重版(じゅうはん)とは?意味・読み方・増刷との違いをわかりやすく解説

SNSや出版ニュースで「〇〇万部突破!重版出来!」という言葉を目にしたことはありませんか? 漫画や書籍が売れると使われる「重版」という言葉ですが、正確な意味や読み方を知っている人は意外と少ないかもしれません。 この記事では、重版の意味・読み方・語源、そして混同されがちな「増刷」との違いまでをくわしく解説します。


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重版(じゅうはん)の意味

重版(じゅうはん)とは、すでに出版された書籍を再び印刷・発行することです。

出版社が最初に発行した「初版」が売り切れそうになったとき、あるいは売れ行きが好調で追加の需要が見込まれるときに、出版社が追加で印刷を行います。 この追加印刷が「重版」にあたります。

重版のたびに、本の奥付(おくづけ)に記載された「版」の数字が変わります。 たとえば、初版発行後に重版が行われた場合、奥付には次のように記載されます。

  • 初版 第1刷:2024年1月1日発行
  • 第2版 第1刷:2024年3月1日発行

「第〇版」という表記が増えるたびに、その本が重版を重ねてきた証になります。


重版出来(じゅうはんしゅったい)の意味

重版に関連した言葉として「重版出来(じゅうはんしゅったい)」があります。

「重版出来」の正しい読み方は**「じゅうはんしゅったい」**です。 「しゅったい」は「出来(しゅったい)」と書き、「完成・完了」を意味する言葉です。 つまり重版出来とは、「重版が刷り上がり、書店に搬入された」状態を指します。

「じゅうはんでき」と読む会社も一部存在しますが、「でき」を誤読とする出版社もあり、読み方については会社によって方針が異なります。

また、SNSや広告で「重版出来!」という言葉が「重版決定!」の意味で使われることがありますが、本来の意味とは異なります。 本来は「決定した」段階ではなく、「刷り上がって書店に届いた」段階を指す言葉です。


重版・増刷・改訂の違い

重版と混同されがちな言葉に「増刷」と「改訂」があります。

用語奥付の変化内容の変更
増刷(ぞうさつ)刷数が変わる(第2刷、第3刷…)変更なし・まったく同じ
重版(じゅうはん)版数が変わる(第2版、第3版…)一部加筆・修正あり
改訂(かいてい)版数が変わる大幅な内容変更あり

厳密には、内容に変更がなく同じものを刷り増す場合が「増刷」、一部修正を加えて刷り直す場合が「重版」です。 ただし、出版業界の現場では両者をほぼ同じ意味で使うことが多く、「重版」という言葉が増刷も含めた広い意味で用いられています。


重版が決まる仕組み

重版は、出版社が在庫状況や売れ行きを判断したうえで決定します。 日本の書店では「委託販売制度」が採用されており、書店は売れ残った本を出版社に返品できます。 そのため出版社は、返品リスクを考慮しながら慎重に重版の判断を行います。

重版の決定には、主に以下の3要素が考慮されます。

  1. 版元在庫数:出版社の倉庫に残っている在庫がどのくらいか
  2. 書店での実売データ(POSデータ):全国の書店でどのくらい売れているか
  3. 書店からの注文数の推移:今後の需要が増えているか、減っているか

これら3つがそろって初めて重版が検討されます。 増刷には通常2〜3週間かかるため、在庫が尽きる前に判断する必要があります。


重版と印税の関係

重版が発生すると、著者には「印税(いんぜい)」が追加で入ります。
印税とは、本の本体価格(税抜)に対して一定の割合(一般的には8〜10%程度)を著者に支払う報酬制度です。
重版が行われるたびに、追加の印税が発生するため、重版は著者にとっても非常に喜ばしい出来事です。


類義語・関連語

類義語: 重刻(じゅうこく)、再版(さいはん)、増刷(ぞうさつ)

関連語: 初版(しょはん)、刷数(さっすう)、版数(はんすう)、重版出来(じゅうはんしゅったい)、絶版(ぜっぱん)、品切れ(しなぎれ)


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