「ゲームを作ってみたいけど、プログラミングって難しそう…」そんなふうに思っていませんか？
Godot（ゴドー）は、無料で使えるゲームエンジンです。ゲームエンジンとは、ゲーム制作に必要な機能がまとまった開発ツールのこと。キャラクターを動かしたり、音を鳴らしたり、当たり判定を作ったりする機能が最初から用意されているんです。
UnityやUnreal Engineと同じカテゴリのソフトウェアですが、Godotには他にはない魅力がたくさんあります。これからゲーム開発を始めたい人にとって、とても良い選択肢なんですよ。
Godotの最大の特徴｜完全無料でオープンソース
お金が一切かからない
Godotの一番の魅力は、完全に無料ということです。
「無料体験版」ではなく、すべての機能が永久に無料で使えます。作ったゲームを販売しても、収益の何パーセントかを支払う必要もありません。
他のゲームエンジンでは、収益が一定額を超えると料金が発生することがありますが、Godotにはそういった制限が一切ないんです。
オープンソースだから安心
Godotはオープンソース、つまりプログラムのソースコード（設計図のようなもの）が公開されています。
世界中の開発者がコードを見て、改善案を出したり、バグを修正したりしています。これによって、常に進化し続けているんですね。
また、企業の都合でサービスが終了する心配もありません。コミュニティ（利用者のコミュニティ）が支えているので、長く安心して使えるのも魅力です。
Godotでできること
2Dゲームに強い
Godotは特に2Dゲーム制作が得意です。
横スクロールアクション、パズルゲーム、RPG、シューティングゲームなど、様々なジャンルの2Dゲームを作れます。
2D専用の機能が充実していて、ドット絵やアニメーション、タイルマップ（マップを作る機能）の扱いがとてもスムーズなんです。
3Dゲームも作れる
もちろん3Dゲームも制作できます。
最新バージョンでは3D機能が大幅に強化されていて、本格的な3Dゲームの開発も可能になっています。ただし、超高品質なグラフィックを求める大規模プロジェクトには、Unreal Engineの方が向いている場合もあります。
マルチプラットフォーム対応
作ったゲームは、色々な環境で動かせます。
- Windows
- Mac
- Linux
- iOS
- Android
- HTML5（ブラウザゲーム）
- Nintendo Switch、PlayStation、Xboxなどのゲーム機（追加設定が必要）
一度作れば、ボタン一つで様々なプラットフォームに出力できるのは便利ですよね。
Godotと他のゲームエンジンの違い
Unityとの比較
Unityは世界で最も使われているゲームエンジンの一つです。
Unityの良いところは、膨大な情報量とアセット（素材）が手に入ることです。困ったときの解決策も見つけやすいですね。
一方Godotは、より軽量でシンプルです。インストールサイズも小さく（約50MB）、起動も速いんです。初心者にとっては、Godotの方が取っ付きやすいかもしれません。
Unreal Engineとの比較
Unreal Engineは、超高品質なグラフィックが作れることで有名です。
大手ゲーム会社が使うような、映画のように美しいゲームを作りたいならUnreal Engineが適しています。ただし、学習難易度は高めで、パソコンのスペック（性能）も求められます。
Godotはもっと手軽に始められて、個人開発や小規模チームに向いています。パソコンの性能がそこまで高くなくても使えるのも利点です。
Godotの使い方｜ダウンロードから起動まで
ダウンロード方法
- Godot公式サイト（godotengine.org）にアクセス
- 「Download」ボタンをクリック
- 自分のOS（WindowsやMacなど）を選択
- ダウンロードしたファイルを解凍
インストール作業は不要です。ダウンロードした実行ファイルをダブルクリックするだけで起動します。USBメモリに入れて持ち運ぶこともできますよ。
初めてのプロジェクト作成
- Godotを起動すると「プロジェクトマネージャー」が開きます
- 「新規プロジェクト」をクリック
- プロジェクト名と保存場所を決める
- 「レンダラー」（描画方法）を選択（初心者は「Forward+」でOK）
- 「作成して編集」をクリック
これでゲーム制作画面が開きます！
画面の見方
Godotのエディター（編集画面）は、いくつかのパネルに分かれています。
- シーンパネル：ゲームの構成要素を階層で表示
- ファイルシステム：プロジェクトのファイル一覧
- インスペクター：選択したオブジェクトの詳細設定
- ビューポート：ゲーム画面のプレビュー
最初は「パネルが多くて混乱する」と思うかもしれませんが、少しずつ慣れていけば大丈夫です。
Godotで使うプログラミング言語
GDScriptが基本
GodotではGDScriptという専用のプログラミング言語を使います。
GDScriptは、Pythonに似た文法で書きやすいのが特徴です。プログラミング初心者でも比較的習得しやすい言語だと言われています。
例えば、キャラクターを動かす簡単なコードはこんな感じです：
extends CharacterBody2D
var speed = 200
func _physics_process(delta):
var velocity = Vector2.ZERO
if Input.is_action_pressed("ui_right"):
velocity.x += 1
if Input.is_action_pressed("ui_left"):
velocity.x -= 1
velocity = velocity.normalized() * speed
move_and_collide(velocity * delta)難しそうに見えますが、「右キーを押したら右に動く」という処理を書いているだけなんです。
C#やC++も使える
GDScript以外に、C#やC++でも開発できます。
すでにこれらの言語を知っている人は、そのまま活用できるということですね。ただし、初心者はまずGDScriptから始めるのがおすすめです。
よくある疑問に答えます
Q. プログラミング未経験でも大丈夫？
A. はい、大丈夫です。Godotには「ビジュアルスクリプト」という、ブロックを繋げてプログラムを作る機能もあります（Godot 4では廃止されましたが、アドオンで追加可能）。また、チュートリアルが充実しているので、ゼロから学べますよ。
Q. 日本語で使える？
A. はい、Godotは日本語に対応しています。メニューやヘルプも日本語で表示できるので安心です。ただし、公式ドキュメントは英語が中心なので、翻訳ツールを使うと便利です。
Q. どのくらいのパソコンスペックが必要？
A. そこまで高性能なパソコンは必要ありません。
最低限の目安：
- CPU：デュアルコア 2.0GHz以上
- メモリ：4GB以上
- ストレージ：1GB以上の空き容量
3Dゲームを作る場合は、もう少し高いスペックがあると快適です。
Q. 作ったゲームは販売できる？
A. はい、自由に販売できます。SteamやApp Store、Google Playなどでの配信も可能です。収益の一部をGodotに支払う必要もありません。
Q. どのくらいで簡単なゲームが作れるようになる？
A. 個人差はありますが、毎日少しずつ学べば、1〜2ヶ月で簡単な2Dゲームが作れるようになる人が多いです。焦らず、楽しみながら学んでいきましょう。
学習リソース｜どこで学べばいい？
公式チュートリアル
Godot公式サイトには、初心者向けのチュートリアルが用意されています。基本的な使い方から、実際にゲームを作る手順まで学べます。
YouTube動画
日本語のGodot解説動画も増えてきています。「Godot 入門」「Godot ゲーム作り方」などで検索すると、たくさん見つかりますよ。
コミュニティ
- Godot公式Discord（英語中心）
- 日本のGodotユーザーグループ
- Reddit（r/godot）
- 日本のゲーム開発者向けフォーラム
わからないことがあったら、コミュニティで質問してみましょう。親切に教えてくれる人が多いですよ。
Godotを使った有名なゲーム
実際にGodotで作られた市販ゲームも増えています。
- Ex-Zodiac（3D宇宙シューティング）
- Sonic Colors: Ultimate（一部の機能で使用）
- Cruelty Squad（FPS）
- Kingdoms of the Dump（アクションRPG）
個人開発からインディーゲーム（独立系開発者のゲーム）まで、幅広く使われているんです。
Godotのバージョンについて
Godot 3 vs Godot 4
現在、Godot 3.xとGodot 4.xの2つのバージョンがあります。
Godot 3.xは安定していて、情報も豊富です。初心者はまずこちらから始めるのもありです。
Godot 4.xは最新版で、3D機能が大幅に強化されています。新しいプロジェクトを始めるなら、こちらがおすすめです。
ただし、バージョン間で互換性（データのやり取り）がないので、途中で切り替えるのは大変です。最初にどちらを使うか決めておきましょう。
Godotのデメリットも知っておこう
良いところばかり紹介してきましたが、デメリットもあります。
日本語情報がやや少ない
UnityやUnreal Engineに比べると、日本語の情報はまだ少なめです。英語の資料を読む必要が出てくることもあります。
アセットストアが小規模
Unityのような大規模なアセットストア（素材販売サイト）はありません。自分で素材を作るか、外部サイトから探す必要があります。
超大規模開発には向かない
何百人ものチームで作るような大規模プロジェクトには、他のエンジンの方が向いています。Godotは小〜中規模のプロジェクトに適しています。
まとめ：まずは触ってみよう
Godot（ゴドー）は、無料で使える優れたゲームエンジンです。
完全無料、軽量、オープンソースという特徴があり、初心者からプロまで幅広く使われています。2Dゲーム制作に特に強く、3Dゲームも作れる万能ツールです。
「ゲームを作ってみたいけど、何から始めればいいかわからない」という人には、Godotはとても良い選択肢だと思います。
ダウンロードも簡単で、インストール不要ですぐに始められます。まずは公式サイトからダウンロードして、チュートリアルを触ってみませんか？
あなたのアイデアを形にする第一歩が、今日ここから始まるかもしれませんよ。
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