Apple Musicで好きな曲を再生しようとしたら、「この曲は現在、この国または地域では入手できません」というメッセージが表示されて、曲がグレーアウトしてしまった経験はありませんか?
昨日まで普通に聴けていた曲が突然聴けなくなったり、プレイリストの中の一部の曲だけが再生できなくなったり、こんな状況に遭遇すると本当に困りますよね。特に、iTunes Storeで購入した曲やCDから取り込んだ自分の音楽でさえも、このエラーが出ることがあります。
この記事では、「この曲は現在、この国または地域では入手できません」というエラーが出る理由と、実際に効果があった解決方法を分かりやすく解説していきます。
エラーが表示される主な原因

このエラーメッセージが表示される理由は複数あります。まずは自分の状況に当てはまる原因を確認してみましょう。
1. 音楽の地域ライセンス制限
音楽の著作権やライセンスは国や地域ごとに管理されています。日本で聴けていた曲が海外では聴けない、逆に海外では配信されているけど日本では聴けない、というケースがあるんです。
これは最も一般的な原因で、特にインディーズレーベルの曲や廃盤になった音楽によく見られます。VPNを使っていたり、海外旅行中にApple Musicを開いたりすると、この問題に遭遇することがあります。
2. Apple IDの国・地域設定の不一致
Apple IDに登録されている国や地域の設定が、現在いる場所と合っていない場合にエラーが出ることがあります。例えば、Apple IDが日本以外の国で登録されていると、日本の曲が再生できないケースがあるんです。
3. iCloudミュージックライブラリの同期問題
Apple Musicでは、あなたの音楽ライブラリをiCloud経由で同期しています。この同期が正常に完了していない場合、「この曲は現在、この国または地域では入手できません」と表示されることがあります。
同期には時間がかかるため、追加したばかりの曲や編集したプレイリストで問題が起きやすいんですね。
4. CDから取り込んだ曲のマッチング問題
CDから取り込んだ曲やオリジナルの音源をiTunesやApple Musicにアップロードした場合、Apple Music側のデータベースと正しくマッチングできないことがあります。このマッチング失敗により、曲が「地域では入手できません」と判断されてしまうケースがあるんです。
5. Apple MusicやiTunesのアップデートによるバグ
Apple MusicやiTunesのアップデート直後に、一時的にこのエラーが発生することがあります。システムの不具合やバグが原因で、本来再生できるはずの曲が再生できなくなってしまうケースですね。
6. VPNの使用
VPNを使用していると、Apple Musicがあなたの実際の位置情報ではなく、VPNサーバーの位置を基準にコンテンツの利用可否を判断してしまいます。その結果、本来聴けるはずの曲が聴けなくなることがあります。
7. 配信の終了
アーティストやレーベルがApple Musicでの配信を終了した場合、以前は聴けていた曲でも突然聴けなくなります。これはユーザー側では対処できない原因です。
実際に効果があった解決方法
ここからは、多くのユーザーが試して効果があった対処法を紹介していきます。簡単な方法から順番に試してみてください。
【方法1】デバイスを再起動する
最もシンプルで効果的な方法です。
iPhoneやiPad、Macを一度完全に再起動してみてください。再起動することで、一時的なシステムエラーやキャッシュの問題が解消され、エラーが消えることがあります。
多くのユーザーから「再起動だけで直った」という報告が上がっているので、まずはこれを試してみる価値があります。
【方法2】iCloudミュージックライブラリを更新する
同期が不完全な場合は、ライブラリを手動で更新することで問題が解決します。
Windowsの場合:
- iTunesを開く
- メニューバーの「ファイル」→「ライブラリ」
- 「iCloudミュージックライブラリをアップデート」をクリック
- 更新が完了するまで待つ
Macの場合(macOS Catalina 10.15以降):
- ミュージックアプリを開く
- メニューバーの「ファイル」→「ライブラリ」
- 「クラウドライブラリをアップデート」をクリック
- 更新が完了するまで待つ
この方法は、CDから取り込んだ曲が聴けなくなった場合に特に効果的です。
【方法3】iCloudミュージックライブラリをオフ→オンにする
ライブラリの同期機能をいったんリセットすることで、問題が解決することがあります。
手順:
- iPhoneの「設定」→「ミュージック」
- 「ライブラリを同期」をオフにする
- デバイスを再起動
- 再度「設定」→「ミュージック」
- 「ライブラリを同期」をオンにする
- 「ミュージックを残す」を選択
この操作により、デバイス上にダウンロードされていた曲は保持されたまま、同期状態がリセットされます。
【方法4】曲を削除して再追加する
特定の曲だけがエラーになる場合は、その曲のデータに問題がある可能性があります。
手順:
- Apple Musicアプリを開く
- 「ライブラリ」→「曲」
- 問題の曲を見つける
- 曲名の横の「…」(3点リーダー)をタップ
- 「ライブラリから削除」を選択
- 検索バーでその曲を探す
- もう一度ライブラリに追加する
削除と再追加により、曲の情報が正しく登録され直されます。
【方法5】Apple IDからサインアウト→サインイン
認証情報をリセットすることで、エラーが解消されることがあります。
手順:
- 「設定」→ 画面上部の自分の名前(Apple ID)
- 「メディアと購入」をタップ
- 「サインアウト」を選択
- もう一度「メディアと購入」をタップ
- 「サインイン」を選択
この方法では、iCloudからはサインアウトせず、Apple Musicなどのメディアサービスからのみサインアウトします。そのため、写真やメモなどのデータには影響しません。
【方法6】VPNをオフにする
VPNを使用している場合は、それが原因でエラーが出ている可能性があります。
確認手順:
- 「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」
- 有効になっているVPNがあれば、タップしてオフにする
- Apple Musicアプリを開いて曲を再生してみる
VPNをオフにした状態で問題なく再生できれば、VPNが原因だったことが分かります。どうしてもVPNを使いたい場合は、日本のサーバーに接続し直してみてください。
【方法7】Apple IDの国・地域設定を確認する
Apple IDに登録されている国や地域が正しいか確認しましょう。
確認手順:
- 「設定」→ 自分の名前(Apple ID)
- 「メディアと購入」をタップ
- 「アカウントを表示」を選択
- 「国または地域名」を確認
もし設定が間違っている場合は、正しい国・地域に変更する必要があります。ただし、変更には以下の条件があります。
- Apple Musicのサブスクリプションをいったんキャンセルする必要がある
- Apple IDの残高がゼロである必要がある
- 新しい国・地域で有効な支払い方法を登録する必要がある
【方法8】iOSやApple Musicアプリを最新版にアップデートする
古いバージョンのソフトウェアを使っていると、エラーが起きやすくなります。
iOSのアップデート:
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- アップデートがあれば「ダウンロードしてインストール」
Apple Musicアプリのアップデート:
- App Storeを開く
- 右上のアカウントアイコンをタップ
- 下にスクロールして「ミュージック」を探す
- 「アップデート」があればタップ
アップデートにより、既知のバグが修正され、問題が解決することがあります。
【方法9】ネットワーク設定をリセットする
Wi-Fiやモバイルデータの設定に問題がある場合、ネットワーク設定をリセットすることで解決できます。
手順:
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」
- 「リセット」をタップ
- 「ネットワーク設定をリセット」を選択
- パスコードを入力して確認
注意:この操作により、保存されているWi-Fiパスワードやネットワーク設定がすべて削除されます。再度Wi-Fiに接続する際は、パスワードの入力が必要になります。
【方法10】iTunesやミュージックアプリの警告をリセットする
コンピューターでiTunesやミュージックアプリを使用している場合、警告をリセットすることで問題が解決することがあります。
Macの場合:
- ミュージックアプリを開く
- メニューバーの「ミュージック」→「環境設定」(または「設定」)
- 「詳細」タブを開く
- 「警告をリセット」をクリック
- 「OK」をクリック
Windowsの場合:
- iTunesを開く
- メニューバーの「編集」→「環境設定」
- 「詳細」タブを開く
- 「警告をリセット」をクリック
- 「OK」をクリック
その後、iPhoneやiPadをコンピューターに接続して同期を行ってみてください。
PCとiPhoneを使った手動同期の方法
上記の方法で解決しない場合は、PCを使った手動同期を試してみましょう。この方法は、特にCDから取り込んだ曲で問題が起きている場合に効果的です。
手順:
- iPhoneで「設定」→「ミュージック」
- 「ライブラリを同期」をオフにする
- iPhoneをPCに接続
- iTunesまたはFinderを開く
- デバイスを選択
- 「ミュージック」タブを開く
- 「音楽を同期」にチェックを入れる
- 同期したいプレイリストや曲を選択
- 「適用」または「同期」をクリック
- 同期が完了したら、iPhoneで「ライブラリを同期」をオンに戻す
- 「ミュージックを残す」を選択
この方法により、Apple Music側の同期問題を回避して、直接PCから音楽をiPhoneに転送できます。
それでも解決しない場合

ここまで紹介した方法をすべて試してもエラーが解消されない場合は、以下の可能性が考えられます。
1. その曲の配信が終了した
アーティストやレーベルの都合により、Apple Musicでの配信が終了してしまった可能性があります。この場合、ユーザー側では対処できません。
iTunes Storeで個別に購入できるか確認するか、別の音楽配信サービスで同じ曲が聴けるかチェックしてみてください。
2. ライセンスの問題
その曲が本当に日本では配信されていない可能性があります。特にインディーズアーティストや海外の特定地域限定リリースの曲では、こうしたケースがよくあります。
3. Appleサポートに問い合わせる
上記の原因に当てはまらず、どの方法でも解決しない場合は、Appleサポートに直接問い合わせることをおすすめします。
問い合わせ方法:
- Apple サポートアプリから問い合わせ
- Apple公式サポートサイトから問い合わせ
- 電話サポート(0120-277-535)
問い合わせる際は、以下の情報を伝えるとスムーズです。
- 使用しているデバイスとOSのバージョン
- エラーが出始めた時期
- すでに試した対処法
- iTunes Storeで購入した曲か、Apple Musicの曲か、CDから取り込んだ曲か
- エラーが出る曲の具体的な曲名やアーティスト名
エラーを予防するためのヒント
今後同じエラーに遭遇しないために、以下の点に注意しておくと良いでしょう。
1. iOSとアプリを常に最新版に保つ
定期的にiOSやApple Musicアプリのアップデートを行うことで、既知のバグや不具合を回避できます。
2. iCloudミュージックライブラリの同期を確認する
曲を追加したり削除したりした後は、しばらく時間を置いて同期が完了するのを待ちましょう。すぐにデバイスを切り替えると、同期が不完全な状態で問題が起きることがあります。
3. VPNを使う場合は注意する
VPNを使用する場合は、日本のサーバーに接続するか、Apple Musicを使用する際だけVPNをオフにするなどの工夫が必要です。
4. Apple IDの国・地域設定を確認しておく
引っ越しや長期滞在などで国を移動する場合は、Apple IDの設定を適切に変更しておきましょう。
5. 重要な曲はバックアップを取る
CDから取り込んだ曲や購入した曲など、失いたくない音楽は、PCやクラウドストレージに別途バックアップを取っておくと安心です。
まとめ
Apple Musicで「この曲は現在、この国または地域では入手できません」というエラーが表示される原因は様々ですが、多くの場合は今回紹介した方法で解決できます。
試す順番のおすすめ:
- デバイスの再起動
- VPNをオフにする(使用している場合)
- iCloudミュージックライブラリを更新
- iCloudミュージックライブラリをオフ→オン
- Apple IDからサインアウト→サインイン
- 曲を削除して再追加
- その他の対処法
特に「iCloudミュージックライブラリの更新」は、CDから取り込んだ曲がグレーアウトしている場合に効果的です。また、海外旅行中や一時的に日本以外の場所にいる場合は、VPNの設定やApple IDの国・地域設定を確認することが重要になります。
どの方法を試しても解決しない場合は、その曲の配信が終了している可能性があります。その場合は、iTunes Storeでの個別購入や、他の音楽配信サービスでの視聴を検討してみてください。
快適な音楽ライフを楽しむために、定期的なアップデートとバックアップを心がけておきましょう!

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