「新しいグラボを買ったけど、性能はどれくらい向上した?」 「このPCで最新ゲームは快適に動くの?」 「他の人のPCと比べて、自分のPCはどれくらいの性能?」
PCゲーマーなら誰もが気になるグラフィック性能。その性能を数値化して、客観的に評価できるのが3DMarkです。
3DMarkは、世界中で使われている業界標準のベンチマークソフトで、グラフィックボードやCPUの性能を正確に測定できます。スコアを比較することで、自分のPCの実力が一目瞭然になるんです。
今回は、3DMarkの基本的な使い方から、各テストの特徴、スコアの見方、さらには性能向上のためのテクニックまで、初心者にも分かりやすく解説していきます!
3DMarkとは?基本を理解しよう

世界標準のベンチマークソフト
3DMarkは、**UL Solutions(旧Futuremark)**が開発した、グラフィック性能測定ソフトです。
特徴:
- 1998年から続く長い歴史
- プロからアマチュアまで世界中で使用
- GPU/CPU両方の性能を測定
- 公平で正確なスコア算出
- 最新技術に対応(レイトレーシング、DLSS等)
PCパーツレビューでも必ず使われる、信頼性の高いベンチマークです。
3DMarkで分かること
測定できる項目:
- Graphics Score – GPU性能
- Physics Score – CPU性能
- Combined Score – 総合性能
- FPS(フレームレート) – 実際のゲーム性能予測
- 温度・クロック – 動作状況の監視
これらの数値から、ゲームがどれくらい快適に動くかが予測できます。
3DMarkの種類と選び方
無料版と有料版の違い
Basic Edition(無料版):
- Time Spyのみ実行可能
- オンラインでの結果比較
- 基本的な性能測定
Advanced Edition(有料版):
- すべてのテストが利用可能
- カスタム設定でテスト
- ストレステスト機能
- 詳細な結果分析
- Steam版:約3,500円(セール時は75%OFF)
まずは無料版で試して、必要なら有料版を購入するのがおすすめです。
主要なテスト種類
現在の主要テスト:
テスト名 | 対象 | 解像度 | 特徴 |
---|---|---|---|
Time Spy | DX12対応GPU | 1440p | 現在の標準テスト |
Time Spy Extreme | ハイエンドGPU | 4K | 4Kゲーミング向け |
Fire Strike | DX11対応GPU | 1080p | 旧世代の標準 |
Port Royal | RTX GPU | 1440p | レイトレーシング |
Speed Way | 最新GPU | 1440p | DX12 Ultimate |
Wild Life | 統合GPU | 1080p | ノートPC向け |
どのテストを選ぶべき?
PCスペック別の推奨テスト:
エントリー〜ミドルクラス:
- GTX 1650、RTX 3050、RX 6500 XT
- → Fire StrikeまたはTime Spy
ミドル〜ハイクラス:
- RTX 3060〜3070、RX 6600〜6700 XT
- → Time Spy(標準)
ハイエンド:
- RTX 4070 Ti以上、RX 7900 XT以上
- → Time Spy Extreme、Port Royal
最新世代:
- RTX 40シリーズ、RX 7000シリーズ
- → Speed Way
3DMarkのインストールと初期設定
ダウンロードとインストール
Steam版(推奨):
- Steamストアで「3DMark」を検索
- 無料版をライブラリに追加
- インストール(約7GB)
- 初回起動で自動アップデート
公式サイト版:
- UL.comからダウンロード
- インストーラーを実行
- ライセンスキーを入力(有料版)
システム要件
最小要件:
- OS:Windows 10 64-bit
- GPU:DirectX 11対応
- RAM:4GB以上
- ストレージ:7GB以上
推奨要件:
- 最新のGPUドライバー
- 16GB以上のRAM
- SSDでのインストール
初期設定
重要な設定:
- 言語設定 – 日本語に変更可能
- 結果の自動アップロード – ONで世界ランキング参加
- SystemInfo更新 – 最新版に更新
- Windowsの設定:
- 電源プランを「高パフォーマンス」に
- GPU省電力機能をOFF
ベンチマークの実行方法
基本的な実行手順
Time Spyを例に:
- 3DMarkを起動
- 「BENCHMARKS」タブを選択
- **「Time Spy」**を選択
- **「RUN」**をクリック
- 約10分間のテスト実行
- 結果画面でスコア確認
テスト中はPCに触らないことが重要です。
テスト前の準備
正確な測定のために:
- 他のアプリケーションをすべて終了
- ウイルススキャンを一時停止
- Windowsアップデートを延期
- 室温を一定に保つ(エアコン設定)
- GPUドライバーを最新版に更新
カスタム設定(有料版)
詳細な設定項目:
- 解像度変更 – 実際の使用環境に合わせる
- テスト回数 – 複数回実行で平均値
- グラフィック設定 – 品質の調整
- ループ実行 – 安定性テスト
スコアの見方と評価基準
スコアの構成要素
表示される主要スコア:
Total Score: 8,547
├ Graphics Score: 8,234(GPU性能)
├ CPU Score: 10,562(CPU性能)
└ Combined Score: 8,123(総合性能)
Graphics Scoreが最も重要で、ゲーム性能に直結します。
スコアの目安(Time Spy)
性能レベル別の目安:
スコア | 性能レベル | 快適にプレイできるゲーム |
---|---|---|
2,000以下 | エントリー | 軽量ゲーム、低設定 |
2,000-4,000 | ロー | 1080p 低〜中設定 |
4,000-7,000 | ミドル | 1080p 高設定 |
7,000-10,000 | ハイ | 1440p 高設定 |
10,000-15,000 | ハイエンド | 4K 中〜高設定 |
15,000以上 | エンスージアスト | 4K 最高設定 |
世界ランキングとの比較
オンライン結果の活用:
- テスト完了後、**「RESULT」**タブ
- **「Compare Online」**をクリック
- 同じ構成のPCと比較
- 上位何%かを確認
自分のPCが世界でどの位置にいるかが分かります。
各テストの詳細解説
Time Spy(DirectX 12)
最も重要な標準テスト:
- 解像度:2560×1440
- API:DirectX 12
- 測定時間:約10分
シーン内容:
- Graphics Test 1 – 複雑な幾何学処理
- Graphics Test 2 – パーティクルエフェクト
- CPU Test – 物理演算
現在のゲーム性能を最も正確に反映します。
Fire Strike(DirectX 11)
旧世代だが重要:
- 解像度:1920×1080
- API:DirectX 11
- 多くのゲームがまだDX11
GTX 10シリーズ以前のGPUには最適です。
Port Royal(レイトレーシング)
RTX性能測定:
- レイトレーシング性能を測定
- DLSS対応
- RTX 20シリーズ以降専用
重要性: 最新ゲームのレイトレーシング性能を予測できます。
Speed Way(DirectX 12 Ultimate)
最新テスト:
- メッシュシェーダー
- 可変レートシェーディング
- レイトレーシング
- サンプラーフィードバック
将来のゲーム性能を予測する最先端のテストです。
ストレステストと安定性確認
ストレステストの重要性
確認できること:
- 熱暴走の有無
- クロックの安定性
- 電源の余裕
- オーバークロックの安定性
長時間の高負荷でシステムの弱点を発見できます。
実行方法(有料版機能)
Time Spy Stress Test:
- STRESS TESTSタブを選択
- テスト時間を設定(標準20回ループ)
- RUNで開始
- 97%以上で合格
監視すべき項目:
- GPU温度(80℃以下が理想)
- GPUクロック(一定を保つ)
- フレームレートの安定性
スコアを向上させる方法
ソフトウェア最適化
すぐにできる対策:
- GPUドライバー更新
- 最新版で5-10%向上することも
- Windows設定の最適化
- ゲームモードON
- GPU省電力OFF
- 高パフォーマンス電源プラン
- バックグラウンドアプリ停止
- RGB制御ソフト
- 配信ソフト
- ブラウザ
- Resizable BAR有効化
- BIOS設定で有効化
- 5-10%の向上
ハードウェア最適化
効果的な改善方法:
- GPUのオーバークロック
- MSI Afterburner使用
- 10-15%の向上可能
- メモリのXMP/DOCP有効化
- BIOS設定
- CPU Scoreが向上
- 適切な冷却
- ケースファンの追加
- サーマルパッドの交換
アップグレードの優先順位
コスパの良い順:
- GPU – 最も効果大
- RAM – 16GB→32GB
- CPU – ボトルネックの場合
- SSD – ロード時間改善
トラブルシューティング
テストがクラッシュする
対処法:
- GPUドライバーをクリーンインストール
- オーバークロックを解除
- Windowsの修復
- DirectXの再インストール
スコアが異常に低い
確認項目:
- 内蔵GPUで実行していないか
- 省電力モードになっていないか
- サーマルスロットリング発生
- PCIe帯域の確認
エラーコードの対処
よくあるエラー:
- Error 7 – SystemInfo更新
- Error 18 – 管理者権限で実行
- Result not valid – ドライバー更新
よくある質問と回答
Q1:無料版で十分?
A:ほとんどの人は無料版でOK
Time Spyだけでも十分な性能測定ができます。オーバークロッカーやレビュワーは有料版を推奨。
Q2:スコアの誤差はどれくらい?
A:±3%程度は正常
同じテストでも毎回少し違うスコアが出ます。3回測定して平均を取ると良いでしょう。
Q3:ノートPCでも使える?
A:もちろん使えます
Wild LifeやFire Strikeなど、ノートPC向けのテストもあります。ACアダプター接続を推奨。
Q4:スコアを他人と共有したい
A:オンライン機能を活用
結果画面から直接URLを生成して、SNSで共有できます。
まとめ
3DMarkは、PCゲーミング性能を客観的に評価できる必須ツールです。
3DMark活用のポイント:
- まずは無料版のTime Spyから始める
- スコアを世界ランキングと比較
- 定期的に測定して性能低下を監視
- アップグレード前後で効果を確認
- ストレステストで安定性確認
自分のPCの実力を数値で把握することで、適切な設定でゲームを楽しめるようになります。
新しいパーツを買った時、オーバークロックした時、そして定期メンテナンスの時に、3DMarkでベンチマークを取る習慣をつけましょう!
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