吹雪の夜、真っ白な雪景色の中に、ひとり佇む美しい女性の影──それは古来より語り継がれる「雪女」の姿かもしれません。
美しさと死、愛と別れ、暖かさと冷たさ。
相反する要素を併せ持つ雪女は、日本の妖怪の中でも特別な存在として多くの人に愛され、恐れられてきました。
この記事では、雪の中に現れる幻想的な妖怪「雪女」について詳しく解説していきます。
基本情報

「雪女(ゆきおんな)」は、雪が降る寒い夜に現れるとされる女性の妖怪です。
その名の通り、「雪のように白く冷たい女性」。
地域による呼び方
日本各地で様々な呼び方があります:
- 雪女(ゆきおんな):最も一般的
- 雪んば(ゆきんば):より親しみやすい呼び方
- 雪女郎(ゆきじょろう):大人の女性のイメージ
- 雪ばば(ゆきばば):年配の女性のイメージ
- 雪娘(ゆきむすめ):若い女性のイメージ
姿・見た目
雪女は、地域によって少し違いはありますが、主に以下のように描かれています。
基本的な外見
- 白い着物を着た美しい女性
- 肌は雪のように白く、息は白く冷たい
- 黒髪が長く、顔はどこか寂しげ
能力・特徴
以下は、雪女の主な特徴
主な特徴
- 吹雪の中に現れる
- 美しい
- 人を凍死させるほどの冷たい息
- 人を食べたりもする
伝承

雪女には全国各地に伝承がありますが、特に有名なのが**小泉八雲の『雪女』**です。
小泉八雲の『雪女』
- 吹雪の夜、木こりの親子が山小屋で雪女に遭遇
- 父は凍死、息子だけ助けられ、「このことを誰にも言うな」と言われる
- 数年後、彼は美しい女性と結婚し、子どもが生まれる
- ある日、彼は「昔、雪女に助けられた」と妻に話すと、
- 妻が雪女だったことが判明し、「言わぬと約束したのに」と彼の前から消える
人食い
- 吹雪の中、マタギの父と息子2人が歩いていると、美しい女性がこちらに向かってくる
- 父は息子に「絶対に見るな、話しかけるな、私のそばを離れるな」と警告
- 息子はすれ違う際、女の顔を見てしまったが、話かけることはなかった
- 家に帰ると、「あれは雪女だ、話しかけたら食い殺される」と教えられた
まとめ
雪女は、恐怖の対象でありながら、どこか哀しさや美しさを感じさせる妖怪です。
重要なポイント
- 美しい姿で現れるが、命を奪う存在
- 吹雪の中に現れ、人を食べることがある
- 小泉八雲の話が有名
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