毎年2月14日が近づくと、デパートやショコラティエにはチョコレートがズラリと並びます。
でも、ちょっと考えてみてください。そもそもバレンタインデーって、いつ、どこで始まったのでしょうか?「女性が男性にチョコを渡す日」と思っている人も多いかもしれませんが、実はこれ、世界的には珍しい習慣なんです。
この記事では、バレンタインデーの世界的な起源から、日本独自の「チョコを贈る文化」がいつ始まったのかまで、わかりやすく解説します。
【結論】バレンタインデーは約1700年前のローマで始まった

結論から言うと、バレンタインデーの起源は3世紀のローマ帝国にさかのぼります。
といっても、当時は「愛を告白する日」なんてロマンチックなものではありませんでした。もともとは、ある聖人の命日を悼む日だったんですね。
なぜ2月14日が「愛の日」になったのか?
聖ヴァレンティヌスの悲劇
話は3世紀のローマ帝国にさかのぼります。
当時の皇帝クラウディウス2世は、「恋人や家族がいると、兵士の士気が下がる」と考えました。
そこで若い兵士たちの結婚を禁止してしまいます。
これに異を唱えたのが、キリスト教の司祭ヴァレンティヌス(英語読みでバレンタイン)でした。
彼は皇帝の命令に背き、恋人たちのために密かに結婚式を執り行ったのです。
しかし、それが皇帝の耳に入り、ヴァレンティヌスは処刑されてしまいます。
その日が269年2月14日だったとされています。
「愛の日」になったのは1000年以上後のこと
ヴァレンティヌスの死後、2月14日は彼を悼む日として定着しました。
5世紀末には教皇ゲラシウス1世が正式に「聖バレンタインの日」と定めています。
ただし、この日が「恋人たちの日」として認識されるようになったのは、なんと14世紀ごろから。
つまり、ヴァレンティヌスの死から1000年以上も後のことなんです。
きっかけの一つとされているのが、イギリスの詩人チョーサーやシェイクスピア。
彼らが作品の中でバレンタインデーをロマンチックに描いたことで、「愛を伝える日」というイメージが広まっていきました。
また、当時のヨーロッパでは「2月14日は鳥たちが恋人を見つける日」と信じられていたそうです。なんとも詩的な発想ですよね。
日本のバレンタインはいつ始まった?

日本初のバレンタイン広告は1936年
日本にバレンタインデーが紹介されたのは、意外と早い時期でした。
1936年、神戸のチョコレートメーカー「モロゾフ」が、英字新聞『ジャパン・アドバタイザー』に広告を掲載。
「あなたの大切な人にチョコレートを贈りましょう」という内容でした。
これが、確認されている日本最初のバレンタインチョコの広告です。
ただ、当時は日中戦争の真っただ中。
嗜好品を楽しむ余裕もなく、この広告はほとんど反響がありませんでした。
戦後、チョコレート業界が再挑戦
戦争でいったん中断したバレンタイン普及の動きは、戦後に再開します。
1958年、東京のメリーチョコレートカンパニーが新宿・伊勢丹で「バレンタインセール」を開催。
手書きの看板を出して売り込みましたが、3日間で売れたのは板チョコ5枚とカード5枚だけだったそうです。
なかなか切ない結果ですよね。
でも、チョコレート業界は諦めませんでした。翌年にはハート型のチョコレートを発売し、「女性から男性へ贈る」というメッセージを打ち出します。
1970年代後半、ついに定着
その後も森永製菓や芥川製菓など、複数のメーカーがバレンタイン商戦に参入。新聞や雑誌で積極的に広告を出し続けました。
そして1970年代後半、ついにバレンタインデーは日本に定着します。
OLを中心にチョコレートを買う女性が増え、売り上げは右肩上がりに。
1980年代には「義理チョコ」という文化も誕生し、市場規模は3000億円を超えるほどになりました。
実は日本だけ?「女性からチョコを贈る」文化

ここで驚く事実をお伝えしましょう。
「女性から男性にチョコレートを贈る」のは、実は日本独特の風習なんです。
海外のバレンタインデーでは、チョコレートに限らず、花束やカード、アクセサリーなどを贈ります。
しかも、アメリカやフランス、イタリアなど多くの国では、男性から女性に贈るのが一般的。
なぜ日本だけ「女性から男性へ」になったのか?これには諸説ありますが、当時のチョコレート業界のキャッチコピー「一年に一度、女性から愛を打ち明けていい日」が影響したと言われています。
また、日本の男性は女性にプレゼントを贈る習慣があまりなかったため、「男性から女性へ」では定着しなかったという説もあります。
ホワイトデーも日本生まれ
ちなみに、3月14日の「ホワイトデー」も日本発祥の文化です。
「贈り物をもらったらお返しをする」という日本人らしい発想から生まれました。
福岡県の和菓子屋・石村萬盛堂や、全国飴菓子工業協同組合が「バレンタインのお返しにマシュマロやキャンディを」というキャンペーンを展開したのがきっかけとされています。
1984年には各地で品切れが続出するほど一般化しました。現在では中国、台湾、韓国などアジア圏にも広まっています。
まとめ
- 世界のバレンタイン:3世紀のローマで処刑された聖ヴァレンティヌスに由来。「愛の日」になったのは14世紀ごろ
- 日本のバレンタイン:1936年にモロゾフが広告を出したのが最初。定着したのは1970年代後半
- 「女性からチョコを贈る」文化:日本独自。チョコレート業界のマーケティングがきっかけ
- ホワイトデー:これも日本発祥。1980年代に定着
約1700年の歴史を持つバレンタインデー。もともとは悲しい殉教の日でしたが、今では世界中で愛を伝える日として親しまれています。
日本独自の「チョコを贈る文化」も、チョコレート業界の粘り強い努力があってこそ。今年のバレンタインは、そんな歴史に思いを馳せながらチョコレートを選んでみるのも良いかもしれませんね。


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