Instagramで、こんな投稿を見たことはありませんか?
投稿の上部に「○○とのタイアップ投稿」と表示されている投稿。
これがタイアップ投稿(ブランドコンテンツ)です。
インフルエンサーが企業から報酬をもらって商品を紹介するとき、一般ユーザーが企業とコラボするとき、この「タイアップ投稿」ラベルを付ける必要があるんです。
「#PR」や「#広告」といったハッシュタグだけでは不十分。
Instagramの公式機能であるタイアップ投稿ラベルを使うことが、ルールとして求められています。
この記事では、タイアップ投稿の基本から、具体的な設定手順、ビジネスパートナーの承認方法、注意点まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
インフルエンサーとして活動している方、企業とコラボする予定がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください!
タイアップ投稿(ブランドコンテンツ)とは

まず、タイアップ投稿の基本を理解しましょう。
タイアップ投稿の定義
タイアップ投稿(英語:Branded Content、ブランドコンテンツ)とは、企業やブランドから対価を受け取って投稿するコンテンツのことです。
対価には以下が含まれます:
- 金銭(報酬)
- 無償提供された商品やサービス
- その他の利益(割引、特典など)
なぜタイアップラベルが必要なのか
透明性の確保:
フォロワーに対して、「これは広告です」と明示する必要があります。
法律・規制の遵守:
日本では景品表示法、ステマ規制法(2023年10月施行)により、広告であることを明示することが義務付けられています。
Instagramのポリシー:
Instagram自体が、タイアップ投稿にはブランドコンテンツツールの使用を推奨(一部は必須)しています。
タイアップ投稿の表示
タイアップ投稿には、投稿の上部に以下のような表示が出ます:
[ユーザー名] と [ブランド名] とのタイアップ投稿
または:
Paid partnership with [ブランド名]
この表示により、フォロワーは「これは広告だな」と一目で分かるんですね。
タイアップ投稿の前提条件
タイアップ投稿機能を使うには、いくつかの条件があります。
プロアカウントが必須
個人アカウント(通常のアカウント)では、タイアップ投稿機能は使えません。
以下のいずれかに切り替える必要があります:
1. クリエイターアカウント
- インフルエンサー、コンテンツクリエイター向け
- フォロワー数の少ない段階から使える
2. ビジネスアカウント
- 企業、店舗向け
- ビジネス機能が充実
プロアカウントへの切り替え方法
手順:
- Instagramアプリを開く
- プロフィール画面の右上の「三本線」メニューをタップ
- 「設定とプライバシー」を選択
- 「アカウントの種類とツール」をタップ
- 「プロアカウントに切り替える」を選択
- 「クリエイター」または「ビジネス」を選択
- カテゴリを選択(例:ブロガー、小売業など)
- 連絡先情報を入力(任意)
- 完了
注意:
プロアカウントへの切り替えは無料で、いつでも元に戻せます。
フォロワー数の制限(以前)
以前は、タイアップ投稿機能を使うには一定のフォロワー数が必要でしたが、現在はフォロワー数に関係なく使用できます。
初心者インフルエンサーでも、すぐにタイアップ投稿が可能なんです。
タイアップ投稿の設定手順(基本)
では、実際にタイアップ投稿を行う手順を見ていきましょう。
ステップ1:ブランドコンテンツツールを有効化
まず、タイアップ投稿機能をオンにする必要があります。
手順:
- プロフィール画面の「三本線」メニューをタップ
- 「設定とプライバシー」を選択
- 「ビジネス」または「クリエイター」を選択
- 「ブランドコンテンツ」をタップ
- 「ブランドコンテンツツールをオンにする」をタップ
これで、タイアップ投稿を作成できるようになります。
ステップ2:投稿を作成
通常通り、投稿を作成します。
- ホーム画面の「+」ボタンをタップ
- 「投稿」を選択
- 写真や動画を選択
- フィルターや編集を適用
- 「次へ」をタップ
ステップ3:タイアップ投稿ラベルを追加
投稿のキャプション編集画面で、タイアップラベルを設定します。
手順:
- 「詳細設定」をタップ
- 「タイアップ投稿ラベルを追加」または「ビジネスパートナーをタグ付け」を選択
- コラボする企業・ブランドのアカウントを検索
- 該当するアカウントをタップして選択
- 必要に応じて複数のパートナーを追加(最大2つまで)
ステップ4:オプション設定
追加のオプションを設定できます。
「広告として配信する許可」:
ブランド側があなたの投稿を広告として使用できるようにするかどうかを選択します。
- オンにすると、ブランドがあなたの投稿を広告配信できる
- オフだと、通常の投稿のみ
「ブランドコンテンツインサイトの共有」:
投稿のパフォーマンスデータをブランドと共有するかどうかを選択します。
ステップ5:投稿をシェア
すべての設定が完了したら、「シェア」ボタンをタップします。
投稿が公開され、上部に「○○とのタイアップ投稿」というラベルが表示されます。
ビジネスパートナーの承認設定

企業側(ブランド側)がビジネスパートナーを事前承認する設定です。
承認リストとは
クリエイターが自分を「ビジネスパートナー」としてタグ付けできるように、事前に承認する仕組みです。
メリット:
- 承認済みのクリエイターだけがタグ付けできる
- 不正なタグ付けを防げる
- ブランドの品質管理
ビジネスパートナーの承認方法(企業側)
手順:
- 企業アカウントのプロフィールから「三本線」メニューをタップ
- 「設定とプライバシー」→「ビジネス」を選択
- 「ブランドコンテンツ」をタップ
- 「承認済みのビジネスパートナー」を選択
- 「ビジネスパートナーを追加」をタップ
- コラボするクリエイターのアカウント名を検索
- 該当するアカウントを選択して「完了」
効果:
承認されたクリエイターは、投稿時にあなたのアカウントをタグ付けできるようになります。
承認リクエストの送信(クリエイター側)
クリエイター側から、企業に承認をリクエストすることもできます。
手順:
- ブランドコンテンツ設定を開く
- 「リクエスト済みのビジネスパートナー」を選択
- 企業アカウントを検索して追加
- 企業側が承認すると、タグ付けが可能になる
タイアップ投稿の種類
タイアップ投稿には、いくつかの種類があります。
通常の投稿(フィード投稿)
最も基本的なタイアップ投稿です。
特徴:
- プロフィールのグリッドに表示される
- タイムラインに流れる
- 長期的に残る
ストーリーズ
24時間で消えるストーリーズでもタイアップ投稿が可能です。
設定方法:
- ストーリーズを作成
- スタンプアイコンをタップ
- 「タイアップ投稿」スタンプを選択
- ビジネスパートナーを選択
- 投稿
特徴:
- 24時間で消える
- カジュアルな雰囲気
- リアルタイム性が高い
リール
動画コンテンツ「リール」でもタイアップが可能です。
設定方法:
通常の投稿と同じく、編集画面の「詳細設定」からタイアップラベルを追加します。
特徴:
- エンゲージメントが高い
- 発見タブに載りやすい
- 拡散力が強い
タイアップ投稿のメリット
タイアップ投稿ラベルを使うことで、様々なメリットがあります。
法令遵守・透明性
ステマ規制への対応:
2023年10月から施行された「ステルスマーケティング規制」に対応できます。
フォロワーの信頼:
正直に広告であることを明示することで、長期的な信頼関係を築けます。
インサイトの共有
ブランド側と詳細なパフォーマンスデータを共有できます。
共有されるデータ:
- インプレッション数
- リーチ数
- エンゲージメント数
- プロフィールへのアクセス数
これにより、次回のコラボがより良いものになります。
広告配信の許可
投稿を企業の広告として使用することを許可できます。
メリット:
- 投稿のリーチが拡大
- 追加報酬の交渉材料になる
- より多くの人に届く
プロフェッショナルな印象
きちんとルールを守っている印象を与えられます。
効果:
- 企業から信頼される
- 継続的なコラボにつながる
- インフルエンサーとしての評価向上
タイアップ投稿の注意点
タイアップ投稿を行う際の重要なポイントです。
ステマにならないように
「#PR」だけでは不十分:
ハッシュタグだけでなく、Instagram公式のタイアップラベルを使いましょう。
景品表示法違反のリスク:
適切に広告表示をしないと、法律違反になる可能性があります。
虚偽のタグ付けは禁止
実際にコラボしていない企業をタグ付けしてはいけません。
違反すると:
- アカウント停止のリスク
- 法的問題
- 信頼の失墜
契約内容の確認
企業とコラボする際は、契約内容をしっかり確認しましょう。
確認事項:
- 報酬額
- 投稿内容の条件
- 投稿時期
- インサイト共有の有無
- 広告配信許可の有無
- 独占契約の有無
子どもに関するコンテンツの制限
18歳未満が登場するブランドコンテンツには、追加の制限があります。
制限内容:
- 広告配信許可ができない
- 一部の商品カテゴリ(アルコール、ギャンブルなど)は禁止
禁止されているコンテンツ
以下のカテゴリでは、タイアップ投稿が制限または禁止されています:
- タバコ製品
- 電子タバコ
- アルコール(一部制限)
- 武器
- 違法薬物
- 処方薬(一部)
よくあるトラブルと解決方法
タイアップ投稿でよくある問題とその対処法です。
問題1:タイアップ投稿ラベルが表示されない
原因:
- プロアカウントになっていない
- ブランドコンテンツツールが有効化されていない
- タグ付けしたアカウントが承認していない
解決策:
- プロアカウントに切り替える
- ブランドコンテンツツールを有効化
- 企業側に承認を依頼する
問題2:ビジネスパートナーが検索に出てこない
原因:
- 相手がプロアカウントではない
- 相手がブランドコンテンツツールを有効化していない
- 入力ミス
解決策:
- 相手に確認してもらう
- アカウント名を正確に入力
- @マークなしで検索
問題3:承認リクエストが承認されない
原因:
- 企業側が確認していない
- リクエストが届いていない
- 企業側の設定ミス
解決策:
- 企業の担当者に直接連絡
- メールやDMで確認
- 改めてリクエストを送信
問題4:投稿後にタイアップラベルを追加できない
残念ながら、投稿後にタイアップラベルを追加することはできません。
対処法:
- 投稿を削除して、再投稿する
- またはキャプションに明記する(推奨されない)
必ず投稿前にタイアップラベルを設定しましょう。
問題5:ストーリーズにタイアップラベルが付けられない
原因:
- アプリのバージョンが古い
- 機能がまだ利用できない地域
解決策:
- Instagramアプリを最新版に更新
- 手動で「#PR」「#広告」をテキストで追加(補助として)
効果的なタイアップ投稿のコツ
タイアップ投稿の効果を最大化するポイントです。
自然な紹介を心がける
広告っぽすぎない投稿:
フォロワーに押し付けがましく感じさせない、自然な紹介が効果的です。
例:
- 実際に使っている様子を見せる
- 正直な感想を述べる
- メリットだけでなく、注意点も伝える
ストーリーテリング
単なる商品紹介ではなく、ストーリーを盛り込みましょう。
構成例:
- 自分が抱えていた悩み
- この商品との出会い
- 使ってみた感想
- 生活がどう変わったか
高品質なビジュアル
タイアップ投稿こそ、品質にこだわりましょう。
ポイント:
- 明るく鮮明な写真
- 統一感のある色調
- プロっぽい構図
- ブランドイメージに合った雰囲気
エンゲージメントを促す
フォロワーとの対話を促しましょう。
方法:
- 質問を投げかける
- コメントに返信する
- ストーリーズでアンケートを取る
- 「使ったことある人いる?」など
ハッシュタグの活用
タイアップラベルとは別に、ハッシュタグも戦略的に使いましょう。
推奨:
- ブランド指定のハッシュタグ
- 商品名のハッシュタグ
- 関連キーワード(10〜15個程度)
- 「#PR」「#広告」も併記(念のため)
企業側の視点:インフルエンサーとのコラボ
企業側がタイアップ投稿を活用する方法です。
インフルエンサーの選定
適切なインフルエンサーを選ぶことが重要です。
選定基準:
- フォロワー数だけでなく、エンゲージメント率
- フォロワーの属性(年齢、性別、興味)
- ブランドイメージとの一致
- 過去の投稿の質
- 炎上歴の有無
契約とガイドライン
明確な契約とガイドラインを提示しましょう。
契約に含めるべき内容:
- 報酬額と支払い条件
- 投稿内容の要件
- 投稿時期と回数
- タイアップラベルの使用義務
- 権利関係(二次使用など)
- 禁止事項
パフォーマンスの測定
タイアップ投稿の効果を測定しましょう。
測定指標:
- リーチ数
- インプレッション数
- エンゲージメント率
- プロフィールアクセス数
- ウェブサイトクリック数
- コンバージョン(購入など)
まとめ:タイアップ投稿で透明性のあるコラボを
Instagramのタイアップ投稿は、企業とクリエイターのコラボを透明に示す重要な機能です。
この記事の重要ポイントをおさらいしましょう:
- タイアップ投稿は企業から対価を受け取る投稿に必須
- プロアカウントへの切り替えが前提条件
- ブランドコンテンツツールを有効化する必要がある
- 投稿時に「ビジネスパートナーをタグ付け」で設定
- ストーリーズやリールでも使用可能
- 投稿後の追加はできないので注意
- ステマ規制への対応として重要
- #PRだけでは不十分、公式ラベルを使う
- 企業側は事前承認でクリエイターを管理できる
- 自然で誠実な投稿が長期的な信頼につながる
適切にタイアップ投稿ラベルを使用することは、法令遵守だけでなく、フォロワーとの信頼関係を築く上でも重要です。
「この人は正直にPRだと言っている」
「信頼できるインフルエンサーだ」
そう思ってもらえる、透明性のあるコラボレーションを実現しましょう。
タイアップ投稿機能を正しく使って、企業とクリエイターの双方にメリットのあるコラボレーションを成功させてください!


コメント