真夜中のホテルの廊下を、誰もいないはずなのに子供の足音が走り回る……。
ロビーに突然現れる老紳士の姿、誰も弾いていないピアノから流れる不気味な旋律。
これは映画の話ではなく、アメリカのコロラド州にある「スタンリー・ホテル」で実際に起きている出来事なんです。
この記事では、100年以上も幽霊が住み着く世界最恐のホテル「スタンリー・ホテル」について、その恐ろしい現象と語り継がれる伝承を詳しくご紹介します。
概要
幽霊ホテルとは、心霊現象が頻繁に起きることで知られる宿泊施設のことです。
その中でもスタンリー・ホテルは、アメリカのコロラド州エステスパークにある、世界で最も有名な幽霊ホテルとして知られています。1909年に富裕層向けのリゾートホテルとして建設され、当時は宿泊客一人一人に専用の車と使用人まで提供するという、とても豪華な施設でした。
しかし現在では、その優雅な外観とは裏腹に、「泊まると必ず心霊現象に遭遇する」という恐ろしい評判で世界中に知られるようになったんです。
このホテルが特別なのは、ただ幽霊が出るだけじゃないところ。
なんと今でも普通に営業していて、誰でも宿泊できるうえに、ホテル側が堂々と「ゴーストツアー」まで開催しているという、ある意味開き直った姿勢なんですね。
伝承
スタンリー・ホテルにまつわる伝承の中で、最も有名なのが1974年の冬に起きた出来事です。
スティーヴン・キングの恐怖体験
ある冬の日、後にホラー小説の巨匠となる作家スティーヴン・キングが家族とともにこのホテルに宿泊しました。
実はこの時、ホテルは冬季閉館中。大雪で行く場所を失った彼らを、ホテル側が特別に泊めてくれたんです。客は彼ら家族だけ、従業員もほとんどいない、まるで廃墟のような静寂に包まれたホテル。
その夜、キングは奇妙な夢を見ます。
自分の息子が何かに怯えながら、見知らぬ女の子を追いかけ回すという、不気味で意味不明な悪夢でした。
この体験がきっかけとなって生まれたのが、あの有名なホラー小説『シャイニング』なんです。映画化もされて世界的大ヒットとなり、スタンリー・ホテルは一躍「世界一有名な幽霊ホテル」になりました。
4階の恐怖
スタンリー・ホテルで最も危険とされるのが4階です。
4階で起きる心霊現象
- 子供の足音:真夜中になると、廊下を走り回る子供たちの足音が響く
- 壁をすり抜ける女性:白い服を着た女性が壁を通り抜ける姿が目撃される
- 勝手に動く家具:誰もいない部屋で家具が勝手に移動する
- ドアの開閉:鍵をかけたはずのドアが勝手に開く
これらの現象について、地元では「かつてホテルで働いていた従業員一家の霊」という説が有力です。どんな悲劇があったのか詳細は不明ですが、100年以上の歴史の中で、何か恐ろしい出来事があったのかもしれません。
その他の目撃情報
4階以外でも、ホテル全体でさまざまな幽霊が目撃されています。
主な幽霊の目撃例
- 階段の2人の女の子:いつも手をつないで立っている双子のような少女
- ピアノを弾く霊:誰もいない音楽室から聞こえるピアノの音
- ロビーの老紳士:ホテルの創業者と思われる男性の霊
興味深いのは、これらの霊が必ずしも悪意を持っているわけではないということ。
むしろ、今でもホテルを愛し、客をもてなそうとしているかのような行動も報告されているんです。
世界の幽霊ホテル
実は、幽霊が出るホテルはスタンリー・ホテルだけじゃありません。
マートルズプランテーション・ホテル(アメリカ・ルイジアナ州)
農場主の元愛人「クロエ」の霊が有名。彼女は主人の妻子を毒殺した罪で処刑されたという悲しい過去があり、今でもホテルのどこかに現れるそうです。
ザ・ランガム・ロンドン(イギリス・ロンドン)
1865年創業の由緒正しいホテル。333号室には男性の霊が住み着いており、なんとナポレオン3世やドイツ皇帝の霊など、歴史上の人物の霊も目撃されているとか。
ラッセル・ホテル(オーストラリア・シドニー)
元々は病院だった建物。5号室に現れる看護師の霊が有名で、誰もいないはずの場所から視線を感じたり、急に部屋が寒くなったりする現象が報告されています。
まとめ
スタンリー・ホテルは、単なる心霊スポットを超えた、生きた伝説となっているホテルです。
重要なポイント
- 1909年創業の100年以上の歴史を持つホテル
- 4階が最も危険で、子供の霊や女性の霊が頻繁に出現
- スティーヴン・キングの『シャイニング』のモデルになった
- 現在も営業中で、ゴーストツアーまで開催している
- 世界中に同様の幽霊ホテルが存在し、それぞれに悲しい歴史がある
もしあなたが勇気があるなら、実際にスタンリー・ホテルに泊まってみるのはどうでしょうか。
ただし、4階の部屋だけは……覚悟が必要かもしれませんね。
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