自分で作った怖い話が、まさか現実になるなんて思いますか?
1990年代、インターネットが普及し始めた頃、ある少女が作った怪談が実際に起こってしまったという恐ろしい都市伝説が生まれました。
創作のはずだった物語が現実となり、作者自身がその犠牲になってしまう…そんな信じられない出来事が「パソコン通信の怪」として語り継がれているんです。
この記事では、創作と現実の境界が曖昧になる恐怖の都市伝説「パソコン通信の怪」について詳しくご紹介します。
概要

「パソコン通信の怪」は、1990年代のインターネット黎明期に生まれた都市伝説です。
インターネットが一般家庭に普及し始めた当時、ある少女が自分のオリジナル怪談をネット上で流行らせようと考えました。そして実際にその怪談を掲示板などに投稿したところ、話は瞬く間に広まっていったんです。
ところが、創作のはずだった怪談が現実の出来事として起こってしまい、最終的に作者である少女自身がその犠牲になってしまったという恐ろしい話なんですね。
記録としての信憑性
この話は、民俗学者の松谷みよ子が著した『現代民話考12』という書籍にも収録されています。1994年10月に記録されたとされており、単なるネット上の噂話というだけでなく、民俗学的な資料としても残されている点が興味深いところです。
また、テレビドラマ「世にも奇妙な物語」で放映された「噂のマキオ」という話が元になっているのではないかとも言われています。この作品でも、パソコン通信で流した創作怪談が現実になり、創作者本人が犠牲になるという同じ展開が描かれているんです。
伝承

少女が作った怪談の内容
少女が創作した怪談は、こんな内容でした:
オリジナル怪談のあらすじ
- ある公園に行くと、一人の少年が遊んでいる
- その少年が「一緒に遊ぼう」と声をかけてくる
- 「いやだよ」と答えると、無事に帰ることができる
- 「いいよ」と答えると、殺されてしまう
とてもシンプルな話ですが、選択によって生死が分かれるという設定が印象的だったのでしょう。この怪談はインターネット上で急速に広まり、多くの人々の間で話題となりました。
恐怖の現実化
怪談が広まってしばらくした後、少女は試しに自分が話の舞台に設定した公園を訪れてみることにしました。
すると…なんと本当に一人の少年が公園で遊んでいたんです。
そして、その少年は少女に向かってこう尋ねてきました:
「一緒に遊ぼう」
まさに自分が作った怪談と同じ展開です。少女は驚きましたが、これはただの偶然だろうと考えました。なにしろ、自分で作った話なのですから、本当に起こるはずがないと思ったんですね。
致命的な選択
少女は「どうせ作り話だし」という軽い気持ちで、少年の誘いに対して「いいよ」と答えてしまいました。
これが取り返しのつかない選択でした。
少女は自分の作った怪談の通りに、本当に殺されてしまったのです。創作のはずだった物語が現実となり、作者自身がその犠牲になるという、想像を絶する結末を迎えたんですね。
この話が伝える教訓
この都市伝説には、いくつかの解釈があります:
考えられる意味
- 言葉には力があり、創造したものが現実化することもある
- インターネットという新しいメディアへの不安や恐怖
- 創作と現実の境界が曖昧になる危険性
- 軽い気持ちで恐ろしい話を作ることへの警告
特に1990年代は、インターネットが急速に普及し始めた時期です。この新しいテクノロジーに対する期待と同時に、未知のものへの不安や恐怖も存在していました。「パソコン通信の怪」は、そうした時代背景を反映した都市伝説と言えるでしょう。
まとめ
「パソコン通信の怪」は、創作と現実の境界を問いかける現代的な都市伝説です。
重要なポイント
- 1990年代のインターネット黎明期に生まれた都市伝説
- 少女が創作した怪談が現実のものとなってしまう
- 「一緒に遊ぼう」という少年の誘いに答えると殺される
- 作者自身が自分の創作の犠牲になってしまう
- 松谷みよ子『現代民話考12』にも記録されている
- 「世にも奇妙な物語」の「噂のマキオ」が元ネタの可能性
- 言葉の力とネット社会の恐怖を象徴する話
この都市伝説は、ただ怖いだけでなく、私たちに大切なことを教えてくれます。
言葉には想像以上の力があるということ、そして創作であっても軽々しく恐ろしい話を作るべきではないということ。
もしあなたがインターネットで怖い話を作ろうと思ったら…この「パソコン通信の怪」のことを思い出してみてください。
その話が、いつか現実になるかもしれませんから。


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