「面白そうなゲームを見つけたのに、日本語に対応していない…」そんな経験はないだろうか。
実は今、ゲーム画面に表示されているテキストをそのまま日本語に翻訳してくれる便利なツールが複数存在している。
この記事では、PCゲームのリアルタイム翻訳ツールを4つ厳選して紹介する。
それぞれの特徴・メリット・デメリットを比較するので、自分に合ったツールを見つけてほしい。
ゲームリアルタイム翻訳ツールの選び方

まずは選ぶ際に重視したいポイントを整理しておこう。
翻訳方法の種類
リアルタイム翻訳ツールには、大きく分けて2つの翻訳方式がある。
1つ目はOCR方式だ。
OCR(Optical Character Recognition、光学文字認識)とは、画面に映っている文字を画像として読み取り、テキストデータに変換してから翻訳する仕組みのことだ。
ほぼすべてのゲームに対応できる反面、フォントや背景の色によっては文字を正確に読み取れないことがある。
2つ目はテキストフック方式だ。
ゲームのプログラム内部のテキストデータを直接読み取って翻訳する仕組みで、OCRよりも高い精度が期待できる。
ただし、対応しているゲームエンジンが限られるというデメリットがある。
対応ゲームの範囲
- 全ゲーム対応: OCR方式のツールは基本的にどんなゲームでも使用可能
- Unityゲーム限定: テキストフック型はUnity製ゲームに限定されることが多い
- フルスクリーン対応の有無: ツールによってはウィンドウモードのみ対応の場合がある
料金プラン
- 完全無料: PCOT、Translumo、XUnity.AutoTranslatorは基本無料で使用可能
- 有料サブスク: ENJPは月額料金が必要だが、高精度な翻訳が得られる
翻訳エンジン
翻訳の精度に直接関わる部分だ。
主な翻訳エンジンとして、Google翻訳・DeepL・GPT-4oなどがある。
一般的に、Google翻訳は速度重視、DeepLは精度重視、GPT-4oは文脈理解が得意という特徴がある。
おすすめツール4選の詳細
PCOT
PCOTは、日本人開発者の「ぬるっぽ氏」が開発した無料の翻訳支援ツールだ。
日本語非対応のゲームを日本語でプレイしたいユーザーの間で、長年にわたって支持されてきた定番ソフトである。
基本情報
- 開発者: ぬるっぽ氏(日本人開発者)
- 料金: 無料
- 対応OS: Windows
- 翻訳エンジン: Google翻訳・DeepL・Gemini(選択式)
- 公式サイト: PCOT公式ページ
主な機能
ゲーム画面の指定した範囲をOCRで読み取り、翻訳結果を表示する仕組みだ。
ホットキーを押すたびに翻訳が実行される「手動翻訳」が基本の動作になっている。
また、固定エリアを登録しておくことで、RPGのセリフ欄など毎回同じ場所を素早く翻訳できる「固定翻訳設定」機能も搭載されている。
2025年にはGeminiとの連携が追加され、独特なフォントでも正確に文字を認識できるよう精度が大幅に向上した。
メリット
- 完全無料で使用可能
- 日本語UIで操作しやすい
- DeepL連携で翻訳精度が高い
- Gemini連携により幅広いフォントを認識できる
- OBS Studioと連携して配信画面に翻訳を表示することも可能
デメリット
- 基本的には手動でホットキーを押す必要がある(リアルタイム自動翻訳ではない)
- フルスクリーンモードでは動作しない場合がある
- アクションゲームなど、素早いテキスト切り替えには不向き
Translumo
Translumoは、指定した画面領域を完全自動でリアルタイム翻訳し続けるソフトだ。
テキストが変わるたびに自動で翻訳が実行されるため、ホットキーを押す手間がいらない。
基本情報
- 開発: オープンソースプロジェクト(GitHub公開)
- 料金: 無料
- 対応OS: Windows
- 翻訳エンジン: DeepL(デフォルト)・Google翻訳など
- OCRエンジン: Tesseract 5.2・Windows OCR・EasyOCR(3種類を組み合わせて使用可能)
- GitHubページ: Translumo(GitHub)
主な機能
複数のOCRエンジンを組み合わせ、AIが最も精度の高いものを選んで翻訳する独自の仕組みを採用している。
翻訳結果は半透明のフローティングウィンドウに表示され、背景色・透明度・フォントサイズなどを自由にカスタマイズできる。
「Alt+Q」で翻訳領域を指定し、「`」キーで翻訳をON/OFFするシンプルな操作体系だ。
メリット
- 完全自動のリアルタイム翻訳
- 3種類のOCRエンジンを組み合わせて精度を高める
- 翻訳結果ウィンドウのデザインを細かくカスタマイズ可能
- 完全無料でオープンソース
デメリット
- EasyOCRの利用には8GB以上のメモリとNVIDIA製GPUが必要
- EasyOCRのインストールには5GB以上のディスク容量が必要
- ロシア人開発者が関与しているため、個人情報が映る範囲はOCRしないよう注意が必要
XUnity.AutoTranslator
XUnity.AutoTranslatorは、Unity製ゲームのテキストをゲーム内部から直接差し替えて翻訳するツールだ。
OCRを使わずにテキストデータを直接処理するため、まるで最初から日本語化されているかのような表示が実現できる。
基本情報
- 開発: オープンソースプロジェクト(GitHub公開)
- 料金: 無料
- 対応: Unityゲーム限定
- 翻訳エンジン: Google翻訳・DeepL(選択式)
- GitHubページ: XUnity.AutoTranslator(GitHub)
主な機能
ゲームを起動するだけで自動的に翻訳が始まり、特別な操作は不要だ。
一度翻訳したテキストはローカルファイルに保存されるため、次回以降は即座に日本語で表示される。
「Alt+T」キーで英語と日本語を切り替えて確認でき、「Alt+R」キーで翻訳を再読み込みできる。
翻訳結果をテキストファイルで編集できるため、気に入らない訳を修正して蓄積していくことも可能だ。
メリット
- ゲーム内に直接翻訳テキストが表示され、最も自然な翻訳体験が得られる
- 一度翻訳したテキストは保存されるため、同じ箇所は瞬時に表示
- 翻訳結果を自分で編集でき、結果的に有志翻訳MODとして配布することも可能
- ポップアップやツールチップも自動的に翻訳される
デメリット
- Unity製ゲームにしか対応していない
- ゲームとの相性問題があり、動作しない場合がある
- ネット接続が必須
- DeepLを安定して動作させるには一定のノウハウが必要
ENJP
ENJPは、GPT-4oを翻訳エンジンに採用した有料のリアルタイム翻訳ツールだ。
DirectX/OpenGLゲームに完全対応しており、ゲーム画面に直接翻訳テキストをオーバーレイ表示できる。
基本情報
- 料金: 月額980円(7日間の無料トライアルあり)
- 対応OS: Windows 10/11(64bit)
- 推奨スペック: Intel Core i5以上・メモリ8GB以上・DirectX 11対応GPU
- 対応ゲーム: DirectX 9/10/11/12・OpenGL 3.0以上・フルスクリーン/ウィンドウモード両対応
- 公式サイト: ENJP公式サイト
主な機能
TrOCR-Tiny INT8という高速OCR技術と、GPT-4oの翻訳を組み合わせた独自のシステムを採用している。
End-to-End遅延が180ms以下と非常に低く、テキストが切り替わってから翻訳が表示されるまでのタイムラグが少ない。
翻訳結果はDirectX 11によるオーバーレイとしてゲーム画面に直接表示され、別ウィンドウを確認する必要がない。
一度翻訳したテキストはキャッシュされるため、同じテキストは瞬時に表示される。
メリット
- GPT-4oによる文脈を考慮した自然な翻訳
- 180ms以下の超低遅延でリアルタイム性が高い
- フルスクリーンゲームでもゲーム画面に直接オーバーレイ表示
- クリック操作ゼロで使用可能
- 7日間の無料トライアルで試せる
デメリット
- 月額980円の費用が発生する
- GPT-4o APIを利用するためネット接続が必須
- Vulkanには現時点で未対応(今後対応予定)
4ツールの比較表

| 項目 | PCOT | Translumo | XUnity.AutoTranslator | ENJP |
|---|---|---|---|---|
| 料金 | 無料 | 無料 | 無料 | 月額980円 |
| 翻訳方式 | OCR(手動) | OCR(自動) | テキストフック | OCR(自動) |
| 対応ゲーム | ほぼ全般 | ほぼ全般 | Unityゲーム限定 | DirectX/OpenGL |
| 翻訳エンジン | Google/DeepL/Gemini | DeepL/Google | Google/DeepL | GPT-4o |
| フルスクリーン | △ | ○ | ○ | ○ |
| 自動翻訳 | ×(手動) | ○ | ○ | ○ |
| 翻訳精度 | 高(DeepL使用時) | 高 | 高 | 最高(GPT-4o) |
| PC負荷 | 低 | 中〜高 | 低 | 中 |
| 日本語UI | ○ | × | × | ○ |
用途別おすすめツール
初めてリアルタイム翻訳を試したい人向け
PCOTがおすすめだ。
完全無料で、日本語UIなので操作に迷いにくい。
RPGやノベルゲームなど、テキストが固定位置に表示されるゲームとの相性も良い。
完全自動でずっと翻訳し続けたい人向け
TranslumoまたはENJPがおすすめだ。
Translumoは無料で自動翻訳ができるが、高精度にするにはそれなりのPCスペックが必要になる。
ENJPは有料だが、フルスクリーンゲームでも手軽に使えて翻訳精度も高い。
Unityゲームをプレイしている人向け
XUnity.AutoTranslatorがおすすめだ。
ゲーム内に直接日本語テキストが表示されるため、最も自然な翻訳体験が得られる。
一度翻訳したテキストが保存されるので、2回目以降は快適にプレイできる。
翻訳精度を最優先にしたい人向け
ENJPがおすすめだ。
GPT-4oが文脈を理解した上で翻訳するため、他のツールと比べてより自然な日本語が得られる。
アクションゲームや会話の多いRPGなど、素早い翻訳が求められる場面でも180ms以下の低遅延で対応できる。
まとめ
ゲームのリアルタイム翻訳ツールは、無料のものから有料まで幅広い選択肢がある。
日本語対応ゲームを前提にプレイしてきた人でも、これらのツールを使えば英語や中国語など様々な言語の未翻訳ゲームを楽しめるようになる。
まず無料のPCOTやTranslumoを試してみて、物足りなければENJPやXUnity.AutoTranslatorへの移行を検討するのが良いだろう。
翻訳ツールを上手に活用して、これまで遊べなかった海外ゲームにもどんどん挑戦してみてほしい。
参考情報源:


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