ヒンドゥー教で「理想の妻」「母なる女神」として広く崇められているパールヴァティーについて、わかりやすく解説します。
女神の深い物語と多面的な魅力に迫りましょう。
名前の意味
「パールヴァティー」という名前はサンスクリット語の「パルヴァタ(山)」から来ています。
そこから「山の娘」という意味です。
これは彼女がヒマラヤ山の神(ヒマヴァン)の娘として生まれたことに由来しています。
家族関係

パールヴァティーは、ヒンドゥー教の重要な神々の家族の中心的存在です:
- 夫:シヴァ(破壊と再生の神)
- 息子:ガネーシャ(障害除去と知恵の神)
- 息子:スカンダ(勝利と戦いの神)
- 父:ヒマヴァン(ヒマラヤ山の神)
インド神話の中でも高い地位を持つ破壊神シヴァの妃として有名。
姿と特徴

パールヴァティーは、優雅で穏やか、美しさと母性を兼ね備えた女神として描かれています。
- 優しい表情と穏やかな笑顔
- 赤や金色のサリーを身にまとい、片手に何か持っている
- 額にビンディ(赤い点)をつけている
- しばしば夫シヴァの隣に座る姿で描かれる
- 時に獅子に乗っている
多面的な女神としての姿
パールヴァティーは単なる「優しい妻」ではありません。
状況に応じて様々な姿に変身する多面的な女神です。
姿 | 特徴と意味 |
---|---|
パールヴァティー | 穏やかで母性的な女神 |
ドゥルガー | 悪魔を倒す戦いの女神、獅子に乗り武器を持つ |
カーリー | 時をの女神、殺戮を好み恐ろしい姿 |
他にもさまざまな別名と姿をもつ。
神格
以下は、パールヴァティの神格:
- 母性
- 豊穣
- 調和
有名な神話
有名な神話をいくつか紹介する。
シヴァとの結婚

シヴァは妻サティーの死後、世を捨てて山で瞑想し修行をしていました。
左ティーの生まれ変わりパールヴァティーはそんなシヴァに恋をし、彼のそばで共に修行を重ねました。
強い愛と忍耐の末、シヴァはパールヴァティを愛するようになり、二人は結ばれたと言われています。
ガネーシャの誕生

パールヴァティーは自分の体の垢から人形を作り、命を吹き込みました。
それがガネーシャです。彼女が沐浴している間、門番をさせていたところ、帰ってきたシヴァが彼を知らずに首をはねてしまいます。
怒ったパールヴァティーに迫られ、シヴァは象の頭を与えてガネーシャを生き返らせました。
スカンダの誕生
強敵ターラカースラを倒すためには「シヴァの子」が必要でした。
そのため、パールヴァティーは火の中からスカンダを生み出し、6人の女神(プレアデス星団)によって育てられたとされています。
パールヴァティーは「愛の母」であると同時に「戦いの母」でもあるのです。
まとめ
パールヴァティーは、確かな愛と強い意志、そして多様な姿を持つヒンドゥー教の母なる女神です。
- 名前の意味は「山の娘」
- シヴァの妻であり、ガネーシャとスカンダの母
- 母性や調和の神格
- 穏やかな姿から戦いの女神まで、様々な姿をとる
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