はじめに:オトタチバナヒメって誰?
「オトタチバナヒメ」は、日本神話に登場する古代の女性で、ヤマトタケルの正妻です。
彼女はただのお妃ではなく、愛する人のために自らの命をささげた女性なんです!
この記事では、
- 名前の意味
- 系譜(家系)
- どんな存在だったのか
- 神話でのエピソード
- 神社やご利益
まで、読みやすく、わかりやすく、心に残るようにお伝えしていきます。
名前の意味

「オトタチバナヒメ(弟橘媛)」という名前には、美しく清らかな意味が込められています。
部分 | 意味 |
---|---|
タチバナ(橘) | ミカンなどの柑橘系。冬も枯れない常緑樹から「生命力」「不老不死」「呪力」の象徴 |
ヒメ(媛) | 高貴な女性・姫君 |
「タチバナ(橘)」が名前で重要なポイント。
タチバナは、懐妊や海にも関連している。
系譜:どこの家の出身だったの?
オトタチバナヒメは、古代の有力豪族・穂積氏の祖先とされる女性です。
- 父:タケオシヤマタリネ(建忍山垂根)
- 夫:ヤマトタケル(第12代景行天皇の皇子)
父タケオシヤマタリネは、穂積氏の祖先。
オトタチバナヒメは、皇族ではなく、氏族出身の高貴な姫。
でも、のちにヤマトタケルの心を射止め、正妻となります。
神格:愛と献身の象徴
オトタチバナヒメは、神としてまつられるようになってからは、こんな性格や力を持つとされています。
- 縁結び
- 海の神を祀る巫女
とくに「海を守る女神」「嵐をしずめる神」として、船旅や漁師さんにも信仰されています。
彼女の神格は、一つの行動から生まれたものですが、その行動には計り知れない愛と勇気が込められていました。
神話:愛の物語

オトタチバナの神話は、彼女の献身的な愛の物語。
- 夫・ヤマトタケルが任務で相模(さがみ)国へ遠征中
- 相模湾を渡ろうとするが、海が大嵐になって船が進めない
- オトタチバナヒメが「これは海神の怒りです。私が身代わりになります」と言う
- 彼女は船の上で畳八枚を敷き、その上に座って海に身を投げる
- 嵐はすぐに静まり、ヤマトタケルは無事に旅を続けられた
- 後日、浜辺で彼女の櫛(くし)が打ち上げられ、ヤマトタケルは深く悲しんだ
自分の命をかけてでも、愛する人に尽くす気持ちが描かれている。
神社とご利益:今も語りつがれる”愛の守り神”

オトタチバナヒメは今も全国の神社でまつられています。特に有名なのがこちら!
橘樹神社(たちばなじんじゃ)|千葉県
- ヤマトタケルと一緒にまつられている
- オトタチバナヒメを手厚く葬理、橘の木を植えた
走水神社(はしりみずじんじゃ)
- ヤマトタケルと一緒にまつられている
- ヤマトタケルが東征で寄った場所
吾妻神社(おとたちばなひめじんじゃ)|神奈川県
- オトタチバナヒメの流れついた櫛を祀った
ご利益まとめ
- 勝運祈願
- 開運出世
- 海上安全
- 商売繁盛
- 縁結び
番外編:地名や神社名の由来
オトタチバナヒメは、地名や神社名の由来になっている。
- 吾妻:ヤマトタケルが妻の死を悼んで「吾妻はや」と嘆いたことが由来
- 東京湾沿岸の袖ケ浦市と習志野市の袖ケ浦:オトタチバナヒメの着物が流れ着いた場所
まとめ
最後に、今回のまとめをしておきましょう!
- ヤマトタケルの正妻であり、命がけで夫を守った女性
- 名前の橘に「生命力」「不老不死」「呪力」などの意味がこめられている
- 「海の神を祀る神子」「縁結びんの神」として信仰されている
- 神奈川県の神社を中心にまつられている
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