大天使ラファエルとは?「神は癒す」という名を持つ天使の役割と伝説を徹底解説

神話・歴史・伝承

映画やアニメ、ゲームで「ラファエル」という名前を聞いたことはありませんか?

ミカエルやガブリエルと並んで有名な大天使の一人ですが、「名前は知ってるけど、どんな天使なの?」「他の大天使とどう違うの?」と思う方も多いのではないでしょうか。

実は、ラファエルには他の大天使にはない特別な役割があります。
それは「癒し」を司る天使であるということ。

この記事では、大天使ラファエルの名前の意味や役割、聖書に登場するエピソード、そして他の大天使との違いについてわかりやすく解説していきます。


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大天使ラファエルとは?

名前の意味

ラファエル(Raphael) という名前は、ヘブライ語で 「神は癒す」 または 「神が癒した者」 という意味を持っています。

ヘブライ語の「רפא(ラファ)」は「癒す・治療する」を意味する言葉なんです。
この名前の由来からもわかるように、ラファエルは古くから「癒しの天使」として信仰されてきました。

ラファエルの別名

ラファエルには、いくつかの別名があります。

  • アザリア(アザリアス):人間に変装した際に名乗った名前
  • ラビエル:古代カルデア人がラファエルを呼んだ名前
  • イスラフィール:イスラム教での呼び名

特に「アザリア」は、聖書の『トビト記』でラファエルが人間のふりをして旅に同行した際に使った偽名として有名です。

大天使の中でのラファエルの位置づけ

ラファエルは、キリスト教やユダヤ教において 三大天使 の一人として数えられています。

三大天使とは?

天使名名前の意味主な役割
ミカエル神に似た者戦いと守護
ガブリエル神の力神の言葉を伝える使者
ラファエル神は癒す癒しと旅の守護

この三柱は、聖書やユダヤ教の外典に名前が登場する重要な天使です。
さらにウリエルを加えて「四大天使」、他の天使を加えて「七大天使」と呼ぶこともあります。


ラファエルが登場する聖典

『トビト記』とは

ラファエルが主役として活躍するのが、旧約聖書外典の 『トビト記』 です。

この書物の扱いは宗派によって異なっています。

  • カトリック教会・正教会:旧約聖書続編(第二正典)として認める
  • プロテスタント:正典としては認めない
  • ユダヤ教:外典として扱う

ただし、どの宗派でも『トビト記』はラファエルについて知る重要な資料として認識されているんです。

トビト記のあらすじ

紀元前8世紀頃のお話です。

ニネベという町に、トビトという善良な男性が住んでいました。
彼はある日、雀の糞が目に入ったことがきっかけで失明してしまいます。

どんな治療を試しても目は治らず、周囲からも冷たくあしらわれるように。
絶望したトビトは「自分を死なせてほしい」と神に祈るようになりました。

同じ頃、メディアという町にサラという若い女性がいました。
サラは結婚するたびに、新婚初夜に夫が突然死するという悲劇に見舞われていたんです。
原因は、サラに取り憑いた悪魔アスモデウス。
七人もの夫を失ったサラもまた、「死なせてほしい」と神に祈っていました。

神は二人の祈りを聞き入れ、大天使ラファエルを地上に遣わします。

ラファエルの活躍

ラファエルは「アザリア」という人間の名前を使い、トビトの息子トビアスの旅に同行することになりました。

トビトはメディアの町に預けていたお金を取りに行かせるため、息子を旅立たせたのです。
ラファエルは旅の案内人として雇われたというわけなんですね。

旅の途中、チグリス川でトビアスが巨大な魚に襲われそうになります。
ここでラファエルは重要な助言をしました。

「その魚を捕まえなさい。そして心臓と肝臓と胆のうを取り出して持ち帰りなさい」

トビアスは言われた通りにしました。

メディアの町に着くと、ラファエルはトビアスにサラと結婚するよう勧めます。
トビアスは最初、サラの話を聞いて怖がりましたが、ラファエルの指示に従いました。

結婚初夜、トビアスは魚の心臓と肝臓を香炉で焚きます。
すると、その煙を嗅いだ悪魔アスモデウスは逃げ出し、ラファエルがエジプトの奥地に閉じ込めたのです。

サラは呪いから解放されました。

父トビトの失明が治る

無事に旅から戻ったトビアスは、ラファエルの教えに従って魚の胆のうを父の目に塗ります。
すると、目を覆っていた白い膜が剥がれ落ち、トビトは視力を取り戻したのです。

ここでラファエルは正体を明かします。

「わたしは、栄光に輝く主の御前に仕えている七人の天使の一人、ラファエルである」

このエピソードから、ラファエルは以下のような守護者として信仰されるようになりました。

  • 病人を癒す守護者
  • 旅人を守る守護者
  • 悪魔から人々を守る守護者

ラファエルの役割と能力

癒しの天使

ラファエルの最も重要な役割は 「癒し」 です。

この癒しには、いくつかの側面があります。

身体の癒し

  • 病気や怪我の治療
  • 視力回復(トビトのエピソードより)
  • 医療関係者への導き

精神の癒し

  • 心の傷やトラウマを和らげる
  • ストレスや不安からの解放
  • 悲しみや孤独からの回復

霊的な癒し

  • 悪霊や悪魔からの解放
  • 魂の浄化

聖書外典の『エノク書』には、ラファエルについて「人間の子どものあらゆる病気と傷を治す」と記されています。

旅人の守護者

『トビト記』でトビアスの旅に同行したことから、ラファエルは 旅人を守る天使 としても知られています。

これは単なる物理的な旅だけでなく、「人生という旅路」の守護も含まれるとされているんです。

人生の岐路に立ったとき、正しい道へ導いてくれる存在として信仰されてきました。

医療従事者の守護聖人

カトリック教会では、ラファエルは以下の人々の 守護聖人 とされています。

  • 医師・看護師
  • 薬剤師
  • 盲人
  • 旅行者
  • パイロット
  • 病人

医療や癒しに携わる人々を導き、サポートする天使として現代でも信仰されているんですね。


他の大天使との違い

ミカエルとラファエル

ミカエル は天使の軍団を率いる「戦いの天使」です。
悪魔や悪霊と戦い、人々を守護することが主な役割となっています。

一方、ラファエル は戦いではなく「癒し」を担当。
傷ついた人々を治療し、心身を回復させる役割を持っています。

簡単に言えば、ミカエルが「攻撃」担当なら、ラファエルは「回復」担当といえるでしょう。

ガブリエルとラファエル

ガブリエル は神の言葉を人間に伝える「使者」としての役割が中心です。
聖母マリアにイエス・キリストの受胎を告げたのもガブリエルでした。

ラファエル は言葉を伝えるよりも、実際に行動で人々を助けることが特徴的。
『トビト記』では人間の姿で旅に同行し、直接的なサポートを行いました。

三大天使の役割まとめ

天使名主な役割キーワード
ミカエル戦いと守護勇気、正義、保護
ガブリエル神の言葉を伝える通信、啓示、伝達
ラファエル癒しと導き健康、旅、回復

ラファエルを象徴するもの

シンボル・持ち物

芸術作品では、ラファエルは以下のものを持った姿で描かれることが多いです。

  • :トビト記で父の目を治す薬を作った魚
  • :旅人の象徴
  • 水筒:旅の必需品
  • 薬壺:癒しの象徴
  • サンダル:旅人としての姿

特に「トビアスと天使」という題材は、ルネサンス期のイタリアで非常に人気があり、多くの画家がラファエルとトビアスの旅を描きました。

ラファエルを象徴する色

ラファエルは エメラルドグリーン という色と結びつけられています。

緑色は自然や癒しを連想させる色であり、ラファエルの「癒しの天使」という役割にぴったりです。

また、緑色はハートチャクラ(心臓のエネルギーセンター)の色でもあるため、心の癒しとも関連づけられているんですね。


各宗教でのラファエル

ユダヤ教での位置づけ

ユダヤ教では、ラファエルは古くから「癒しを司る天使」として認識されてきました。

バビロニアのタルムード(ユダヤ教の教え)によると、ラファエルは「マムレのオーク」でアブラハムの前に現れた三人の天使のうちの一人とされています。

このとき、ラファエルは割礼を行ったばかりのアブラハムを癒し、その後ロトを救ったと伝えられているんです。

また、ヤコブが天使と格闘した際に外れた関節を治したのもラファエルだという伝承があります。

キリスト教での位置づけ

新約聖書にはラファエルの名前は直接登場しません。
しかし、『ヨハネによる福音書』5章に記された「ベテスダの池で水を動かして癒しを行う天使」がラファエルだと解釈されてきました。

カトリック教会では、ミカエル、ガブリエルとともにラファエルを三大天使として崇敬しています。
祝日は 10月24日(または9月29日に三大天使まとめて)です。

イスラム教での位置づけ

イスラム教では、ラファエルは イスラフィール という名前で知られています。

イスラフィールは最後の審判の日にラッパを吹き、人間に神の裁きを告げる天使とされているんです。

ただし、ラファエルとイスラフィールを別の天使とする見解もあり、同一視するかどうかは議論が分かれています。


ラファエルが登場する現代の作品

大天使ラファエルは、現代のエンターテイメントでも人気のキャラクターです。

ゲーム作品

  • モンスターストライク:癒し系の大天使として登場
  • ペルソナシリーズ:ペルソナとして召喚可能
  • パズル&ドラゴンズ:モンスターとして登場
  • Fate/Grand Order:サーヴァントとして登場
  • ソウルキャリバー:レイピアを武器に戦うキャラクター

漫画・アニメ

  • 天使禁猟区:天界最高位の医者として登場
  • ハイスクールD×D:天使として登場

これらの作品では、癒しや医療に関する能力を持つキャラクターとして描かれることが多いですね。


三大天使・四大天使・七大天使の違い

ラファエルを含む大天使の分類について整理しておきましょう。

三大天使

聖書や外典に明確に名前が登場する三柱の天使です。

  1. ミカエル
  2. ガブリエル
  3. ラファエル

どの宗派でも共通して認められている重要な大天使たちなんですね。

四大天使

三大天使に ウリエル を加えた四柱です。

ただし、ウリエルは外典にのみ登場するため、宗派によっては認めていないこともあります。
カトリック教会では、8世紀頃にウリエルを崇敬対象から外しました。

七大天使

四大天使にさらに三柱を加えたものですが、誰が入るかは文献や宗派によって異なります。

エノク書の場合

  1. ミカエル
  2. ガブリエル
  3. ラファエル
  4. ウリエル
  5. ラグエル
  6. サリエル
  7. レミエル

東方正教会の場合

  1. ミカエル
  2. ガブリエル
  3. ラファエル
  4. ウリエル
  5. セラフィエル
  6. イェグディエル
  7. バラキエル

このように、七大天使の構成は一定していないんです。


まとめ

大天使ラファエルは、「神は癒す」という名前の通り、癒しを司る天使として古くから信仰されてきました。

ラファエルの特徴をおさらい

  • 名前の意味:ヘブライ語で「神は癒す」
  • 主な役割:癒し、旅の守護、医療従事者の守護
  • 登場する聖典:トビト記、エノク書
  • 有名なエピソード:トビアスの旅に同行し、父トビトの失明を治す
  • 象徴するもの:魚、杖、エメラルドグリーン
  • 三大天使の一人:ミカエル、ガブリエルと並ぶ重要な天使

ミカエルが「戦いの天使」、ガブリエルが「伝達の天使」なら、ラファエルは「癒しの天使」。
それぞれが異なる役割を持ちながら、人々を助けてきたとされています。

現代でもゲームやアニメで人気のキャラクターとして登場することが多いラファエル。
その原点となる『トビト記』のエピソードを知ると、作品をより深く楽しめるかもしれませんね。

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