映画やゲーム、アニメで「ミカエル」「ガブリエル」という天使の名前を聞いたことはありませんか?
でも、「ウリエル」という名前はあまり知られていないかもしれません。
実はウリエルは四大天使の一人として、ミカエル・ガブリエル・ラファエルと並ぶ重要な存在なんです。
「ウリエルって誰?」「他の天使とどう違うの?」と思う方も多いでしょう。
この記事では、知恵と光を司る大天使ウリエルについて、その名前の意味から有名なエピソードまで、わかりやすく解説していきます。
ウリエルってどんな天使?

名前の意味
ウリエル(Uriel)という名前は、ヘブライ語で「神の光」または「神の炎」を意味します。
「Uri(ウリ)」が「光・炎」、「El(エル)」が「神」を表しているんです。
この名前の通り、ウリエルは光と知恵をもたらす天使として知られています。
別名として、以下のような呼び方もあります。
- アウリエル(Auriel)
- ファヌエル(Phanuel)
- ヌリエル(Nuriel)
四大天使としての位置づけ
ウリエルは、ミカエル・ガブリエル・ラファエルと並ぶ「四大天使」の一角を担っています。
それぞれの天使には異なる役割があります。
| 天使名 | 役割 |
|---|---|
| ミカエル | 戦いと守護の天使 |
| ガブリエル | 神の言葉を伝える使者 |
| ラファエル | 癒しと旅の守護者 |
| ウリエル | 知恵と光の天使 |
ただし、ウリエルには他の三大天使とは異なる特徴があります。
それは聖書の正典には名前が登場しないという点です。
ウリエルの名前が記されているのは、外典(がいてん)と呼ばれる書物なんです。
外典とは、聖書の正式な文書には含まれないけれど、宗教的に重要とされる文献のこと。
このため、カトリック教会では公式に認可されていませんが、ユダヤ教の伝統や東方正教会、英国国教会では重要な天使として崇拝されています。
ウリエルの役割と特徴
知恵と叡智の天使
ウリエルの最も重要な役割は、知恵とインスピレーションを人々に与えることです。
「知の大天使」とも呼ばれ、以下のような場面で人々を助けるとされています。
- 悩みや問題の解決策を見つけたいとき
- 新しいアイデアやひらめきが欲しいとき
- 試験勉強や仕事で集中力が必要なとき
- 人生の岐路で正しい道を選びたいとき
預言の解説者
外典の『第二エズラ書』では、ウリエルは預言者エズラに神の知恵を授ける天使として登場します。
エズラが神に様々な質問をした際、ウリエルが遣わされて七つの幻視の意味を解説したのです。
このエピソードから、ウリエルは預言や啓示を解き明かす役割を持つとされています。
自然現象を司る天使
『エノク書』によると、ウリエルは天におけるすべての発光体と地上の運行を司っています。
具体的には以下のような自然現象を管理していると考えられています。
- 太陽と天体の運行
- 季節の移り変わり
- 気象現象
- 地震や洪水などの自然災害
太陽の光のように人々に恵みを与える一方で、時には厳しい災害を通じて神の警告を伝える存在でもあるのです。
最後の審判での役割
『ペトロの黙示録』では、ウリエルは懺悔の天使として描かれています。
最後の審判の時には、地獄の門のかんぬきを折り、すべての魂を審判の席に座らせる役割を担うとされています。
厳格な裁きの天使という一面も持っているんです。
ウリエルの有名なエピソード

ノアに大洪水を知らせた天使
ウリエルが最も有名なのは、ノアの方舟の物語での役割です。
神が人間の堕落を嘆き、大洪水で世界を滅ぼそうとした時、唯一信仰深かったノアの夢にウリエルが現れました。
ウリエルはノアに大洪水が迫っていることを告げ、方舟の詳しい設計図を示したと言われています。
さらに、地上の動物が滅びないよう、動物たちをそれぞれ雄と雌で方舟に乗せるよう命じたのです。
エデンの園を守る天使
ヘブライの伝承『アダムとイヴの生涯』では、ウリエルは炎の剣を持ってエデンの園の門を守る天使の一人とされています。
アダムとイヴが追放された後も、園を守り続けていたんです。
また、堕天使がエデンの園に侵入しようとした時、最初にそれを見破ったのがウリエルだったという伝承もあります。
「天国で最も鋭敏な視力を持つ者」と呼ばれる所以ですね。
エノクを天国へ導いた天使
『エノク書』では、ウリエルはエノクを天国へ引き上げ、天国の案内役を務めました。
神の秘密をエノクに教え、天界の仕組みを解説したのです。
このエピソードも、ウリエルが知恵と啓示の天使であることを示しています。
ウリエルの象徴と描かれ方
持ち物と象徴
西洋美術において、ウリエルは以下のような持ち物とともに描かれることが多いです。
- 本や巻物 ── 知恵と叡智の象徴
- 炎 ── 神の光と真理の象徴
- 太陽 ── 天体を司る役割を示す
- 剣 ── エデンの園を守る役割を示す
イメージカラー
ウリエルと結びつけられる色は以下の通りです。
- 赤 ── 炎を象徴
- 黄色・金色 ── 太陽の光を象徴
- シャンパンゴールド ── 神聖な輝きを表現
他の天使との違い
ウリエルは他の大天使とは異なる雰囲気で描かれることが多いです。
ミカエルのような勇ましい戦士でもなく、ガブリエルのような伝令でもありません。
むしろ哲学者や賢者のような姿で、静かな威厳と神秘性を持つ存在として表現されます。
ウリエルの歴史と宗教的な扱い
745年の教会会議
ウリエルの歴史において重要な出来事があります。
745年、ローマ教皇ザカリアスは教会会議を開き、聖書正典に名前が記されているミカエル・ガブリエル・ラファエル以外の天使の崇拝を禁止しました。
これは民間での天使信仰が過熱しすぎたためです。
この決定により、ウリエルはカトリック教会では公式に認可されない天使となりました。
一時期は「堕天使」の烙印を押されたこともあったのです。
現在の扱い
しかし、ウリエルへの信仰は完全には失われませんでした。
以下の宗派では、現在もウリエルは重要な大天使として崇拝されています。
| 宗派 | ウリエルの扱い |
|---|---|
| 東方正教会 | 七大天使の一人として崇拝 |
| エチオピア正教会 | 旧約聖書の一部としてエノク書を認定 |
| 英国国教会 | 四大天使として認識 |
| ロシア正教会 | 重要な大天使として崇拝 |
祝日
ウリエルを祝う日も宗派によって異なります。
- 11月8日 ── 東方正教会(大天使ミカエルと諸天使の祝日)
- 7月11日 ── エチオピア正教会
ウリエルと他の四大天使の比較
四大天使それぞれの特徴を比較してみましょう。
ミカエルとの違い
ミカエルは「神に似た者」という意味を持ち、戦いと守護を司ります。
悪と戦う勇敢な戦士として描かれることが多いです。
一方、ウリエルは直接的な戦いよりも、知恵を通じて人々を導く役割を持っています。
ガブリエルとの違い
ガブリエルは「神の力」を意味し、神の言葉を伝える使者です。
受胎告知でマリアに現れた天使としても有名ですね。
ウリエルも啓示を伝える役割を持ちますが、単なる伝令ではなく知恵の解説者としての性格が強いです。
ラファエルとの違い
ラファエルは「神は癒す」という意味を持ち、癒しと旅の守護を司ります。
病気や怪我からの回復を助ける優しい天使です。
ウリエルは心身の癒しよりも、精神的な導きや知的なサポートを専門としています。
現代文化に登場するウリエル
文学作品
ウリエルは多くの文学作品に登場しています。
- ジョン・ミルトン『失楽園』 ── 「天国で最も鋭敏な視力を持つ者」「太陽の摂政」として描写
- ラルフ・ウォルド・エマーソンの詩『ウリエル』 ── 楽園の若き神として表現
ゲーム・アニメ・漫画
現代のエンターテイメントでも、ウリエルは人気のキャラクターです。
- 『ダークサイダーズ』シリーズ ── 四大天使の一人として登場
- 『スーパーナチュラル』 ── 天使のキャラクターとして登場
- 各種ファンタジーRPG ── 知恵や光を司る天使として登場
多くの作品で、厳格で沈着冷静な知識の導師として描かれる傾向があります。
まとめ
大天使ウリエルは、知恵と光を司る四大天使の一角です。
聖書正典には登場しないため知名度は低いかもしれませんが、ユダヤ教の伝統や東方正教会では重要な存在として崇拝されています。
ウリエルの主な特徴
- 名前は「神の光」「神の炎」を意味する
- 知恵・叡智・インスピレーションを授ける天使
- ノアに大洪水を知らせた天使として有名
- エデンの園を炎の剣で守る役割も持つ
- 最後の審判では地獄の門を開く役割を担う
ミカエルのような戦士でもなく、ガブリエルのような伝令でもありません。
ウリエルは知恵と覚悟の火を灯す、静かなる導き手なのです。
人生に迷いを感じた時、新しいアイデアが欲しい時、ウリエルの存在を思い出してみてください。
その光は、暗闇の中であなたの道を照らしてくれるかもしれません。


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