夕暮れ時、僧侶のような格好をした人が懐から柿をポロポロと落としながら歩いているのを見かけたら、あなたはどう思いますか?
宮城県仙台市の人々にとって、それは普通の僧侶ではありませんでした。
それは柿の木の怨念から生まれた不思議な妖怪「タンタンコロリン」だったのです。
この記事では、宮城県に伝わる哀しい柿の妖怪「タンタンコロリン」について詳しくご紹介します。
タンタンコロリンってどんな妖怪なの?

タンタンコロリンは、宮城県仙台市に伝わる柿の木の妖怪です。
人間のために一生懸命柿の実を実らせたのに、誰にも食べてもらえずに放置された柿の木の怨念から生まれたとされています。
僧侶のような入道の姿で現れ、懐にたくさんの柿を入れて夕暮れ時に彷徨い歩き、ポロポロと柿を落としていく哀しい妖怪なんです。
姿・見た目
タンタンコロリンの姿は、とても印象的で哀愁に満ちています。
基本的な特徴
- 僧侶のような姿: 入道の格好をしている
- 懐に柿: 服の袂や懐に柿の実をたくさん入れている
- 歩く姿: 夕暮れ時に町中を彷徨い歩く
特徴
タンタンコロリンには独特な出現パターンがあります。
出現
- 時期: 柿の実を採らずに放置した時
- 時間: 夕暮れ時
- 場所: 柿の木のある家から町中へ
行動パターン
- 家から現れて町中を歩き回る
- 懐の柿をポロポロと落とし続ける
- 元の家の前で姿を消す
伝承

タンタンコロリンの伝承は複雑で、いくつかの説があります。
基本的な物語
柿の木の怨念
- 人間のために美味しい柿の実をたくさん実らせた
- しかし誰にも食べてもらえずに放置された
- その怨念から妖怪として現れるようになった
宮城県の柿の妖怪伝承
宮城県には柿の妖怪に関する話がたくさん残されています。
寺の小僧の話
- ある男が寺の小僧に「自分の糞を食べろ」と言った
- 小僧が仕方なく食べると、とても美味しい柿の味がした
- 男の正体を調べると、山の柿の木の精だった
女中の話
- 屋敷の女中が庭の柿を食べたいと思っていた
- 夜中に赤い顔の大男が現れて尻をほじらせた
- それは甘い柿の味で、翌朝柿の実に穴が開いていた
まとめ
タンタンコロリンは、人間への優しさが報われなかった哀しい妖怪です。
重要なポイント
妖怪の特徴
- 柿の木の怨念から生まれた妖怪
- 僧侶のような大入道の姿
- 夕暮れ時に柿を落としながら歩く
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