「世界のはじまりには何があったのか?」
この問いに対し、バビロニア神話はとても印象的な答えを持っています。
それが、原初の海の女神ティアマト(Tiamat)の物語。
ティアマトは、海そのものであり、母であり、そして破壊の象徴でもあります。
この記事では、ティアマトのすべてをわかりやすく解説します!
系譜(かぞく)

ティアマトは、原初の”母”なる女神です。
- 夫:アプスー(淡水の神) → 世界の秩序を求めるが、若い神々を滅ぼそうとする
- 子どもたち:ラハム、ラフム、11の怪物
子供のラハムとラフムがアンシャルとキシャルを生み、アンシャルとキシャルが次世代の神たちを生む。
姿・見た目

ティアマトの姿は、一般的には嵐をおこすドラゴン(竜)または海蛇だとされる。
だが、神話の中で人間の体の部位らしき記述もあるので、必ず竜とも言えない。
神格・神性
ティアマトの持つ神格はとても複雑で多面的です。
- 原初の海の女神
- 塩水の女神
- すべての神の母
- 神々の敵
原初の海の女神で、塩水を象徴している。
神話でのエピソード

ティアマトは『エヌマ・エリシュ』に登場し、この神話では次のような物語が描かれます。
序盤:
- ティアマトとアプスーが神々を生む
- アプスーが「神々がうるさい」と怒り、滅ぼそうとする
- エア(知恵の神)がアプスーを倒す
中盤:
- 夫の死にティアマトが激動する
- 11の怪物(ムシュフシュなど)を生み出し、神々と敵対する
終盤:
- マルドゥクがティアマトに挑む
- 激しい戦いの末、マルドゥクがティアマトを切り殺す
- ティアマトの遺体から世界を想像する
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
系譜 | アプスーの妻、すべての神の母 |
姿 | ドラゴンや海蛇 |
神格 | 原初の海・塩水・すべての神の母 |
神話 | 『エヌマ・エリシュ』でマルドゥクに倒され、世界の素材にされる |
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