【時空を超越する神】ヨグ=ソトースとは?その姿・特徴・伝承をやさしく解説!

神話・歴史・伝承

もし全ての時間と空間に同時に存在する神がいるとしたら、あなたはどう感じるでしょうか?

過去も現在も未来も、全てを知り尽くし、あらゆる次元への扉となる存在。
それがクトゥルフ神話に登場する最強クラスの邪神「ヨグ=ソトース」なんです。

虹色に輝く無数の球体として現れるこの神は、宇宙の秘密そのものとも言われています。
この記事では、時空を超越した恐るべき神「ヨグ=ソトース」について、その神秘的な姿や特徴、興味深い伝承を分かりやすくご紹介します。

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概要

Dominique Signoret, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1003141による

ヨグ=ソトース(Yog-Sothoth)は、H.P.ラヴクラフトが創造したクトゥルフ神話における最強クラスの神です。

「外なる神」の副王として君臨し、時間と空間の法則を完全に超越した存在として描かれています。
つまり、過去・現在・未来の全ての時間に同時に存在し、あらゆる空間に偏在しているという、人間の理解を超えた神なんですね。

面白いのは、ヨグ=ソトースは「門にして鍵」と呼ばれることです。
他の邪神や旧支配者たちが私たちの世界に来るときは、必ずヨグ=ソトースという「門」を通らなければならないとされています。

系譜

ヨグ=ソトースの家系図は、とても興味深いものがあります。

神々の家系

ラヴクラフトの設定によると、ヨグ=ソトースは以下のような系譜を持っています。

親:

  • アザトース(盲目にして白痴の神)から生まれた「無名の霧」が親

兄弟的存在:

  • ナイアーラトテップ(這い寄る混沌)
  • シュブ=ニグラス(千匹の仔を孕みし森の黒山羊)

子孫:

  • クトゥルフをはじめとする多くの旧支配者

驚くことに、ヨグ=ソトースは人間の女性との間に子供をもうけたこともあるんです。
『ダニッチの怪』という物語では、ウェイトリー家の女性との間に双子の息子が生まれています。
一人は人間に近い姿のウィルバー、もう一人は言葉にできないほど恐ろしい姿の怪物でした。

姿・見た目

ヨグ=ソトースの姿は、見る者の正気を奪うほど異様なものです。

基本的な外見

最もよく知られている姿は次のようなものです:

虹色の球体の集合体

  • 絶えず形や大きさを変える
  • 一つ一つが太陽のように強烈な光を放つ
  • 玉虫色や極彩色に輝いている
  • 油膜のように虹色にきらめく

でも実は、この輝く球体は表面的な姿に過ぎません。
その奥底には、触角を持つ無定形の怪物の真の姿が潜んでいるとされています。

化身の姿

ヨグ=ソトースは「ウムル・アト=タウィル」という化身も持っています。
これはヴェールをまとった人間の姿をしており、銀の鍵を持つ者を窮極の門へと案内する役割を持っているんだとか。

特徴

ヨグ=ソトースには、他の神々にはない特別な能力があります。

主な能力と性質

時空の超越

  • 全ての時間(過去・現在・未来)に同時に存在
  • あらゆる空間に偏在している
  • 時空の制限を一切受けない

全知の存在

  • 宇宙の全ての情報を知っている
  • あらゆる世界の事象を内包している
  • アカシックレコード(宇宙の記録)そのものという説も

門としての機能

  • 他の次元や世界への入り口となる
  • 旧支配者たちが地球に来る際の通り道
  • 「門の鍵にして守護者」と呼ばれる

現実への影響

  • 現れると別の時空の法則が侵入してくる
  • 周囲に混沌をもたらす
  • 邪神の因子を散布することがある

性格的特徴

ラヴクラフトの手紙によれば、ヨグ=ソトースは「執念深い傾向で有名」だそうです。
全てを知る存在でありながら、人間と交わることもあるという、複雑な性格を持っているんですね。

伝承

ヨグ=ソトースにまつわる物語は、どれも恐ろしくも魅力的です。

ダニッチの怪事件(1928年)

最も有名な伝承がこれです。

マサチューセッツ州ダニッチ村で起きた恐怖の事件。
ウェイトリー家の女性ラヴィニアが、ヨグ=ソトースとの間に双子を産みました。
息子ウィルバーは、父なる神を地上に召喚しようと企み、ミスカトニック大学の図書館から『ネクロノミコン』という魔道書を盗もうとしましたが失敗。
結局、双子はどちらも悲惨な最期を遂げることになったんです。

チャールズ・ウォードの奇怪な事件

死者を蘇らせる呪文と、それを崩壊させる呪文の両方に、ヨグ=ソトースの名前が含まれているという話があります。
これは、ヨグ=ソトースが生と死の境界をも超越していることを示しているのかもしれません。

銀の鍵の門を越えて

主人公ランドルフ・カーターが、銀の鍵を使って窮極の門を通り、ヨグ=ソトースと対面する物語。
カーターは、ヨグ=ソトースが「一にして全、全にして一」の存在であることを悟ります。
自分自身もまた、ヨグ=ソトースの一部であることを知って衝撃を受けるんです。

出典

ヨグ=ソトースが登場する主な作品と文献:

ラヴクラフトの作品

  • 『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』(1927年) – 初登場作品
  • 『ダニッチの怪』(1929年) – 人間との混血児が登場
  • 『銀の鍵の門を越えて』(1932年) – その本質が明かされる

その他の重要文献

  • 『ネクロノミコン』(作中の魔道書) – 召喚方法が記載されているとされる
  • ラヴクラフトの手紙(Letter 617) – 神々の系譜が記されている

まとめ

ヨグ=ソトースは、クトゥルフ神話における最強クラスの超越的存在です。

重要なポイント

  • 時間と空間を完全に超越した「外なる神」の副王
  • 虹色に輝く球体の集合体として現れる
  • 「門にして鍵」として、次元間の通路となる
  • 全知の存在で、宇宙の全情報を内包している
  • 人間との間に子供をもうけたこともある
  • 「一にして全、全にして一」という究極の存在

私たちの理解を完全に超えた存在でありながら、どこか人間的な面も持つヨグ=ソトース。
もしかしたら今この瞬間も、あなたのすぐそばに、時空を超えて存在しているのかもしれませんね。

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