王を守る蛇の女神「ワジェト」って誰?古代エジプトのコブラ守護神を分かりやすく解説

神話・歴史・伝承

今回は、古代エジプト神話の守護女神「ワジェト(ウアジェト)」についてお話しします。

「ワジェトって初めて聞いた」「コブラの神さまなの?」そんな方も多いでしょう。

実は、ワジェトはとても重要な女神なんです。

ファラオの頭についているあの有名なコブラの飾りが、まさにワジェトなんですよ!

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ワジェトの名前は「緑の者」という意味

まず、「ワジェト(Wadjet)」という名前から見ていきましょう。

古代エジプト語で「緑の者」という意味があります。

古代エジプト国家そのものを象徴する女神

ワジェトは、特定の「父」や「母」がいる神ではありません。

むしろ、エジプト国家そのものの象徴として存在していました。

ワジェトと関連する神々

  • 下エジプトの守護神 → ナイル川下流地域を守る
  • ネクベトとペア → 上エジプトの守護神(ハゲワシの女神)と対になる
  • 太陽神ラーの「目」 → 王と神々を守る力の源

面白いのは、ワジェト(下エジプト)とネクベト(上エジプト)のペアが、エジプト全体の統一を象徴していたことです。

つまり、ワジェトは単なる地域の神ではなく、国全体を守る大切な存在だったんですね。

「ワジェトってどんな見た目なの?」気になりますよね。

美しく神秘的なコブラの女神

By RootOfAllLight – Own work based on: Wadjet (Deity).png by Eternal Space, CC BY 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=140879264

ワジェトの見た目は、エジプト神話の中でも最も象徴的な姿の一つです。

ワジェトの特徴的な姿

  • コブラの姿
  • 人間の体にコブラの頭
  • 頭上に赤冠や太陽円盤がある
  • 王の額に巻きついた蛇(ウラエウス)

特に有名なのが、ファラオの額についている蛇の飾り「ウラエウス」です。
これは単なる装飾品ではなく、王を神が守護している証とされていました。

つまり、ファラオの頭についているコブラは、まさにワジェトの力が宿っているとされていたんです。

セクメトなどと関連づけられ、メスライオンの頭を持つこともある。

神格・役割

ワジェトは、神格・役割についても見ていきます。

ワジェトの主な役割

  • 王の守護神 → ファラオの額に宿り、王たちを守護する
  • 太陽神ラーの目 → 敵を撃退する
  • 国家統一の象徴 → ネクベトと一緒に、エジプト統一の象徴となる

古代エジプトは、上と下で分かれていて、後に1つになりました。

この際、上エジプトのネクベト、下エジプトのワジェトがセットになったんです。

オシリス神話

By derivative work: A. Parrot (talk)La_tombe_de_Horemheb_(KV.57)(Vallée_des_Rois_Thèbes_ouest)-4.jpg: Jean-Pierre Dalbéra – La_tombe_de_Horemheb_(KV.57)(Vallée_des_Rois_Thèbes_ouest)-4.jpg, CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5611130

ワジェトには、オシリス神話で興味深い物語があります。

オシリス神話:

  1. セトがオシリスを殺害し、死体をバラバラにする
  2. オシリスの妻イシスがワジェトに息子ホルスを預け、夫の死体探しの旅を始める
  3. セトがオシリスの子を探す
  4. ワジェトは自分の領域にホルスを隠し、彼を守った

敵であるセトからホルス(未来の王)を守ったわけです。

まとめ

ワジェトについて、いかがでしたか?

今回のおさらい

  • ワジェトは「緑の者」という意味
  • 下エジプトの守護神で、国家の象徴的存在
  • コブラの姿や、人の体にコブラの頭が特徴
  • 王の額の「ウラエウス」として表される
  • 太陽神ラーの目として、ファラオを守る力を持つ
  • ネクベトとペアで、エジプト全体を守護
  • オシリス神話でホルスを敵から守る

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