夜道で赤ちゃんを抱いた女性に出会ったら…。
そんな状況を想像すると、なんだかドキドキしませんか?もしかすると、その女性は産女(うぶめ)という妖怪かもしれません。
産女は、日本の妖怪の中でも特に深い意味を持つ存在です。
単なる恐ろしい化け物ではなく、母親の愛と悲しみが形になった、とても人間らしい妖怪なのです。
この記事では、産女の正体から見た目、特徴、そして全国に残る興味深い伝承まで、わかりやすくご紹介します。
産女(うぶめ)とは?

産女とは、お産の時や産後すぐに亡くなった女性の霊のことです。
読み方は「うぶめ」といい、古くから日本各地で語り継がれてきました。
- 初出:平安時代の『今昔物語集』など
- 登場地域:京都、奈良、東北地方、九州など全国各地
昔は医療技術が発達していなかったため、お産で命を落とす女性がたくさんいました。
そうした女性たちをちゃんと供養しないと、産女になったとされる。
では、そんな産女はどのような姿で現れるのでしょうか?
姿・見た目:産女ってどんな姿?
「産女って、実際どんな見た目をしているの?」と気になりますよね。
各地の言い伝えをまとめると、いくつかの共通した特徴があります。
外見の特徴
- 血のついた腰巻きを着ている
- 髪は長い
- 手には赤ちゃんを大切そうに抱いている
出産時に死んだ女性の妖怪なので、上記のような姿をしている。
では、産女に出会ったら何が起こるのでしょうか?
特徴:産女の行動
産女の最大の特徴は、赤ちゃんを抱かせようとすること
産女の行動
- 夜道で人に近づいてくる
- 「この子を抱いてください」とお願いする
- 赤ちゃんを渡そうとする
- 抱くと、赤ちゃんはいつの間にか石になっていたり、産女から力をもらったりする
- 逃げると不幸が起きたりする
赤ちゃんを抱いてあげると時にお礼をくれる。
そんな産女について、実際にどんな話が残っているのでしょうか?
伝承:日本各地に伝わる産女の話
日本全国には、産女にまつわる様々な伝承が残っています。
今回は、怪力の話を紹介する。
怪力になった男
夜道を歩いていた男性の前に、赤ちゃんを抱いた女性が現れました。
女性は「この子をお願いします」と言って、赤ちゃんを差し出します。
男性が受け取ると、最初は軽かった赤ちゃんが徐々に重くなり、最後には石のように重くて動けなくなってしまいました。
慌てた男性がお経を唱えると、女性は安らかな表情で消えてしまった。
後日、男はとてつもない怪力になっていた。
まとめ
産女の記事まとめ
- 産女は出産で亡くなった母親の霊
- 出産時の血だらけの姿
- 通行人に子供を抱かせようとしてくる
- 抱くと怪力などのお礼をもらえる
- 全国各地に伝承が残っている
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