鬼といえば怖い存在というイメージがありますが、温泉を守ってくれる優しい鬼がいるって知っていますか?
北海道の有名な温泉地・登別には「湯鬼神(ゆきじん)」という鬼の神様がいて、なんと9本の金棒を置いていったんです。しかもその金棒には、商売繁盛から恋愛成就まで、それぞれ違うご利益があるというから驚きですよね。
地獄谷という名前の場所に住みながらも、人々に幸せをもたらしてくれる不思議な鬼。
この記事では、登別温泉の守護神として愛されている湯鬼神について、その特徴や残していった金棒の秘密をわかりやすくご紹介します。
概要
湯鬼神は、北海道の登別温泉に伝わる温泉の守護神です。
日本各地にいる怖い鬼とは違って、温泉と人々を守ってくれる優しい鬼の神様なんです。
湯鬼神の基本情報
- 読み方:ゆきじん
- 居住地:北海道・登別温泉の地獄谷
- 役割:温泉の守護神
- 持ち物:左手に剣、右手に鈴
- 危険度:★☆☆(むしろ人々を守る存在)
- 時代:不明
登別温泉には「地獄谷」という場所があります。火山活動で熱くなった湯が噴き出す様子が、まるで地獄のように見えることから名付けられたんですね。湯鬼神はこの地獄谷に住んでいて、温泉を見守っているといわれています。
特徴
湯鬼神の最大の特徴は、9本の金棒を置いていったことです。
9本の金棒とその効果
湯鬼神が温泉の源に置いていった金棒には、それぞれ異なる色とご利益があります。
金棒の色とご利益一覧
- 金色:願いが叶う
- 黒色:商売や仕事がうまくいく
- 赤色:学業成就
- 青色:健康になる
- 緑色:金運アップ
- 紫色:人気者になる
- 黄色:良い人と巡り会える
- 茶色:子どもがすこやかに育つ
- 白色:家庭が仲良く暮らせる
これらの金棒は、地獄からの悪い気から温泉を守ってくれているだけでなく、登別温泉に入ることで、それぞれの効果を得ることができるんだそうです。
湯鬼神の役割
- 温泉を悪い気から守る
- 入浴者に様々なご利益をもたらす
- 地獄谷と温泉の調和を保つ
普通の鬼が人を脅かすのに対して、湯鬼神は人々の幸せを願う存在。まさに「守護神」という名前にふさわしい鬼なんです。
伝承
湯鬼神がなぜ金棒を置いていったのか、その理由は謎に包まれています。
金棒にまつわる伝説
ある時、理由は不明ですが、湯鬼神が温泉が湧き出てくる源に9本の金棒を置いていきました。それぞれ色の違う金棒は、まるで虹のように美しかったといいます。
人々は最初、なぜ鬼が金棒を置いていったのか分からず戸惑いました。
しかし、その後、金棒が地獄からの悪い気を防いでくれていることに気づいたんです。
さらに、温泉に入った人々が、それぞれの金棒の色に応じたご利益を受けるようになったという話が広まりました。
現在の金棒
現在、湯鬼神が置いていったという金棒をモデルにした棒が実際に設置されています。
金棒の設置場所
- 登別温泉泉源公園:8本
- 近くの温泉宿の地中:1本
泉源公園の金棒には、願い事を書いた絵馬を結ぶこともできるそうです。観光客や地元の人々が、それぞれの願いを込めて絵馬を結んでいく姿は、湯鬼神への信仰が今も生きている証といえるでしょう。
鬼の道具の特別な力
湯鬼神の金棒のように、鬼が持つ道具には特別な力があることが多いんです。
有名な鬼の道具
- 鬼の金棒:「鬼に金棒」ということわざがあるほど有名
- 隠れ蓑(かくれみの):身に着けると姿が見えなくなる
- 打出の小槌(うちでのこづち):振るだけで欲しいものが出てくる
これらの道具と比べても、湯鬼神の金棒は「人々を守り、幸せをもたらす」という点で特別な存在といえます。
まとめ
湯鬼神は、恐ろしい鬼のイメージを覆す、優しい守護神です。
湯鬼神の重要ポイント
- 登別温泉の地獄谷に住む温泉の守護神
- 9本の金棒を置いて温泉を守っている
- 各金棒には異なる色とご利益がある
- 現在も金棒のモデルが設置され、絵馬を結べる
- 人々に幸せをもたらす優しい鬼の神様
登別温泉に行く機会があったら、ぜひ泉源公園の金棒を見てみてください。自分の願いに合った色の金棒に絵馬を結んで、湯鬼神のご利益を受けるのもいいかもしれません。
地獄谷という恐ろしい名前の場所から、人々の幸せを見守る湯鬼神。その存在は、見た目や名前だけで判断してはいけないという大切な教訓も教えてくれているのかもしれませんね。
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