ギルガメシュやイシュタルという名前を聞いたことはありませんか?
これらは実は、紀元前4000年以上前に古代メソポタミアで生まれたシュメール神話に登場する神々や英雄たちの名前です。
シュメール神話は「世界最古の神話」と呼ばれ、後のバビロニア神話やアッシリア神話だけでなく、旧約聖書の「ノアの方舟」や「エデンの園」の物語にまで影響を与えたとされています。
でも、「名前は聞いたことあるけど、どんな神様なの?」「たくさんいてよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、シュメール神話に登場する神々を、役割や神話エピソードとともに一覧形式でわかりやすくご紹介します。
シュメール神話とは?

世界最古の文明が生んだ神話
シュメール文明は、紀元前4500年から4000年頃に現在のイラク南部(メソポタミア地方)で興った人類最古の都市文明です。
シュメール人は世界で初めて文字(楔形文字)を発明し、その粘土板に神々の物語を記録しました。
紀元前3000年紀の文献には、すでにアヌ、エンリル、ニンフルサグ、エンキという4柱の主要な神々が登場しています。
シュメール神話の世界観
シュメール人は、世界が閉じたドーム状の構造だと考えていました。
- 天上界(アン):天空の神アンが支配する領域
- 地上界(キ):大地の女神キが司る人間の世界
- 地下世界(クル):死者が向かう冥界
- アプスー:地下に広がる淡水の海
この宇宙の中で、神々は人間の運命を決定し、自然現象を司っていたとされています。
神々の数と分類
ウル第三王朝(紀元前2112年〜2004年頃)の時代には、シュメールのパンテオン(神々の体系)には3600柱もの神々が存在すると考えられていました。
これらの神々は主に以下のように分類されます。
- アヌンナ:「アヌの子孫たち」の意味で、大部分の神々がこれに含まれる
- アヌンナキ:エンリルやイナンナを含む「地上・冥界の審判者」として機能する7柱の神々
- イギギ:天界で働く若い神々の集団
天を定める七神──最高位の神々
シュメールのパンテオンで最も重要とされるのが「天を定める七神」と呼ばれる神々です。
この7柱の神々が、宇宙の秩序と人間の運命を決定する最高会議を構成していました。
| 神名 | 司る分野 | 主な都市 |
|---|---|---|
| アン(Anu) | 天空、王権 | ウルク |
| エンリル(Enlil) | 風、嵐、大気 | ニップル |
| エンキ(Enki) | 淡水、知恵、魔術 | エリドゥ |
| ニンフルサグ(Ninhursag) | 大地、豊穣、出産 | ケシュ |
| ナンナ(Nanna) | 月、知恵 | ウル |
| ウトゥ(Utu) | 太陽、正義 | シッパル |
| イナンナ(Inanna) | 愛、戦争、豊穣 | ウルク |
主要な神々の詳細解説

アン(An/Anu)──天空の最高神
基本情報
- 別名:アヌ(アッカド語)
- 司る分野:天空、王権、神々の権威
- 主な都市:ウルク
- シンボル:角冠(神格を示す)
どんな神様?
アンは「天」を意味し、シュメールのパンテオンにおける最高神です。
天空そのものを司り、雷鳴は彼が天の牛として吠える声だと考えられていました。
すべての神々の権威の源泉であり、他の神々が力を得るときは「アヌの力(アヌートゥ)」を授かると表現されました。
特徴と役割
アンは後に息子エンリルに実質的な支配権を譲りましたが、その崇高な地位は維持されました。
神々の会議の最終決定者として君臨し、人間が直接祈ることは稀で、下位の神々を通じて願いを伝えました。
配偶者は大地の女神キ(またはアントゥ)で、二人の結合からアヌンナキと呼ばれる神々が生まれたとされています。
エンリル(Enlil)──神々の実質的な王
基本情報
- 別名:エッリル、ヌナムニル
- 司る分野:風、嵐、大気、農業
- 主な都市:ニップル
- 神殿:エクル(「山の家」の意)
どんな神様?
エンリルはシュメールのパンテオンで最も強力な実質的支配者でした。
アンの息子として、天と地を分離し、神々と人間の世界を秩序立てた存在とされています。
「風の神」として恵みの雨をもたらす一方、洪水や嵐で人類を脅かす恐ろしい側面も持っていました。
有名なエピソード
エンリルは若い頃、美しい女神ニンリルを河辺で見初め、彼女を犯してしまいます。
この罪により、エンリルは神々から追放され冥界へ落とされました。
ニンリルはエンリルを追いかけ、冥界で月の神ナンナを含む子どもたちを産みました。
最終的にエンリルは許され、神々の王として復帰したのです。
大洪水神話での役割
エンリルは人類の騒がしさに怒り、大洪水で人類を滅ぼそうとした神としても知られています。
しかし、エンキが人間のジウスドラ(後のノア)に船を造るよう警告したため、人類は生き延びることができました。
エンキ(Enki)──知恵と人類の守護者
基本情報
- 別名:エア(アッカド語)
- 司る分野:淡水、知恵、魔術、技術、創造
- 主な都市:エリドゥ
- 神殿:エアブズ(「水の家」の意)
- シンボル:山羊と魚が合体した姿、流れる水
どんな神様?
エンキは知恵と創造の神で、シュメールの神々の中で最も人間に親しみやすい存在でした。
地下の淡水の海「アプスー」を支配し、灌漑農業や魔術、医学の知識を人間にもたらしました。
魚の皮膚を持つ人間の姿で描かれることもあり、水による創造と浄化の力を象徴しています。
人類創造の神話
神々の代わりに働く存在として、エンキは母神ナンムと共に粘土から人間を創造しました。
別の神話では、エンキと女神ニンマフが人間を創る競争をし、様々な形態の人間を生み出したとされています。
大洪水での救済
エンリルが人類を滅ぼそうとした大洪水の際、エンキは葦の壁を通じてジウスドラに洪水の到来を警告。
「船を作り、家族と動物の種を乗せよ」と助言し、人類を救いました。
この物語は、後の「ノアの方舟」の原型となったと考えられています。
イナンナの冥界下りでの役割
女神イナンナが冥界で死んでしまった際、他の神々が見捨てる中、エンキだけが救出に動きました。
エンキは自らの爪の垢から性別のない存在「ガラトゥッラ」と「クルガッラ」を作り、冥界に送り込んでイナンナを蘇らせたのです。
ニンフルサグ(Ninhursag)──大地の母神
基本情報
- 別名:ニンマフ(偉大な女王)、ニントゥ(出産の女王)、マミ/マンマ(母)
- 司る分野:大地、豊穣、出産、野生動物
- 主な都市:ケシュ、アダブ
- シンボル:Ω(オメガ)型の子宮の象徴
どんな神様?
ニンフルサグは「聖なる山の女神」を意味し、母神として最も古い女神の一柱です。
出産と豊穣を司り、多くのシュメール王たちの「乳母」として神話に登場します。
野生動物、特に鹿との結びつきが強く、山々に住む動物たちの守護者でもありました。
エンキとの神話
ニンフルサグはエンキの配偶者としても知られ、二人の結合は「乾いた大地が水で潤される」ことを象徴していました。
ある神話では、エンキが次々と女神たちと関係を持ち、ニンフルサグが呪いをかけるものの、最終的に和解するという物語が語られています。
ナンナ(Nanna/Sin)──月の神
基本情報
- 別名:シン、スエン(アッカド語)、ディリンババル
- 司る分野:月、知恵、時の流れ、牧畜
- 主な都市:ウル
- 神殿:エキシュヌガル(「偉大な光の家」の意)
- シンボル:三日月、牡牛
どんな神様?
ナンナはメソポタミアで最も古い神々の一柱で、月の満ち欠けを司りました。
三日月の形をした船に乗って夜空を渡り、すべてを見守る存在として崇められていました。
牧畜、特に牛の繁殖と乳製品の生産に深く関わる神でもあります。
家族関係
エンリルとニンリルの息子として、冥界で生まれました。
配偶者は葦の女神ニンガルで、二人の間に太陽神ウトゥと愛の女神イナンナが生まれています。
ナンナのニップル旅行
有名な神話では、ナンナがウルから船に贈り物を積んでニップルの父エンリルを訪ねる旅が描かれています。
この旅は春の祭りと関連し、ナンナが父から祝福を受けて都市ウルに繁栄をもたらすという内容です。
ウトゥ(Utu/Shamash)──太陽と正義の神
基本情報
- 別名:シャマシュ(アッカド語)
- 司る分野:太陽、正義、真実、神託
- 主な都市:シッパル、ラルサ
- 神殿:エババル(「輝く家」の意)
- シンボル:太陽の円盤、のこぎり状の光線
どんな神様?
ウトゥは太陽神であり、正義の神です。
毎日、東の山から馬車で空を駆け抜け、太陽の光であらゆるものを照らし出すとされました。
その光は人の心の奥まで見通すため、嘘や不正を暴く裁判の神としても信仰されました。
ギルガメシュ叙事詩での役割
英雄ギルガメシュの守護神として、冒険を助けました。
特に、フンババという怪物を倒す際には、ウトゥがギルガメシュに風を送って援護したとされています。
双子の関係
初期のシュメール神話では、ウトゥとイナンナは双子の兄妹とされていました。
太陽と金星(イナンナが司る)は、どちらも空で最も明るい天体として崇められていたのです。
イナンナ(Inanna/Ishtar)──愛と戦争の女神
基本情報
- 別名:イシュタル(アッカド語)、天の女王
- 司る分野:愛、美、性愛、戦争、豊穣
- 主な都市:ウルク
- 神殿:エアンナ(「天の家」の意)
- シンボル:八芒星、ライオン、金星
どんな女神?
イナンナはシュメール神話で最も人気があり、最も複雑な女神です。
愛と美を司る一方で、戦争と破壊も担う二面性を持ち、数々の神話で主役を務めました。
金星(明けの明星・宵の明星)と同一視され、その輝きと消失が神話として語られています。
イナンナの冥界下り
最も有名な神話は「イナンナの冥界下り」です。
イナンナは姉であり冥界の女王エレシュキガルの夫の葬儀に参列するため、冥界へと下ります。
冥界の七つの門を通るたびに、王冠、首飾り、胸飾りなど神聖な装飾品を一つずつ脱がされました。
最終的に裸で姉の前に立たされ、冥界の裁判官アヌンナキに有罪とされて殺されてしまいます。
復活と代償
エンキの助けで蘇ったイナンナでしたが、冥界から戻るには身代わりが必要でした。
地上に戻ると、夫ドゥムジが自分の死を悼むどころか、豪華な服を着て玉座に座っていました。
激怒したイナンナはドゥムジを冥界に送りましたが、後に悔いて、ドゥムジと妹ゲシュティナンナが半年ずつ冥界に留まることで決着。
この物語は季節の移り変わりの起源を説明するものと解釈されています。
冥界の神々
エレシュキガル(Ereshkigal)──冥界の女王
基本情報
- 別名:イルカルラの女王、キガルの女王
- 司る分野:冥界、死者の支配
- 配偶者:グガランナ(天の牡牛)、後にネルガル
- 居住地:冥界(クル・ヌ・ギ・ア=「還ることのない土地」)
どんな女神?
エレシュキガルは冥界を支配する女王で、イナンナの姉です。
「大いなる地の女王」を意味し、一度彼女の領域に入った者は二度と地上に戻れないとされました。
イナンナの華やかさとは対照的に、暗く孤独な存在として描かれています。
イナンナとの関係
イナンナの冥界下りでは、姉エレシュキガルが妹を殺す役割を担いました。
しかし、これは単なる姉妹の争いではなく、「生」と「死」という相反する力の衝突を象徴しています。
ネルガルとの結婚
後の神話では、戦争と疫病の神ネルガルがエレシュキガルの夫となりました。
ネルガルは一度エレシュキガルに捕らえられますが、脱出。しかしエレシュキガルは彼を夫として望み、最終的に二人は冥界を共に支配することになります。
ドゥムジ(Dumuzi/Tammuz)──植物と羊飼いの神
基本情報
- 別名:タンムズ(アッカド語)
- 司る分野:羊飼い、植物の成長と死、豊穣
- 関係:イナンナの夫、ゲシュティナンナの兄
どんな神様?
ドゥムジは羊飼いと植物の神で、イナンナの恋人・夫として知られています。
彼の名前は「忠実な息子」を意味し、春の植物の成長と冬の枯死を象徴する神でした。
冥界での運命
イナンナの冥界下りの神話で、ドゥムジは妻の死を悼まなかったために冥界に送られます。
太陽神ウトゥの助けで一時は逃げますが、最終的に捕らえられました。
妹ゲシュティナンナの嘆願により、一年の半分を冥界で、半分を地上で過ごすという取り決めがなされます。
この神話は、季節の循環と植物の死と再生を説明するものとして広く信仰されました。
原初の神々と創造神話
ナンム(Nammu)──原初の海の女神
基本情報
- 司る分野:原初の海、創造
- 役割:天(アン)と地(キ)を生んだ母神
どんな女神?
ナンムは天地が分かれる前から存在した原初の海そのものです。
宇宙の最初の存在として、天の神アンと地の女神キを生み出しました。
蛇の頭を持つ姿で描かれることもあり、すべての創造の源泉とされています。
後の時代には、エンキの母としても語られるようになりました。
シュメールの創世神話
シュメールの創世神話は、主にギルガメシュ叙事詩の序文などから知られています。
世界の始まり
- 最初は原初の海ナンムだけが存在していた
- ナンムから天(アン)と地(キ)が一体となった山が生まれた
- アンとキからエンリルが生まれた
- エンリルが天と地を分離し、アンが天を、エンリルとキが地を支配した
人間の創造
- 神々は食料を得るために下位の神々に農作業をさせていた
- イギギと呼ばれる若い神々が重労働に反乱を起こした
- エンキが神々に代わって働く存在として人間を創ることを提案
- 母神ナンムが粘土から人間を作り、ニンマフがそれを手伝った
- 人間は神々に仕え、神殿を維持するために創られた
その他の重要な神々
ニンギルス/ニヌルタ(Ningirsu/Ninurta)──戦争と農業の神
基本情報
- 司る分野:戦争、農業、風
- 主な都市:ギルス、ラガシュ
- 関係:エンリルとニンフルサグの息子
エンリルの息子として、嵐と戦争を司りました。
農業の灌漑にも関わり、ラガシュ王国の守護神として深く崇敬されています。
ナンシェ(Nanshe)──魚と社会正義の女神
基本情報
- 司る分野:海、魚、漁業、夢占い、社会正義
- 主な都市:ラガシュ
ナンシェは正義と公正を司り、貧しい者や孤児の保護者として信仰されました。
新年の祭りでは、人々の行いを審判する女神として重要な役割を果たしています。
ネルガル(Nergal)──疫病と戦争の神
基本情報
- 司る分野:疫病、戦争、火、死
- 主な都市:クタ
- 関係:エレシュキガルの夫
もともと戦争と疫病の恐ろしい神でしたが、冥界の女王エレシュキガルと結婚してからは、共に冥界を支配する存在となりました。
ニンリル(Ninlil)──大気の女神
基本情報
- 司る分野:大気、穀物
- 主な都市:ニップル
- 関係:エンリルの妻
エンリルに誘惑された女神で、月の神ナンナを含む複数の子どもを産みました。
ニップルの主神殿でエンリルとともに祀られ、穀物の豊穣をもたらす女神として崇拝されています。
ゲシュティナンナ(Geshtinanna)──ぶどうの女神
基本情報
- 司る分野:ぶどう、ワイン、夢の解釈、詩
- 関係:ドゥムジの妹
兄ドゥムジの代わりに一年の半分を冥界で過ごすことを申し出た献身的な妹として知られています。
詩と歌の女神としても崇められ、書記の守護者でもありました。
シュメール神話の神々 完全一覧
主神と天界の神々
| 神名(シュメール語) | 神名(アッカド語) | 司る分野 |
|---|---|---|
| アン | アヌ | 天空、王権 |
| エンリル | エンリル | 風、嵐、大気 |
| エンキ | エア | 淡水、知恵、魔術 |
| ニンフルサグ | ベレト・イリ | 大地、出産、豊穣 |
| ナンナ | シン | 月、知恵 |
| ウトゥ | シャマシュ | 太陽、正義 |
| イナンナ | イシュタル | 愛、戦争、豊穣 |
冥界と死の神々
| 神名 | 司る分野 |
|---|---|
| エレシュキガル | 冥界の女王 |
| ネルガル | 疫病、戦争、冥界の王 |
| ナムタル | 運命、死の使者 |
| ニンギシュジダ | 冥界の守護神 |
自然と豊穣の神々
| 神名 | 司る分野 |
|---|---|
| ドゥムジ | 羊飼い、植物 |
| ゲシュティナンナ | ぶどう、夢解釈 |
| ニンリル | 大気、穀物 |
| ニンガル | 葦、月神の妻 |
| アシュナン | 穀物 |
| ラハル | 家畜 |
戦争と技術の神々
| 神名 | 司る分野 |
|---|---|
| ニヌルタ/ニンギルス | 戦争、農業 |
| イシュクル/アダド | 嵐、雷 |
| ギビル | 火、鍛冶 |
原初の神々
| 神名 | 司る分野 |
|---|---|
| ナンム | 原初の海 |
| キ | 大地 |
| アプスー | 淡水の深淵 |
その他の重要な神々
| 神名 | 司る分野 |
|---|---|
| ナンシェ | 魚、社会正義 |
| ニサバ | 文字、学問 |
| ニンイシンナ | 医術 |
| アブガル | 七賢人 |
シュメール神話の影響と遺産
バビロニア・アッシリア神話への継承
シュメール神話の神々は、後のメソポタミア文明に受け継がれました。
- アン → アヌ
- エンキ → エア
- イナンナ → イシュタル
- ウトゥ → シャマシュ
- ナンナ → シン
バビロニアでは新たにマルドゥクが主神として台頭し、アッシリアではアッシュル神が最高神となりましたが、シュメールの神々の基本的な性格は維持されました。
旧約聖書との類似点
シュメール神話と旧約聖書には、驚くほど多くの共通点があります。
- 大洪水神話:ジウスドラ/ウトナピシュティム → ノアの方舟
- 楽園追放:ディルムン(シュメールの楽園)→ エデンの園
- 人間の創造:粘土から人間を創る話
これらの類似は、メソポタミア文化がヘブライ文化に影響を与えた証拠と考えられています。
現代文化への影響
シュメール神話は現代のエンターテイメントでも広く取り上げられています。
- ゲーム:Fate/Grand Orderでイシュタルやギルガメシュが登場
- 小説・漫画:様々なファンタジー作品の元ネタ
- 学術:比較神話学の重要な研究対象
まとめ
シュメール神話は、人類最古の文明が生んだ壮大な神話体系です。
天空神アンから知恵の神エンキ、愛と戦争の女神イナンナまで、多彩な神々が織りなす物語は、自然現象の説明から人間の運命、生と死の循環まで、あらゆるテーマを扱っています。
特に印象的なのは以下の点でしょう。
- イナンナの冥界下り:生と死、季節の循環を象徴する壮大な神話
- エンキの人類愛:大洪水から人類を救った知恵の神
- 3600柱の神々:想像を超える規模のパンテオン
これらの神話は、後のバビロニア、アッシリア、さらにはユダヤ・キリスト教の伝統にまで影響を与えました。
興味を持った神様がいたら、ぜひギルガメシュ叙事詩やイナンナの神話を読んでみてください。
5000年の時を超えて、古代シュメール人の世界観に触れることができるはずです。


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