「世界にはどんな宗教があるの?」「キリスト教とイスラム教って何が違うの?」
そんな疑問を持ったこと、ありませんか?
実は世界には4,000種類以上の宗教があると言われています。ただ、そのほとんどは小規模なもので、世界の人口の8割以上は10種類ほどの主要な宗教を信仰しているんです。
この記事では、世界の主な宗教を一覧形式で紹介しながら、それぞれの特徴や違いをわかりやすく解説していきます。
宗教の分類|「世界宗教」と「民族宗教」

宗教は大きく「世界宗教」と「民族宗教」に分けられます。
世界宗教とは、国や民族の枠を超えて世界中に広まった宗教のこと。
キリスト教、イスラム教、仏教がこれにあたります。「世界三大宗教」とも呼ばれていますね。
一方、民族宗教は特定の地域や民族の中で信仰されている宗教です。
ヒンドゥー教やユダヤ教、日本の神道などが該当します。
面白いのは、信者数でいえばヒンドゥー教は仏教より多いのに「世界三大宗教」には入っていないこと。
なぜかというと、ヒンドゥー教はほぼインド人だけが信仰しているため、「世界に広がった」という条件を満たさないからなんです。
世界の宗教|信者数ランキング
現在、世界で最も信者数が多い宗教はどれでしょうか?
2024〜2025年のデータをもとにしたランキングがこちらです。
| 順位 | 宗教 | 信者数(概算) | 世界人口比 |
|---|---|---|---|
| 1位 | キリスト教 | 約24億人 | 約31% |
| 2位 | イスラム教 | 約20億人 | 約25% |
| 3位 | ヒンドゥー教 | 約12億人 | 約15% |
| 4位 | 無宗教 | 約12億人 | 約16% |
| 5位 | 仏教 | 約5億人 | 約6% |
| 6位 | 民間信仰 | 約4億人 | 約6% |
| 7位 | シク教 | 約3,000万人 | 約0.4% |
| 8位 | ユダヤ教 | 約1,500万人 | 約0.2% |
| 9位 | その他 | 約5,800万人 | 約1% |
出典:Pew Research Center「How the Global Religious Landscape Changed from 2010 to 2020」(2025年6月)、Britannica「List of religious populations」を参考に作成
意外なのは「無宗教」が4位にランクインしていること。中国や日本では「特定の宗教を信じていない」と答える人が多いんですね。
世界三大宗教を詳しく解説
キリスト教|世界最大の宗教
キリスト教は約2,000年前、現在のイスラエル地域で生まれました。イエス・キリストの教えをもとにした宗教で、聖典は「聖書」です。
特徴的なのは「神は人間を愛している」という考え方。人間には「原罪」という生まれながらの罪があるけれど、イエス・キリストを信じることで救われる——これがキリスト教の核心部分です。
主な宗派は3つあります。
- カトリック:ローマ教皇を最高指導者とする。世界で約13億人
- プロテスタント:16世紀の宗教改革で生まれた。約6億人
- 東方正教会:ロシアやギリシャで盛ん。約3億人
日曜日の礼拝、クリスマス、イースター(復活祭)などがキリスト教の代表的な行事です。
イスラム教|最も成長している宗教
イスラム教は7世紀にアラビア半島で誕生しました。預言者ムハンマドが神(アッラー)から授かった教えを説いた宗教です。
信者は「ムスリム」と呼ばれ、聖典は「コーラン(クルアーン)」。一神教で、アッラー以外の神は認めません。
興味深いのは、イスラム教がキリスト教やユダヤ教と「親戚関係」にあること。3つの宗教はすべてアブラハムという人物を祖とするため、「アブラハムの宗教」とも呼ばれています。
ムスリムには「五行」と呼ばれる義務があります。
- 信仰告白(シャハーダ)
- 1日5回の礼拝(サラート)
- 喜捨(ザカート)
- ラマダン月の断食(サウム)
- メッカへの巡礼(ハッジ)
豚肉を食べない、お酒を飲まないといった戒律も有名ですね。現在、世界で最も信者数が増えている宗教で、2050年にはキリスト教に迫る勢いだと予測されています。
仏教|アジアに広がる「悟りの宗教」
仏教は紀元前5世紀頃、インドでお釈迦様(ゴータマ・シッダールタ)が開いた宗教です。
キリスト教やイスラム教と大きく違うのは、「神様に祈る」宗教ではないこと。仏教では、人間の苦しみの原因は「執着」にあると考えます。執着を手放し、悟りを開くことで心の安らぎ(涅槃)に至る——これが仏教の教えです。
仏教には大きく2つの流れがあります。
- 上座部仏教:タイ、ミャンマー、スリランカなど東南アジアで盛ん
- 大乗仏教:中国、韓国、日本などで信仰される
日本の仏教は大乗仏教で、浄土宗、浄土真宗、禅宗、日蓮宗など13の宗派に分かれています。
民族宗教|地域に根ざした信仰

ヒンドゥー教|インドの魂
ヒンドゥー教は世界で3番目に信者数が多い宗教ですが、そのほとんどがインド人です。
特定の開祖がいないのが特徴で、インドの土着の信仰が数千年かけて発展したものと考えられています。聖典は「ヴェーダ」で、「輪廻転生」(生まれ変わり)と「カルマ」(行いの報い)の思想が有名です。
ブラフマー(創造神)、ヴィシュヌ(維持神)、シヴァ(破壊神)をはじめ、数多くの神々を信仰する多神教。牛を神聖視するため、牛肉を食べないという戒律があります。
ユダヤ教|一神教の原点
ユダヤ教はユダヤ民族の宗教で、キリスト教やイスラム教のルーツともいえる存在です。
紀元前2000年頃、アブラハムが唯一神ヤハウェと契約を結んだことが起源とされています。聖典は「タナハ(旧約聖書)」と「タルムード」。
信者数は約1,500万人と決して多くありませんが、文化的・歴史的に大きな影響力を持っています。イスラエルとアメリカに信者が集中しているのが特徴です。
神道|日本固有の信仰
神道は日本に古くから伝わる民族宗教です。
自然や祖先、英雄などに宿る「八百万の神」を信仰する多神教で、教祖や明確な教義がないのが特徴。神社での参拝、お祭り、初詣などは神道の習慣です。
面白いのは、多くの日本人が仏教と神道の両方を信仰していること。お葬式は仏式、結婚式は神式(または教会)という人も珍しくありません。
その他の主要な宗教
シク教|インド生まれの一神教
シク教は16世紀にインドのパンジャーブ地方で生まれた宗教です。開祖はグル・ナーナク。
ヒンドゥー教とイスラム教の影響を受けつつも、独自の一神教として発展しました。信者数は約3,000万人で、ターバンを巻いた姿が特徴的です。
ジャイナ教|究極の非暴力
ジャイナ教は紀元前6世紀頃、仏教とほぼ同時期にインドで生まれました。
「アヒンサー(不殺生)」を徹底する宗教で、虫すら殺さないよう口にマスクをする修行者もいます。信者数は約500万人とされています。
ゾロアスター教|世界最古の一神教的宗教
ゾロアスター教は紀元前1000年頃、古代ペルシア(現在のイラン)で生まれました。「拝火教」とも呼ばれます。
善と悪の対立、最後の審判、天国と地獄といった考え方は、ユダヤ教やキリスト教に大きな影響を与えたとされています。現在の信者数は約20万人と少ないですが、歴史的な重要性は計り知れません。
ちなみに、ロックバンド「クイーン」のフレディ・マーキュリーはゾロアスター教徒の家庭で育ちました。
儒教・道教|東アジアの思想
儒教は紀元前5世紀頃、中国の孔子が説いた思想です。「宗教」というより「道徳哲学」という側面が強く、礼儀や秩序、孝行を重視します。
道教は老子や荘子の思想をもとにした中国の宗教。自然との調和や「無為自然」を説きます。太極図(陰陽マーク)は道教のシンボルとして有名です。
宗教の関係性|3つの「系統」
世界の主な宗教は、大きく3つの系統に分けられます。
アブラハム系宗教
- ユダヤ教、キリスト教、イスラム教
- 一神教で、同じ神を信仰する「兄弟宗教」
- 中東が発祥地
インド系宗教
- ヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教、シク教
- 輪廻転生やカルマの思想を共有
- インドが発祥地
東アジア系宗教
- 儒教、道教、神道
- 自然崇拝や祖先崇拝の要素
- 中国・日本が発祥地
それぞれが影響を与え合いながら、長い歴史の中で発展してきたんですね。
世界の宗教一覧表
| 宗教名 | 読み方 | 発祥地 | 成立時期 | 信者数(概算) | 主な聖典 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| キリスト教 | キリストきょう | パレスチナ | 1世紀 | 約24億人 | 聖書 | イエス・キリストを救世主とする一神教 |
| イスラム教 | イスラムきょう | アラビア半島 | 7世紀 | 約20億人 | コーラン | 唯一神アッラーを信仰する一神教 |
| ヒンドゥー教 | ヒンドゥーきょう | インド | 紀元前15世紀頃 | 約12億人 | ヴェーダ | 多神教、輪廻転生の思想 |
| 仏教 | ぶっきょう | インド | 紀元前5世紀頃 | 約5億人 | 経典(多数) | 悟りによる解脱を目指す |
| シク教 | シクきょう | インド | 16世紀 | 約3,000万人 | グル・グラント・サーヒブ | 一神教、カースト制度を否定 |
| ユダヤ教 | ユダヤきょう | パレスチナ | 紀元前2000年頃 | 約1,500万人 | タナハ、タルムード | 一神教の原点、選民思想 |
| 神道 | しんとう | 日本 | 古代 | 約1億人(日本) | なし | 八百万の神を信仰する多神教 |
| 儒教 | じゅきょう | 中国 | 紀元前5世紀頃 | 約600万人 | 四書五経 | 礼儀・道徳を重視する思想体系 |
| 道教 | どうきょう | 中国 | 紀元前4世紀頃 | 約1,200万人 | 道徳経 | 自然との調和を説く |
| ジャイナ教 | ジャイナきょう | インド | 紀元前6世紀頃 | 約500万人 | アーガマ | 徹底した非暴力主義 |
| ゾロアスター教 | ゾロアスターきょう | ペルシア | 紀元前10世紀頃 | 約20万人 | アヴェスター | 善悪二元論、拝火教とも呼ばれる |
| バハーイー教 | バハーイーきょう | イラン | 19世紀 | 約700万人 | キターベ・アクダス | 人類の統一を説く新興宗教 |
まとめ
この記事では、世界の主な宗教を一覧形式で紹介しました。
ポイントをおさらいすると…
- 世界には4,000種類以上の宗教があるが、主要な宗教は10種類ほど
- 「世界三大宗教」はキリスト教、イスラム教、仏教
- 宗教は「世界宗教」と「民族宗教」に分類できる
- キリスト教・イスラム教・ユダヤ教は同じルーツを持つ「アブラハム系宗教」
- 日本人は仏教と神道を両方信仰している人が多い
宗教は、その土地の文化や歴史と深く結びついています。
異なる宗教について知ることは、世界の多様性を理解する第一歩になるのではないでしょうか。

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