ヒンドゥー教の中でも特に深い人気と神秘性を持つ神——シヴァ。
破壊の神として知られていますが、実はそれだけではない、多面的で奥深い存在です。
この記事では、シヴァについて名前の意味から神格、神話、そしてその姿の魅力まで、誰でも理解できる言葉で分かりやすく解説していきます。
名前の意味
「シヴァ(Shiva)」という名前はサンスクリット語で「吉祥(きっしょう)」や「幸運」という意味を持っています。
シヴァは「吉祥の」という意味の形容詞として、他の神の名前にも使われました。
(例えば、ルドラ・シヴァ)
系譜
シヴァは、ヒンドゥー教の三大神(トリムルティ)のひとりです。
トリムルティの構成:
- ブラフマー(創造の神)
- ヴィシュヌ(維持の神)
- シヴァ(破壊・再生の神)
シヴァの妻は、パールヴァティー。2人の子どもに、有名なガネーシャ(象の頭の神)とスカンダ(軍神)がいます。
シヴァの愛する乗り物は牡牛のナンディです。
姿・見た目
シヴァの姿は、厳しさと優しさ、荒々しさと静けさを同時に持つ、とても印象的なものです。
主な特徴:
- 第3の目(額にある目):知識と悪事を見抜く力を象徴。開くと全てを焼き尽くす。
- 額の3本線:シヴァを象徴。
- 三つ叉の矛(トリシューラ):創造・維持・破壊の象徴
- 太鼓(ダマル)
- 蛇を首に巻いている:死と再生
- ガンジス川を髪に宿す:川の神が流れている。女神ガンガーの住処。
- 青い喉(ニーラカンタ):乳海攪拌で毒を飲み込んだ影響
- 三日月を頭に戴く
シヴァはさまざまな姿で表現されます。
踊る神(ナタラージャ)としても知られており、片足をあげた姿で踊った姿は有名。
また、裸の修行者、ヨギ、恐ろしい存バイラヴァなど、多様な姿をとります。
神格・神性
シヴァの神性は、破壊=終わりではなく「創造」を意味します。
- 破壊
- 創造
- 瞑想
- ヨーガ
- 芸術
- 舞踊者
破壊だけではなく、さまざまな神格を有しています。
神話
シヴァの神話をいくつか紹介していく。
青い喉になった理由(ニーラカンタ伝説)
ある日、神々と悪魔が「不死の霊薬(アムリタ)」を海から取り出そうとしました(乳海攪拌)。
ところが、先に現れたのは恐ろしい毒(ハーラーハーラ)!
世界を救うため、シヴァはその毒をすべて飲み込み、自分の喉に閉じ込めたのです。
その結果、喉が青く変色し、今でも「ニーラカンタ(青い喉の者)」と呼ばれています。
サティーの死
サティーはシヴァ神を愛していたが、父ダクシャはシヴァを嫌い、結婚の場にも供犠祭にも彼を招かなかった。
サティーは夫を侮辱されたことに耐えきれず、自ら火に身を投じて命を絶つ。
これに激怒したシヴァは供犠祭を破壊し、サティーの遺体を抱えて各地を彷徨い、破壊を繰り返す。
最終的にヴィシュヌが遺体を切り刻きり、それぞれの場所に落ちた破片は女神として祀られるようになった。
後にサティーは、パールヴァティーとして生まれ変わり、再びシヴァの妻となる。
まとめ
シヴァは、破壊の神であると同時に、創造・再生・ヨーガ・舞踏の神でもあります。
- 「シヴァ」は「吉祥・幸せ」を意味する名前
- トリムルティのひとりとして、世界の破壊をつかさどる神
- 第3の目、青い喉、蛇、ガンジス川など個性的な外見
- 毒を飲んで世界を救う神話などがある
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