オオヤマクイノカミとは?山の神様の正体とは?

神話・歴史・伝承

皆さんは、山に神様が宿ると考える古来からの日本の信仰を知っていますか?

日本人は古くから、山を単なる自然の一部としてではなく、神聖な場所、神々の住まいとして崇めてきました。

今回は、そんな山の神様の中でも特に重要な存在である「オオヤマクイノカミ(大山咋神)」について紹介します。

国土と人々の暮らしを守る神様として、現代でも多くの神社で祀られているこの神様の魅力に迫りましょう。

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オオヤマクイノカミの名前の意味

まずは「オオヤマクイノカミ(大山咋神)」という名前に込められた意味を紐解いてみましょう。

この名前は四つの要素から成り立っています:

  • 「オオ(大)」:大きい、偉大な、広大なという意味
  • 「ヤマ(山)」:文字通り山のこと
  • 「クイ(咋)」:諸説あり。依代や山頂、山の所有を示す杭などを意味する。
  • 「カミ(神)」:神様であることを示す言葉

オオヤマクイノカミの系譜

『古事記』や『日本書紀』などの古代の文献によると、オオヤマクイノカミの系譜は以下のように伝えられています:

  • 父神オオトシノカミ
  • 母神:アメチカルミヅヒメ
  • :(カモ)タマヨリヒメ
  • :カモワケイカヅチノカミ

オオトシノカミはスサノオの子で、ウカノミタマ(稲荷)の兄。

オオヤマクイノカミの神格(持つ力と役割)

オオヤマクイノカミには、どのような力や役割が与えられているのでしょうか。この神様の神格(神としての性質や力)をまとめてみましょう。

オオヤマクイノカミの主な神格

  • 山の神
  • 比叡山(ひえいざん)の地主神
  • 天台宗守護
  • 農耕神

元々は比叡山の地主神。

オオヤマクイノカミに関する神話

オオヤマクイノカミには丹塗矢の神話がある。

カモタケツヌミノミコトの娘タマヨリヒメが川で遊んでいたら、彼女の元に丹塗矢が流れてきた。

タマヨリヒメが丹塗矢を持ち帰り枕元に置いて寝ると、カモワケイカヅチノカミを懐妊した。

この丹塗矢は、オオヤマクイノカミの化身だとされる

タマヨリヒメという名前の女神は、複数いる。

比叡山の神霊としての信仰

歴史的には、オオヤマクイノカミは特に比叡山の神霊(山の神様)として信仰されてきました。

比叡山は古来より神聖な山として崇められ、後には仏教(天台宗)の修行の場としても重要な位置を占めるようになります。

この過程で、オオヤマクイノカミは天台宗の守護神としても信仰されるようになりました。

神仏習合(しんぶつしゅうごう:神道と仏教が融合した信仰形態)の流れの中で、山岳信仰と仏教修行が結びついた重要な例といえるでしょう。

また、オオヤマクイノカミは神仏習合において日吉山王権現(ひえさんのうごんげん)と呼ばれた。

山王権現(大山咋)の神使は「猿」。

オオヤマクイノカミを祀る神社とご利益

I, KENPEI, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=6389088による

オオヤマクイノカミを主祭神(主に祀られている神様)とする神社は、関西地方を中心に全国に数多く存在します

。中でも最も有名なのが「日吉大社(ひよしたいしゃ)」です。

主な神社

  • 日吉大社(滋賀県)
  • 松尾大社(京都府)
  • 日枝神社(東京都)

ご利益

オオヤマクイノカミにお参りすると、以下のようなご利益があるとされています:

  • 諸商業繁栄
  • 家系繁栄
  • 厄除け
  • 開運

まとめ – オオヤマクイノカミから学ぶこと

オオヤマクイノカミについて見てきました。

  • 系譜ではオオトシノカミの子で、比叡山との関わりが深い神様です
  • 神格は山・比叡山・天台宗の守り神
  • 神話では丹塗矢となってタマヨリヒメを懐妊させる
  • 日吉大社を中心に、全国で諸商業や家系を反映させる神として現代でも信仰が続いています

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