ヒンドゥー教の民間信仰において、病気を癒す力を持つとされる女神シータラーについて、わかりやすく解説します。
特に北インドで親しまれている、庶民に寄り添う女神の魅力に迫ります。
名前の意味

「シータラー」という名前はサンスクリット語で「涼しい・冷たい」という意味があります。
これは彼女が高熱や疫病をしずめる”冷たい癒しの力”を持つ女神であることを表しています。
他の神との関連
シータラーは、次の神と関連づけられる。
- マリアマン:南インドで信仰される天気と豊穣の女神で、病気を癒す面もあることから結びつけられる。
- パールヴァティ:時にシータラーはパールヴァティの化身だとされる
- シヴァ:シヴァの妃の1人だとされる。
神格と特徴

シータラーは、ヒンドゥー教の主要な神々とは少し異なる、民間信仰に根ざした女神です。
特に天然痘やはしかなどの感染症の守護神として、主に北インドで広く信仰されています。
シータラーの特徴:
- 地方女神 – 正式な聖典よりも、民間の伝承で語られることが多い
- 疫病(病気)の守護神 – 天然痘・はしか・熱病などの病をしずめる力を持つ
- 母なる女神 – 特に女性や子どもの守護者として祈られてきた
- 豊穣の女神
- 雨をもたらす神
病気だけでなく、豊穣に関連しており、彼女は信者を守ってくれる存在。
姿と象徴

シータラーの姿は、病気に関した女神として描かれます。
よく見られる特徴:
- 若い乙女
- ロバに乗り、赤い服を着ている
- (冷水が入っている)水瓶や箒を手にもつ
- 葉っぱを手に持つこともある
- 顔にあばたがあることも
上記のように、病気を治す女神様としての特徴を持っている。
信仰

シータラーは特に北インドでとても深く信仰されています。
もたらすもの:
- 病気治癒
- 無病息災
- 豊穣
- 雨
- 妊娠
- 安産
民に安寧と繁栄をもたらしてくれる女神なので、民間での人気があった。
まとめ
シータラーは、人々の病や不安に寄り添う、静かでやさしい「癒しの母神」です。
ポイントまとめ:
- 名前の意味は「冷たい・涼しい者」
- 天然痘や熱病などをしずめる民間の守護神
- ロバに乗り、水瓶や箒を持つ姿が特徴
- ドゥルガーやカーリーとは違い、庶民的で生活に近い神様
- 「子どもの健康・病気除け」の祈りの対象として信仰されている
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