「Discordの音声がこもって聞こえる」 「音楽配信したいけど音質が悪い」 「もっとクリアな音声で通話したい」
Discordで通話していて、音質に不満を感じたことはありませんか?
実は、その原因の多くはビットレートの設定にあります。ビットレートを適切に設定すれば、音質は劇的に改善できるんです。まるでAMラジオからFMラジオに切り替えたような違いを感じられます。
この記事では、ビットレートの基本から設定方法、最適な数値、サーバーブーストによる高音質化まで、初心者の方でも音質改善ができるよう分かりやすく解説していきます。
ビットレートって何?基本を理解しよう

ビットレートは「音声データの量」
ビットレート(Bitrate)とは、1秒間に送信される音声データの量を表す数値です。
分かりやすく例えると:
- 低ビットレート:圧縮された小さい写真(粗い)
- 高ビットレート:高画質な大きい写真(きれい)
単位は**kbps(キロビット毎秒)**で表され、数字が大きいほど音質が良くなります。
Discordでのビットレートの役割
ビットレートが決める要素:
- 音声の明瞭さ
- 音の細かさ(解像度)
- 音域の広さ
- ノイズの少なさ
トレードオフ:
- 高ビットレート → 高音質だが通信量増加
- 低ビットレート → 通信量少ないが音質低下
一般的な音質の目安
ビットレート別の音質イメージ:
- 8kbps:電話レベル(会話は可能)
- 32kbps:AMラジオ相当
- 64kbps:標準的な通話品質
- 96kbps:FMラジオ相当
- 128kbps:音楽ストリーミング(標準)
- 256kbps:高品質音楽
- 320kbps:CD並みの音質
Discordでは最大96kbps(ブーストで384kbps)まで設定可能です。
ボイスチャンネルのビットレート設定
PC版での設定方法
手順:
- ボイスチャンネルの設定を開く
- チャンネル名の横の歯車アイコンをクリック
- または右クリック→「チャンネルの編集」
- 「概要」タブを選択
- 「ビットレート」のスライダーを調整
- 8kbps〜96kbps(通常)
- 8kbps〜384kbps(ブーストサーバー)
- 「変更を保存する」をクリック
スマホ版での設定方法
iOS/Android共通:
- ボイスチャンネルを長押し
- 「設定」または「編集」をタップ
- 「ビットレート」を調整
- 「保存」をタップ
管理者権限が必要なので注意してください。
ステージチャンネルの設定
ステージチャンネルも同様に設定可能:
- ステージチャンネルの設定
- ビットレート調整
- より多くの人に配信する場合は高めに設定
用途別の推奨ビットレート
日常会話・ゲーム通話
推奨:64kbps
理由:
- 会話には十分な音質
- 通信量とのバランスが良い
- 遅延が少ない
- ほとんどの環境で安定
設定のコツ:
FPSゲーム:64kbps(遅延重視)
RPGゲーム:96kbps(音質重視)
作業通話:48kbps(長時間使用)
音楽配信・カラオケ
推奨:96kbps以上
理由:
- 音楽の細部まで伝わる
- 楽器の音が潰れない
- 歌声がクリア
サーバーブースト推奨:
- レベル1:128kbps
- レベル2:256kbps
- レベル3:384kbps
ASMR・高音質配信
推奨:最大値(96kbps or ブースト)
設定ポイント:
- ノイズ抑制をオフ
- エコーキャンセルを調整
- ステレオ音声を検討
大人数サーバー
推奨:48〜64kbps
理由:
- サーバー負荷の軽減
- 参加者全員の安定性
- 帯域幅の節約
サーバーブーストと音質向上
ブーストレベル別の上限
通常サーバー:
- 最大96kbps
- 基本的な音質
レベル1(2ブースト):
- 最大128kbps
- 音楽配信可能レベル
レベル2(7ブースト):
- 最大256kbps
- 高音質配信可能
レベル3(14ブースト):
- 最大384kbps
- プロレベルの音質
ブーストのメリット
音質以外の特典:
- 画面共有の画質向上(720p/1080p)
- ファイルアップロード容量増加
- カスタム招待URL
- アニメーションサーバーアイコン
ブースト投資の価値
こんな人におすすめ:
- 音楽系コミュニティ
- 配信者のファンサーバー
- 勉強会・セミナー開催
- 音質にこだわる集まり
月額課金ですが、複数人で分担すれば負担は軽減できます。
個人の音声設定との関係
音声・ビデオ設定の最適化
個人設定の確認:
- ユーザー設定 → 音声・ビデオ
- 入力デバイスの設定
- 適切なマイクを選択
- 入力音量を調整
- 音声処理の設定
- エコーキャンセル:通常オン
- ノイズ抑制:環境に応じて
- 自動ゲイン調整:オフ推奨(音質重視)
- 詳細設定
- 音声パケット優先度:高
- 品質改善の処理:オン
マイクとの相性
高ビットレートを活かすマイク:
- USBコンデンサーマイク
- オーディオインターフェース接続
- 高品質ヘッドセット
避けるべき組み合わせ:
- 低品質マイク × 高ビットレート(意味がない)
- ノイズ環境 × 高ビットレート(ノイズも増幅)
ネットワークとビットレート
必要な通信速度
最低限必要な速度:
ビットレート × 参加人数 × 1.5(余裕)
例:64kbps × 10人 × 1.5 = 960kbps(約1Mbps)
回線別の推奨設定
光回線(安定):
- 96kbps推奨
- ブーストも快適
ADSL/ケーブル:
- 64kbps推奨
- ピーク時間帯は下げる
モバイル回線:
- 32〜48kbps推奨
- データ量に注意
公共Wi-Fi:
- 32kbps以下
- 最低限の品質
よくあるトラブルと解決方法
Q:設定しても音質が改善しない
確認事項:
- 全員の回線を確認 一人でも低速回線だと全体に影響
- サーバーリージョンを変更 設定 → 概要 → サーバーリージョン
- Discord自体の音質設定 個人設定も要確認
- マイクの品質 入力デバイスの限界
Q:音が途切れる・ロボットボイスになる
原因と対策:
原因:ビットレートが高すぎる
- 回線速度に対して過負荷
- 解決:ビットレートを下げる
原因:パケットロス
- ネットワークの問題
- 解決:有線接続に変更
原因:CPU負荷
- PCスペック不足
- 解決:他のアプリを終了
Q:ビットレート設定が保存されない
解決方法:
- 権限を確認 管理者またはチャンネル管理権限が必要
- Discord再起動 設定が反映されない場合
- ブラウザ版で試す アプリの不具合の可能性
Q:モバイルでデータ通信量が心配
データ消費量の目安:
64kbps × 60秒 × 60分 = 28.8MB/時間
96kbps × 60秒 × 60分 = 43.2MB/時間
節約方法:
- Wi-Fi環境で使用
- ビットレートを下げる
- ビデオ通話は避ける
音質測定とテスト方法
音質テストの手順
セルフチェック:
- テスト用ボイスチャンネル作成
- 異なるビットレートで録音
- 聞き比べて最適値を決定
仲間とテスト:
- 設定変更の前後で確認
- フィードバックをもらう
- 環境に応じて調整
録音での確認
OBSやAudacityで録音:
- 各ビットレートで録音
- 波形を比較
- 実際の違いを確認
プロ向けの高度な設定
ステレオ音声の活用
Discordでステレオ配信:
- 音楽配信に最適
- 空間的な広がり
- より臨場感のある音声
設定方法: 開発者向けAPIを使用(上級者向け)
外部ツールとの連携
配信ソフトとの組み合わせ:
- OBS Studio
- VoiceMeeter
- Virtual Audio Cable
これらで前処理してから高ビットレートで送信。
まとめ:最適なビットレートで快適な通話を
Discordのビットレート設定は、音質を左右する重要な要素です。
この記事のポイント:
✅ ビットレートは音声データ量(8〜384kbps)
✅ 用途に応じて最適値を選択(通話64kbps、音楽96kbps以上)
✅ チャンネル設定から簡単に変更可能
✅ サーバーブーストで上限解放(最大384kbps)
✅ 回線速度とのバランスが重要
✅ マイク品質も合わせて考慮
✅ データ通信量に注意(モバイル)
適切なビットレート設定で、クリアで快適な音声通話を実現できます。
まずは64kbpsから始めて、環境に応じて調整していきましょう。
この記事を参考に、最高の音質でDiscordを楽しんでください!
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