突然ですが、もし誰かが手のひらであなたを見つめていたら…なんだか不気味な気持ちになりませんか?
日本には、まさにそんな姿をした手目坊主(てめぼうず)という、とても珍しい妖怪がいるんです。
手目坊主は、江戸時代の妖怪絵巻に登場する独特な妖怪で、「顔ではなく手のひらで見る」という驚きの特徴を持っています。
一見すると奇妙で不気味ですが、実は深い意味が込められた、とても興味深い存在なんです。
この記事では、手目坊主の正体から驚きの見た目、その象徴的な意味、そして江戸時代から語り継がれる興味深い伝承まで、詳しくご紹介します。
手目坊主ってどんな妖怪?

手目坊主とは、手のひらに目がある僧侶の姿をした妖怪です。
江戸時代の妖怪絵巻に描かれ、現代まで語り継がれている独特な存在です。
- 姿:手のひらに目がある盲人の坊主
- 特徴:人を襲い、食べる
- 別名:手の目(てのめ)
伝承
手目坊主の伝承は、主に江戸時代の文献や絵巻物に記録されています。
復讐相手の顔を見たい!
夜道を歩く旅人の前に、両手のひらに目玉のある盲人が現れ、その目で何かを探していました。
驚いた旅人が宿で事情を話すと、宿の主人が説明しました。
数日前にその場所で盲人が悪党に殺されて金を奪われ、「悪党の顔を一目見たい、目が見えないならせめて手に目があれば」という強い怨みが手の目という妖怪を生み出したということでした。
肝試しで現れたのは…
京都の七条河原で肝試しをしていた男が、手のひらに目玉のある80歳ほどの化け物に襲われました。
男は近くの寺に逃げ込み、僧に頼んで長持ちの中に隠れましたが、化け物が追いかけてきて犬が骨をかじるような音を立てました。
やがて化け物が去った後、長持ちを開けると男は骨を抜き取られて皮だけになっていたという恐ろしい話です。
まとめ
手目坊主は、単なる奇怪な見た目の妖怪ではなく、「見ることへの渇望」や「復讐への執念」といった人間の深い感情を象徴する存在です。
重要なポイント
- 手のひらに目を持つ僧侶の姿
- 江戸時代の妖怪絵巻に記録された存在
- 盲人の怨念から生まれた復讐の化身
- 「見る」ことへの強い願望の象徴
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