンを開催しており、2024年には20以上のオフィスから1,500人以上のRioterが参加しました。
このイベントでは、48時間で新しいアイデアをプロトタイプとして実装し、イノベーションを促進しています。

まとめ

Riot Gamesは、2006年の創業以来、「プレイヤーファースト」の理念を貫き、League of LegendsやVALORANTといった世界的ヒット作を生み出してきました。

基本プレイ無料でありながらPay to Winではないビジネスモデル、eスポーツへの積極的な投資、そしてゲームの枠を超えたエンターテインメント展開など、独自のアプローチで業界をリードしています。

2024年の組織再編により、Riot Gamesはコアタイトルへの集中とより持続可能な成長を目指しています。
今後もプレイヤー体験を最優先にしながら、新たなゲーム体験を提供し続けることが期待されます。

参考情報

この記事は、以下の公式および信頼できる情報源を参照して作成しました。

  1. Riot Games公式サイト – Who We Are
  2. Riot Games Wikipedia
  3. Riot Games – Changes at Riot and the Road Ahead
  4. Riot Games – An Important Update about Riot’s Future
  5. TechCrunch – Riot Games cuts 530 jobs, shuts down publishing arm Riot Forge
  6. Polygon – The past, present and future of League of Legends studio Riot Games
  7. 合同会社ライアットゲームズ プレスリリース
  8. Agenda note – ライアットゲームズインタビュー

最終更新日:2025年2月4日

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